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エアモニター air monitor 1.放送電波を受信して、実際に放送されている番組を監視すること。または、その装置。
2.劇場やホールにおいて客席内の音響状態を監視するためのモニター装置。通常、客席天井からマイクロフォンを吊り下げるなどして収音する。
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エーエフ(AF) audio frequency 可聴周波数。耳で聴くことのできる範囲の周波数。これに対して、無線周波数をRF(→アールエフ)という。 .
エーがた(A型)コネクター . 照明用コネクターのひとつ。大小の2種類があるが、通常用いられるのは小型の方。定格は大型60A、小型30A。【参照】→C型コネクター .
エキサイター exciter 電気楽器などの音に埋もれがちなボーカルや生楽器の明瞭度を上げるための装置。フィルターや歪発生回路などを組み合わせた回路で、フェイズシフト回路で位相差のある信号を作り原音と合成する方式や、一種の歪発生回路によって波形を歪ませて高音域の倍音を原音と合成する方式などがある。 .
エキスパンダー expander 信号のダイナミックレンジ(→ダイナミックレンジ)を拡大する回路を伸張回路といい、その装置をエキスパンダーという。使用目的から2種類に分類できる。ひとつは圧縮された信号を元に戻す役割をする伸張回路で、ドルビー(→ドルビーノイズリダクション)やdbx(→ディービーエックス)といったノイスリダクションシステム(→ノイスリダクションシステム)、衛生やISDNなどで圧縮して伝送されてきた信号を伸張するシグナルエキスパンダーなどがある。もうひとつはバックグラウンドのノイズの低減、例えば録音テープのヒスノイズやマイクのかぶり音(→かぶり込み)を改善するために、低レベルの音を一層小さくするための伸張回路で、ノイズゲートに使われている。 .
エクスポーンネンシャルホーン exponential horn 【参照】→ホーン型スピーカー .
エコー echo 山びこはエコーの代表的な例。音を反射する壁の多い部屋で音を出すと、音がだぶって聞こえる。50ミリ以上遅れて壁などで反射してくる反射音は、音源から直接とどく直接音と分離して聞こえる。これをエコーと呼ぶ。一般的にはリバーブ(→残響)とエコーを混同しているが、音響学上は区別して用いる。 .
エコータイムパターン echo time pattern 単音減衰波形。1,000Hz程度の純音で10ミリ程度の単音を、ホールなどの場内で無指向性スピーカーから放射し、これを任意の客席で無指向性マイクロフォンにより収音し、その減衰状態をオシロスコープ(→オシロスコープ)などに表示すればエコータイムパターンが得られる。このパターンから直接音、初期反射音、拡散音の関係を把握できるとともに、音響障害となる反射音も発見できる。【参照】→音響障害 .
エコーマシン echo machine 残響付加装置。リバーブマシンを含めてエコーマシンといっている。ホールなどの響き(残響)を疑似的に作り出す装置で、テープ式、スプリング式、鉄板式、最近ではデジタル式などの方式。 .
エコールーム echo room ホールの音などの響きを疑似的に作るための、乱反射を多くしたコンクリート壁の部屋。この部屋の中で、スピーカから再生した音をマイクロフォンで収音してエコーをつける。

エーシー(AC) alternating
current
交流のこと。一定時間ごとに、大きさが変化して交互に逆の方向に流れる電流。1秒間に流れの方向を変える回数を周波数(Hz)という。常に一定方向に一定の大きさで流れる電流をDC(直流)という。 .
エージーシー(AGC) automatic gain control 自動利得調整のこと。入力信号が大きいときはアンプの利得を下げ、小さいときには利得を上げて、出力信号が常に一定のレベルになるように自動的に調整すること。ALCやAVCなども同様である。 .
エスアール(SR) sound reinforcement 劇場やホールにおけるコンサートなどの音の補正。歌や台詞、演奏者をマイクロフォンなどで収音し、それぞれを増幅してスピーカーから出した音で補強し、音のバランスをとること。【参照】→拡声→PA .
エスイー(SE) sound effect →効果音 .
エスエヌ(SN)比 signal to noise ratio 信号対雑音比のこと。必要な信号(signal)と不必要な雑音(nise)との比率。一般にはこの比の対数の20倍をとり、デシベルの単位で表示。この数値が大きいほど雑音が少ないことになる。 .
エスシーアール(SCR)ノイズ . 照明用のSCR(半導体)を用いた調光器から発生する雑音。マイクケーブルなどの音響ケーブルを照明ケーブルに近づけたとき、「ジー」「ザー」という雑音を発生する。音響機器と調光器とを同系統の電源で使用すると発生することもある。対策としては、マイクケーブルと照明ケーブルをできるだけ離す。 .
エスピーエル(SPL) sound pressure level →音圧レベル .
エックスワイ(XY)ほうしき(方式) . ワンポイントステレオ収音(→ワンポイント収音)の方式のひとつ。ふたつのマイクロフォンを同軸上に配置し、距離差による時間差、位相差をなくし、レベル差だけで収音する方法。同じ特性のふたつのマイクロフォンの距離をゼロに設定し、それぞれに角度を持たせて、収音する範囲を設定する。 .
エッジ edge スピーカーの振動板(コーン紙)を支持する周辺部をいう。コーン紙の前後運動を助け、上下左右方向の有害な動作を抑える働きを持っているので、動きやすい材質、形状が要求される。コーン紙と同じ材料で一体成形してあるエッジをフィクストエッジといい、ウレタンやゴムなどで別に成形してコーン紙に接着してあるエッジをフリーエッジという。【参照】→スピーカー .
エッチエー(HA) head amplifier →ヘッドアンプ .
エーディーへんかん(AD変換) analogue to digital conversion アナログ信号をデジタル信号に変換すること。アナログ信号を時間的にいくつかに区切り、それぞれの点の信号レベルを読み取る。その量を符号化してデジタル信号にする。【反対】DA変換、【参照】→デジタル .
エーディーシー(ADC) analogue to digital converter アナログ・デジタル変換器のこと。アナログ信号をデジタル信号に変換する回路。【反対】DAC .
エヌエフビー(NFB) negative feedback 負帰還と訳される。アンプの出力の一部を入力側に戻すことを帰還といい、入力信号を打ち消すかたちで逆位相の信号にして入力側に戻す。信号がダイオードなどの増幅素子を通ると歪が生じたり、周波数特性が平坦でなくなったりする。そこでアンプに適度の負帰還をかけ、入力信号と出力信号との比較を行い、両方が相似形になっているよう、自動的に増幅素子に加わる入力信号の波形を調整する。この結果、増幅度は減少するが、歪は減少する。周波数特性の改善、利得の安定、雑音の減少などの効果が得られる。

エフェクター effecter 電気信号になった声や楽器の音を、さまざまに変化させ、いろいろな音の効果を生みだす装置の総称。音響技術者がミキシングの中で扱う装置と演奏家が電気楽器とアンプの間に挿入する小型のものとがある。代表的なものにイコライザー(→イコライザー)、ディレイマシン(→ディレイマシン)、ノイズゲート(→ノイズゲート)、リミッター/コンプレッサー(→リミッター)などがある。 .
エフとく(f特) frequency response →周波数特性 .
エフビー(FB) fold back →はね返り .
エフユー(FU)/エフユー(FU)ボックス fader unit (box) →カフボックス .
エムイー(ME) music effect 効果音として用いられる音楽のこと。音楽効果。【参照】→効果音 .
エムエー(MA) . →オーディオスイートニング .
エムエス(MS)ステレオマイクロフォン . 単一指向性のM(mid)と両指向性のS(side)のユニットを同軸上に置き、時間差と位相差をなくして、ふたつのマイクロフォンの指向性の差から生じるレベル差によって、ステレオ信号を取り出す方式。 .
エムシー(MC) master of ceremonies 司会者のこと。またコンサートなどでは、司会者がいない場合でも、曲間のしゃべりのことをMCと呼ぶ。 .
エムティーアール(MTR) multi track tape recorder →マルチトラックレコーダー .
エレクトレットコンデンサ型マイクロフォン electret condenser microphone コンデンサーマイク(→コンデンサーマイクロフォン)と同じ構造であるが、エレクトレット効果を応用して電極に電圧を与える必要のないマイク。エレクトレット効果とは、合成繊維やフィルム、プラスティックなどの高分子物質に、高い電界をかけたとき、電界を取り去っても物質にプラスまたはマイナスの電荷が残るという効果。この半永久的な電荷を利用したのがエレクトレットコンデンサー型マイクであり、小型、軽量でもある。 .
エレベータマイクロフォン(装置) elevator microphone system 垂直形のマイクロフォンスタンドを床に埋め込み、油圧や電動によって上下に動かすもので、音響調整室や舞台袖から遠隔操作により任意の高さにして、適正な収音をするための装置。据え付け型と移動型とがある。 .
エンクロージャー enclosure スピーカーボックスのことで、音質を決定する大きな要素となる。スピーカーのコーン紙が振動すると、コーンの前面と背面では位相が逆になるので、低音域が干渉し合って互いに打ち消されてしまう。この干渉をなくすためにスピーカーユニットの前面と背面を遮断するのがエンクロージャである。キャビネットともいう。 .