〜お〜

オグジュアリー auxiliary 「補助の」「追加の」という意味。AUXと略。主入力端子や主出力端子以外の予備端子、予備回路のこと。AUX IN、AUX OUTと表示される。 .
おこす . 1.音楽のマザーテープや、効果音の素材テープに収録されている音をコピーし、本番用のテープに作り替えること。コピーする段階で、音質の補正や不要の部分を抜き取ったりする。CDなどからテープにダビングすることを「テープにおこす」という。
2.テープなどに記録された会話などを活字に直すこと。この作業を「テープおこし」という。
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オシレーター oscillator 発振器。OSCと略。連続的に電気信号を発生する装置で、測定用としては発振する周波数の範囲によって、オーディオオシレーター(低周波発振器)、RFオシレーター(高周波発振器)などの種類がある。測定用のオシレーターはテストオシレーターと呼ばれ、出力波形として正弦波(せいげんは)、矩形波(くけいは)など選択することができるものが多い。通常、周波数を変化させても、出力レベルは常に一定であるように作られている。 .
オシロスコープ oscilloscope いろいろな電気信号をブラウン管で観測するための測定器。時間的な変化に対する信号の変化を映し出すほかに、基準信号を用いて校正することにより電圧値、電流値、周波数などを読み取ることもできる。ステレオのミキシングをするときにL,Rの位相を監視するために用いることもある。 .
オーディエンスマイク audience microphone 【参照】→ノイズマイク .
オーディオスイートニング audio sweetening MA(→MA)と同義語。画像の編集が完了したビデオテープに合わせて、ナレーションや音楽、効果音を加え、音を総合的に仕上げる作業のことをいう。サウンドスイートニングともいう。 .
オーディション audition AUDと略。音響では、検聴または試聴のこと。調整卓などの入力信号をチェックするためのモニター回路。PFL(プリ・フェーダー・リッスン)(→プリフェーダー)と表記されたものもある。 .
おとあわせ(音合わせ) . 1.楽器などのチューニングや歌手、バンドとの音の調子を合わせること。
2.音を出して演劇、舞踊などの稽古をすること。
3.舞台稽古または本番前に、実際の舞台で音のレベル、音質、バランス、キッカケなど、音の総合的な調整・点検。
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おとじり(音尻) . 音楽や効果音などの、最後の音が消えるところ。ちなみに、アナ尻はアナウンス原稿の最後の部分。 .
おとだし(音出し) . 1.設置を完了した音響システムから音を出すこと。音を出して回路などのチェックをすること。(→サウンドチェック
2.演奏を始めること。
3.稽古(リハーサル)などを開始すること。「音出しは12時」とは、「12時にリハを開始する」ということ。
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おとのさんようそ(音の三要素) . 大きさ・高さ・音色。音の性質を決める要素の最も基本的なもの。大きさは音の強さによって決まり、高さはその音を構成している基音の周波数で決まる。音色はその音の波形。 .
オートリバース auto reverse 自動逆転。自動的に左から右、右から左へと走行方向が変わる方式。 .
オートロケーター auto locator テープレコーダーで録音された音の所定の箇所を自動的に呼び出す機能。同じ部分を何度もくり返したり、音の最初の部分を探し出すのに用いられる。 .
オーバーサンプリング over sampling A/D変換やD/A変換をするときに、サンプリング周波数を数倍から数十倍に高めることによって周波数特性やダイナミックレンジを改善する方法。 .
オーバーダビング over dubbing マルチトラックに録音されたものを聞きながら、それに合わせて歌ったり楽器を演奏して、同じテープの空いているトラックに録音すること。「歌かぶせ」「シンセ・ダビング」などともいう。この方式では、ひとりでいくつもの楽器を演奏して重ねることができる。また、録音時に演奏者や歌手が一堂に集まらなくてもすむという利点がある。【参照】→マルチトラック録音→シンクロナイズドレコーディング .
オーバーロード overload 過負荷のこと。電源につないで動作させるものを負荷という。電源に負荷をつないぐと電流が流れ、ちょうど抵抗と同じ動作をする。パワーアンプの出力に定格以下のインピーダンスのスピーカー(負荷)を接続すると、電流が流れすぎ、アンプの出力回路を破壊する恐れがある。このように定格より低いインピーダンスの負荷を接続することをオーバーロードといい、損失や歪の原因となる。 .
オフ off 1.音源がマイクの位置から離れていること。
2.遠くから聞こえること。
3.場面以外の場所でしゃべること(オフしゃべり)
4.機器のスイッチを切ること。【反対】→オン
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オフマイク off microphone 音源がマイクロフォンから離れていること。またはその状態。マイクから遠ざかることもいう。【反対】→オンマイク .
オフレコ . off the recordの略。公表しないこと。記録に残さないこと。 .
オープンエアヘッドフォン open air headphone 振動板の背面が密閉された構造のヘッドフォン(密閉型ヘッドフォン)に対し、背面が開放された構造のヘッドフォン。密閉型ヘッドフォンに比べて圧迫感が少なく、低音共振周波数(fo)の低いユニットを使用することで、低音感の優れたヘッドフォンとなる。外部騒音の大きい場所や外部に音を漏らしたくない場所には不適当であるが、それ以外は軽量で使いやすい。

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オープンリールテープ open-reel tape ひとつのリールに巻かれているテープで、使用するときは巻き取るための空リールが必要。カセットテープに対して用いられる呼び方。オーディオ用には1/4インチ、1/2インチ、1インチのものがある。

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オペアンプ operational amplifier もともとアナログコンピューターに用いられていた演算増幅器だが、無限大に近い増幅度、極めて高い入力インピーダンスと低い出力インピーダンスを特長としている。IC化されて安価なことから、ミキシングコンソールのヘッドアンプやサミングアンプなど、音響機器の機能部品として多く使用されている。OPアンプと記す。 .
オペレーション operation 操作のこと。 .
オペレーター operator 操作する人。 .
オン on 1.音源がマイクに近いこと。
2.近くに聞こえること。
3.機器のスイッチを入れること。(灯を入れるともいう)【反対】→オフ
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おんあつ(音圧) sound pressure 音波の振動は空気を圧縮したり膨張させたりしながら、水面の波と同じように四方に広がる。大気圧は平均、約100,000パスカルであるが、例えば音波によって0.00001パスカルだけ大気圧が変動したとき、その変動分の幅が音圧である。また、1秒間の変動のくり返しの数が、この音波の周波数である。音圧の変動ぶんの幅が大きいほど音は大きくなる。 .
おんあつれべる(音圧レベル) sound pressure level 音圧の大きさをデシベル(dB)単位で表したもの。音圧の単位はPaまたはN/Fであるが、音圧レベルは正常な聴力をもった人が、音として感じる最小の音圧を基準として、これを0dBと規定している。SPLで表示され、数値が大きいほど大きな音となる。

オンエア on the air 放送中。番組が放送されていること。電波が発射されていること。本番中の意味。 .
おんきょうこうか(音響効果) sound effect 1.演劇、映画、TVドラマなどで効果音や音楽を使用して劇の演出効果を高めること。視覚効果に対する言葉。
2.劇場やホールの建築的な音響性能が、演奏者に及ぼす効果。劇場、ホールの音響特性が演奏に良い影響を及ぼす場合「音響効果が良い」と表現する。
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おんきょうちょうせいたく(音響調整卓) mixing desk / mixing boad / mixing console マイクロフォンや再生機器などからの信号を集合させて、音量や音質などを総合的に調整して混合(ミックス)する装置。ミキシングコンソールやミキサーともいう。「卓」と略して呼ぶこともある。

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おんきょうしゅつりょく(音響出力) acoustic power 音源から1秒間に発生する音波のエネルギー。単位はワット(W)で表す。スピーカーの音響出力は「入力レベル」×「スピーカの能率」で算出する。 .
おんきょうしょうがい(音響障害) . 直接音と反射音が分離して別々に聞こえる現象をエコーまたは反響といい、人声を聞く場合は明瞭度が低下する。これを音響障害をいう。 .
おんきょうでざいなー(音響デザイナー) sound designer 舞台において、音の全てを演出する人。作家のメッセージと演出家の意図に添って、音のイメージを具体的な音にする音響の監督。 .
おんきょうはんしゃばん(音響反射板) . プロセニアム形式(→プロセニアム)の劇場で室内楽やオーケストラを演奏するとき、コンサートホールの音響条件に近づけるために設置する舞台機構。舞台の背面、側面、天井を囲って、演奏する位置と観客席を同一空間の状態にして、コンサートホールの音響特性になるよう音響補正をするためのもの。組み立て解体する形式のものと、移動して格納する形式のものがある。反射板ともいう。

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おんさ(音叉) tuning fork 音の標準周波数の確認に用いられるもので、440Hz,442Hzなどいろいろな種類がある。細長い均質な鋼の棒をU字形に曲げ、その中央に柄が付けてあり、つちで軽く叩くと周波数の安定した純音が発生する。木製の共鳴箱にセットすると音量が大きくなる。楽器の調律などに用いられる。

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おんしょく(音色) . 【同義】ねいろ(音色) .
おんせつめいりょうど(音節明瞭度) syllable percentage articulation 劇場では台詞(せりふ)が明瞭に聞き取れなければならない。そこで舞台上で基準となる言葉を発生して、それを客席で聞こえた通りに書き取ったとき、正しく聞き取れた割合を音節明瞭度という。日本語の場合、明瞭度が85%ならば文章了解度が95%以上になり、聴取条件は優良となる。また明瞭度が70%以下になると聞き取りにくくなり、聴取条件は不良となる。 .
おんぞう(音像) sound image 光学には実像に対して虚像という言葉があるが、音でこれに相当するのが音像である。人はある音を聞いただけで音源の位置、大きさ、形などを感じ取ることができる。この感覚的にとらえた音が音像である。ステレオ再生の時、音源があたかもそこに実在しているかのように再現されたとき、その疑似音源を音像と呼ぶ。 .
おんぞういどう(音像移動) . 音源が連続的に移動しているかのように聞かせる方法。スピーカーを実際に移動させる方法と、2台以上のスピーカーを配置して音量を変化することで音像を移動させる方法とがある。 .
おんぞうていい(音像定位) sound localization 両耳効果により音源の到来方向と距離感が得られることから、2個または複数のスピーカーを用いたステレオの音場において、楽器などの音源の位置を設定すること。【参照】→両耳効果 .
おんそく(音速) velocity of sound 音波が空気などの物質の中を伝わる速度。空気中の音速は気圧や温度によって影響を受けるが、1気圧では、音速c=331.5+0.6t(m/s) (t=温度)となり、平均的な気温15度では約340m/sとなる。なお音速は、空気より軽いヘリウム中では970m/s、海中では約1,500m/s、コンクリートでは約3,000〜4,000m/s、またグラスウールは密度によって異なるが、数十m/s程度になる。 .
おんぱ(音波) sound wave 空気中で物体を叩いたり、擦ったりすると、その振動によって、その周辺の空気の圧力が変化する。この圧力の変化は、波のように、一定の速さで空気中を伝わっていく。この波を音波という。 .
オンマイク on microphone 音源にマイクロフォンを近づけること。または近づいている状態。【反対】→オフマイク .