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ダイナミック型スピーカー electrodynamic loudspeaker 構造は永久磁石、ボイスコイルおよび振動板などからなっている。永久磁石のS極をつつむようにボイスコイルがあり、これにパワーアンプの出力を流すと、磁界と電流との間に電磁力を生じ、ボイスコイルにこの力が加わる。パワーアンプの出力は音の変化による電流であるから、電磁力もそれにつれて変化し、ボイスコイルに振動を与え、振動板もボイスコイルと連動して振動し、まわりの空気を振動させて音となる。
ダイナミックスピーカーは振動板の形や構造でコーン型、ホーン型、ドーム型に分けられる。
コーン型・・・振動板は緩やかな円錐状の紙でできていて、この紙をコーン紙と呼ぶ。この型のスピーカーは必ずエンクロージャーに収めて使う。
ホーン型・・・ホーンとドライバーユニットによって構成され、主に中・高音域に用いられる。ドライバーユニットの振動板は材質がアルミ合金などのドーム状のもので、ダイヤフラムと呼ばれる。
ドーム型・・・コーン紙のコーンを取り除き、センターキャップを振動板にした形のもので、指向性はいいが能率が低下する。【参照】→エンクロージャー→コーン型スピーカー→ホーン型スピーカー→ダイヤフラム
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ダイナミックマイクロフォン dynamic microphone 磁界の中に置かれた導体(振動板)が、音波によって振動すると、電磁誘導作用によって導体の両端子間に、振動速度に比例した電圧が発生する。この現象を応用したマイクロフォンをダイナミックマイクロフォンという。銅線やアルミニウム線をコイル状に巻いたものを導体にした方式をムービングコイル型といい、薄いアルミニウム箔を導体にした方式をリボン型という。一般的にダイナミックマイクロフォンとはムービング型のことをいい、リボン型はリボンマイクロフォンと区別して呼ぶことが多い。

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ダイナミックマージン dynamic margin 定格入力と最大許容入力の比をいう。入力レベルの余裕の度合いを示す。例えば、定格入力が6mで、最大許容入力が100mVだとすれば約20倍、すなわち26dBがダイナミックマージンとなる。【同義】→ピークファクター、【参照】→ヘッドルーム .
ダイナミックレンジ dynamic range 最強音と最弱音との比をいい、通常は音圧比をデシベルで表現している。アンプでは最大出力レベルと雑音レベルとの比、あるいは最大許容入力と換算雑音レベルとの比をいう。Dレンジと略。 .
ダイバシティ(方式) diversity receiver unit ワイヤレスマイクロフォン装置の受信装置に2系統のアンテナと受信機能を持たせ、電界強度の強いほう(受信状態のよいアンテナ)の出力を自動的に選択する方式。【参照】→電界強度

タイピンマイク . ネクタイピン形のクリップに取り付けて使用する、超小型のマイクロフォン。ピンマイクともいう。【参照】→ラペルマイク→ラベリアマイク

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タイミング timing 1.間(ま)、間合い。
2.タイミングテープの略。白味(しろみ)(→白味)ともいう。
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タイミングテープ timing tape 録音テープの音の間合い(時間)を調整するために挿入する録音されていないテープ、または磁性体が塗られていないリーダーテープ(→リーダーテープ)、白味(→白味)のこと。

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ダイヤフラム diaphragm マイクロフォンやスピーカーなどの振動板のこと。スピーカーではドーム状の振動板をダイヤフラムと呼んでいる。ダイヤフラムはドーム型およびホーン型スピーカーのドライバーユニットに用いられる。【参照】→ドライバーユニット .
ダイレクトピックアップ direct picup エレクトリックギターやキーボードなどの電気楽器の出力を、マイクを使わずに直接電気楽器から取りだす収音方法。この収音に用いられるアダプターをダイレクトボックスという。【参照】下記、ダイレクトボックス .
ダイレクトボックス direct injection box 電気楽器、電子楽器の出力信号を直接、電気回路から分岐して取りだすためのアダプター。トランスを用いたパッシブ方式とアンプを用いたアクティブ方式とがある。略してDI。

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ダウンコンバーター down converter アンテナで受信した信号を低い周波数に変換して、受信機に伝送するための周波数変換装置。周波数が高くなるにつれてケーブルによる損失が大きくなるため、使用ケーブルが長いとき、受信信号の周波数を低くして伝送経路による損失を少なくするために用いる。 .
たちあがり(立ち上がり) . 1.マイク回路やスピーカー回線の端末。結線用ケーブル(パッチケーブル)(→パッチケーブル)を「立ち上げ」と呼ぶこともある。
2.テープレコーダーなどをスタートして、正常なスピードになるまでの時間(立ち上がり時間)
3.音が出始めて一定の音量に達するまでのことをいう。この時間を「立ち上がり時間」(attack time)といい、短いほど「立ち上がりがよい」という。
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タッチノイズ touch noise マイクロフォンを手に持って使用するとき、振動雑音が信号として入ることがある。このような接触雑音をいう。 .
ダビング dubbing 映画の音作りからきた言葉で、複製、コピーの意味でも用いている。
1.映画では、編集済みのフィルムに合わせて、複数の音を合成して完成音を作ること。台詞、音楽、効果音などを録音した素材音を、映像に合わせて合成する作業。
2.VTRテープのコピーのこと。
3.録音テープやCDなどからコピーすること。【参照】→デュープ
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ダーマトグラフ dermatograph 紙で巻いた柔らかい芯の筆記用具。録音テープのベース面に編集箇所や音頭に印を付けるときに使用する。通常、デルマと呼ばれる。黄色、白色、赤色、黒色などがある。

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ダミーヘッド dummy head 人頭模型のこと。これの耳の位置に小型の無指向性マイク(→無指向性マイクロフォン)を取り付けて収音してヘッドフォンで聞くと、音源の方向、距離感がリアルに再生され、スピーカーのステレオ再生とは違った立体感が得られる。artificial headともいう。

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ダミーロード dummy load 疑似負荷。機器の測定をするときに、実際に接続される負荷の代わりに用いられる疑似の負荷をいう。アンプなどの測定には、実際のスピーカーではなく、負荷インピーダンス(→インピーダンス)と同じ容量の抵抗を用いて測定するなど、いろいろなところで用いられている。 .
たんいつしこうせいマイクロフォン(単一指向性マイクロフォン) uni-directional microphone 正面方向だけの音に対して感度が高いマイクロフォン。カーディオイド、スーパーカーディオイド、ハイパーカーディオイド、超指向性の4つのパターンがある。残響音や騒音など周囲の音を拾いにくいのが特徴で、他の音源からのかぶり込み(→かぶり込み)も少ない。その反面、風や振動などによる雑音に弱い。音源に近づけると低音が強調される近接効果(→近接効果)が顕著に現れる。

ダンピングファクター dumping factor パワーアンプの性能を表す一項目。アンプの出力信号がスピーカーに加えられた場合に、スピーカーはこの信号に忠実に動作することが望ましいが、スピーカーのコーン紙やボイスコイルなどは質量(重さ)を持っているので、アンプの出力信号の変化に対して完全に追従性を示すもので、追従の度合いをダンピングファクターという。「スピーカーのインピーダンス」を「アンプの出力インピーダンス」で割るとダンピングファクターが求められる。 .