バイアスでんりゅう(電流) |
bias current |
テープレコーダはテープに塗ってある磁性体を、入力信号の変化に応じてヘッドから生じる磁界によって磁化する装置である。ところが磁化するときの特性が非直線的であるため、直接磁化したのでは歪が大きいし、磁化される量が小さく雑音も大きい。この点を改善するため、所定の値で磁化されるようにあらかじめバイアス(高い周波数の交流電流)をかけておく。バイアスをかけるためヘッドに流す電流をバイアス電流という。 |
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ハイうけ(受け) |
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音響機器を接続する方法。電圧伝送の考え方で、信号源のインピーダンス(→インピーダンス)を低く、負荷側のインピーダンスを高くして機器を接続する方法を「ローインピーダンス送り、ハイインピーダンス受け」といい、これを「ハイ受け」と略していう。利点は電圧損失が少ないことや負荷の並列接続が容易にできること。欠点は磁気導を受けやすいこと。 |
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ハイカット・フィルター |
high cut filter |
高音域を減衰させ、低音域だけを通過させるフィルター。ローパス(LPF)ともいう。【参照】→フィルター |
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バイノーラルしゅうおん(収音) |
binaural recording |
バイノーラルとは「両耳の」という意。バイノーラル収音とは、2本のマイクを人間の両耳の間隔程度に離してセットするステレオ収音方式をいう。人間が音源方向や距離を知ることができる要因は、左右の耳の音圧レベル差、時間差(位相差)(→位相)、音源の周波数特性(→周波数特性)などによる(両耳効果)(→両耳効果)。このような人間の聴覚能力にできるだけ近づけて収音しようとして、バイノーラル収音方式が考えられた。実際の人間の耳やダミーヘッドにマイクロフォンを取り付けて収音し、その音をヘッドフォンで再生すると、音源の方向や距離感がリアルに再現できる。この再生には、オープンエア型(→オープンエアヘッドフォン)のヘッドフォンが適している。【参照】→ダミーヘッド |
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ハイパーカーディオイド |
hyper cardioid |
マイクロフォンの単一指向性(→単一指向性マイクロフォン)のひとつで、スーパーカーディオイド(→スーパーカーディオイド)よりもさらに側面の感度を下げたもの。しかし、正面と背面の感度差がなく、背面からのかぶり音が多くなる。 |
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ハイパス・フィルター |
high pass filter |
低音域を減衰、高音域だけを通過させるフィルター。ローカット(LCF)ともいう。【参照】→フィルター |
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ハイパボリックホーン |
hyperbolic horn |
【参照】→ホーン型スピーカー |
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ハウスおくり(送り) |
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→小屋送り |
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ハウスピーエー(PA) |
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ハウスとは劇場、ホールまたは観客席。観客(席)のためのPA(SR)(→PA)(→SR)のことで、出演者(演奏者)のためのモニター(→モニター)と区別する。【参照】→拡声 |
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ハウリング |
howling |
スピーカーから出た音がマイクロフォンで収音され、増幅されて再びスピーカーから送出され、これが繰り返されて(ループ状態)生じる発振現象のこと。acoustic
feedbackともいう。 |
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バウンダリー(レイヤー)マイクロフォン |
boundary (layer) microphone |
マイクロフォンユニットを反射板に埋め込んだり密着させたもの。マイク周辺からの反射音を収音しないように設計したマイクロフォン。直接音と反射音との干渉をできるだけ少なくし、音質の劣化を防いでいる。PZM(→PZM)と同じ原理。 |
図 |
ハースこうか(効果) |
the Hass effect |
複数のスピーカーから同一信号の音を出した場合、先に聞こえたスピーカーの方向から音が出ているように感じる現象をいう。この効果は、到達時間差が1〜30ミリ秒の範囲で生じ、時間差50ミリ秒以上になると互いに分離して聞こえる。ハース効果を応用したSRシステム(→SR)は、先に聞かせるスピーカーに対して5ミリ秒〜20ミリ秒程度、時間を遅らせるとよい。 |
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バスレフレックス型エンクロージャー |
bass-reflex enclosure |
位相反転型、または略してバスレフ型ともいう。スピーカーユニットの背面から出る音は、前面から出る音とは逆位相(→位相)になる。そこで、スピーカーを箱に取り付けてポートという共振ダクトを設け、背面の低音を共振させて位相を反転し、スピーカー前面の音と同位相にした音をポートから出すのがこの方式。低音域の特性が向上する。 |
図 |
はちょう(波長) |
wave length |
音波が1回の振動(1周期)の間に進む距離をいう。【参照】→音速、→周波数、→ヘルツ |
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バックグラウンドノイズ |
background noise |
ホールやスタジオの中で、誰もいない状態の時の騒音のこと。このノイズは、外部から侵入する騒音や空調の騒音などである。【同義】→暗騒音 |
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バックローデッドホーン |
back loaded horn enclosure |
スピーカーユニットの背面にホーンを付けて、背面に放射された音の低音域がホーンを通って前面に出てくるようにしたもの。低音域の補強を主目的としている。 |
図 |
パッシブイコライザー |
passive equalizer |
トランジスターやICのような増幅度のある部品が使われていないイコライザーのこと。動作させるために電源を必要としないのが利点であるが、これを信号経路に挿入すると何dBかレベルが低下するのが欠点。【参照】→アクティブイコライザー |
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パッシブラジエーター |
passive radiator |
バスレフ型スピーカーキャビネットのポートに相当する作用をさせるために用いる、コーン型スピーカーの振動板だけのものをパッシブラジエーターという。低音域で共鳴して、低音を効果的に前面に放射するので、小型スピーカーシステムの低音を増強させるために用いられる。別名ドロンコーンともいう。 |
図 |
パッチコード |
patch cord |
両端にプラグを取り付けたコードで、端子同士を接続するためのもの。パッチベイ(→下記、パッチベイ)に用いる。「立ち上げ」ともいう。 |
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パッチベイ |
patch bay |
パッチ盤。機器や装置の入出力の端子、および回線の末端を1ヶ所に集めたパネル。目的に応じて機器をつなぎ合わせたり故障の際に別の機器への乗り換えなどが、迅速にできる。入出力分電盤ともいう。 |
写真 |
パッチング |
patching |
「つなぎ合わせる」という意。端子間を接続すること。 |
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