採点基準
★★★★ | :人類の宝 (最高) |
★★★☆ | :絶対必見 |
★★★ | :観るべき映画 |
★★☆ | :観ても良い |
★★ | :中間 |
★☆ | :観なくてもいい |
★ | :観る価値はほとんどない |
☆ | :作者もろともこの世から消えてなくなれ (最低) |
なし | :あえて採点しない(最低ではない) |
基本的に、ネタバレがある可能性があります。
文章などの内容には、時々変更や追加が入ることがあります。
2011年公開作品(2010年以前に鑑賞) 2011/01/07
2011年公開作品(スクリーン以外で鑑賞) 2011/10/06
ビデオ、劇場上映 //
映画祭/上映会/公開未定作品 2012/03/11
2011年に映画館等で観た旧作 2011/10/10
邦画 | 洋画 | 米 | 英 | 仏 | 独 | フィンランド | ポーランド | デンマーク | カナダ | オーストラリア | 韓国 | 中国 | 香港 | 台湾 | タイ | ブラジル | メキシコ | 計 | |||
拡大公開作品 (全都道府県で同日一斉公開) | 6 | 13 | 13 | 19 | |||||||||||||||||
ミニチェーン作品 (多くの都道府県で同日一斉公開) | 10 | 13 | 11 | 2 | 23 | ||||||||||||||||
ミニシアター作品 (初日は限られた都道府県で数館でのみ公開) | 22 | 32 | 9 | 3 | 1 | 1 | 1 | 2 | 1 | 1 | 3 | 3 | 2 | 2 | 1 | 1 | 1 | 54 | |||
計 | 38 | 58 | 33 | 2 | 3 | 1 | 1 | 1 | 2 | 1 | 1 | 3 | 3 | 2 | 2 | 1 | 1 | 1 | 合計=96作品 今年劇場で鑑賞=24 今年劇場以外で鑑賞= 去年鑑賞=2 『人の善意を骨の髄まで吸い尽くす女』『アンストッパブル』 翌年鑑賞=4 『タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密』『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』『永遠の僕たち』『風にそよぐ草』『』 |
【註】上の表の国の区分けは、データベースなどの表記による正式なものに代わって、台詞の言語、主なスタッフやキャストの国籍などによります。
例えば、『片腕マシンガール』は正式にはアメリカ映画(製作がアメリカ)ですが、ここでは邦画に含めています。
タイトル | 採点 | 分類 | 製作年 国 | 公開規模 | 更新日 | 累 計 |
恋の罪 | ★★★ | ドラマ系 | 2011 日 | ミニシアター | 2012/01/03 | 91 |
「言葉なんて知らなければ良かった」という詩は、本心では「知って良かった」という強い確信を抱いていることを、実は声高に主張しているということだろう。 そしてその想いこそ「城」にたどり着いたことを表しているのか? 『冷たい熱帯魚』(★★★)、『ちゃんと伝える』(★★☆)と、男主体の作品が続いていた園子温監督だが、今作は女たちの話。 とはいえ園監督が、のんべんだらりと平穏に生きることを許さないような想いは、最近の作品に一貫している。 「そんなぬるい生き方でくすぶっていることに不満を感じるなら、何故本気を出さないのか?」 そんな高い意識の要求は、出演者の芝居に対しても向けられるので、観る者を圧倒するような力強さが素晴らしい。 |
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アントキノイノチ | ★★ | ドラマ系 | 2011 日(松竹) | 拡大 | 2012/01/03 | 90 |
孤独死した人の家の遺品を整理回収する会社に勤める岡田将生と榮倉奈々が惹かれ合うが、それぞれ口外したくない過去を今も引きずってるが故に今の職場にたどり着いたのだった。 2人が過去を少しずつ話し合い、その回想シーンが差し込まれていくことで、彼らの過去が観客にも明らかになっていく展開になっている。 よって、特に前半は「トラウマ」「死」「自殺」「家族崩壊」「社会の底辺」などといったシリアスな記号がやたらと目につき、でもその割にはストーリーに具体性がなくて、中身のない表層的なセンセーショナリズム、或いはたいしたゴールが待っていない空疎な謎解きに付き合わされている予感がして、なんとも居心地が悪かった。 その悪い予感は後半に入って幾分払拭されたものの、中身に乏しい記号的なストーリーの予感は残念ながら当たってしまった。 ストーリー以外は、芝居や映像や小道具などをはじめ、どれもこれも本気度の高い仕事ぶりで、素晴らしい。 なんだか、才能の無駄遣いのように感じた。 |
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猿の惑星:創世記 | ★★ | ドラマ系 | 2011 米 | 拡大 | 2012/01/03 | 89 |
結論から言うと、「良く出来てるんだけど、毒がない」。 40年前の『猿の惑星』シリーズには、人間が屈伏させられる屈辱感とか、異常な状況を見せられることによって増す不安感とか、真に迫る映画だったが、今度の新作はお手軽に楽しめる絵空事といった感じ。 人間や猿が殺されることを極力排除したマイルド仕上げの意図は、間違っているかも。 結局、猿にも人間にも共感も憎悪も抱けず、クライマックスの対決シーンも、壮大な割には他人事のような冷めた目線でしか観れなかった。 類似の設定の映画が他にも多いせいで新鮮味がなくなったとか、こっちの感受性が鈍ったからとかの理由かもしれないけど。 |
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コンテイジョン (Contagion、意味「接触感染」) | ★★☆ | ドラマ系、感覚系 | 2011 米 | ミニチェーン | 2011/12/04 | 88 |
死に至る未知のウィルスに世界中が感染し、WHOやアメリカCDCなどの機関の人々がそれに立ち向かう姿を中心に展開する。 宇宙からの病原菌に立ち向かった研究者たちを描いた『アンドロメダ・・・・』(1971年)を意識して作ったのか、類似点が多い。 電子楽器による静かで重い音楽といい、直線的な文字による機械的な見た目のクレジットといい、1970年代の厭世的なSF映画を思わせる。 そして、ドラマチックな抑揚を排して、出来事だけを冷徹に映し出すドキュメンタリータッチの作風は、『アンドロメダ・・・・』の最も顕著な特徴である。 一方相違点は、『アンドロメダ・・・・』がほぼ全編研究施設内で細菌相手の科学的なアプローチだけで展開したのに対し、『コンテイジョン』では世界各地の複数の登場人物たちで同時進行し、人々が向き合うのもウィルスより人間の方が多い。 エピソードは人間臭いのに作風はクールな『コンテイジョン』は、スタイルの親和性が悪く感じられ、例えば大衆の混乱している描写が少ないことが不自然に思える。 とはいえ、スタイルを貫きながら、それよりもわざとらしさを感じさせない映画を目指してコントロールの利いた演出を見せるのは、さすがのソダーバーグ。 ストーリーに関しては、世界中に感染する致死率の高い伝染病が現実に発生するかはなんとも言えないが、ジュード・ロウが演じたようなデタラメ情報を発信する人間は、震災後の数多くのデマであきらかなように、悪意の無い場合も含めて100%で出現する。 こんなのは伝染病や天災のような不可抗力によるものではなく、人々がちゃんとしてさえすれば防げるはずなのに、むしろこっちの方の危険性がより現実的だというのが、人類という生き物の情けなさを示している。 |
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おばあちゃん女の子 | ★★☆ | 感覚系 | 2010 日 | ミニシアター | 2011/11/27 | 87 |
夫との会話が弾まない妊娠中の妻が、夫の出勤中にふとしたきっかけから街をさまよいだす。 横浜監督作品の登場人物は、作品の意図に合わせてキャラを設定するのではなく、現実の人間が誰かに都合のいい存在ではないように、こっちの思うようには動いてくれず、完全に独立している。 究極の非予定調和映画。 む しろ、そんな人が存在する世界の方が現実に近いのだから、受け入れないでは済まされない。 |
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真夜中からとびうつれ | ★★★ | 感覚系 | 2011 日 | ミニシアター | 2011/11/27 | 86 |
やっぱり横浜監督は凄い、といってもどう凄いかの説明は難しい。 ストーリーがあるというより、映画の内側と外側をぐるっとつなげてメビウスの輪のように境目を無くしたような感じが全体像。 多部ちゃんがいつもの感じと全然違って、全編無表情で台詞も少ない。 これがまた、ものすごくいい。 こんな新たな魅力が出せるという狙いがあってのキャスティングだとしたら、監督凄すぎる。 そうでなくて、演出するうちに出来上がったものだとしても凄いけど。 |
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ミッション:8ミニッツ | ★★☆ | ドラマ系、感覚系 | 2011 米 | 拡大 | 85 | |
既に起きた列車爆破テロの犠牲者の脳に刻まれた8分間の記憶の世界に何度も入り込んでは、同乗者の中にいる犯人を探し出す任務を課せられた軍人の話。 この手の一種のタイムトラベルもの、ヴァーチャル世界ものの映画の場合、やたらとその複雑さや辻褄が合っているちみつさの方を重視したがる向きがあるが、この作品では主人公の心情が中心で、展開も人間臭く脇道にそれたりして、好感が持てる。 |
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指輪をはめたい | ★★ | ドラマ系、感覚系 | 2011 日 | ミニチェーン | 2011/11/06 | 84 |
頭を打って一部記憶喪失になった山田孝之が、カバンに入っていた婚約指輪を渡す相手を思い出せず、恋人らしい3人の女と接して思い出そうとする。 全編緩いテンポで、加えてちょくちょく意表をついて笑いをとろうとする。 |
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密告・者 原題:【広東語】綫人(意味「情報提供者」 / 【英語】Stool Pigeon(意味「おとり鳩」) | ★★☆ | ドラマ系、感覚系 | 2010 香港 | ミニシアター | 2011/11/06 | 83 |
見どころは、クライマックスの格闘シーン。 洗練とは程遠いが、映画が人の心をつかむ要素として、「上手さ」よりも「作り手の本気度」を見せることの方が大きいんじゃないかと思えた。 |
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ウィンターズ・ボーン 原題:Winter's Bone(冬の骨) | ★★☆ | ドラマ系 | 2010 米 | ミニシアター | 2011/11/06 | 82 |
保釈中の父が逃走して、保釈金の担保になっている家を取り上げられることから弟と妹を守るために、17歳の少女が父の行方を探す物語。 一人一人顔見知りを訪ねて行く地味な展開で始まり、アメリカの田舎にはびこる裏の世界が次第に明らかになっていく。 その裏の社会はもちろん恐ろしいのだが、言わば「腐れ縁」みたいなもので、メンバーの一員であることに利点もあるし、内外の人間いずれにも壊すまでの積極的な動機がないまま脈々と続いていることに、生々しい怖さを感じた。 |
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女と銃と荒野の麺屋 | ★★☆ | ドラマ系、感覚系 | 2009 中国 | ミニシアター | 2011/10/26 | 81 |
張藝謀監督による、『ブラッドシンブル』を19世紀頃の中国の荒野の一軒家に舞台を移したリメイク。 登場人物のキャラがオトボケになったことが、パッと目につく大きな変更点。 でも、お笑いのシーンは序盤で感じた程多くなく、中盤以降の大半のシーンはオリジナル同様、クールなスリルとサスペンスという、どっちつかずな印象。 ひょっとして、オリジナルを知らない人たち(例えば多くの中国人)をターゲットにして、最初は軽く楽しめる映画だと思わせて、気が付けば本格的なサスペンスを楽しめる、敷居の低い映画を狙ったのかな? 『ブラッドシンブル』を選んだ理由は、それ用の出来の良いストーリーというだけで、オリジナルに対する思い入れは感じなかった。 だから、初見の人にとっては気楽に楽しめる映画で、オリジナルと比べるのには向いてない。 オリジナルの名シーン傑作ショットはかなりの量を再現してるけど、ちゃんとひねりがあるのはいい。 |
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監督失格 | ★★ | エッセイ系 | 2011 日 | ミニシアター | 2011/10/26 | 80 |
平野監督が、かつての恋人だった今は亡き女優林由美香を想って作ったノンフィクション。 極論を言えば、作ることこそが目的の映画で、たとえ誰の目にも触れなかったとしても構わなかったのでは?と思う。 それほど極私的な映画。 彼女の死から約5年経ったのに、映画の大半の時間は死後のことではなく、恋愛期間中に彼女を撮影したドキュメンタリー作品の撮影素材からのもの。 思い入れがあることはもちろん解るが、それがどのくらい深いものなのか?どのくらいこの作品で表現できているのか?そしてどのくらい感じることが出来たのか? 「解った」「伝わった」なんてことは、おこがましくてとてもじゃないが言えない。 監督がカメラを回しながら由美香さんの家を訪ねて彼女の死の第一発見者になった時の映像が、ずっと封印されていて今回初めて解禁されたのだが、その解禁自体の意味や、前後の心境の変化もよく解らない。 この映画の前では、当事者と部外者の距離が大きく、「何も言えない」状態になってしまう。 ただ、この「映画との距離の遠さ」の感じは、大事な人が手の届かない遠いところに行ってしまった監督のどうにもできない気持ちと重なるのかもしれない。 それから、映画作りは観客にとって どうか?ということより、作り手の意図や意志が尊重されるべきだと思う。 受けることだけを狙って観客に媚をうっている映画なんて、これっぽっちも観たくないもん。 |
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朱花の月 | ★★☆ | 感覚系 | 2011 日 | ミニシアター | 2011/10/09 | 79 |
河瀬直美監督が力量をいかんなく発揮し、圧倒的な映像美をはじめ、愛や母性や父性など、多くのことを盛り込んだ。 ただ、それらは決して親切に解りやすい形にはなっておらず、無造作に示されるだけなので、完全にこちらの処理能力を越えてしまった。 まったく、困った映画を作ってくれるもんだ。 |
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クイック!! | ★☆ | お笑い系 | 2010 韓国 | ミニシアター | 2011/10/05 | 78 |
完成度をとやかく言ったところで、作り手ははなからそんなことは気にしてなくて、何でもいいから笑いをとることだけを狙って、そのために手当たり次第にベタなギャグを詰め込んでる映画。 あとは、お客さん各人がはまるかどうか次第。 わたしゃ、お笑いは間に合っているから、何でもかんでもいちいち笑わないけど。 ストーリーの辻褄はどうでもいい映画だけど、1つだけ大穴を指摘する野暮をすると、主人公の腕時計型ケータイと、ヒロインが間違ってかぶってしまった爆弾付きのヘルメットは、10メートル離れると爆発する設定になっているが、犯人の本来の予定ではヘルメットは主人公にかぶらせるつもりだったので、この設定は無用でおかしい。 |
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未来を生きる君たちへ | ★★☆ | ドラマ系 | デンマーク=スウェーデン | ミニシアター | 2011/10/09 | 77 |
アフリカの難民キャンプとおぼしき場所と、デンマークの小学校でのいじめなどの2つを軸に、戦争までつながる憎しみと暴力の連鎖と、それに対抗する寛容を描く。 そのテーマとストーリーは、ほぼ申し分ないが、なめられがちな転校生が暴力をちらつかせる必要性を問うという設定だけで十分で、父への怒りの設定は不要なのでは? あと、風景や人物のショットも丁寧で綺麗なんだけど、シリアスな題材でやり過ぎると、浮わついた印象を感じてしまう。 |
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ピラニア3D (原題:Piranha 3D) | ★★☆ | 感覚系、お笑い系 | 2010 米 | ミニチェーン | 2011/10/09 | 76 |
ピラニアに襲われた人々が、いかにへんてこりんな死に様をさらすか、そのパターンの数々をどれだけ盛り沢山に見せられるか、そしてついでにどれだけ多くのおっぱい(しかもわざわざことごとく巨乳)を見せられるチャンスを作るかに、制作意図が集中している。 そんなゲスい映画なのだが、徹底した露悪趣味を貫く情熱と開き直りは、ボール・ヴァーホーヴェン監督を彷彿とさせて、観ていて気持ちいい。 そのくせ、エリザベス・シューを起用しての本線部分は、きっちり王道の作りで抜かりない。 3D技術の使い方については、大半の通常の芝居のシーンは(事実上)2Dで、ここぞという見所のショットだけ味付けとして使うという割りきったもの。 『アバター』も同様だったと思うので、これがハリウッドの主流の考え方か? 清水崇監督が、『戦慄迷宮』や『ラビット・ホラー3D』で3Dと真正面に取り組んで、映画の新たな段階を目指して悪戦苦闘しているのとは逆。 どちらが真っ当かは、何とも言えない。 |
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一枚のハガキ | ★★☆ | ドラマ系 | 2010 日 | ミニシアター | 2011/10/09 | 75 |
新藤監督ぐらいになると、表現に深みをつけるなんて余計なことはしないで、パッと見で解るような大雑把な表現でケロっと済ませてしまうのが、観ていて気持ちいい。 召集されたにもかかわらず、当たりくじを引いたように運良く生き延びた監督自身の経験からくる思い、死ぬ方が当たり前だと思ってしまう戦争の異常さに対する怒りなども相変わらず強い。 |
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ラビット・ホラー3D | ★★ | ドラマ系、感覚系 | 2011 日 | ミニチェーン | 2011/10/09 | 74 |
結論から言えば、「(観る側も含めての)引き続き試行錯誤の最中の作品」だろうか? その先にあるのが「より良い映画表現の確立」なのか、「3Dの映画に対する有効性はほとんど期待できない」という結論に至るのかは判らないが。 「映画は、頭を空っぽにして、受け身で楽しみたい。特にホラーは。」と考える向きには全く逆の結果。即ち、「3D」であることが様々な形で戸惑いを与えてくる。 しかしその一方で、現状そんな3Dにつきものになってしまっている違和感や表現上の確立すべき多くの課題に対して、1つ1つ解決して作り上げていこうとしていることが感じられる映画になっていた。 ストーリー的にも、非現実の世界に入り込んでさまようというのが、3Dにとって有効に働くタイプであり、考えて作られていると思う。 |
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ゴーストライター | ★★☆ | ドラマ系 | 2010 仏=独=英 | ミニシアター | 2011/10/09 | 73 |
政治的スキャンダルで騒がれている渦中の元イギリス首相の自伝のゴーストライターに抜擢された主人公が、首相の経歴や前任者の突然の死に疑問を感じて追求していくという、王道のミステリーを王道の作風で堂々と見せる。 | ||||||
メカニック | ★★ | ドラマ系 | 2011 米 | ミニチェーン | 2011/08/15 | 72 |
アクションにちゃんと「痛み」を感じられるのは良い。 渋いと感じさせるのも良い。 |
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シャンハイ | ★☆ | ドラマ系 | 2010 米 | 拡大 | 2011/08/15作成 2011/10/09更新 |
71 |
ホント、つまんない。 「太平洋戦争直前の上海で、各国がつばぜり合いを繰り広げる」というありきたりなイメージから1歩も出ていない。 |
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エッセンシャル・キリング (原題:Essential Killing) | ★★☆ | 感覚系 | 2010 ポーランド=ノルウェー=アイルランド=ハンガリー | ミニシアター | 2011/08/15 | 70 |
恐らくは平凡な男がアメリカ軍から脱走して、逃げ延びるために追っ手などの人々を次々殺すスリリングな展開を、凝った見せ方で描いて、特に前半が冴えていた。 | ||||||
モールス 原題:Let Me in | ★★ | ドラマ系 | 2010 米 | ミニチェーン | 2011/09/15 | 69 |
アメリカ以外の映画を、わざわざアメリカ映画として作り直す「リメイク」が、たいしたオリジナリティのバリューアッドもない、実質的な「焼き直し」でしかないことを再認識することになった。 世界最大級の映画の市場であるアメリカの観客が、他国の映画は観ないっつうんだからしょうがないが、そうじゃなく普通に他国の映画が公開されていて、オリジナルの『ぼくのエリ 200歳の少女』(★★)を観ている人には何の意味もない作品。 観てない人には、焼き直しなりにオリジナルの良さが再現されている「代用品」としては観てもいいかも。 |
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サンザシの樹の下で | ★★★ | ドラマ系 | 2010 中 | ミニシアター | 2011/09/15 | 68 |
チャン・イーモウといえば、最近は万人受けするビット路線で、面白味が以前ほど感じなくなってきたのだが、改めてこんななんてことないストーリーの作品を観ると、テンポといいキャスティングといい、表現が的確でやっぱり上手い。 | ||||||
ツリー・オブ・ライフ | ★★ | ドラマ系、感覚系 | 2011 米 | ミニチェーン | 2011/10/09 | 67 |
人間は、「聖」と「俗」の二種類に分けられ、すべての人は聖を目指すべき、という主張なのだろうか? まるで鳩山由紀夫の「友愛」みたいな考え方だ。 もちろん、人道的ということではなく、役に立たない非現実的な綺麗ごとだという意味で。 前半のかなりの尺を使って、「ライフ」とか「アース」とかの地球ドキュメンタリーのようなシーンが続く。 あれらの映画など、まるっきり人間の俗なイメージの対極にあるようなものだが、しかし、私は人間の俗なイメージというのは人間の自然な姿で、それを聖なイメージに近づけようとするのは、単に不自然なだけでなく、悪影響もありえると思う。 例えば、いかにも崇高なイメージの「宗教」や「革命」がらみで、何百万もの人が殺されるように。 そんなわけで、観終わってまず感じたのは、鼻持ちならない映画だということだ。 まぁ、独創的なのは確かだけど…。 |
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コクリコ坂から | ★★ | ドラマ系 | 2011 日(東宝) | 拡大 | 2011/09/15 | 66 |
1963年の高校生の恋愛模様を描いた「時代劇」で、よって時代の再現も念入り。 丁寧に出来上がっていたと思うが、特別な年代の人たちだけが強い思い入れを持つ映画だと思った。 それはもちろん脚本を書いた宮崎駿のことだが、それを押し付けられる形になった息子の監督をはじめ、私も感じてしまう作品と距離は、どう接したもんだろうか? |
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SUPER 8/スーパーエイト | ★★ | ドラマ系 | 2011 米 | 拡大 | 2011/10/09作成 2011/10/10更新 |
65 |
自主映画制作に熱中している少年たちが、謎の生命体を巡って暗躍する軍隊と相対する物語。 好きなことに夢中になったり、異性に淡い恋心を抱いたり、ミステリアスな出来事に興味を抱いたり、誰でも身に覚えのある要素、さらにはさらには8ミリ映画や1980年頃の時代などの特定の人々のノスタルジーをくすぐる要素はあるのだが、それらでしみじみ身に染みる想いに浸れるようなレベルまで全く作り込まれていない。 父親の存在が大きいことが、相変わらずのスピルバーグパターン。 |
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復讐捜査線 | ★★ | ドラマ系 | 2010 英=米 | ミニチェーン | 2011/10/03 | 64 |
娘を殺されたメル・ギブソン刑事が、復讐を果たすため犯人をつきとめようとする。 アクションシーンもあるけど、全体的にはかなり地味な印象。 |
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デビル 原題:"Devil" | ★☆ | ドラマ系 | 2010 米 | ミニチェーン | 2011/07/17 | 63 |
面識のない5人がエレベーターの故障で閉じ込められ、一人ずつ何者かに殺されていくという、「そして誰もいなくなった」タイプのミステリー。 その5人はそれぞれ過去や現在において「罪」を抱えていて、その罰として殺されるという展開により、「罪の意識」の要素も加わるのだが、それは特に注目するほどのことでもないだろう。 既存のミステリーやサスペンス映画の演出法などをあれこれ参考にして、そのことはもちろん「パクリ」などと批判するつもりは全くないのだが、それ以上の「肉付け」がおろそか。 人の死に様の扱いが雑で適当なことが、映画全体を「どうでもいいもの」という感じにしている。 例えれば、とあるグルメが料理の話をしたときに、過去の料理のウンチクとかやたら詳しく盛り込んでいても、肝心の「美味しそうに聞こえた」という感じがなかったようなもの。 |
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東京公園 | ★★ | ドラマ系 | 2011 日 | ミニシアター | 2011/07/17 | 62 |
恋愛では相手を真正面からまっすぐ見ることが大事、恋愛は様々な人々を包み込む「公園」のようなもの、ということかな? そんな風な真面目な映画で、その代わり面白味がもの足りなかったか? 三浦春馬が、見知らぬ歯科医から都内の公園をぶらつく妻を密かに撮影することを頼まれる設定は、ほぼヒッチコックの『めまい』そのまんま。 彼に絡む幼なじみの榮倉奈々は、『めまい』のバーバラ・ベル・ゲデスか、『裏窓』のセルマ・リッターみたいな役回りか? 小津安二郎のような構図やカット割りのシーンもあったりする。 榮倉奈々は映画マニアの設定だったりもして、そんな映画の小ネタはやり過ぎでなくていい感じだが、映画ファン以外には知らないからといって何の影響もない程度のもの。 |
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奇跡 | ★★ | ドラマ系 | 2011 日 | ミニシアター | 2011/07/17 | 61 |
離婚したそれぞれの親に引き取られて離れ離れに暮らす小学生の兄弟が、それぞれ抱えた問題を打開するために、九州新幹線の始発列車がすれ違うのを見ると奇跡が起こるという噂を信じて、友達を引き連れて熊本で会うというストーリー。 主人公2人以外にも、願いを叶えたいと思う人々と、夢が破れてしまった大人たちのエピソードがいくつか重なる。 是枝作品は、芝居の演出にドキュメンタリーっぽさを出したり、ストーリーでも「そういえば、こういう事や人ってありそう」と感じたりするなど、「リアリティ」が持ち味だと思っているが、今作ではその良さはあまり感じなかった。 |
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ふゆの獣 | ★★★ | 感覚系 | 2010 日 | ミニシアター | 2011/07/02 | 60 |
面白かった。 実は、前半は少し不安を感じていた。 それは、演出スタイルにこだわり過ぎなことへの懸念。 俳優たちには大まかなプロットだけを指定して、台詞とか動きは俳優たちのアドリブに任せ、その芝居をドキュメンタリーのように撮影していく演出法は一見して異質。 加えて、不自然なくらいに電車の通過音などの雑音を会話にかぶせたりもしていた。 そうした演出は、もちろん必ずしも悪いと言うつもりはないが、映画を楽しむ上で作為が邪魔に感じることを心配した。 結果は、雑念に悩まされることなく、気が付くと映画に没頭している自分がいた。 観終わった時に、単純に「面白かった」と思えたことが、上記の懸念を感じたこともあって、何より嬉しかった。 ストーリーは、三角関係(ここでは四角関係)の典型で、ほとんどその骨組みだけのシンプルなもの。 その分、会話劇を濃密に見せることに集中している。 三角関係といえば、「二股かけている現状を壊したくない」とか「浮気者の相手との関係を断ち切るべきか?それでも続けるべきか?」などの葛藤がつきもの。 当事者たちが直接対決する展開は、彼らがそれぞれ瞬時の選択を迫られる、一種のスリラー。 実験的とも言えそうな即興演出は、定番の恋愛モノというジャンルとはかけ離れていると思いきや、スリラーとして見ると演出法としてベストな選択なのでは?と思えたほどの組み合わせだった。 芝居に作り物っぽさを感じないことが、観る者と登場人物の距離を近づけ、彼らの緊張状態がより真に迫るものとして感じることが出来たからだろう。 俳優たちは、何を言ってどう動くかを自分で決めることになるので、役になりきる努力はより大変であったはず。 その努力も報われたと思う。 なぜならやっぱり「面白かった」と言える映画になっていたから。 |
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アイ・アム・ナンバー4 | ★☆ | 感覚系、ドラマ系 | 2011 米 | 拡大 | 2011/07/02 | 59 |
「トワイライト」シリーズの類似品か?(観てないけど) 若者向けの気楽な[デート]映画としては要件を満たしているのかな? でも、決してそれ以上ではない。 |
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冬の日 | ★☆ | ドラマ系 | 2011 日 | ミニシアター | 2011/06/24 | 58 |
NINIFUNI 意味:「而二不二」 | ★★☆ | 感覚系 | 2011 日 | ミニシアター | 2011/11/06 | 57 |
無表情&無言の宮崎将がただただ車で1人で延々とさまようだけのシーンが続く異様さと、脈略もなくももいろクローバーが絡んでくる違和感の大きさに唖然とさせられる。 凄い映画としか言い様がない。 |
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ファの豆腐 | ★ | ドラマ系 | 2011 日 | ミニシアター | 2011/06/24 | 56 |
ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える 【原題】The Hangover Part II、意味「二日酔い その2」 | ★★ | ドラマ系 | 2011 米 | ミニチェーン | 2011/07/24 | 55 |
前作『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(★★)のプロットほぼそのまま。 そのプロットは元々ネタを色々仕込みやすいモノなので、新たに考えて入れ込んで続編を作り、そして前作並の映画が出来上がった感じ。 笑えるけど、面白くない。 |
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軽蔑 | ★★ | ドラマ系 | 2011 日(角川) | ミニチェーン | 2011/07/24 | 54 |
ロングショットによる長回しや湿り気の多いラブシーンなど、生々しさを出すことを目指しているが、そんな努力をもってしても、主人公2人がそれぞれ相手をいかに好きかという重要なポイントに関して説得力不足だった。 ストーリーに問題か? |
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127時間 | ★★☆ | 実録系、妄想系 | 2010 米=英 | ミニチェーン | 2011/06/21 | 53 |
BIUTIFUL ビューティフル | ★★★ | ドラマ系 | 2010 メキシコ=スペイン | ミニシアター | 2011/10/09 | 52 |
末期ガンを宣告されたハビエル・バルデム演じる主人公が、残された人生で家族や身近な人々のために尽くそうとする、黒澤明監督の『生きる』のようなストーリー。 重いシーンは徹底して重みがあり、かといって美意識が感じられる重みになっているのは、さすがのイニャリトゥ監督。 |
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大鹿村騒動記 | ★☆ | ドラマ系 | 2011 日(東映) | ミニチェーン |