映画以外なんでも感想(テレビ、CMなど) 2016/05/29 更新


採点基準
  ★★★★ :人類の宝
  ★★★☆ :絶対必見
  ★★★ :観るべき
  ★★☆ :観ても良い
  ★★ :中間レベル
  ★☆ :観なくてもいい
  ★ :観る価値はほとんどない
  ☆ :作者もろともこの世から消えてなくなれ
  なし :採点不能/保留

< 目次 >

スカイハイ
傷だらけの天使
私立探偵 濱マイク
ホラー(学校の怪談)
単発ドラマ
その他

最新の感想 2016/03/08

タイトル 採点 コメント メディア 年月日(曜)時 ジャンル 掲載日
更新日
三宅裕司の奥さん ★★★ 天然キャラ 2016/05/29
 以下の通り数々の天然エピソードが面白いけど、謎がいくつかある。
(1) 誰がそのエピソードを見つけるのか?
 <1> 自己申告?(そもそも天然だったら本人が気づかないのでは?)
 <2> 三宅裕司?(でも、いつも現場にいるとは限らない。)
(2) とても実際に起きたとは思えないから、本当はネタじゃないのか? でも、他にも証言者がいるから、やっぱり事実かな?
シチュエーション 奥さんの言動 正解 更新日
裕司が結婚記念日を忘れて… 「私と結婚記念日とどっちが大事なの?」 「仕事と結婚記念日とどっちか大事なの?」 2016/05/29
旅客機の中で子供が騒いだので… 「外で遊びなさい」と怒った (旅客機の外に出たら危ない) 2016/03/08
面接で「家業はなんですか?」と聞かれて… 「かきくけこ」と言った 「○○屋」と言う 2016/03/08
引っ越しの割れ物の段ボール箱に… 「問答無用」と書いた 「天地無用」「ワレモノ注意」と書く 2016/03/08
テレビのコマーシャルで「手の荒れに効く」と言ったのを聞いて… 『あれ』じゃ解らないでしょう」と文句を言った。 「荒れ」だと言っている 2016/03/08
夜遅く、登山のテレビ番組の中で、出演者に「さあ、頂上に着きました。振り返ってみて下さい。」と言ったのを聞いて… 自分が振り返った テレビを観続ける 2016/03/08
居酒屋で、テーブルところの「御用の方はボタンを押してください」の貼り紙を見て… ボタンを押しながら「すみませーん!」と呼んだ ボタンを押した 2016/03/08
風呂場で鼻血が出て… どっかから鼻血が出てる! 「鼻から血が出てる!」「鼻血が出てる!」 2016/03/08
コインパーキングでの精算時に… 精算機の隣にあった自動販売機にお金を入れた。 精算機にお金を入れる。 2015/01/31
自宅のベランダにスズメが巣を作って困ったので… 巣の横に「ここはダメ!!」という貼り紙をした スズメに言葉で訴えても無理 2014/06/05
たんぶ…」 「多分…」 2014/03/20
子供の受験の相談で先生に「やっぱり1つか2つ受けておいた方がいいですかね?…」 すべり台 すべり止め 2014/03/20
レストランで、裕司の料理を勝手につまみ食いし、文句を言った裕司に、「1つ2つ取ったって…」 減るもんじゃなし 料理は減る物 2014/03/20
ソチ五輪のスノーボードで日本人選手がメダルをとったのを観ていて、裕司に… 「あなた、スノーボードのパイプカットで銀と銅よ」 ハーフパイプ 2014/03/20
奥さんの母親が病気になって、裕司が奥さんに電話で「大丈夫」と聞いたら、「大丈夫。今、薬飲んで…」 寝てるように死んでるから 「死んだように寝てるから」 2013/11/15
ラジオの通販番組を聞いていて、「何故、お坊さんはタダだの?」言った。その理由は… 僧侶無料 送料無料 2013/11/15
裕司が手術をした後に、医者に「大変ですね」と話しかけられて… 「はい、雨続きで…」 「はい、手術することになってしまって…」 2012/04/28
アルバイトしていた会社の社長室にいたお客さんにお茶を運んだ時に… 社長室を出る時にドアをノックした ノックは要らない 2012/04/28
コインロッカーを開ける時に… ノックした ノックは要らない 2012/04/28
山に登った時に… 「わぁステキ。この365度のパノラマ」 360度 2012/04/28
成田空港に向かうタクシーの運転手に、「お客さん、第一ですか?第二ですか?」ときかれて… 「第二カーニバルです」 「第二ターミナルです」 2012/04/28
息子の三者面談に三宅裕司が来れなくて、先生に「お子様とのふれあいを大事にしてください」と言われて… 「ふれあい…スキンヘッド!」 スキンシップ 2012/01/13
学校の連絡網の相手が萩原か荻原か判らなくて、電話をかけて… ふぁぎわらさんですか?」 「はぎわらさん」或いは「おぎわらさん」 2012/01/13
趣味を書くところに… 登山(下山も含む) 登山 2011/04/30
「(その服)似合うねえ〜」と言われて… 「そんなにワッショイしても何も出ないわよ」 「そんなにヨイショしても何も出ないわよ」 2011/04/30
高校野球の実況で「先制のホームラン」というのを聞いて… 先生も試合に出るの?」 生徒が先制ホームランを打った。 2011/04/30
カレー屋で店員に「カレーはナンで召し上がりますか?(それともライスで召し上がりますか?)」と聞かれて… 「おなかすいてるからよ…」 「ナンで…」 2009/10/17
息子が夜中に熱を出したので額を冷やそうとして… アイスノンを額に乗せるつもりが、冷凍イカだったことに翌朝気づいた アイスノンを乗せる 2009/10/12
飲食店でグッチ裕三夫妻と同席したとき、三宅が奥さんにテーブルの上の伝票を取って全部の支払いを清算するように目で合図を送ったとき… 「コーラを飲み干せ」という合図だと思って飲み干した 伝票をこっそり取って清算しに行く 2009/10/12
飛行機が着陸して気圧の変化で耳が変になったとき プールで耳に水が入ったときのように、片足でその場飛びして頭を傾けて叩いた つばを飲む 2009/10/12
グッチ裕三さんへの手紙の文中 ダッチさんへ グッチさんへ 2009/10/12
タクシーの運転手に… 「次の信号を右に曲げて下さい」 「次の信号を右に曲がって下さい」 2009/10/05
子どもたちが「お父さんとお母さんとどっちが先に声をかけて付き合ったの?」と聞かれて… 「パパが最初にローションをかけてきたのよ」 「パパが最初にモーションをかけてきたのよ」 2008/10/11
玄関で化粧直しをしているときに宅配便が来たので… 受け取りに口紅を押した 受け取りにハンコを押す 2008/10/11
玄関で靴磨きをしているときに宅配便が届いたので… 靴の中に手を突っ込んだまま荷物を受け取ったので、靴の跡がついた 靴を置いてから荷物を受け取る 2008/10/11
隣の家の奥さんが、借りた傘を返しに来た時に… 「困っているときはお生憎様よ」 「困っているときはお互い様よ」 2008/10/11
(美容院を6時半に予約していたとき)免許取立ての娘のハンドルの持ち方が違っていたのを見て… 「ハンドルを持つ手は6時半 「ハンドルを持つ手は10時10分 2008/10/11
ワイドショーで事件を見て… 「真相は蚊帳の外ね…」 「真相は藪の中ね…」 2008/02/03
落し物の携帯電話を拾って… 持ち主に連絡しようとして、携帯電話の番号に電話をかけた 2008/02/03
「ビーフジャーキー買って来て」と電話で頼まれて… ビールジョッキを買って来た ビーフジャーキーを買って来る 2008/02/03
嘘をついた相手に… 嘘は万病の元 嘘つきは泥棒の始まり
風邪は万病の元
2008/02/03
フランダースの犬の名前といえば… パチョレック(プロ野球選手) パトラッシュ 2008/02/03
のど飴を食べて… バリバリ噛んで飲み込んだ 噛まずに口に入れたまま 2008/02/03
ICUに運ばれたと聞いて病院に行き… CIAはどこですか?」
(病院の職員の答え「アメリカだと思いますけど…。」)
ICUはどこですか?」 2008/02/03
電器屋で… 霞ヶ関あるでしょ?」
(店員の答え「霧が峰じゃないですか?」
霧が峰あるでしょ?」 2008/02/03
角にある○○銀行に行って「××銀行ですか?」と聞いて「隣です」と言われたので、銀行を出て… 角を曲がって同じ○○銀行の別の入り口から入った 2008/02/03
子供に怒って… 「あんたたち、誰のためにごはん食べてんのよ!」 「あんたたち、誰のおかげでごはん食べてんのよ!」 2008/02/03
「『人』という字をご覧なさい」と言った後… 猫の口に似てるでしょ 「人と人とが支えあっている形をしてるでしょ」 2008/02/03
ホテルのフロントにチェックアウトは何時までかを聞こうとして… 今、終わりました 「チェックアウトは何時までですか?」 2009/10/12
ホテルに電話して… 「おたくのホテル、ベッドインは何時ですか?」 「おたくのホテル、チェックインは何時ですか?」 2008/02/03
電話で名乗った後、「どんな漢字ですか?」と聞かれて… 「ちょっとマダム風 「数字の三に住宅の宅…」 2016/03/08
怒って… 「犬だって三日飼ったら飼い主のが判るのよ!」 「犬だって三日飼ったら飼い主のが判るのよ!」 2008/02/03
怒って… 「それはそっちのセリフよ!」 「それはこっちのセリフよ!」 2008/02/03
子供の麻祐子と晋之輔がペットのハムスターの世話をお互いに押し付けあっているのを見て… 「いい加減にしなさいよ、ハムノスケ!」 「いい加減にしなさいよ、晋之輔!」 2008/02/03
夫婦喧嘩をして部屋を出て行こうとするときに… 抱いてよ!」 どいてよ!」 2008/02/03
「暑いからそろそろノーブリーフ出さなきゃ。」 「暑いからそろそろノースリーブ出さなきゃ。」 2008/02/03
料理教室は3階に行って下さい」と言われて… 「料理教室、料理教室、料理教室…」と自信なさそうに3回言った。 2008/02/03
歯医者に行った後に美容院に行って椅子に座って 口を開けた 2008/02/03
歯医者で、「口紅を拭いてください」と言われて… 口笛を吹いた 2008/02/03
三宅裕司を見かけて一緒にいた人に紹介しようとして… 「あそこ立っているのが私の主人です」 「あそこ立っているのが私の主人です」 2008/02/03
ソリンんたん」 ソリンんたん」 2008/02/03
「ゴルフのメッタ打ち 「ゴルフの打ちっぱなし 2008/02/03
おやぶん、失礼しました」 夜分、失礼しました」 2008/02/03
入試を控えている親戚の子供に(?) 元々ダメなんだから」 ダメで元々なんだから」 2008/02/03
しゃぶしゃぶ食べ放題の店で 食べ食べしゃぶ放題 しゃぶしゃぶ食べ放題 2008/02/03
南京玉すだれ 文金高島田 2008/02/03
「坊主丸坊主 「坊主丸儲け 2008/02/03
犬を飼いたいという子供に… 「犬なんて、誰が始末するの!」 「犬なんて、誰が世話するの!」 2008/02/03
同じ釜の下に住んでるんだから」 「同じ釜の飯を食べてるんだから」
「同じ屋根の下に住んでるんだから」
2008/02/03
三宅の母に書いた手紙で… も近づきまして」 も近づきまして」 2008/02/03
犬の散歩に行こうとシャベルと袋を持って… 犬を連れて行かなかったので「芋掘りですか?」と言われた 2008/02/03
外出時に携帯電話を持って行こうとして… 子機を持って出かけた 2008/02/03
恋する日曜日 (3) #22 『お引越し』 ★★ 2007年、日、カラー、1:1.78、HD、26分 【監督】古厩智之【脚本】渡辺千穂 TBS 2012/05/04(金)鑑賞 2007/06/02の再放送 ドラマ 2012/05/04
ストーリー 感想
 家族でアパートに引っ越してきた女子学生の山下リオは、隣の若い男に一目惚れして、ベランダ越しに彼の部屋に忍び込んでは、日記を読んだりして彼の気に入ることをして気を引き、ついに付き合うことが出来た。
 しかし、彼が別の彼女を連れ込んだところで鉢合わせになり、彼女は彼を振ってがっかりするが、すぐに反対側の隣の部屋の若い男の獲得に心を躍らせた。
 無節操、無軌道、そして無邪気な主人公の話だが、山下リオの明るい魅力を引き出していて、気持ちよくまとまっている。
恋する日曜日 (3) #19 「アダルトな恋」 ★★ 2007年、日、カラー、1:1.78、HD、26分 【監督】堀英樹【脚本】佐藤二朗 TBS 2012/05/04(金)鑑賞 2007/05/12の再放送 ドラマ 2012/05/04
ストーリー 感想
 司法試験を落ち続けて、悶々とした気持ちを抱えながらレンタルビデオ店の店員をしている佐藤二朗の前に、堂々とアダルトコーナーに入ってビデオを借りられない男の客たちが次々と現れ、彼はそんな客たち行動を凝視して心の中で突っ込み続ける。  AVを借りる時に、高尚な映画も借りてAVを隠してカウンターに出す等の、思いつく限りのAVレンタルに関する面白エピソードを、徹底的に面白おかしく描いた作品。
 その潔さはいいんだけど、一本調子なので、時間が経つにつれて飽きてくるのと、狙いが単純すぎて身も蓋もない気分になってくるのが難点。
恋する日曜日 (3) #17 「忘れ路の面影」 ★☆ 2007年、日、カラー、1:1.78、HD、26分 【監督】安藤尋【脚本】加藤淳也 TBS 2012/05/04(金)鑑賞 2007/04/28の再放送 ドラマ 2012/05/04
ストーリー 感想
 病気で急死した母の死に目に会えなかったことが、そばにいたのに対応が不適切だったということで父親を責めた有美子(瓜生美咲)のところに、自分にそっくりなユウナが現れ、父親が昔死んでまだ生きている母親に再会できる世界へと迷い込んだ。
 母と話すうちに父への反発は薄らぎ、元の世界に戻って探しに来た父と共に家に帰った。
 なんか、固いなぁ…。
 「軽い」「重い」には良し悪し両面あるが、「固い」に良い面はあまりなさそう。
刑事コロンボ 恋に落ちたコロンボ (原題:It's All in the Game:、意味「」) ★★☆ 1993年、米、カラー、1:1.33、フィルム撮影、テレビ放映、94分【監督】ヴィンセント・マクビーティ【脚本&製作総指揮】ピーター・フォーク NHK-BS2 2011/01/15(土)鑑賞 ドラマ 2010/12/19
ストーリー 感想
 ローレン(フェイ・ダナウェイ)は、イタリア人の恋人ニック(アルマンド・プッチ)をパーティに招待したが、彼を殺すことを企んでいた。
 ニックは早めに抜け出して、二股をかけていたイタリアから来たばかりのリサ(クローディア・クリスチャン)と会って自宅に連れて行ったが、そこで待っていたローレンに撃ち殺された。
 ローレンとリサは共犯で、ローレンはパーティに戻って、パーティが終わってからニックの家に行き、管理人に鍵を開けてもらって一緒にニックの部屋に向かう途中、リサが発砲して窓から逃げてローレンのアリバイ工作をした。
 コロンボは、第一発見者のローレンにつきまとって話を聞き出すが、彼女の美しさに惹かれ、そんなコロンボにローレンは色仕掛けでコロンボの注意をそらそうとした。
 ニックの通話記録からリサの存在が判り、警察署で取り調べを受けているところにコロンボがローレンを連れてきて、ローレンはリサを釈放することを条件に自白した。
 リサはローレンの娘で、イタリアでニックと付き合っていたときに金持ちの母の話を聞いて、金目当てでローレンに近づき、それを知ったリサを脅したことが動機だった。
 主犯が共犯者に状況を逐一電話で話すので、コロンボに付きまとわれてどう感じているのか?何を思って刑事に親しげに接するのか?ということが、他の作品より判りやすいのが面白い。
 それから、コロンボの刑事らしくない物腰の柔らかいキャラクターが、物語に生きている
刑事コロンボ 犯罪警報 (原題Caution: Murder can be Hazardous to Your Health:、意味「健康のため、殺人に注意しましょう」) ★☆ 1991年、米、カラー、1:1.33、フィルム撮影、テレビ放映、88分【監督】ダリル・デューク NHK-BS2 2010/12/19(日)鑑賞 ドラマ 2010/12/19
ストーリー 感想
 指名手配犯人の情報を募るTV番組「犯罪警報」の司会者(ジョージ・ハミルトン)は、ライバルのニュースキャスターから、かつてポルノに出演していたことをばらされたくなかったら、番組の司会を降りて自分に譲れと脅された。
 司会者は、キャスターの家に行って、薬物を仕込んだ煙草を吸わせて殺し、ポルノ出演の証拠を持ち去った。
 コロンボは、次々と殺人の証拠を見つけるたびに司会者にしらせ、司会者も担当番組の性質上推理にのめり込んで見せた。
 そして、司会者のアリバイを示す自宅の監視カメラのテープが、植込みの刈り込みあとから時間を前後するねつ造が判り、被害者の家の犬が引っ掻いた跡が司会者の車に残っていたことから、司会者の嘘がばれた。
 今回は、証拠が次々と見つかって、特に推理らしきものはなしで結末を迎え、見せ場もひねりも起伏も乏しく、かなりもの足りない。
 監視カメラの映像が、まるでカメラマンが撮影したように、人物の動きに合わせてパンして、友人無人を見分けて録画テープのオンオフをしていたんだけど、それを自動で行うカメラが本当に当時あったのだろうか?
刑事コロンボ 大当たりの死 (原題:Death Hits the Jackpot、意味「死は大当たりをもたらす」) ★★ 1991年、米、カラー、1:1.33、フィルム撮影、テレビ放映、分【監督】ヴィンセント・マケヴィティ NHK-BS2 2010/12/04(土)鑑賞 ドラマ 2010/12/12
ストーリー 感想
 宝くじが大当たりした男が、離婚協議中の妻に財産分与で取られるのを避けようと、叔父に相談を持ち込んだ。
 叔父は自分がくじを買ったことにして、賞金を受け取った後に甥に渡すことをもちかけて実行したが、叔父の経営する店が倒産の危機にさらされていて、また叔父の浮気相手が甥の妻だったこともあり、仮装パーティの最中に甥のアパートに行って甥を風呂場で転んで溺れ死んだように見せかけて殺し、パーティに戻った頃に甥の妻にアパートから電話をかけさせて甥が生きていると見せかけるアリバイ工作をした。
 コロンボは、甥が防水でない腕時計をつけたまま入浴しようとしてたこと、死ぬ前に急に羽振りが良くなったことから事故死ではないとにらんだ。
 そして、甥が死んだときに下の階の住人から預かっていたチンパンジーの指紋が叔父の仮装パーティの衣裳に残っていたことから叔父が現場にいたことがことが判り、賞金が全額夫から相続されると知った妻が知らんぷりをしたことに怒った叔父が彼女の共犯もぶちまけて、2人は逮捕された。
 今回は、これといってコロンボの推理は見せず、ラストで唐突に決定的な証拠が見つかったという展開。
 その代り、チンパンジーが殺人の目撃者として描かれていたり、犯人の2人が密会するたびに激しく愛撫し合うのが下品でバカっぽかったりなど、コミカルな感じが珍しくて面白い。
刑事コロンボ 狂ったシナリオ (原題:Columbo: Murder, Smoke and Shadows、意味「殺人と煙と影」) ★★ 1989年、米、カラー、1:1.33、フィルム撮影、テレビ放映、分【監督】ジェームズ・フローリー NHK-BS2 2010/12/04(土)鑑賞 ドラマ 2010/12/04
ストーリー 感想
 撮影所の観光ツアーに参加していた男が、抜け出して旧知の有名特殊効果監督アレックスが撮影所内に構えている事務所に現れた。
 そこで、アレックスの自主映画で男の妹がバイクスタントで事故をして、アレックスが将来のために撮影を無かったことにするために、妹を置き去りにしたために彼女は死に、男はその時のフィルムを見つけてアレックスに見せて、キャリアをつぶすと言った。
 アレックスはオープンセットの中の門に電流を流して、そこに男を追い詰めて感電死させ、身元を隠すために顔や指紋をつぶして浜に置き去りにした。
 しかし、死体のそばにあった本に事務所の電話番号が書き残されていたことからコロンボが現れたが、それらしい電話はかかってこなかったと答えた。
 さらに男のマネーベルトにあったトラベラーズチェックから男の身元が割れ、コロンボは被害者の行動を調べるためにアレックスにまとわりついた。
 アレックスが秘書とレストランで食事中に、被害者からの電話を受け取ったことを明かさない見返りにお金を要求し、アレックスはのんだ。
 しかし、これはコロンボがアレックスにボロを出させるために仕組んだ芝居で、事務所にあった本に撮影所ツアーの入場券がはさまれていたこと、アレックスが感電死させるために水を撒いたところに被害者の靴のかかとがあったことと合わせて、アレックスを逮捕した。
刑事コロンボ 完全犯罪の誤算 (原題:Agenda for Murder、意味「」) ★☆ 1989年、米、カラー、1:1.33、フィルム撮影、テレビ放映、分【監督】パトリック・マクグーハン NHK-BS2 2010/12/03(金)鑑賞 ドラマ 2010/12/03
ストーリー 感想
 副大統領候補の参謀をしている弁護士(P・マクグーハン)が、かつての仕事仲間の男から電話がかかり、弁護士の21年前の違法行為をネタに自分が逮捕されないように働きかけるよう脅された。
 弁護士は、男に会いに行って撃ち殺し、逮捕を悲観して自殺したように見せかけた。
 しかし、床の上の乾いた血痕の上に銃が落ちていたことと、男の妻の旅行先にジョークのファックスを死の直前に送っていたことから、コロンボは自殺ではないと見抜き、被害者が直前に電話で話した弁護士のところに来るが、うろたえて助けを求めていたが断ったと答えた。
 コロンボは、犯行現場に残されていた、弁護士がつまみ食いをした食べかけのチーズの歯型が、弁護士のものと一致し、会ってないという嘘を立証して、弁護士は観念した。
刑事コロンボ 影なき殺人者 (The Murder of a Rock Star、意味「ロックスターの殺人」) ★☆ 1989年、米、カラー、1:1.33、フィルム撮影、テレビ放映、分【監督】 NHK-BS2 2010/12/03(金)鑑賞 ドラマ 2010/12/03
ストーリー 感想
 ロックスターの女の浮気を知った内縁の夫の弁護士は、別れ離れを切り出したら妻からお金をせびられた。
 弁護士はビーチハウスにあったシャンパンのビンに、コルクを通して注射器で睡眠薬を仕込み、妻と浮気相手が眠ったところに、庭師の車を勝手に動かして庭師に成りすましてビーチハウスに入り、妻だけを絞殺してコルクやビンなどの証拠を消して現場を後にし、目覚めた浮気相手は自分が疑われると思って逃走した。
 ビンに残っていた指紋から浮気相手の身元が割れて間もなく捕まったが、被害者は手袋をはめた手で絞殺されたのに指紋が残っていたことから、犯人は別にいると思った。
 そして、現場に残されたコルクは、ビーチハウスのシャンパンではなく弁護士の事務所にあったものだと気付いたが、弁護士は犯行時刻に離れた場所で運転中のところをスピードオーバーの自動撮影で撮られていたというアリバイがあった。
 コロンボは、写真の中の弁護士の顔の影から、顔写真を引き伸ばして作った覆面を別人が運転していることを突き止めた。
 そして、庭師の車に首を絞めたのと同じ手袋の後があり、庭師の車があったところにしか生えていない街路樹の実が弁護士の車から見つかったことから、弁護士の犯行が立証された。
刑事コロンボ かみさんよ、安らかに (原題:) ★★ 1989年、米、カラー、1:1.33、フィルム撮影、テレビ放映、分【監督】 NHK-BS2 2010/12/02(木)鑑賞 ドラマ 2010/12/02
ストーリー 感想
 コロンボの奥さんの埋葬の場に、コロンボへの恨みを晴らすために彼女を殺した不動産業の女が参列していた。
 その女は、かつて夫が密告されてコロンボに逮捕された後に死んだので、コロンボにも同じ目に合わせようとしたのだった。
 コロンボの奥さんを殺す前に、密告した男が家にいたところを射殺し、その後恋人と会っている途中に男の口座からATMで引き落として、その時刻まで男が生きていたように見せかけた。
 思った通りコロンボが捜査を担当し、被害者と最後に会った女が怪しいと思った。
 女は、コロンボと話して何かと奥さんを話題にし、奥さんへのお土産だと言って毒入りのマーマレードをコロンボに手渡した。
 後日、コロンボが女から話を聞いているところに奥さんが病院に運ばれたとの知らせが入り、コロンボは急行した。
 そして、奥さんは亡くなり、埋葬の後に女は自宅に帰るコロンボに付き添った。
 家に着くなり、空腹のコロンボはマーマレードをパンに塗って食べて苦しみだし、女はコロンボへの復讐のシメとして、男の殺害からの経緯をすべてコロンボに聞かせた。
 しかし、コロンボの奥さんが死んだというところから、すべてが彼女をハメて自白させるための芝居だった。
 
刑事コロンボ 迷子の兵隊 (原題:Grand Deceptions、意味「壮大な詐欺」) ★☆ 1989年、米、カラー、1:1.33、フィルム撮影、テレビ放映、93分【監督】サム・ワナメイカー NHK-BS2 2010/12/02(木)鑑賞 ドラマ 2010/12/02
ストーリー 感想
 民間の国防団体の幹部で、新兵の訓練もしている元大佐は、部下の元曹長の男に横領を見つけられ、分け前をせがまれた。
 大佐は、山中での戦闘訓練中に部下を刺殺し、爆薬のある位置まで運んで、訓練時の爆破による事故死に見せかけた。
 コロンボは、遺体に引きずられた跡があることを見つけ、心臓への刺し傷も見つかったことから、殺人であることが明らかになった。
 しかし、大佐には団体の会長のために、南北戦争のジオラマを作っていたというアリバイがあった。
 コロンボは、ジオラマの箱の前に届いた本の箱に、中に入っていたはずの数冊の本が大きくて入らないことから、本の箱にジオラマの部品が入っていて、大佐があらかじめジオラマを作ることが可能だったことをつきとた。
 アリバイを崩された大佐は罪を認めた。
 最後のコロンボの推理が大量の台詞によって説明されたので、一度聞いただけでは理解しにくい。
 よって定かではないのだが、コロンボは犯人のアリバイを崩しただけで、それだけで犯人は観念しちゃったの?
 あと、犯人が脅迫される前から、殺人目的でアリバイ工作をしていたようにも見える。
 殺人が行われてコロンボが登場するまでが20分ぐらいとかなり長く、時間配分のバランスが悪い印象。
 でもそれは、ありもしない危機感に踊らされて外国を歪んだ目で見ているナショナリスト集団を批判する意図があるのかも。
刑事コロンボ 殺意のキャンバス (原題:Murder a Self Portrait、意味「自画像を殺せ(?)」) ★☆ 1989年、米、カラー、1:1.33、フィルム撮影、テレビ放映、91分【監督】ジム・フローリー NHK-BS2 2010/11/30(火)鑑賞 ドラマ 2010/11/30
ストーリー 感想
 人気画家の男は、今の妻とだけでなくモデルの若い女や隣に住む前の妻も加えて、4人で仲良くやっていた。
 しかし、前の妻に精神分析医の新しい彼ができ、彼女が握っている画家の秘密が漏れることを恐れた画家は、酒場の2階に閉じこもって絵を完成するまで描き続けていたように見せかけるために、既に完成した絵を持ち込んで窓から出て、浜辺で妻を気絶させて海で溺れたように見せかけた。
 コロンボは、遺体がコンタクトレンズをつけていたことなどから、水泳中の事故死ではなく殺人であるとにらんだ。
 精神分析医が持っていた前妻の悪夢のテープを解析しつつ、遺体に絵の具がついていたことから、画家のアリバイ工作を崩して、犯人に犯行を認めさせた。
 事件が起こるまでが長いし、コロンボが捜査している感じがなくて、夢解析は推理不足の穴埋めみたい。
 そんなわけで、ミステリーとしては物足りないけど、犯人と被害者とその周囲の人々との関係は面白くて、台詞が凝っていた。
刑事コロンボ 華麗なる罠 (原題:Uneasy Lies the Crown、意味「気がかりな嘘がある差し歯(?)」) ★☆ 1990年、米、カラー、1:1.33、フィルム撮影、テレビ放映、95分【監督】アラン・J・レビイ NHK-BS2 2010/11/27(土)鑑賞 ドラマ 2010/11/27
ストーリー 感想
 歯科医の男は、妻の父から仕事の怠慢と無駄遣いと娘の意思を理由に、離婚をして父の病院から出ていくように言われた。
 そこで、妻の浮気相手で歯科医の男の患者の映画スターの差し歯に妻が常用している薬を大量にしこみ、その日の夜に彼が妻と会っている時に死ぬことで、妻を殺人犯にしようとした。
 もくろみ通り俳優は死に、歯科医は妻から頼まれて俳優の遺体を運び出して自動車事故に見せかけた。
 コロンボは、車のギアがニュートラルだったことから病死に見せかけた殺人であることを見抜いたが、さらに飲んだら1分で死ぬ薬入りのマルガリータを2杯飲んでいたことから、薬は歯科医が後から入れたことも見抜いた。
 コロンボは遺体安置所に歯科医を呼び出し、差し歯に薬がしこまれて体温で温められると、化学反応で差し歯が青く染まることを実験で示して、歯科医は観念して遺体の差し歯を確認するに及ばず自供したが、その実験は差し歯や薬とは無関係のハッタリだった。
 今回は殺人方法のトリックが技術的に凝っているので、コロンボがそれに気づくかまでを段階的に示すのだが、犯人相手に推理の途中経過を披露して、犯人は自分が疑われているのに笑って受け流す、というやりとりは、やっぱり視聴者に見せるための描き方で、不自然。
 ストーリー的にも、俳優が妻に家に会いに行ってなかったら?マルガリータを飲んでなかったら?コロンボのハッタリが通じずにに遺体の差し歯が青くないことが判ったら?など、偶然に頼り過ぎ。
刑事コロンボ 殺人講義 (原題:Columbo Goes to College、意味「コロンボ大学へ行く」) ★★☆ 1990年、米、カラー、1:1.33、フィルム撮影、テレビ放映、92分【監督】E・W・スワックマー NHK-BS2 2010/11/25(木)鑑賞 ドラマ 2010/11/26
ストーリー 感想
 答案用紙を盗んだことが教授に見つかって、退学になるかもしれないと言われた法学部の2人の男子大学生は、教授の依頼でコロンボが大学で講義をしているときに、教授を駐車場におびき出して、講義室から遠隔操作で彼を撃ち殺し、生徒を連れて自分の車の駐車場所に来たコロンボが教授の遺体を見つけた。
 2人はコロンボに協力的に振る舞って、教授の浮気相手、教授が告発した犯罪組織、駐車場の警備員の元殺し屋の弟などの仕業であるように思わせようとした。
 ところが、教授が撃たれた映像を家庭のテレビで受信して録画したテープが出てきて、その映像のカメラがあった場所に学生の車が停めてあったことから、彼らが車に設置したカメラの映像を講義室で小型テレビで映像を受信して、それを観ながら無線ロックの仕組みを利用して車に据え付けた拳銃の引き金を引いたことをコロンボが突き止めた。
 そして、再び大学で講義を開いて殺人方法を再現して見せ、コロンボが元殺し屋の車に仕立てた妻の車の情報を2人の学生だけに話して、そこから彼らが偽装して隠した凶器の銃が出てきたことが決め手で、彼らを逮捕した。
 コロンボの定番のストーリーで不自然なことの1つは、犯人がコロンボの捜査にやけに協力的で、自分からアイディアを提供したりするのがわざとらしいこと。
 でも、今回のストーリーではアイディア提供の必然性があるので、その点が気にならないだけでなく、やり取り自体がその後のサスペンスに結び付いて興味がわく。
 それと、犯人像がヒッチコックの『ロープ』を彷彿とさせ、自信満々で他人を見下す嫌な奴らになっているのも効果的。
刑事コロンボ マリブビーチ殺人事件 (原題:Murder in Malibu、意味「マリブの殺人」) ★★ 1990年、米、カラー、1:1.33、フィルム撮影、テレビ放映、92分【監督】ウォルター・グローマン NHK-BS2 2010/11/19(金)鑑賞 ドラマ 2010/11/19
ストーリー 感想
 人気女流作家テレサは、若い俳優(アンドリュー・スティーブンス)と結婚するつもりだったが、ある夜、彼がプレイボーイで他に何人も女がいたことに怒って、電話で別れを告げた。
 借金のあったウェインは、仲を修復しようとすぐさま彼女の家まで車を飛ばすが、彼女を射殺して急いで家に帰る。
 コロンボ(ピーター・フォーク)は、作家の家付近でウェインの車を目撃した者を見つけ、ウェインは罪を認めるが、検死の結果、別の銃で先に発砲したものが致命傷で、ウェインは既に死んでいると気付かずに撃ったことが判った。
 その後の調べで、テレサが死んだときの保険金は、彼女の姉のジェス(ブレンダ・ヴァッカロ)とウェインが受け取ることが判った。
 そして、別れの電話をかけたのはジェスであることも突き止めた。
 コロンボは、遺体の写真を見て、パンティが後ろ前であることを見つけ、女性下着に疎いウェインが死後にはかせて偽装し、その後しばらくしてもう一度撃ってアリバイ工作をしたことをつきとめた。
 いつもとは別パターンのストーリーで、犯人だと思っていた男が、実は犯人ではなかったということが判り、そこからさらにミスリーディングを誘いながら、犯人不明のまま二転三転するところが特長。
 でも、コロンボは謎解きもいいけど、それよりも犯人像やコロンボとのやりとにに「厚み」がある方が良く、厚みが感じられないと、もの足りなく感じる。
 コロンボの吹替えは、1985年に亡くなった小池朝雄に代わって石田太郎。
怪談新耳袋 第四話「同じ傷」 ★☆ 【監督】村上賢司、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/09/30(木)26:35-27:10再放送 ドラマ 2010/10/03
ストーリー 感想
 小池里奈が、姉の桐谷美玲から「新耳袋」の本を借りるが、一晩で全99話を読んでしまうと、百話目の怖い出来事は読んでいる人に実際に起こると言われた。
 その夜読み始めると止められなくなり、気がつくと最後まで読んでしまっていた。
 翌朝、家族全員の体に「百」の傷がついていた。
 やっぱり、見せ場が無いと物足りない。
怪談新耳袋 第八十六話「へそくり」 ★★ 【監督】井口昇、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/09/16(木)26:55-27:30再放送、2010/09/19(日)鑑賞 ドラマ 2010/10/03
ストーリー 感想
 嶋田久作が眠っているときに、隣の家の爺さんの霊が間違って現れ、「マルクス」と言った。
 翌日、隣の婆さんの家に行くと、マルクスの本から爺さんのへそくりが出てきた。
 その後も、久作を婆さんと間違えて爺さんの霊が表れ続け、風呂場で久作にキスをし続けた。
 いきなり白塗りの爺さんが現れる瞬発力の強さで見せるのは、さすがの井口監督。
怪談新耳袋 第七十八話「姉形」 ★☆ 【監督】吉田秋生、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/09/16(木)26:55-27:30再放送、2010/09/19(日)鑑賞 ドラマ 2010/10/03
ストーリー 感想
 家族が祖母の見舞いに2、3日出かける中、熱が出た桐谷美玲は家で一人寝ていることになった。
 姉の星野真里が祖母からもらった人形を枕元に置いてから、口の中に髪の毛が出てきて、夜もうなされ続けた。
 体調が悪くなり、人形から抜けた髪の毛が部屋に散らばった。
 これも、見せ場が無いと、全体的にダラダラした締まりのない感じの作品になってしまう。
怪談新耳袋 第九十二話「続く」 ★☆ 【監督】佐々木浩久、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/09/16(木)26:55-27:30再放送、2010/09/19(日)鑑賞 ドラマ 2010/10/03
ストーリー 感想
 嶋田久作は、毎晩刃物を持った赤い女が自分を刺そうとする夢に悩まされていた。
 霊能力者(中原翔子)に御払いをしてもらったが、それも効かなかった。
 またまたこれも、見せ場が無いと、全体的にダラダラした締まりのない感じの作品になってしまう。
怪談新耳袋 第九十九話「シャワー」 ★☆ 【監督】吉田秋生、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/09/16(木)26:55-27:30再放送、2010/09/19(日)鑑賞 ドラマ 2010/10/03
ストーリー 感想
 ホテルで勤務することになった星野真里が、601号室には霊が出るので、客を入れてもいけないし、他の従業員は入っているが真里は入らないようにと言われた。
 好奇心がわいて入ってみると、バスルームからシャワーを浴びていた全裸の女の霊が現れて、真里を誘惑してベッドに誘った。
 目を覚まして部屋を出ると、同僚たちが好奇の目で待っていた。
 ホラーと見せかけて淫靡な方向に持っていっているが、そこまでヒネった割には、破壊力に欠ける。
怪談新耳袋 第九十話「社長室」 ★★☆ 【監督】井口昇、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/09/23(木)27:20-27:55再放送、2010/09/25(土)鑑賞 ドラマ 2010/09/25
ストーリー 感想
 暗いオフィスで1人で残業していた星野真里が、突然赤い爪の手のに頭をつかまれ揺さぶられつつけた。
 その手は、社長室にいた何者かから伸びたものだった。
 翌日、社長(諏訪太朗)に話すと、「今度その女が来たら『ここは君の来る所じゃない』と言え」と言われた。
 これもシンプル、かつ見せ方に工夫が感じられていい。
怪談新耳袋 第八十七話「無言」 ★☆ 【監督】村上賢司、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/09/23(木)27:20-27:55再放送、2010/09/25(土)鑑賞 ドラマ 2010/09/25
ストーリー 感想
 嶋田久作の亡き妻の母が再婚相手の見合い写真を持ってきて、家族みんなで盛り上がっていたが、次女の桐谷美玲だけは反対した。
 1人だけ自分の部屋行くと、そこには祖母の生霊のようなものが現れ、やがて父と姉妹たち(星野真里、小池里奈)の生霊も加わって、皆で美玲をにらみつけた。
 コメントすることはない。
怪談新耳袋 第九十四話「水辺の写真」 ★★☆ 【監督】三宅隆太、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/09/23(木)27:20-27:55再放送、2010/09/25(土)鑑賞 ドラマ 2010/09/25
ストーリー 感想
 小池里奈が学校から帰ってくると、玄関の前に茶封筒が置かれていた。
 中に入っていたのは、運転席から水辺を撮った連続写真で、学生服の男が水中から近づいてくるのが写っていた。
 最後の1枚を恐る恐る見たが、男は消えていてホッとすると、写真の下の足元に現れた。
 尺が短いんだから、こんな風にシンプルにヴィジュアルで怖がらせるのがいい。
怪談新耳袋 第八十九話「手さぐり」 ★☆ 【監督】井口昇、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/09/23(木)27:20-27:55再放送、2010/09/25(土)鑑賞 ドラマ 2010/09/25
ストーリー 感想
 星野真里が、おばさんの経営する旅館から帰る前日の夜、眠っているところを掛け布団をまさぐる手の存在に気付いて、悲鳴を上げた。
 駆け付けたおばさんは、座頭の仕業だと気付いて、掛け布団の上に一分銀を置けばいいという祖母の教えを実行し、座頭は受け取って消えた。
 しばらくして、その旅館はつぶれた。
 コメントすることはない。
怪談新耳袋 第八十八話「小田原提灯」 ★☆ 【監督】佐々木浩久、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/09/23(木)27:20-27:55再放送、2010/09/25(土)鑑賞 ドラマ 2010/09/25
ストーリー 感想
 星野真里は、おばさんの経営する旅館に泊まりに来た。
 他に客はいないはずだったが、白い着物姿の女と、廊下に提灯を見た。
 おばさんは、かつてその女が泊まった時、待っていた男が来なくて、最終列車を駅で待つために、提灯片手に夜道を出かけ、翌日首を吊っているところを発見されたと話した。
 コメントすることはない。
怪談新耳袋 第九十五話「いってきます」 ★☆ 【監督】三宅隆太、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/09/16(木)26:55-27:30再放送、2010/09/19(日)鑑賞 ドラマ 2010/09/25
ストーリー 感想
 亡き母に代わって家事を切り盛りしている星野真里が、朝出かける前に仏壇の母の家に向かって愚痴をこぼすと、母の霊が現れ「いってらっしゃい」と言い、真里は嬉しく思った。  怖いというより、ほのぼのと心が温まる作品。
 でも、やっぱり怖い方がいいなぁ。
怪談新耳袋 第九十八話「おシカさん」 ★☆ 【監督】吉田秋生、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/09/16(木)26:55-27:30再放送、2010/09/19(日)鑑賞 ドラマ 2010/09/25
ストーリー 感想
 星野真里がフロントで働くホテルに父親の嶋田久作が泊まりに来た。
 部屋でくつろいでいると老婆の幽霊が現れ、彼女にせがまれるまま酒とつまみを買って2人で飲み合った。
 彼女の名前がシカだと聞いて「可愛い名前だね」と言うと、彼女は消えて姿を消した。
 怖いというより、とぼけた感じの作品。
 でも、やっぱり怖い方がいいなぁ。
怪談新耳袋 第七十九話「中学の同級生・前編」、八十話「中学の同級生・後編」 ★☆ 【監督】三宅隆太、2004、5分&5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/09/16(木)26:55-27:30再放送、2010/09/19(日)鑑賞 ドラマ 2010/09/25
ストーリー 感想
 高校1年生の桐谷美玲が、中学の同級生だったミキと会い、部屋に幽霊が出ているかもしれないので、霊感のある美玲に泊まりに来て確認してほしいと頼まれた。
 家に行くと、ミキの両親にも頼まれて、ミキの部屋で寝ることになった。
 夜中に物音で目を覚ますと、女の霊が現れ、美玲は思わず布団にもぐりこんだ。
 霊が消えてミキの様子を見ると、霊に取りつかれたようだった。
 美玲はそのまま家に帰り、まもなく一家は他の町に引っ越した。
 意外にインパクトが弱い。
怪談新耳袋 第十三話「絆創膏」 ★★ 【監督】佐々木浩久、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/09/16(木)26:55-27:30再放送、2010/09/19(日)鑑賞 ドラマ 2010/09/25
ストーリー 感想
 星野真里と小池里奈が家に帰ると、塀に頭を打ち続けている不気味な女がいた。
 女は、玄関のドアの隙間から中に手を突っ込んできたので、真里がゴルフクラブでたたくと、腕がもげた。
 その夜、目が覚めた真里ののところに全身絆創膏の女が現れ、「腕を返せ」と言った。
 謎の女は、ちゃんと不気味さを出せていた。
怪談新耳袋 第九十七話「大変やぁ」 ★★☆ 【監督】井口昇、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/09/09(木)26:55-27:30再放送、2010/09/10(金)鑑賞 ドラマ 2010/09/25
ストーリー 感想
 小池里奈が姉の星野真里に、姉の部屋にネズミがいると言った。
 姉が出かけて1人になった里奈に、全身青い男の子が「大変やぁ」と言いながら襲ってきた。
 姉の部屋に逃げ込むと、首を吊った女の人がいた。
 くどいほど意表をつきまくって、これはとても面白いけど、小池里奈の怖がり方が弱いのが残念。
怪談新耳袋 第八十五話「爆弾」 ★☆ 【監督】村上賢司、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/09/09(木)26:55-27:30再放送、2010/09/10(金)鑑賞 ドラマ 2010/09/25
ストーリー 感想
 1人家にいた星野真里が目をさますと、金縛りにあって、日本兵と防空頭巾をかぶった霊が叫び声を上げながら現れたり消えたりした。
 それは夢で、目を覚ますと、地震で神棚から落ちた鏡の中に、おいでおいでをする手が映った。
 叫び続けるのが訳わからないんだけど、「解らないけど面白い」とは違って、この作品は「ただ訳わからないだけで、面白くない」。
怪談新耳袋 第九十三話「臭い」 ★★☆ 【監督】井口昇、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/09/09(木)26:55-27:30再放送、2010/09/10(金)鑑賞 ドラマ 2010/09/25
ストーリー 感想
 下校中の桐谷美玲が、ひとけのない道で和服姿の臭い女の人を見かけた。
 その女が変な動きでまとわりついてきたので、恐怖におののいてると、姉の星野真里が現れた。
 しかし、真里が美玲を臭いと言って、女と同じ変な動きをし始めた。
 これは、「訳わからないけど、動きがやたら面白い」作品。
怪談新耳袋 第九十六話「超能力」 ★☆ 【監督】村上賢司、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/09/09(木)26:55-27:30再放送、2010/09/10(金)鑑賞 ドラマ 2010/09/25
ストーリー 感想
 小池里奈は、夏休みの宿題の自由研究のために、超能力者を目指しているシュウジを家に呼んでスプーン曲げをしてもらうことにした。
 シュウジが、悪口を言われて怒りを感じないと超能力を発揮できないというので、里奈が罵倒し続けてスプーンを曲げることができた。
 シュウジが里奈に「前から好きだったと」告白すると、シュウジは返されて、帰り道に送電線の鉄塔を曲げた。
 特にコメントすることはない。
怪談新耳袋 第九十一話「タバコはベランダで」 ★★ 【監督】吉田秋生、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/09/09(木)26:55-27:30再放送、2010/09/10(金)鑑賞 ドラマ 2010/09/25
ストーリー 感想
 嶋田久作は、禁煙の自宅でタバコを吸いたくても娘たち(星野真里、桐谷美玲、小池里奈)に吸わせてもらえなかった。
 二階のベランダで吸おうとしても、どこからともなく聞こえる煙にむせる咳払いに悩まされた。
 我慢できなくなって、庭に埋めてあった酒瓶と禁酒の札の入った袋を掘り返して酒をがぶ飲みし、それを見た娘たちはホッとした。
 ストーリーは意味不明なんだけど、台詞無しにして、解らなさを徹底したのが良かったかも。
怪談新耳袋 第四十四話「御祓いは効かない」 ★☆ 【監督】佐々木浩久、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/08/26(木)再放送、2010/08/27(金)鑑賞 ドラマ 2010/08/27
ストーリー 感想
 映画の美術担当の見習いの橘実里は、夜1人で仕事場にいたところ、血まみれの甲冑姿の霊を見た。
 先輩(小林宏史)から、かつて撮影中の事故で甲冑姿で死んだ俳優の話を聞かされた。
 これまで何度御祓いしても兜の呪いは消えず、まもなく先輩も死んだ。
 展開にメリハリが無いかな?
怪談新耳袋 第四十七話「花嫁さん」 ★☆ 【監督】佐々木浩久、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/08/26(木)再放送、2010/08/27(金)鑑賞 ドラマ 2010/08/27
ストーリー 感想
 娘が法事の手伝いで出かけていて1人で家にいた黒田アーサーが、夜中に金縛りで目を覚ますと、千人針を刺している打掛姿の花嫁の霊を見た。
 霊が消えて、物音のする娘の部屋に行くと、日本兵の霊が現れ、気絶してしまう。
 帰ってきた娘に起こされるが、まもなく娘もろとも2人の霊に襲われた。
 展開にメリハリが無いかな?
怪談新耳袋 第五十話「赤い三輪車」 ★☆ 【監督】三宅隆太、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/08/26(木)再放送、2010/08/27(金)鑑賞 ドラマ 2010/08/27
ストーリー 感想
 結婚を控えて引越しの準備をしている詩織(中丸シオン)は、おばあちゃんに買ってもらって、思い出深くて捨てられずにいた三輪車を、ゴミ捨て場に捨てることにした。
 しかし、何度捨てても部屋の中に戻ってきた。
 三輪車が何かするわけでもないから、怖い話には思えない。
怪談新耳袋 第四十話「赤い目」 ★☆ 【監督】鈴木浩介、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/08/26(木)再放送、2010/08/27(金)鑑賞 ドラマ 2010/08/27
ストーリー 感想
 坂井真紀が一人で眠っていると、布団の中から赤い目の少年が現れ、真紀の首をしめた。
 すると、父親の霊が現れ、「その女は母ちゃんではないからやめて帰ろう。」といった。
 2人は消え去ったが、今度は母の霊が現れて、「あんただけは許さない」といって真紀の首を絞めだした。
 展開にメリハリが無いかな?
怪談新耳袋 第六十六話「黒い男たち」 ★★ 【監督】豊島圭介、2004、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/08/26(木)再放送、2010/08/27(金)鑑賞 ドラマ 2010/08/27
ストーリー 感想
 UFOの写真を撮ろうとカメラを持ち歩いているが成果のないみのるは、友達の俊彦に「UFOより凄いものを撮った」と言って、未現像のフィルムを見せた。
 その後2人でみのるの家に行くと、みのるの部屋が荒らされていて、みのるが写真を雑誌に売り込んでいたのが採用されたとの電話が入って、呼び出されたみのるは出かけて行ったが、直前に俊彦がフィルムをカバンから抜き取っていて、みのるはそのまま帰って来なかった。
 数日後、2人の黒い服の男が俊彦をさらおうとし、俊彦がフィルムを投げ捨てると男たちは消えた。
 まもなく、みのるが帰ってきたが、みのるとその母親(雅子)は男たちに乗りうつられたようだった。
 ホラーというより特撮スリラーみたいな出来上がり。
 黒い服の男たちのをはじめとして、変な動作をスピーディーに見せて、観る者を煙に巻いているのがあっぱれ。
ほんとにあった怖い話夏の特別編2010 フジテレビ 2010/08/25(火) 19:00-20:54、2010/08/26(水)鑑賞 ドラマ 2010/08/25
赤いイヤリングの怪 ★★ 【監督&脚本】鶴田法男 7分 2006/08/24
ストーリー 感想
 拾ったイヤリングを何度捨てても手元に戻ってしまう久美(山本ひかる)の家に泊まることになった同級生の昌代(大島優子)は、深夜物音で目を覚ますと、同じイヤリングをつけた女の人が天窓に何度も落ちてくるのを観た。
 その女に人は近くで飛び降り自殺した人の霊だと思われた。
 落ちて激突するショッキングなヴィジュアル一本で勝負している。
叫ぶ廃病院 ★☆ 【監督】鶴田法男【脚本】三宅隆太 12分 2006/08/24
ストーリー 感想
 溝端淳平、中尾明慶、岡本玲の3人は夜の廃病院に忍び込んだ。
 帰りの車の中に、病院内にあったはずの位牌が転がっていて、淳平が止めるのもきかずに明慶が川に捨てると、川から霊が現れて3人に襲いかかってきたので、あわてて車を走らせて逃げた。
 例の顔のアップが怖いのと、廃墟の中の映像が怖い以外は、特にコメントなし。
レインコートの女 ★☆ 【監督】鶴田法男【脚本】三宅隆太 9分 2006/08/24
ストーリー 感想
 4年程前、高橋みなみはライブの前の暇つぶしに、メンバーたちとかくれんぼをした。
 鬼の高橋が薄暗い劇場内に探しに来たとき、ずぶ濡れのレインコートを着た女を一瞬見た。
 話を聞いたマネージャーは、信用しないながらも警備員室に問い合わせた。
 後日、警備員(田中要次)から2人が呼び出され、深夜にレインコートの女が現れた監視カメラの録画テープを見せられた。
 2人は、このことを誰にも言わないことにした。
 怖いか怖くないか以前に、「実話」とのふれこみに反して嘘くさい。
 まず、その録画テープは今入手できないのか?
 誰にも言わないことにしたのに、今ならこうして公表できるのは何故?
 結局、怖いわけではなく、変なものを見たというだけのオチになってしまっている。
あかずの間 ★★ 【監督】鶴田法男【脚本】高木登、三宅隆太、鶴田法男 13分 2006/08/24
ストーリー 感想
 旅行雑誌の編集者(近藤芳正)とカメラマン(坂口憲二)が取材先の寺の宿坊に泊まることになった。
 開けてはいけない封印された部屋を編集者が開けてしまい、その夜中にカメラマンが目を覚ますと編集者がいなくて、開かずの間に行くと、とりつかれた編集者が開けられたふすまの前に座っていて、中から不気味な女のうめき声と爪の長い手が現れた。
 カメラマンが部屋に逃げ帰ると女が襲ってきて、気が付くと何事も無かったような朝を迎えて、2人は東京へと帰った。
 しかし後日、抜け殻のようにさまよう編集者を都内で見かけた。
 寺ではかつて女が自殺したとのことだった。
 オーソドックスにじわじわくる怖さと、ビックリさせる怖さとが楽しめる。
死神が来る夜 ★☆ 【監督】森脇智延【脚本】三宅隆太、鶴田法男 14分 2006/08/24
ストーリー 感想
 老人介護施設で働いている優香は、気難しい入居者の安藤(佐々木すみ江)から、仕事ばかりしていると死神に取りつかれると言われた。
 夜勤明けに主任(濱田万葉)から、後輩(西山茉希)が仕事を辞めたので、穴埋めに引き続き働いて欲しいとの頼みを引き受け、帰宅途中に居眠り運転をして事故を起こす。
 夢の中で、安藤さんから優しくしてくれたお礼にお守りを受け取り、その後瀕死の状態から退院すると、安藤さんが死神に自分が身代わりになると言って間もなく死んだことを聞かされた。
 とくにコメントなし。
怪談新耳袋 第三十四話「カセットテープ」 ★☆ 【監督】佐野史郎、2003、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/08/05(木)再放送、2010/08/06(金)鑑賞 ドラマ 2010/08/07
ストーリー 感想
 大森南朋が、夜ふと目覚めて、物音がした押入れの中にあった、バンドをやっていたころのカセットテープを、久しぶりに再生していた。
 そこに、当時の仲間から電話がかかってきて、メンバーの女性が自殺したと言った。
 ゆるんだテープの中の彼女の声が、疎遠になっていた南朋に不気味に話しかけてきて、彼女の霊がまとわりついているようだった。
 テープがゆるんで回転ムラで声が不気味に聞こえるという、ワンアイディアだけなのがつらい。
怪談新耳袋 第一話「来客」 ★★☆ 【監督】豊島圭介、2003、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/08/05(木)再放送、2010/08/06(金)鑑賞 ドラマ 2010/08/07
ストーリー 感想
 家の玄関をノックし、「マチコおばちゃんよ」とドア越しに話しかけてくるのを聞いた妹は、信じられずに姉と母に変な人が来ているというが、聞き流された。
 ノックが激しくなったところで、姉が来てドアを開けようとし、妹は身の危険を感じてトイレに逃げ込んで閉じこもる。
 物音がなにもしなくなり、トイレのドアがこじ開けられ、何者かが侵入してきた。
 「ドアの外にいるのは何か?」「ドアを開けるべきか?開けないべきか?」というスリルに満ちた状況を、実感持たせることを狙って描く、正攻法が見事に決まった作品。
怪談新耳袋 第二十六話「棚さがり」 ★★ 【監督】吉田秋生、2003、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/08/05(木)再放送、2010/08/06(金)鑑賞 ドラマ 2010/08/07
ストーリー 感想
 単身赴任の渡辺いっけいが、仕事から帰ってきて家から家族に電話をかけるが、家族からは嫌われていた。
 ひとりごとで文句を言っていたが、その部屋には上から逆さまに現れる自分そっくりの男がいたので、寂しくないと言い聞かせながら奇行に走っていた。
 霊的な怖さより、いっけいの頭が壊れていそうな怖さが独特。
怪談新耳袋 第六十話「恋人」 ★★ 【監督】鶴田法男、2003、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/08/05(木)再放送、2010/08/06(金)鑑賞 ドラマ 2010/08/07
ストーリー 感想
 うつ病にかかって会社をやめた松嶋亮太に、同棲相手の橘実里が「がんばって」といってしまったことから、彼は家を飛び出してしまった。
 実里が夜に目覚めると、部屋の中に亮太がいて、彼の首が伸び縮みをした。
 亮太は、首を吊って自殺したのだった。
 突拍子も無い奇抜な首の動きの気味の悪さで一発勝負。
怪談新耳袋 第六十九話「石つぶて」 ★☆ 【監督】豊島圭介、2003、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/08/05(木)再放送、2010/08/06(金)鑑賞 ドラマ 2010/08/07
ストーリー 感想
 釣り人(中原和宏)が、帰り道の山道でキツネかタヌキにばかされる。  怖いというより、ちょっととぼけた一遍。
刑事コロンボ 死者の身代金 (原題:A Deadly State of Mind) ★★ 1971年、米、カラー、1:1.33、フィルム撮影、テレビ放映、95分【監督】リチャード・アーヴィング【出演】ピーター・フォーク、リー・グラント、他 NHK-BS2 2010/07/09(月)鑑賞 ドラマ 2010/07/27
ストーリー 感想
 夫を殺した弁護士(L・グラント)は、死体を崖から棄てて編集した夫の録音テープの声で自動で自宅に電話をかけさせて、夫が誘拐されたように見せかけた。
 FBIとコロンボ(P・フォーク)が身代金受け渡しを監視し、弁護士は操縦するセスナ空のバッグを落として、犯人が身代金を持ち去ったように見せかけた。
 遺体が発見され、コロンボは弁護士と仲が悪く彼女が犯人だと言い張り続ける義理の娘に、義母に付きまとうのを止めて留学先に帰ることと引き換えに、多額の現金を義母から得るように働きかけた。
 そして、その現金がナンバーを控えた身代金だったことを証拠に、弁護士を逮捕した。
 コロンボシリーズにありがちな欠点として、犯人がやたらとコロンボに馴れ馴れしく親切に接し過ぎたり、失敗するリスクが高い綱渡りのような罠を犯人にかけたりといった不自然なことが、この作品にも当てはまる。
 この作品で面白かったのが、犯人の義理の娘が反抗心むき出しで義母を追求し続けるので、心理的プレッシャーや直接対決で緊張感が緩まないところ。
怪談新耳袋 第三十話「背広がえし」 ★☆ 【監督】三宅隆太2003、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/07/22(木)再放送、2010/07/23(金)鑑賞 ドラマ 2010/07/27
ストーリー 感想
 娘(小橋めぐみ)から嫌われて無視されている父(岡本信人)が、帰宅途中に背広がえしの道を通ってきたので、背広が後ろ前になっていた。
 後日、娘も背広返しの道を通ってスーツが後ろ前で帰宅して、それを見た父はうれしそうな顔になった。
 特にコメントなし。
怪談新耳袋 第六話「一滴の血」 【監督】荒川栄二、2003、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/07/22(木)再放送、2010/07/23(金)鑑賞 ドラマ 2010/07/27
ストーリー 感想
 清水美那は採用面接をしにブティックに来ると、誰もいなくてしずくが垂れる音だけがしていた。
 面接は諦めて店を出ると、頬に血が一滴垂れていた。
 モノクロ、不発。
 他にコメントすることなし。
怪談新耳袋 第九話「妹の部屋」 ★★ 【監督】豊島圭介、2003、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/07/22(木)再放送、2010/07/23(金)鑑賞 ドラマ 2010/07/27
ストーリー 感想
 妹(佐久間信子)は毎晩午前二時にうなされて眼を覚まし、不気味な幽霊の姿を見た。
 別の部屋で勉強中だった兄(内野謙太)も、毎晩妹の部屋からうめき声が続いて午前二時に甲高い笑い声と共に静まると妹に話した。
 しかし、話終わって突然高笑いしたので、冗談かと思っていたら、午前二時で時計が止まって、兄の高笑いが止まらなくなった。
 甲高い笑い声と、笑いが止まらなくて苦しそうな顔のセットで、ユニークな作品になった。
怪談新耳袋 第二十三話「第三診療室(後篇)」 【監督】吉田秋生、2003、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/07/22(木)再放送、2010/07/23(金)鑑賞 ドラマ 2010/07/27
ストーリー 感想
 尾野真千子が廃墟の病院にいるとにらんだ要が忍び込むと、何かに取り付かれて要を挑発する尾野を見つけて彼は逃げ出した。
 数年後、偶然再会した尾野は明るかったが、いまでも病院に通っていると答えて去った。
 コメントすること無し。
怪談新耳袋 第二十二話「第三診療室(前篇)」 【監督】吉田秋生、2003、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/07/22(木)再放送、2010/07/23(金)鑑賞 ドラマ 2010/07/27
ストーリー 感想
 廃墟の病院に忍び込んでそこでキスをせがもうとした要潤から逃げた付き合って間もない尾野真千子は、第三診療所で何かにとりつかれ、それ以来人が変わったように要を挑発した。  コメントすること無し。
刑事コロンボ 殺人処方箋 (原題:A Deadly State of Mind) ★★ 1967年、米、カラー、1:1.33、フィルム撮影、テレビ放映、99分【監督&脚本&製作】リチャード・アーヴィング【出演】ピーター・フォーク、ジーン・バリー、他 NHK-BS2 2010/07/09(月)鑑賞 ドラマ 2010/07/09作成
2010/07/27更新
ストーリー 感想
 精神医のフレミングは妻から浮気相手の患者の女優と別れるように迫られるが、自宅で妻を殺して物盗りの仕業に見せかけて、女優に変装させて妻に見せかけて2人でアカプルコ旅行に向かい、離陸前の機内で予定通り喧嘩をして、女優だけが降りた。
 医師が旅行から帰ってきた家にはコロンボがいて、妻は意識不明だと教え、2人で病院に向かうと間もなく亡くなった。
 コロンボの精神的揺さぶりも医師に見破られ、コロンボは女優を脅し始めた。
 医師のところに女優が睡眠薬で自殺したとの連絡が入り、彼女の家に行くとプールサイドから運び出されるところだった。
 コロンボは「証人がいなくなって良くても、愛人無しでは寂しいでしょう?」と聞くと、医師は否定し愛してないといった。
 その言葉を女優が聞いていて、コロンボの尋問に応じた。
 運び出されたのは、身代わりの女だった。
 シリーズ第1作は、トリックや謎解きや引っ掛けには重点が置かれず、見所はコロンボの心理的揺さぶりが通用しないということ。
 そのせいか、主犯を追求する代わりに、落としやすい共犯者に「いずれバレる。証言しろ。」みたいな感じで脅しにかかるのも面白いし、緊迫感があった。
怪談新耳袋 百十話「市松人形」 ★☆ 監督:三宅隆太、2010、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/07/08(木)再放送、2010/07/08(木)鑑賞 ドラマ 2010/07/09
ストーリー 感想
 高月彩良が、一人住まいの大好きな叔母の家に泊まりに行った。
 夜、廊下で走り回る子供の足音と、誰かと話している叔母の声を聞いて目が覚めた。
 翌朝、そのことを叔母に尋ねると、とたんに不機嫌になって、帰ってほしいと言われた。
 玄関にあった市松人形が、小さな足跡を残して無くなっていた。
 市松人形の顔が一見して不気味でなのに、それを何も生かしていないなんて…。
怪談新耳袋 百九話「空き家」 ★★ 監督:朝倉加葉子、2010、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/07/08(木)再放送、2010/07/08(木)鑑賞 ドラマ 2010/07/09
ストーリー 感想
 宮武美桜、松山メアリ、高月彩良の3人が、放課後に興味本位で呪われていると噂の空き家に侵入し、心霊写真を撮ろうとした。
 1人乗り気でなかった美桜が1人きりになったとき、2階から物音が聞こえて行ってみると、畳の上にかつらと倒れたふすまがあった。
 美桜がかつらに近づくと、それはふすまのしたに吸い込まれ、かすかに動くふすまの下を覗き込むと、うめき声が聞こえて、美桜はあわてて階下に逃げて行った。
 せっかく「ふすまの下に何があるのか?」ということで観る者の心をつかむことに成功しているのに、出し惜しみみたいにそれを生かせないまま終わっているので、逆に肩透かしに不満を感じる。
怪談新耳袋 百八話「隣の女」 ★★☆ 監督:継田淳、2010、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/07/08(木)再放送、2010/07/08(木)鑑賞 ドラマ 2010/07/09
ストーリー 感想
 松田メアリが住んでいるマンションの隣の部屋には、黒ずくめの女が2人が住んでいて、いつもドリルのような音が聞こえていた。
 ある日帰って来ると、2人のうちの背の高い方がが鍵を鍵穴に何度も突き刺そうとしているのを見たが、女の手が金具で出来ていることに驚いて、自分の部屋に飛び込んだ。
 まもなく、2人がドアチェーンを切って突入してきてメアリを羽交い絞めにし、背の低い女がドリルを手に彼女を襲い、悲鳴が鳴り響いた。
 尺が5分しかないのなら、ストーリーを重視するより、この作品のように訳が解らなくなるくらいの勢いで勝負した方がいいかもしれない。
怪談新耳袋 百七話「庭の木」 ★☆ 監督:大畑創、2010、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/07/08(木)再放送、2010/07/08(木)鑑賞 ドラマ 2010/07/09
ストーリー 感想
 ヒトミ(高月彩良)は、再婚する母たちと住む一軒家に引越しの荷物を搬入していた。
 庭に生えていた木を見て、「いい枝っぷり」と言うと、思わず首を吊った。
 ロープが解けて地面に落ちてわれに返ったが、母も「いい枝っぷり」と言って首を吊りそうになった。
 ヒトミが再び引き寄せられるように庭に戻ると、引越し業者の作業員2人が首を吊っていた。
 これも、ちょっと面白い話という以外は、特に感想なし。
怪談新耳袋 百六話「帰宅」 ★☆ 監督:三宅隆太、2010、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/07/08(木)再放送、2010/07/08(木)鑑賞 ドラマ 2010/07/09
ストーリー 感想
 不登校のエリが(桜庭ななみ)がベッドから起きて、ソファで眠っている母に話しかける。
 家の中をうろつくと、浴室で首を吊っている自分の姿を見た。
 驚いて母を起こそうとして、目が覚めた母は、エリが帰ってきたと思って喜んだ。
 エリは5年前に自殺し、以来ずっと霊になって家の中をさまよっていたのだった。
 特になし。
怪談新耳袋 百五話「赤塗り」 ★★ 監督:継田淳、2010、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/07/01(木)再放送、2010/07/01(木)鑑賞 ドラマ 2010/07/09
ストーリー 感想
 宮武美桜が高月彩良のマンションの1階に着いたとき、エレベーターは絶対に使うなと言われた。
 それを無視してエレベーターを使うと、勝手に違う階で止まっては、爪を赤く塗った黒い手がドアの外からエレベーターのボタンを操作することを繰り返した。
 美桜は脱出して彩良の家の玄関にたどり着くが、彼女の爪が赤く塗られていた。
 手の動きが良く、これはまあまあ面白い。
怪談新耳袋 百四話「扉の向こう」 ★☆ 監督:篠崎誠、2010、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/07/01(木)再放送、2010/07/01(木)鑑賞 ドラマ 2010/07/09
ストーリー 感想
 桜庭ななみと宮武祭の姉妹が留守番をしていると、祭がドアの鍵を閉め忘れていて、何者かが侵入していて襲われた。
 しかしこれはみなみの夢で、すぐに家のドアの鍵をかけると、外で「夢と違うじゃねぇか!」と悔しがる声がした。
 特になし。
怪談新耳袋 百三話「ついてくるもの」 ★☆ 監督:篠崎誠、2010、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/07/01(木)再放送、2010/07/01(木)鑑賞 ドラマ 2010/07/09
ストーリー 感想
 松山メアリが夜道を家路についていると、翼を広げたニワトリのような歩き方をしている人と目が合った。
 怖くなって家に逃げ帰ったが、家の場所を突き止められ、大勢が部屋の中まで押し入ってきた。
 「ついてくるもの」の見た目がちょっと面白い。
怪談新耳袋 百二話「寺に預けられた理由」 ★☆ 監督:内藤瑛亮、2010、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/07/01(木)再放送、2010/07/01(木)鑑賞 ドラマ 2010/07/09
ストーリー 感想
 宮武美桜が小さかったころ(宮武祭)、家でご飯を食べていると突然見知らぬ女2人が現れ、取っ組み合って相手の髪の毛をむしりあった。
 全然気づかない母にこのことを話すと、母の顔色が変わって、そのまますぐに寺に連れられて、以来何年も寺で育った。
 その寺で何があったのかは、口外できない。
 突然とんでもないことが起こるのはともかく、一発決められるチャンスのラストで何もしないなんて…。
怪談新耳袋 百一話「スリッパ」 ★☆ 監督:大九明子、2010、5分 TBS(BS-TBSの再放送) 2010/07/01(木)再放送、2010/07/01(木)鑑賞 ドラマ 2010/07/09
ストーリー 感想
 桜庭ななみが松山メアリの家で2人きりで勉強しに行ったが、メアリは何故か嫌がり、ななみが玄関にあったスリッパを履くのにもけげんな顔をした。
 それ以来、ななみが家の中を動くたびに目の前に2組のスリッパが現れ、窓から家の外に捨ててもそれは続いた。
 ななみはメアリのイタズラだと思って怒ったが、スリッパを履いている足を目にして怖くなって家から飛び出そうとすると、いつの間にかそのスリッパを履いていて転んでしまった。
 特になし。
刑事コロンボ 5時30分の目撃者 (原題:A Deadly State of Mind) ★☆ 1974年、米、カラー、1:1.33、フィルム撮影、テレビ放映、73分【監督】ハーヴェイ・ハート【出演】ピーター・フォーク、ジョージ・ハミルトン、レスリー・[アン]・ウォーレン、他 NHK-BS2 2010/06/28(月)鑑賞 ドラマ 2010/06/28
ストーリー 感想
 精神科医(G・ハミルトン)は、患者(L・ウォーレン)との浮気が夫に見つかって、もみ合ううちに夫撲殺してしまう。
 強盗の仕業だと2人で口裏を合わせたが、医師は結局口封じのために彼女に催眠術をかけて、電話で飛び降り自殺に見せかけて殺す。
 コロンボ(P・フォーク)は、目撃者が医師を見たとカマをかけて、「盲人だから見てないはずだ」と犯人しか知らないことを言ってしまったためにバレてしまった。
 謎解き的には、「ラストで犯人ひっかけボロ出し」オチ。
 でも、目撃者の証言が決め手で逮捕状が出たはずなのに、本当の決め手はその逮捕に対する反論に犯人しか知らないことを言ったからとなっていて、それじゃ「逮捕状は決め手も無しに出たの?」という大穴があったりで、ストーリー的に反則っぽい。
 謎解き以外の、人間臭い魅力に関しても、そんなに特筆すべきものはない。
刑事コロンボ 別れのワイン (原題:Any Old Port in Stome) ★★ 1977年、米、カラー、1:1.33、フィルム撮影、テレビ放映、88分【監督】レオ・ペン【出演】ピーター・フォーク、ドナルド・プレザンス、ジュリー・ハリス、他 日本テレビ 2006/01/06鑑賞 ドラマ 2010/03/11
 これは昔観ていて、大まかなストーリーもちゃんと覚えているほどおなじみの作品なのだが、改めて観るとストーリーがかなり穴だらけ。
 まず、カーッとなって頭を殴って気絶させ、金庫のような扉のワインセラーに運び込んでロープで縛って(窒息死させるために?)空調を止めて閉じ込め、そのまま1週間ほどニューヨークに行っている間に死ぬのを待つという殺害方法が、気密性が不十分だったら?室内の酸素が1週間分あったら?ロープをほどいて脱出したら?など、殺し損ねる懸念が大きく確実でない。
 コロンボの謎解きの最後の決め手となるのが、ワインが猛暑で高温にさらされて酸化したことが明らかになることだが、それはワインセラーの空調を切っていたことを明かしただけで、殺人を証明したことにはならない。
 殺人を証明するには、殺害現場がワインセラーだということをコロンボが突き止めていなければならないはずだが、コロンボがそれに気づいたり、さらには空調を切っていたことに気づいたのがいったいいつなのか、そのシーンがハッキリしない。
 そもそも当初の検死ではスキューバダイビング中に頭を打ってそのまま海中で事故死(溺死?)したというものなので、ワインセラーが現場だと気づくには死因が溺死ではなく窒息死だということをコロンボが知らされなければならないはずだが、それがいつどのシーンだったかハッキリしない。
 ドナルド・プレザンス演じるワイン通の犯人に、ワインセラー内のワインをそれとは知らせずに味見をさせることでワインセラーの空調を切っていたことを証明するというのも、実際に酸化していなかったら?犯人が気づかなかったら?といった不確定要素があるので、普通に科学的に分析させた方がよっぽど確実なのでは?と思ってしまう。
 そして、この味見作戦が有効かどうかを見極めるにしては、コロンボのワイン知識はにわか仕込みで不十分なのでは?といった懸念もある。
 といった具合なのだが、まあコロンボはガチガチに理詰めで観るより犯人とのやりとりの面白さの方に注目すべき作品なので、その点ではこの作品はワインを味わうような優雅さがあってまずまず。
刑事コロンボ 美食の報酬 (原題:Murder under Glass) ★☆ 1977年、米、カラー、1:1.33、フィルム撮影、テレビ放映、73分【監督】ジョナサン・デミ【出演】ピーター・フォーク、ルイ・ジュールダン、マコ、他 NHK-BS2 2010/02/23(火)鑑賞 ドラマ 2010/02/23
 高評価と引き換えにレストランオーナーたちから組織的に見返りを要求していた美食評論家が、バラすと言い出したオーナーをワインの栓抜きに毒を仕込んで殺す。
 展開はいつもの調子。
 コロンボが捜査早々真犯人にまとわりつき、会話によって犯人まで推理に意見を言い出し、最後は犯人をだまして証拠を得て、観念した犯人はうろたえずに洒落た会話で負けを認める、というもの。
 すっかり観慣れたせいか、こんな展開がわざとらしくていやらしく感じる。
 テレビの会話劇だと、どうしても画的にも見どころが少なくなりがち。
上野樹里と5つの鞄 #4 旅のあいだ 2009年、日、カラー、ビデオ撮影、テレビ放映、約25分【監督&脚本】高崎卓馬【出演】上野樹里、ピエール瀧、喜味こいし、他 WOWOW 2010/01/03(日)鑑賞 ドラマ 2010/01/03
 上野樹里本人が職場放棄して気まぐれなたびに出て、連れ戻そうとしながら彼女を撮影しつづける映像という設定のドラマ。
 上野樹里の素の姿を連想させたいという狙いで、民生用ビデオカメラで撮ったのだろうか?
 でも、最初からフィクションだということが明らかだから、素の感じは全くない。
 で、結果的に適当に田舎町をうろついて即興芝居させれば作品になるんじゃないか?という手抜き演出に見えた。
ほんとにあった怖い話
10周年記念
スペシャル
(1)『かかし』【演出&脚本】鶴田法男【出演】加藤清史郎、奥貫薫、他 ★☆



2009/08/25
(火)
19:00-20:54
放映
(2009/09/15
(火)鑑賞)


2009/09/20
(2)『心霊動画』【演出】鶴田法男【脚本】三宅隆太【出演】志田未来、金澤美穂、弓削智久、他 ★☆ 2009/09/20
(3)『顔の道』【演出】鶴田法男【脚本】三宅隆太【出演】佐藤健、高橋真唯、他 ★★☆ 2009/09/20
(4)『怨みの代償』【演出】鶴田法男【脚本】三宅隆太【出演】綾瀬はるか、市川由衣、入山法子、他 ★☆ 2009/09/20
(5)『憑く男』【演出】森脇智延【脚本】三宅隆太【出演】上地佑輔、いとうあいこ、田山涼成、市毛良枝、他 ★☆ 2009/09/20
 (3)のみ演出のアイディアが詰め込まれていて、他の4本は別人が作ったかのように充実感がない。
 (2)、(4)、(5)は、ストーリー的にもオチが弱くて、「ホラーじゃないじゃん。」と思ってしまう。
上野樹里と5つの鞄 #5 ある朝、ひなたは突然に ★☆ 2009年、日、カラー、ビデオ撮影、テレビ放映、約25分【監督】萩生田宏治【脚本】桜井亜美【出演】上野樹里、濱田岳、平田薫、青木崇高、他 WOWOW 2009/10/13(火)鑑賞 ドラマ 2009/10/19
 この作品だけでなはく、全5作観た4作品について共通していたのだが、直感に訴えるような瞬発力のある芝居が持ち味の上野樹里に対して、それとは逆の頭で考えながらストーリーを追うタイプのものばかりだった。
 セオリーをはずして定番の良さとは違うものを引き出そうと挑戦したのかもしれないが、結果的にその挑戦は上手くいかなかった。
 そもそも短編は、一気に盛り上げるためにテンション高め展開早めのストーリーがあっていると思うが、頭を使うストーリーはそれとも逆で、やっぱり成功率の低い方法論をとってしまったと思う。
上野樹里と5つの鞄 #2 HOPE ★☆ 2009年、日、カラー、ビデオ撮影、テレビ放映、約25分【監督】マイケル・アリアス【出演】上野樹里、中山祐一朗、武藤晃子、他 WOWOW 2009/09/10(木) 23:30-24:00 ドラマ 2009/09/13
 徹夜の仕事を強要されて不満を感じているアニメーターの上野樹里が、外出しようとしてエレベーター内に閉じ込められる。
 ほぼ全編1人で出ずっぱりで、色々な動きを見せてくれるのはいいんだけど、ストーリー的にはどうでもいい内容で、結局もの足りない。
上野樹里と5つの鞄 #1 ギターケースの女。 ★☆ 2009年、日、カラー、ビデオ撮影、テレビ放映、約25分【監督&脚本】タカハタ秀太【出演】上野樹里、新井浩文、リリー・フランキー、江口のりこ、タナダユキ、他 WOWOW 2009/09/03(木) 23:30-24:00 ドラマ 2009/09/07
 何故、こんなつまらないものが平気で出来てしまうのだろう?
 ドラマや映像って、観る側にとっては第一に「感じるもの」であるはずなのに、作り手に「感じてもらえるものを作ろう」という意識が無いとしか思えない。
 だから、観始めてからあっという間に心が離れてしまって、以降ちょとやそっとでは気持ちが引き戻されないままで終わった。
 「感じてもらえるもの」の代わりに作り手が目指しているのは、シュールっぽい演出やストーリーの作品なのだが、そもそも作品作りの意識を外向きに比べたら、どうでもいいこととしか言えない方にこだわるのが理解できない。
 観る側の注目を引くような心の動きを見せる登場人物が、タイトルに反して脇役の新井浩文で、主役のはずの上野樹里が彼をとりまく1人に過ぎないような薄い扱いなのも、ズレを象徴している。
 上野樹里って、監督にとってはいいように料理せずにはいられないような女優じゃないの?
結党!老人党 2009年、日、カラー、1:1.78、テレビ放映、109分、【監督】平川雄一朗【原作】三枝玄樹【出演】笹野高史、本上まなみ、渡部篤弘、市毛良枝、小野寺昭、ミッキー・カーチス、津川雅彦、石田太郎、宮内順子、沼田爆、佐藤正宏、長澤つぐみ、前田亜季、小栗旬、他 WOWOW 2009/08/15(土)鑑賞、2009/08/09(日)初放映 ドラマ 2009/08/16
 政治に憤りを感じた笹野高史が、「しがらみの無い老人が、利己主義に陥った政治家たちに代わって、国民たちのための政治を目指す」と思って、巣鴨で演説を始め、次第に同調者が増えて老人党が結成され、やがて選挙で勝利を収める。
 ジャンル的には「ファンタジー」で、掲げる政策は「国民のための政治」という理想だけ、そんな当たり前のことを言っているんだから支持されるのは当たり前といわんばかりにトントン拍子で進んでいって、大衆に訴える難しさなどの障壁は描かれない。
 観る者の政治への関心を高めるために、あえて虫のいいファンタジー仕立てにしたのかもしれないけど、仮にそれが成功したとしても、現実の上辺部分には有効でも、ドロドロした現実の深みに対しては果たしてどうか?
 発端から結末までのプロセスを、出来事ベースで並べるだけのストーリーのドラマって本当につまらない。
 本当に観たいのは、行動を起こそうと思わされた気持ちの昂ぶりとか覚悟とか、障害が立ちはだかった時の挫折しそうになる気持ちとの葛藤とか、そんな観る者のエモーションに訴えるものだと思う。
ヴァージンな関係 誘惑する女 2009年、日、カラー、1:1.78、テレビ放映、71分、【監督】廣田幹夫【原作】小林拓己【出演】原紗央莉、かすみりさ、桜木凛、他、R-15 WOWOW 2009/05/17(日)鑑賞、2009/05/16(土)放映 OV 2009/05/17
 AV女優のみなさんは、濡れ場だけでなく普通の芝居もちゃんと出来るんだけど、アピールが弱い。
 例えば意欲を見せれば観る者の印象に残るとか、そんな演技の上手い下手よりも重要なものがあることを改めて思った。(この点では桜木凛が一番良かった。)
聴かれた女の見られた夜 ★☆ 2007年、日、カラー、1:1.78、テレビ放映、69分、【監督&脚本】山本政志 WOWOW 2009/03/28(土) OV 2009/03/29
ストーリー 感想
 あるアパートに住む皐月(蒼井そら)はいたずら電話に悩まされていて、彼女にしつこく迫る同僚の直樹(西誠二)の仕業ではないかと疑っていた。
 彼女は、彼氏の雄太(加藤裕人)がいたが、時々乱暴になり、また隣の部屋に住むリョウ(大野慶太)ととも親しくなったが、彼が以前から彼女をひそかに見つめていたことを知らなかった。
 ある日、血相を変えた雄太が部屋に来て、いたずら電話が彼の仕業だと気づいた皐月は、リョウが助けに来てリョウの部屋に逃げ込んだ。
 そこで、彼女はリョウが自分の部屋を盗聴していることに気づいた。
 雄太は現れた借金取りに連れて行かれ、寂しさを感じた皐月は、リョウが盗聴しているところに忍び込んで、盗聴でしか興奮しない彼にセックスをせがんだ。
 同じ山本監督の『聴かれた女』(★★)が、リョウが主役で彼の立場からの映画だったのに対し、こちらはそれと同じ出来事を皐月の立場から描いた作品。
 一部、『聴かれた女』を観ていないと意味不明の展開があるので、メインはあちらで、こちらは独立した1本の作品ではなく、あくまで「おまけの1本」といった感じ。
 『聴かれた女』が、面識の無い隣の住人盗聴して勝手に人物や暮らしぶりを妄想したりしたのが面白かったのだが、こちらは妄想も無く、単なる普通のストーカー被害モノといった作品。
 でもまあそれも「おまけの1本だから」と理由をつければ、文句を言うことでもない。
藤子・F・不二雄のパラレル・スペース #6 ボクラ共和国 ★☆ 2008年、日、カラー、1:1.78、ビデオ撮影、テレビ放映、29分【監督&脚本】小泉徳宏【原作】藤子・F・不二雄 WOWOW 2009/03/26(木)に再放送 ドラマ 2009/03/26
 思いやりの心を持って他人と喧嘩をしないという、小学生たちによるボクラ共和国は、平和憲法の日本を象徴していて、理想が通るほど甘くないという現実も描きつつ、理想を持つことの大切さを訴えている。
 ドラマとしては、これといって特に無い。
藤子・F・不二雄のパラレル・スペース #5 征地球論 2008年、日、カラー、1:1.78、ビデオ撮影、テレビ放映、27分【監督】青池良輔【原作】藤子・F・不二雄【出演】谷村美月、他 WOWOW 2009/03/25(水)に再放送 ドラマ 2009/03/26
 ああ、つまんない。
 地球征服をたくらむ宇宙人が地球人の生態の調査報告をするというストーリーなのだが、誰でも知っていることを、宇宙人という設定にしているくせにありきたりな視点でしか見てないんだから、何の意味も無い。
藤子・F・不二雄のパラレル・スペース #3 ボノム〜底ぬけさん〜 ★☆ 2008年、日、カラー、1:1.78、ビデオ撮影、テレビ放映、27分【監督】藤本周【原作】藤子・F・不二雄【出演】國村隼、他 WOWOW 2009/03/24(火)に再放送 ドラマ 2009/03/25
 これも展開が遅いような気がする。
 短編なんだから、単刀直入に本題に入ればいいと思うのだが。
 中盤で「ここからが本題か…」と思ったときに、それまでの前半部分が似たようなエピソードの繰り返しで無駄な時間だったと感じてしまう。
藤子・F・不二雄のパラレル・スペース #2 あいつのタイムマシン ★☆ 2008年、日、カラー、1:1.78、ビデオ撮影、テレビ放映、28分【監督】三木孝浩【原作】藤子・F・不二雄【出演】田畑智子、ミムラ、他 WOWOW 2009/03/23(月)に再放送 ドラマ 2009/03/24
 台詞中心で進んでいるせいなのか?それともカットバックが多すぎるせいか?ドラマがちっとも進んでない、もしくは展開が遅いように見えてしまう。
藤子・F・不二雄のパラレル・スペース #1 値ぶみカメラ ★☆ 2008年、日、カラー、1:1.78、ビデオ撮影、テレビ放映、28分【監督】箭内道彦【原作】藤子・F・不二雄【出演】長澤まさみ、ケイン・コスギ、諏訪雅、安齋肇、渡辺えり、嶋田久作、他 WOWOW 2009/03/23(月)に再放送 ドラマ 2009/03/24
 マンガの絵をそのまま実写で撮ることが狙いなので、実際の人間がしないようなマンガの中でのポーズをしたり、俳優の動きが静止画っぽく長時間固まってたりというショットは、確かに今まで観たことが無い。
 でも、元の映像をなぞる行為って、絵画でいえば単なる「模写」で、結局はオリジナリティは無いに等しく、ちっともクリエイティブでないと言い切っていいと思う。
蒼井優×4つの嘘 カムフラージュ 「都民・鈴子〜百万円と苦虫女 序章〜」 ACT 10〜12 ★★★ 2008年、日、カラー、ビデオ撮影、テレビ放映、約25分x3【監督】タナダユキ【脚本】黒沢久子【出演】蒼井優、美知枝、松田一沙、あじゃ、飛鳥井みや、設楽統、濱田マリ、笠原秀幸、平野晴幸、他 WOWOW 2008/07/18(金)に再放送 ドラマ 2008/07/20
 下↓の山下作品で「制約があって難しい」と書いたそばから、制約を全く感じさせない作品を見てしまった。
 劇場映画『百万円と苦虫女』の主人公の、時間をさかのぼった大学時代の話。
 特に、イライラさせられる会話満載のACT10と12は絶品。(イヒヒヒ。だから女って嫌い。例えば陰口とか、女友達すら平気で自己満足のための道具にしたりするし。)
 公園の遊具を使いながら会話したりなど、芝居の演出もいい。
 ACT11の、「賢者の贈り物」風のストーリーと舞台風の演出の回は、映画にどう結びつくのかが判らなかった。
蒼井優×4つの嘘 カムフラージュ CHAPTER 3 『アカバネ三姉妹』ACT 07〜09 ★☆ 2008年、日、カラー、ビデオ撮影、テレビ放映、約25分x3【監督】山下敦弘【脚本】向井康介【出演】蒼井優、野嵜好美、池津祥子、仲本工事 WOWOW 2008/07/18(金) (2008/07/17(木)に再放送) ドラマ 2008/07/20
 一見して「やっぱり猫が好き」みたいな設定に、上から金だらいが頭に落ちてくるようなテレビコントっぽさを加えたような内容。
 ACT07がテレビのレギュラー第1回目、ACT08が1年後ぐらいで昼ドラ風、ACT09が三年目の最終回でなんとなく終わるという内容。
 結局、三姉妹がやりとりする内容以前に、やりとりし合うこと自体があまり面白くなかった。
 尺は実質15分ぐらいしかなく、「嘘」がテーマなのでストーリー性が必要、などの制約があり、これで成功させるのは可能性がものすごく低くなってしまいそうな気がする。
Yuming Films NHK総合 2007/12/29(土) 23:00-24:10 ドラマ 2007/12/31
 全体的に、観る者を惹き付ける画面の力が圧倒的に欠けている。
 ショットだったり俳優たちの芝居だったり、全部が完璧である必要もなく何か1つでもあればかなり違うし、出来は悪くてもせめて意欲だけは感じたかったのだが、結局演出に力を入れるという意識が無かったかのような出来で、あっという間に気持ちが離れてしまった。
リフレインが叫んでる 【監督】窪田崇 ドラマ 2007/12/31
ストーリー 感想
 大学の陸上部員の本仮屋ユイカが海岸を走っているときに、サーフィンボードに乗るのに苦戦している同じ大学の学生の水谷百輔を見かけてつき合いだした。
 本仮屋は陸上を辞め卒業後に就職して、プロサーファーになると夢のようなことを言っていた水谷と疎遠になった。
 やがて、水谷がライセンスを目前に溺れ死んだとの知らせを受けた。
 芝居になっていない俳優の動きを撮るだけの「単なる映像化」と、ナレーションを多用したストーリーの「説明」だけといった出来で、一言でいえば「ミュージックビデオに毛の生えた程度」。
 ミュージックビデオの方が映像がビビッドなものもあったりするが、そんなショットも無かった。
バイバイ、ベアー〜青いエアメイル ★☆ 【監督&脚本】甲斐さやか ドラマ 2007/12/31
ストーリー 感想
 多部未華子は何度目かの転校先で友達のいなかった於保佐代子と友達になるが、自分がまた転校していくことを話すと、於保はイジメっ子グループに入って、仲間に命じられて多部のぬいぐるみを切り刻んだ。
 多部は何もかも嫌になって声が出なくなり、於保とも顔を合わせないようになるが、周りが自分を嫌っているのではなく自分が他人との関わりを避けていたことに気づき、自宅に於保が繕ったぬいぐるみが届けられたのを見て泣いた。
 これも表現が小手先で、見てくれを良くすることが最優先で作られたみたい。
新年好!〜A HAPPY NEW YEAR ★☆ 【監督】渡辺賢一 ドラマ 2007/12/31
ストーリー 感想
 2010年2月13日、カラオケボックスに勤める中国人のチェン・チューは、旧正月の年越しを仲間と向かえるために早く帰りたいと申し出たが、店長は認めず、塚本高史に店を任せて帰っていった。
 塚本はチェンに好意を感じつつ、日本語を勉強しに来たのに上達しない向上心のなさを非難した。
 やがて、店長が酔った女を連れて帰って、チェンが口ずさんでいたユーミンの「A HAPPY NEW YEAR」のカラオケを歌い出し、塚本とチェンも歌って外では2月14日の旧正月を祝う花火が光るうちに、皆の心は打ち解けていった。
 これも表現力が弱いのは他の2作と一緒なんだけど、小手先の表現はせずに素直に作られている分だけマシか?
世にも奇妙な物語 
秋の特別編
『未来同窓会』【演出】松木創【脚本】ブラジリィー・アン・山田【出演】石原さとみ、大高洋夫、大島蓉子、中村久美、他



2007/10/02(火)
21:00-23:24
放映
(2007/10/05(金)
鑑賞)


2007/10/07
『カウントダウン』【演出】城宝秀則【脚本】森ハヤシ【原作】樋口明雄【出演】阿部サダヲ、MEGUMI、江口のりこ、他 2007/10/07
★★ 『自販機男』【演出&脚本】植田泰史【脚本&原案】加藤公平【原案】肥谷圭介「僕と、自販と、時々、オッサン」【出演】城島茂、上原美佐、他 2007/10/07
★☆ 『ゴミ女』【演出】岩田和行【脚本】佐藤万理【原作】柴田よしき「隠されていたもの」【出演】松下由樹、佐々木すみ江、甲本雅裕、他 2007/10/07
『48%の恋』【監督】村谷嘉則【脚本】相沢友子【出演】白石美帆、岡田義徳、山下徹大、西村雅彦、他 2007/10/07
 今回も全般的に低調。
 今回の評価の分かれ目は、「登場人物を生々しく描けていたものほど高評価」、「逆に表面的な人物の描き方に不満を感じたものが低評価」。
 ★1つの作品など、観終わったときの充足感がゼロで、30分弱の尺を埋めるためだけにストーリーや演出をトリッキーにガチャガチャさせてごまかしているだけ、といった感じで、観ていて本当に不愉快だった。
飢餓海峡 ★★☆ (1)(2)(5)(6)(8)【監督】浦山桐郎【脚本】石堂淑朗【助監督】小栗康平
(3)(4)(7)【監督】恩地日出夫【脚本】富田義朗
(1)〜(8)【原作】水上勉【企画】今村昌平 1978年、フジテレビ、全8話、各46分
WOWOW (1)(2)2007/09/17(月)
(3)(4)2007/09/18(火)
(5)(6)2007/09/19(水)
(7)(8)2007/09/20(木)


2007/09/26
 どうしても映画版との比較になってしまうし、そうした方が説明しやすい。
 ストーリーはほとんど同じだが、テレビの連続ドラマならではの弱点の分だけ見劣りしてしまう。
 その弱点とは、まずお茶の間向けに演出的な冒険が出来ず、どうしても無難になってしまうこと。(しかも、浦山監督と恩地監督で分担しているので、2人で調子を合わせなければならず、なおさら。)
 さらには、全8話だと尺が長く、映画版がタイトで緊迫感が強いのに対して間延びした印象を受ける。
 そのせいか、テレビ版の出演者は悪くないとはいえ、若山富三郎よりも伴淳三郎、藤真利子よりも左幸子が良かったと思ってしまう。
ほんとにあった怖い話
夏の特別編2007
『私を呼ぶのは…?』【監督】鶴田法男【脚本】三宅隆太【出演】森迫永依、他



2007/08/28(火)
放映
(2007/08/29(木)
鑑賞)


2007/09/02
★☆ 『幽惑ドライブ』【監督】鶴田法男【脚本】三宅隆太【出演】増田貴久、波岡一喜、他 2007/09/02
★☆ 『霊の通る家』【監督】鶴田法男【脚本】三宅隆太【出演】中川翔子、キムラ緑子、他 2007/09/02
★☆ 『真夜中の病棟』【監督】鶴田法男【脚本】鶴田法男、三宅隆太【出演】榮倉奈々、佐藤寛子、他 2007/09/02
 これまで通り、鶴田法男&三宅隆太による4編だったが、今回は全く低調。
 その一番の原因は、ストーリーにおいて理屈が通り過ぎで、ホラーなんだから、ものわかりのいい霊が出てくるようなものより、わけもわからず無差別に呪うような、荒っぽいストーリーの方がいいのでは?
 それから、演出にも粘りが感じられず、俳優の演技も引き出せていないから、全体的に淡白な印象。
神様からひと言 ★☆ 監督:古厩智之 脚本:吉川次郎 原作:荻原浩 出演:伊藤淳史、陣内孝則、原沙知絵、田山涼成、嶋田久作、小倉一郎、脇知弘、野村宏伸、利重剛、犬塚弘、豊原功補、セイン・カミュ、松澤一之、他 WOWOW 2006/12/24(日)放映 (2007/01/01(月=祝)鑑賞) ドラマ 2007/01/01掲載
2007/01/03更新
ストーリー 感想
 大手広告代理店を辞めて、珠川食品の広告エキスパートの求人に応募して入社した伊藤は、新製品のラーメンのプレゼンで意気込むが、重役たちに適当に潰されて喧嘩になって、苦情対応室に飛ばされる。
 苦情の報告が本社に伝わらない組織での無意味な仕事に嫌気がさすが、一見ぐうたら社員でローンを抱えて会社を辞められない先輩の陣内の対応振りに感心する。
 伊藤は本社に呼ばれて、評判ラーメン店との契約を断られたことの修復に借り出されラーメン屋に出向くと、理由は新製品のラーメンが不味いからで、改善するなら契約を考え直すとの約束を取り付けた。
 この成果で伊藤は本社に呼び戻され、苦情対応室を本社に移すとの約束も社長とかわす。
 伊藤と陣内はラーメンの不味さの原因を探りに工場に潜入すると、原料に飼料用の小麦粉を使っていることをつきとめた。
 同じように飛ばされてきた元社長秘書で愛人の原沙知絵に聞くと、社長の新恋人の投資ファンドの女社長が社長をだまして会社の株価を下げて乗っ取りを狙っているらしいことが判った。
 伊藤たちは原が提供した社長の醜態の写真を社内にばら撒いて乗っ取りの危機を訴え、社長の父の会長が息子を解任して社長に返り咲き、伊藤は顧客相談室に戻り、陣内は退職して新しい人生を踏み出すことにした。
 硬直した会社組織に、一社員が自分の立場を危うくしてまで立ち向かって会社を変えようとすることの難しさを描いたドラマだが、シリアスなドラマにもなりうる話を、リアリティ無視でカリカチュア化している。
 そのことは(重いドラマにしないようにすることなどを目指した)作り手の狙いだとは解るのだが、このドラマを観る大多数が組織の下部にいるという現実においては、そのような人々にとって「身につまされる」タイプのこの手の話って、身につまされる感じをリアリズムで描くのがセオリーで、リアリティ抜き作ったらどうやっても上手くいかないのでは?と改めて思った。
 「サラリーマンの悲哀なんて、芸能人や映画人にとっては平気で冗談めかすことが出来る『他人事』でしかないんだろう」と、反感を買いかねないだけなのでは?
 『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ』なんて映画が、同じ理由で近年希に見る最低映画になってたけど、あれほどひどくはないとはいえあれの二の舞か?
春、バーニーズで ★★★ 監督&脚本:市川準 原作:吉田修一 出演:西島秀俊、寺島しのぶ、、倍賞美津子、栗山千明、田口トモロヲ、光石研、他 WOWOW 2006/02/19(日) 放映 (2006/03/15(水) 鑑賞) ドラマ 2006/11/12
 東京の風景のモンタージュにボソボソ台詞、それに精神的に疲れた人々の気持ちに寄り添って背中をそっと押すような内容といい、まさに市川節が炸裂。
対岸の彼女 ★★★ 監督:平山秀幸 原作:角田光代 出演:夏川結衣、財前直見、多部未華子、石田未来、香川照之、木村多江、堺雅人、根岸季衣、野波麻帆、他 103分 WOWOW 2006/01/15(日) 放映 (2006/02/12(日) 鑑賞) ドラマ 2006/11/12
  青春時代、過去の一期一会の友情への想い、それによって人と人との結びつきへの想いを強くするというストーリー。
  現在のパートもいいが、1985年の高校時代のパートが雰囲気たっぷりで素晴らしい。多部未華子ちゃんはやっぱりいいねぇ。
放送禁止5 しじんの村 ★★☆ 企画&脚本&監督:長江俊和 製作:フジテレビ、イースト 47分 フジテレビ 2006/10/14(土) 26:55-27:55 (2006/11/03(金=祝)鑑賞) フェイクドキュメント 2006/11/04
ストーリー 感想
 何らかの理由で放送を見送られテレビ局の倉庫に眠っている数多くのビデオテープの中から、その一本を改めて見て再編集して番組を作った。
 2004年10月、長野県にある通称「しじんの村」の取材が始まった。
 村長の「しじん」こと久根仁は、中学校教師だった2001年9月12日に当時15歳の教え子Tくんが精神を病んで自殺したことがきっかけで、その年に私財を投げ打ってこの村をつくり、詩を書きながら社会に適合できずに心の傷を負った老若男女を村に迎えて精神的に救おうとしていた。
 しかし、村人たちの中には自殺志願者も多く、1ヶ月前に村に来た「ハニコ」という女性が取材中に白昼首吊り自殺をしようとして助けられ、それから彼女は部屋に閉じこもる生活が続いた。
 ハニコは父の暴力を受けて育ち、守ってくれた姉が数年前の父の死後に自殺未遂を繰り返すようになって2003年1月に村に来て2003年7月11日に自殺し、家族を失ったハニコも村で死のうと思ってやって来たのだった。
 ハニコは村人の1人で村内でハニコの姉と親しかったSカルマという元大学生の男と話して、彼が持っていた姉の遺書を読んでからハニコは村人たちと接するようになった。
 しかし間もなく、Sカルマが夜間に行方不明になり、翌日湖で自殺していたのを発見され、ハニコは再び閉じこり、夜に林の中で首吊り自殺をしようとしていたところを、村の数ヵ所に設置された監視カメラの映像でしじんが気づき彼らに止められ、翌日「生きてみようと思う」という置手紙を遺してハニコは村を出て行った。
 以上の取材テープは、ハニコが消息不明で肖像権の了承を得られずお蔵入りになったが、2006年9月にハニコから連絡を受け、元気で暮している彼女と再会した。
 そしてもう一度村の取材に行くと、しじんが2004年12月に湖で自殺して、間もなく村は閉鎖され、今はもぬけのからだった。
 建物に入り監視カメラのモニターがあった部屋に行くと、2000年10月19日から2004年11月12日までの録画テープが残っていて、そこにはハニコの姉、Sカルマ、ハニコ、そしてしじんが自殺したり自殺に見せかけて殺されたりして、そのそばでカメラでその様子を撮影しているしじんと村人2人の姿が映っていた。
 まず、冒頭いきなり「この番組はフィクションです」の字幕。
 どうやらこの「放送禁止」シリーズ、毎回毎回番組の最後にフィクションだとネタばらしをしているにもかかわらず、本当に起きたことを写したドキュメンタリー番組だと思っている人が多いらしく、よって今回から番組の最初にも断りをいれるようになったのだろうか?
 さらにそれに続いて「よーく画面に目を凝らしてごらん頂きたい。あなたには隠された真実が見えるだろうか?」の字幕も映され、つまりは「放送禁止」シリーズは番組のあちこちに真相を解くヒントを仕込んでおいて、それを元に真相を考えながら見る「謎解き番組」として作らているということなのだろう。
 そして、今回はヒントも少なく、ラストの真相の解明も曖昧にしか行われず、難しくして視聴者の考える余地を大きくして、さらにネットなどで他人と意見の交換するといった、観た後にも大いに楽しんでもらおうという狙いも見える。
 真相はそんなわけで明確ではないのだが、個人的な見方では…、

<<<<<<< ネタバレ >>>>>>>

 「しじん」は言わば「自殺マニア」で、「自殺する人の最期の瞬間を見て楽しむこと」を目的に、番組で紹介された2001年のTくんの自殺以前、遅くとも2000年には既に他人が自殺する様子をビデオで盗撮したりしていた。
 Tくんの自殺もしじんが彼を自殺に導いたためで、彼は自分の趣味を継続的に行うために、自殺志願者や予備軍たちが集まる「しじんの村」(「詩人」ではなく「死人」)を作り、集会所の部屋の壁に「ね ね ね ね」(=4ね=死ね)と書いた紙を村人たちに見えるように貼ったりして、村人たちを無意識のうちに自殺したくなる気分にさせた。
 そして、ハニコの姉に対しては孤独な自殺を嫌った彼女の自殺の見届け人になりすまして自殺させたり、Sカルマに対してはハニコの自殺を思いとどまらせる彼の行動を邪魔だと思った(?)のか自殺に見せかけて殺したりして、そのすべてをハンディカメラ片手に間近で撮影した。
 ハニコの自殺を止めて生きるように説得したのは、自殺を撮影していたところに村人の女の「フク」と元サラリーマンの男「シュウ」の2人が突然現れたので、正体を隠すためにとっさに取った行動なのだが、実はこのフクとシュウ(二人合わせて「復讐」)はTくんの顔見知りで、彼の死がしじんの仕業だと気づいて村に潜入し、ついにしじんを自殺に見せかけて殺した。

<<<<<<< ネタバレ終わり >>>>>>>

 …とまあ、これだけの結論を導き出すために録画を何度も見直したり、あとハニコもしじんの行為を暴くためのおとりとして潜入したかもしれないとか引っかかる部分も多いので、脚本を書いた長江監督の思うつぼ。
 しかし、こんなの録画せずに1回しか観なかった人は到底気づかず、録画して徹底的に追求しようとした人のみが知るわけで、つまりは繰り返し再生することを前提として作られているわけね。
 偽ドキュメンタリーにあるまじきわざとらしい部分は、「詩人」ならぬ「しじん」や「ね ね ね ね」など、正体がバレる恐れがあることをわざわざしていることだが、もっとわざとらしかった3作目や4作目に比べてこの程度で抑えられていることは評価でき、謎解きとして無理なく納得ができる内容になっていて、インパクトは弱目かもしれないけどまとまりがあって良かった。
生物彗星WoO ★★ 全13回
(1)「あいつが宇宙から落ちてきた!」
(2)「私殺される!」
(3)「ヒーロー?誕生」
(4)「WoO、死なないで」
(6)「さよならWoO」
(7)「新たなる恐怖」
(9)「追いつめられて」
(10)「ごめんね、小太郎」
(11)「Love for All」
監督:大橋守(1)(2)(7)(11)、北浦嗣巳(3)(4)(9)(10)、川崎郷太(6)
脚本:江良至(1)(2)(3)(7)(9)(10)(11)、小林雄次(4)、岡野ゆうき(6)、北浦嗣巳(10)
出演:谷村美月、とよた真帆、黒谷友香、豊原功補、永島敏行、塚本晋也、矢崎広、(3)綿引勝彦 佐藤正宏 岡元夕紀子、(4)喜多嶋舞 山崎裕太、(8)山田まりや、(9)竹田高利、他
NHK-BS2
(NHK-BShiの再放送)
(1)2006/08/07(月) 19:15-19:43
(2)2006/08/08(火) 19:30-19:58
(3)2006/08/09(水) 19:30-19:58
(4)2006/08/10(木) 19:30-19:58
((5)2006/08/11(金) 19:30-19:58)
(6)2006/08/14(月) 19:30-19:58
(7)2006/08/15(火) 19:30-19:58
((8)2006/08/16(水) 19:30-19:58)
(9)2006/08/17(木) 19:30-19:58
(10)2006/08/18(金) 19:30-19:58
(11)2006/08/21(月) 19:30-19:58
((12)2006/08/22(火) 19:30-19:58)
((13)2006/08/23(水) 19:30-19:58)
ドラマ 2006/08/27
ストーリー 感想
 試合に負けてサッカー部の仲間たちと気まずくなって辞め、片親で夜遅くまで仕事をしている母の清美(とよた真帆)ともうまくいっていない中学2年の神代アイ(くましろ、谷村美月)は、ハリウッドで映画監督を目指す片想いの先輩の小太郎(矢崎広)が働くコンビにからの帰り道、地球に近づいていた彗星から落下したと思われる青い石のようなものを拾って持ち帰ると、それは小さなWoOという生物に変わって仲良くなった。
 それを学校に持って行ったことで学校が巨大な怪物に襲われて生徒たちが飲み込まれる中、アイだけが巨大化したWoOに助けられて、SWORD(宇宙環境保全局)に保護されWoOのことを調べられた。
 WoOを守るのは自分だけだと思ったアイはWoOを持って脱走し、指名手配されて逃げ回るうちにアイに怒りの感情が起こる度に彼女を守ろうとして怪物が現れ、WoOがそれと戦って倒すことが続いた。
 WoOを調べていた永倉博士(塚本晋也)は、怪物とWoOの細胞が同じで、研究打ち切りを言われて怪物を倒すことの出来ると思われた強力化したWoOの細胞を自分に注射し、液体人間と化して自分を認めない社会への憎悪から人々を襲い始める。
 怪物の脅威から地球を守るために日本に核攻撃しようというSWORDの考えを知った日本の防衛隊のメンバーは、WoOは脅威ではなく永倉博士を倒す救世主だと思うようになってアイの行方を追った。
 「ウルトラQ」が作られる前の、円谷英二と金城哲夫による原案が元で、40年以上の時を経て製作するにあたって主人公を成人男子から女子中学生に変更。
 で、主役に抜擢された谷村美月ちゃん目当てで観たのだが、ストーリーも怪獣モノというより彼女演じるアイの成長物語で、おそらく40年前の脚本から大幅に変更された実質オリジナルのストーリーと思われる。
 まあ、今の時代で製作するには、単に宇宙生物との交流というだけでなく、こういう要素を盛り込むのはほぼ必須と言っていいだろう。
 他人(特に母親)を見る視野を広くして思いやる心を持ち、まわりに惑わされることはなく自分で見て感じて判断し、信じると思えたものを信じ通すことが大人になることだという成長物語と考えると、エピソードを盛り込みすぎてストーリーがしょっちゅう脇道にそれて、演出スタイルもバラバラで一貫性がなく、映画並みに短い尺でまとめた方が良かったと思われるが、小さい子供にも見せるのならばそこまでタイトに作ることもなく、展開にバリエーションを持たせてゆったり楽しめるものになっているという点で、これでいいんじゃないでしょうか。
 塚本晋也がエキセントリックな演技をすると、一瞬塚本映画のように見えてしまうのがご愛嬌。
ほんとにあった怖い話夏の特別編2006 ★★ フジテレビ 2006/08/22(火) 19:00-20:54 ドラマ 2006/08/24
断崖の下にて ★★ 監督:鶴田法男 脚本:三宅隆太 4分 フジテレビ 2006/08/22(火) 19:00-20:54 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 一晩中ドライブした伊藤淳史が夜明け前に崖っぷちに車を停め、助手席の夏川純が寝込んだとき、車の外に現れた不気味な女が車を押してあわや崖下に落とされそうになった。  短い尺で無駄なく一気に見せるが、不気味な女の外見だけが怖さの決め手というのが今いち。
6番の部屋 ★★ 監督:鶴田法男 脚本:三宅隆太 15分 フジテレビ 2006/08/22(火) 19:00-20:54 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 高校生の堀北真希、佐藤千亜妃、仲村瑠璃亜の三人が真面目な同級生の桐谷美玲も誘って放課後にカラオケに行くが満室で、店長の鈴木浩介が貸し渋っていた唯一の空室の6番の部屋に入れてもらうと、桐谷はカラオケの画面にセーラー服の女の子の姿を見たと言った。
 それ以来、桐谷の方からみんなを誘って6番の部屋に行っては画面に釘付けになり、堀北だけがつきあったある日、堀北も不気味な顔のセーラー服姿の女の子を見て、その女の子に惹かれていく桐谷の腕を引っ張って部屋を逃げ出した。
 これもそつなくまとめられているけど、怖さの決め手は幽霊の女の子の外見ぐらい。
 主役は堀北真希なのだが、相手役の桐谷美玲(調べたらホマキと同じスウィートパワー所属)の方が、初めは地味なメガネっこで、次第に幽霊に魅入られて目つきのおかしい笑顔を見せ、常にカタカナの「レ」の字に曲げた右腕のひじに手提げカバンをぶら下げて立つ姿も印象的で(腕が細過ぎる気もするけど)、すごい儲け役。
不思議な時間 監督:久保田哲史 脚本:林民夫 6分 フジテレビ 2006/08/22(火) 19:00-20:54 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 サラリーマンの平岡祐太が高円寺の自宅でサッカー見るために8時に六本木の会社前からタクシーに乗って急ぐと、運転手の坂本あきらが行き先も聞かずに勝手に走り、目を覚ますと青空の高原を走っていたが、気がつくと高円寺に着いた。
 しかし何故かワンメーターで、家に着いたのは8時だった。
 今回唯一の鶴田監督以外による作品だが、ストーリーをなぞる以上の演出、つまり例えば怖がらせようとしている形跡が皆無。
 そのくせ、チャカチャカ細かい編集するような芸のないことはやっているが、それはホラーに合ってない。
四畳半の貴婦人 ★☆ 監督:鶴田法男 脚本:三宅隆太 6分 フジテレビ 2006/08/22(火) 19:00-20:54 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 森三中の大島がアンティークのティーカップを買って以来、彼女の家に18世紀のフランス貴族のような女性の幽霊(シンシア)が現れて、そのティーカップで優雅にお茶を飲んだ。
 彼女が他のメンバーの村上と黒沢を家に呼んで幽霊を見せようとするが現れず、逆にもめてるうちにカップを割ってしまった。
 2人が帰った後、貴婦人が現れてテープでくっつけたカップでお茶を飲むと、カップが割れて貴婦人は大島の首を絞めた。
 ほぼ全編に渡ってコメディ調で進めて、最後に怖くして驚かすパターン。以上。
そこにいる! ★★ 監督:鶴田法男 脚本:三宅隆太 15分 フジテレビ 2006/08/22(火) 19:00-20:54 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 中堅スーパーチェーンの本社勤務の高嶋政伸が、売り上げの悪い温水洋一が店長の店に調査に来た。
 バイトのサエコによると、その店には霊が現れ、温水はその姿を頻繁に目にして怯えきって、ついに店長を辞めた。
 臨時店長になった高嶋が1人で店で夜中まで残業していると、買い物客の姿の女の霊が現れ、高嶋は店内を逃げ回って店外に逃れた。
 気配を感じてゆっくり振り返っても霊がいなかったり、マネキン人形を霊と見間違えたりといった、セオリーをはずしたことも少しは見られるが、全体的にはこの作品も極めて定番の演出スタイル。
 高嶋が霊に追われて怖がる姿がポイントだが、まずまずの演技だった。
病棟のぬいぐるみ ★★ 監督:鶴田法男 脚本:小川智子 14分 フジテレビ 2006/08/22(火) 19:00-20:54 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 病死した患者の病室にあった備品のぬいぐるみが死を呼ぶぬいぐるみとの噂を同僚の佐藤仁美から聞いた看護師の釈由美子は、そのぬいぐるみをナースセンターに置いておいたが、後輩の岩佐真悠子が別の患者に与えて、その患者も間もなく亡くなった。
 主任看護師の山下容莉枝の話では、そのぬいぐるみがいつから備品になったか定かではなく、釈はひそかに倉庫に隠した。
 釈の担当した患者が危篤になったが一命をとりとめ、かけつけた親戚の大島蓉子は露骨に迷惑がり、再び様態が悪くなって苦しむ姿を見た釈は、倉庫からぬいぐるみを持って来て患者の枕元に置き、患者は眠るように息を引き取った。
 これも手堅くまとめた感のある作品で、結局今回の鶴田監督作品は驚かされる程のものは無かった。(まあ、これだけホラーが数多く作られては、そう簡単にビックリするような新しいネタや表現を考え出すのは難しいだろう。)
 この作品は釈由美子がほぼ全編出ずっぱりで、作品の出来も彼女次第と言えるのだが、まずまずの結果だった。
怪談新耳袋 第六十一話「あいさつ」 ★☆ 監督:吉田秋生 5分 TBS(BS-iの再放送) 2006/09/07(木)再放送、2006/09/07(木)鑑賞 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 黒川芽衣は田舎で老人の子供の頃の不思議な体験談を聞きながら2人で道を歩いていると、向こうから別の老人が歩いて来て、老人同士は挨拶をし合ってすれ違った。
 ところが、しばらく歩くと同じ老人が来て同じ挨拶を同じ挨拶を交わしてすれ違い、それが何度も繰り返された。
 老人は相手が狐かもしれないと思ってすれ違いざまに引き止めると、相手もこちら2人が何度もすれ違うので狐だと思ったと言った。
 狐につままれたような気分の黒川に、2人の老人が狐のポーズをとって向かって来た。
 まあ、軽〜く面白い話。以上。
怪談新耳袋 第五十四話「スナップ写真」 ★★ 監督:村上賢司 5分 TBS(BS-iの再放送) 2006/09/07(木)再放送、2006/09/07(木)鑑賞 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 ビルの地下にあるカラオケ店にいた黒川芽以たちが、店内にいた暗い雰囲気の邑野未亜を仲間に入れるが、停電で暗くなると「暗いよ〜怖いよ〜」と言い、帰り際に黒川と部屋で2人きりになったとき「熱いよ〜」と言って苦しんだ。
 翌日、邑野を撮った写メールを見ると防空頭巾をかぶっていた。
 そのカラオケボックスは、東京大空襲で死者が出た防空壕があったところだった。
 怖さというより、主役2人の表情をしっかり見せていることに感心。
怪談新耳袋 第四十六話「帰ってきた」 ★★ 監督:村上賢司 5分 TBS(BS-iの再放送) 2006/09/07(木)再放送、2006/09/07(木)鑑賞 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 近藤芳正が子連れの未亡人のスナックの女の中原翔子の部屋に居候同然に同棲して2年。お盆の夜に目を覚ました近藤は、亡夫が部屋に現れたのを見た。
 それから1年後、近藤が中原と寝ようとしたところに亡夫が現れ、子供も目覚めて父が来たと騒ぎ出し、中原も夫を感じてそれ以来夫の遺影に手を合わせる時間が以前にも増して長くなり、やがてまたお盆が迫ってきた。
怪談新耳袋 第七十六話「隣の女」 ★★ 監督:村上賢司 5分 TBS(BS-iの再放送) 2006/09/07(木)再放送、2006/09/07(木)鑑賞 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 古いがゆえに入居人の少ないアパートで気楽な日常を送っていた藤沢大悟は、隣の部屋でオバサンと暮している黒ずくめの小さな女の子の腕が金属板で出来ていたのを目にして、夜に先に鏡をつけた竿で隣の部屋を覗くと、巨大化した女の子の姿が映って、竿をつかんで引っ張った。
 そして、藤沢の部屋の扉を激しくノックして開けようとしたので恐怖におののくが、オバサンが女の子をたしなめたので収まった。
怪談新耳袋 第六十五話「ふたりぼっち」 ★★ 監督:安里麻里 5分 TBS(BS-iの再放送) 2006/09/07(木)再放送、2006/09/07(木)鑑賞 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 黒川芽以は、叔母の家で彼女が育てている遠い親戚の女の子の子守をすることになった。
 その子はいつも叔母のそばから片時も離れようとせず、その日も黒川がトイレ入ったほんの一瞬の間一人ぼっちになっただけでも怖がり、その夜もうなされて目を覚まして、真っ黒な人がいると言ったのを聞いた黒川は、暗闇の中に浮かぶ両目を見た。
 女の子の母は焼身自殺をして黒焦げになって死んだので彼女が引き取られることになり、女の子は母の本当の死因を知らないのだった。
怪談新耳袋 第五十二話「ねぼけ眼」 ★★ 監督:吉田秋生 5分 TBS(BS-iの再放送) 2006/08/31(木)再放送、2006/09/01(金)鑑賞 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 眠そうにしている榮倉奈々と一緒に下校した黒川芽以は、その原因が彼女の継母と今くいっていないからじゃないかと心配した。
 榮倉が家に帰ると、夕食の準備をしている継母は彼女が話しかけても答えようとせず、自分の部屋でベッドに入って悲しみにくれていると、もう1人の自分が帰って来て、継母に話しかけるのを目にした。
 さらにもう1人の自分が現れ、継母に「かあさん」と初めて言ったことで継母は榮倉を抱きしめたが、手にした包丁で背中を刺した。
 しかしそれは榮倉がベッドで見た夢で、彼女はホッとした。
怪談新耳袋 第七十一話「訪問者」 ★★ 監督:豊島圭介 5分 TBS(BS-iの再放送) 2006/08/31(木)再放送、2006/09/01(金)鑑賞 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 山本彩乃が熱で学校を休んで家に1人でいたとき、玄関に全身血まみれの女が訪ねてきて家の中を覗き込んだ。
 その後学校を休み続けて、女がチャイムを鳴らして玄関から中を覗き込むのを玄関で見守った。
 同級生の黒川芽以が心配して山本を訪ねると、家の床に血が転々としていて、山本は奥の部屋にいる血まみれの女に出てこないように叫んだ。
怪談新耳袋 第四十五話「約束」 ★★☆ 監督:豊島圭介 5分 TBS(BS-iの再放送) 2006/08/31(木)再放送、2006/09/01(金)鑑賞 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 子供の頃、婆ちゃんが死んで幽霊になったところを見たいとお願いすると、「いいけど驚くなよ!」と承諾してくれた。
 その婆ちゃんが死んで初七日の夜、部屋に現れたのを見て驚いてしまったので、四十九日に再挑戦したが、結局驚いてしまった。
怪談新耳袋 第四十八話「未放送」 監督:井上雄介 5分 TBS(BS-iの再放送) 2006/08/31(木)再放送、2006/09/01(金)鑑賞 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 白骨死体が発見された現場の家に入ってレポートするテレビ番組のビデオを再生すると、特に変わった様子は無かった。
 しかし、そこに映っていた女性スタッフは、そのとき別の場所にいたはずだった。
 ビデオを見て恐怖に震えるその理由は何?というオチまで引っ張るストーリー展開なのに、オチがショボ過ぎて腰砕け。
怪談新耳袋 第六十二話「三人来るぞ」 ★★ 監督:吉田秋生 5分 TBS(BS-iの再放送) 2006/08/31(木)再放送、2006/09/01(金)鑑賞 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 黒川芽以が塾のエレベーターに1人で乗ると突然止まって真っ暗になり、インターホンで救助を求めると、「三人来るよ」という不気味な声が聞こえるやいなや、誰もいないはずなのに後ろから首を絞められ、振り払うと別の何者かに首を絞められた。
 エレベーターが動き出して1階で扉が開いて降りるとあたりは真っ暗で、黒川がエレベーターの中に引きずり込まれた。
 黒川芽以の1人芝居だけど、
怪談新耳袋 第三十九話「重いッ!」 ★★ 監督:鈴木浩介 5分 TBS(BS-iの再放送) 2006/08/24(木)再放送、2006/08/28(月)鑑賞 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 井上晴美がベッドで寝ていると、目に見えない何かが彼女の腹部に乗っかり、振り払おうとするうちに、枕元に現れた北村一輝が彼女の両腕をつかんだ。
 北村が隣で寝ていた息子を襲おうとしたので、井上が「どけ」と言うと北村の姿は消え去り、ほっとしたのもつかの間、北村が息子の腹部にまたがって、息子は苦しみだすのを目にした。
 いくらすぐに恐怖シーンに入るような無駄の無い展開だからといって、これはあまりに意味不明で、怖いというよりわけが解らないのが第一印象。
 結局、唯一の見所は一輝の不気味な笑み。
怪談新耳袋 第四十九話「教えて」 ★★★ 監督:豊島圭介 5分 TBS(BS-iの再放送) 2006/08/24(木)再放送、2006/08/28(月)鑑賞 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 深夜。廃屋の前に車で乗りつけた3人のうち、怖がる佐藤康恵を助手席に置いて、佐藤の恋人の末吉宏司とひふみかおりの2人が中に入っていくが、すぐに恐怖に引きつった顔で車に戻ってきて車を発進させる。
 佐藤は何があったかと問い詰めると、カーステレオから廃屋の中での2人の会話が流れてきて、2人が浮気をしていそうな雰囲気だったので、佐藤の追求がさらにきつくなるが、車はどういうわけか廃屋の前に戻った。
 末吉とひふみは、その家の2階で自分たちが佐藤を殴り殺していたのを見たことは話せなかったのだ。
 これも、始まってすぐにクライマックスに突入するのがいい。
 恐怖に怯える演技もいいし、廃屋の中の不気味さもよく出来て、緊張感が維持されている。
 佐藤康恵が台詞や悲鳴がフニャフニャしていてホラー向きでなかったことが残念。
怪談新耳袋 第七十四話「毛浪」 ★☆ 監督:荒川栄二 5分 TBS(BS-iの再放送) 2006/08/24(木)再放送、2006/08/28(月)鑑賞 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 辻美里が学校から帰っても家には誰もいなくて、自分の部屋に行くと一面長い髪の毛で、押入れの中に隠れ去った。
 母の野田よし子が現れ押入れを開けると中は普通に布団があり、母が出て行った後、辻が髪の毛に巻かれて押入れの中に引きずり込まれた。
 主人公が家に帰る前に、同級生の井上優里菜と道を歩いて別れるという、結局あまり意味の無いシーンがあったりで、展開が遅くその結果クライマックスもごく短時間にあっさり終わってしまうので、全くもって物足りない。
怪談新耳袋 第七十話「もののけの息」 ★★★ 監督:三宅隆太 5分 TBS(BS-iの再放送) 2006/08/24(木)再放送、2006/08/28(月)鑑賞 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 地下駐車場で送ってもらった車から降りて、ひとけの無い中を一人で歩く喜多嶋舞は、物陰に何かの気配を感じ、獣のようなそれに襲われ、走って逃げるが追いつかれてしまった。  短編と低予算という不利な条件を逆手にとって、怪物を最低限しか映さずに、走る怪物目線のショットなども用いて、正体を隠し続けることで恐怖心を増すそうという狙いが面白い。
怪談新耳袋 第四十三話「正座する影」 ★★★ 監督:井口昇 5分 TBS(BS-iの再放送) 2006/08/24(木)再放送、2006/08/28(月)鑑賞 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 修学旅行の旅館の5人部屋で1人だけ寝付けない今井春奈は、暗い部屋の中で正座している人影を見つけ、それは上半身を前後に激しく揺さぶり、しかも1人から2人3人と増えていって、隣で寝ていた久田美佳の枕元で生米を食べだした。
 今井は声も出せずに怯えているうちに眠って朝を迎えると、久田の枕元には生米が散らばっていた。
 たいしたストーリーもなしに、いきなり見せ場に突入するのが、無駄が無くていい。
 しかも、その見せ場も人影の動きが想像を絶するほど凄まじく、コマ落としでも人形を操作してるのでもなさそうで、どうやって撮ったか解らない。
 一度観たら忘れられない出来上がりで、素晴らしい。
怪談新耳袋 第四十一話「幽霊屋敷と呼ばれる家」 ★☆ 監督:佐々木浩久 出演:堀北真希、藤谷祥子、三浦愛 5分 TBS(BS-iの再放送) 2006/08/10(木) (2004/06/14の再放送)、2006/08/11(金) 鑑賞 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 女子中学生(?)の3人組が幽霊屋敷と呼ばれる廃屋に忍び込んで堀北がビデオ撮影を始めると、2階の窓に女の人影が写っていた。
 それは、3人のうちの1人で実は2週間前に自殺したレイコで、もう1人のマサエには見えない彼女の姿が堀北には見えていて、レイコに招かれて2人が廃屋に来たのだった。
 廃屋に忍び込んでビデオ撮影するという、ホラーではおなじみの展開。
 ほぼ出ずっぱりの堀北真希の好奇心にワクワクしたり、恐怖で激しく怯えたりといった姿が楽しめる。
怪談新耳袋 第四十二話「もうひとり」 ★★★ 監督:豊島圭介 出演:緋田康人、西沢仁太 5分 TBS(BS-iの再放送) 2006/08/10(木)再放送、2006/08/11(金)鑑賞 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 部屋がなくてツインに一人で泊まることになった緋田は、ベッドに入ったとき隣のベッドに男の気配を感じた。
 その男に一緒に手拍子をすることを要求された緋田は相手に合わせるが、耐えられずにお守りをかざすと、男は弱った顔で消えていった。
 これはよく出来ていて面白い。
 展開も5分間の時間にきっちり納まっていてなおかつメリハリがあり、ギャグの織り交ぜ方も絶妙。
怪談新耳袋 第五十八話「ばあさんが来る」 ★☆ 監督:井口昇 出演:大浦龍宇一、三川雄三、森康子、他 5分 TBS(BS-iの再放送) 2006/08/10(木)再放送、2006/08/11(金)鑑賞 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 大浦が伯父の家に呼ばれて会いに行くと、彼は死んだ婆さんが生前殴った仕返ししに現れるので、一緒に寝て欲しいと頼まれた。
 その夜、目を覚ました大浦は隣で寝ていた爺さんが見えない手で平手打ちで連打されているのを見て、背後に婆さんの気配を感じて風呂場へと逃げると、風呂桶の中にいた婆さんと目が合って殴られた。
 まあ…、まあまあの出来。
 5分ではまとめきれず、途中で切られたような終わり方なのが残念。
怪談新耳袋 第五十一話「残業」第五十五話「残業2」 監督:平野俊一 出演:堀江慶、いとうまい子、佐藤二朗、他 5分 TBS(BS-iの再放送) 2006/08/10(木)再放送、2006/08/11(金)鑑賞 ドラマ 2006/08/24
ストーリー 感想
 一人残業させられた堀江のところに、年増OLの霊が現れ堀江を呪う。  ホラーにとっては逆効果であるにもかかわらず、画面をちゃかちゃか編集するのが演出だと思っている。結果、やっぱり怖くない。へたくそ。
森達也の「ドキュメンタリーは嘘をつく」 ★★★ 出演&スタッフ:森達也(監督)、藤原ヒロシ(プロデューサー)、原一男(監督)、佐藤真(監督)、緒方明(監督)、村上賢司(監督)、松江哲明(編集) テレビ東京 2006/03/26(日) 10:30-11:25 啓蒙番組 2006/04/03
ストーリー 感想
戦後60年特別企画「祖国」 ★☆ 監督:堀川とんこう 脚本&原作:山田洋次、カラー、1:1.78、109分、平成17年度芸術祭テレビ部門(ドラマの部)優秀賞 WOWOW 2006/03/19(日) 11:40再放送
2006/04/02(日) 鑑賞
ドラマ 2006/04/03
ストーリー 感想
 東京の大会社で、海外の現地法人の清算の仕事をしていた上川隆也は、ミクロネシアの島から日本に帰るためにチャーターしたマコ・イワマツが操縦するセスナでサイパンへと飛んだ。
 上川は老人のマコを内心少しバカしたが、日本に来るなら都会ではなく自分の田舎の能登がいいと言い、その場合には世話すると名刺を渡して別れた。
 しばらくして、東京の会社にマコが訪ねてきて、上川は妻の森口瑶子と一人娘の谷村美月と共にマコを自宅に迎えて、翌朝上川は日本語を話せないマコのために能登までの列車とホテルを手配して送り出したが、マコは無断でキャンセルし、その後彼から連絡がなかった。
 まもなく、上川の部署の廃止で彼は解雇されて小さな関連会社に移り、数年後、マコの孫でアメリカの大学生の高橋マリ子が上川を訪ねて、マコは日本語で書かれた上川宛の遺書を残して飛行機の墜落事故で亡くなったことを聞かされ、彼は高橋を自宅に泊め、彼女のために遺書を訳して聞かせた。
 その遺書によると、彼は能登から出征した元日本兵で、沖縄決戦の時に特攻で出撃したが悪天候で墜落してアメリカの艦に助けられ、脱走して流れ着いた島にいた日本人に助けられて、そのままそこの島民になったのだった。
 マコは能登に行って廃墟になった実家を訪ねた時、今では年老いているはずの若い頃の妹の木村佳乃の幻影が彼を迎え、その後彼は自分の墓参りをし、鹿児島の特攻隊の基地跡を訪ねた。
 そこの宿の枕元に木村の霊が現れ、マコの母の南田洋子が彼の戦死を信じずに、戦後まもなく沖縄に近い加計呂麻島に一家で移り住み、母だけは今でも生きていてマコの帰りを待っていると話した。
 マコは帰国をキャンセルして島に向かい、そこで母と再会し、まもなく母は亡くなって、マコは遺骨を持って帰国した。
 上川は高橋を島に連れて行き、戦争が人間を引き裂くことの非情さを思うのだった。
 戦後60年と謳っているからには、当時の生き証人の思いと、戦争を知らない今の日本人がそれを見ることによって感じるものが重要だろうが、前者は型どおりで、なおかつ後者にいたってはほとんど何も感じられなかった。
 上川隆也のリストラや、彼が同期の吹越満と妻との仲を勘ぐって夫婦喧嘩したりすることに大きく時間が割かれているけど、それが60年前の戦争と何の関係があるの?
 それから、高橋マリ子の服装がまるっきり日本人みたいで、アメリカの大学生に見えない。
世にも奇妙な物語 15周年の特別編 ★☆ 「リプレイ」★ 脚本:佐藤久美子 演出:岩田和行 出演:伊藤淳史、池脇千鶴、他
「命火」★ 脚本:高橋徹郎 演出:村上正典 出演:長谷川京子、中村俊介、他
「雨の訪問者」★ 脚本:大野敏哉 演出:木下高男 出演:ともさかりえ、岡田義徳、他
「奥さん屋さん」★ 脚本:羽場さゆり 演出:松田秀知 出演:佐野史郎、戸田菜穂、他
「イマキヨさん」★☆ 脚本:中島直俊 演出:植田泰史 出演:松本潤、酒井敏也、高橋真唯、他
フジテレビ 2006/03/28(火)
21:00-23:24
ドラマ 2006/04/03
作成
2006/04/16
更新
 個別にコメントする程のモノでもないので、まとめて。
 ストーリーは、それぞれ全然たいしたことないものから、それほどひどくはないけどやっぱりたいしたことないものまで。
 1つだけ言うと、「雨の訪問者」は主人公が相手が犯罪者か否かという疑惑にとらわれるという話で、二者択一のオチについては、ヒッチコックが『断崖』についてコメントしている通り、「こっちのオチ」は選んではいけない方だった。
 さらに、もう一段あったどんでん返しも、「結果的に腰砕け」という同様の理由でダメ。
 まあ、そんなストーリーについてはともかく、問題は演出の方で、どれもこれもパターンどおりの演出から一歩もはみ出していない。
 役者たちに適当に芝居をつけて、あとはカメラアングルをアブノーマルにしたり、編集でコマをちょこちょこいじったり、たまにモノクロにしたり画面にエフェクトをかけたりなどの小手先の手法を駆使すれば、それが演出だと思っているようなものばかり。
 最近、フジテレビの監督が東宝からいきなりデビューするケースが多いけど、そんな程度で映画監督として出てくるんじゃないぞ
 映画撮るのはもっと腕を上げてからか、演出が下手でも力のこもった画を撮れるようになってからにしろよ。
 上記の5つの短編の他に、1分未満の超短編のものが10本あって、こっちは短いので罪は軽い。
放送禁止4 恐怖の隣人トラブル ★★ 企画&脚本&監督:長江俊和 製作:フジテレビ&イースト フジテレビ 2005/10/12(水) 26:25-27:25 フェイクドキュメント 2005/11/26
ストーリー 感想
 2003年9月、千葉市郊外の住宅地にある一軒家に2003年3月に引っ越して間もなく嫌がらせを受け続けている一家の取材が始まった。
 その家の主婦の森下利香子によると、犯人は隣の家の女性のUさんらしく、原因はUさんによる宗教へ勧誘を断ったからだと思われた。
 取材スタッフが隠しカメラをしかけると、確かにUさんによる数々の嫌がらせ行為が写されていたので、スタッフがUさんにインタビューをすると、利香子の夫の仁志が会社で不倫をしたせいで森下一家が呪われ、彼らがUさんの隣に引っ越してきてから1年後の2001年4月にUさんの夫が急性心不全で死んだのもその呪いのせいで、彼らを呪い殺そうとしていると答えた。
 利香子さんがUさんに夫の不倫を相談したことは事実だが、夫婦の間で和解済みだった。
 2人は訴え出る前に隣に行って話をつけようとすると、Uさんとの話し合いはうまくいって嫌がらせはなくなったが、1ヵ月後一小学3年生の一人息子の元気君がUさんからもらったドーナツを食べてから高熱で寝込んでしまったとの知らせでスタッフが再び森下家に行った。
 仁志がUさんの家に怒鳴り込むと、Uさんが呪文を唱えて仁志さんは苦しみだして呪い殺されようとしているように見えたので、それを外から撮影していたスタッフが飛び込んで救急車を呼び、救急病院で急性心不全で死んだ。
 3週間後、利香子と元気は家を出て、訴えることも出来ないまま、新たな人生を始めようとしていて、彼女の希望で取材テープは放送されないことになった。
 しかし、取材テープを注意深く見ると、利香子、元気、救急病院の院長が宗教の信者で、薬物で仁志を殺して病死扱いしたらしいことがわかった。
 フェイクドキュメント「放送禁止」の第4弾。
 (日付の順序が意図的に(?)矛盾してるんだけど、それは置いといて)前後関係を整理すると、森下一家が越してきて、利香子がUさんに夫の浮気を相談して、Uさんが母子を宗教に入れて、Uさんが自分の夫を殺して、Uさんの嫌がらせが始まって、利香子がテレビの取材を受け初めて、カメラの前で仁志を殺したということ。変な話。
 取材を受けたのが呪い殺す宗教の力を見せつけるためだとしたら、最終的に放送を止めたのが解らない。
 放送させないくらいなら、毒殺がバレる可能性が高くなる取材なんか最初からさせずに、秘密裏に夫を殺せばいい。
 さらに、救急車が仲間の救急病院に行かなかった場合、検死されて毒殺がバレるかもしれないような殺人計画は危なっかし過ぎるなど、ストーリーが穴だらけなのはフェイクドキュメントではちょっと問題。
 でもそれより問題なのは、「放送禁止」と題されている時点でフェイクドキュメントだというのを知って見ることになるのだから、見る者の予想を超えるリアリティの表現を見せなければならないのに、今回は演技付けなどの演出面でのリアリティの描き方に見るべきものがなかった。つまり生っぽさに欠け、普通のドラマと大差がなかった。
 結局、数々の伏線を仕込んでおいて、最後にそれをネタばらししてみせるのがオチという、普通のどんでん返しドラマになってしまっていたので、次回作があるならやっぱり演出にもっと力を入れて欲しい。
史上最恐Jホラー・ドラマ「日本のこわい夜・特別篇〜お祓いから全ては始まった…呪われた家の潜入…異常事態が番組を襲う!!」 ★★★ 監督:白石晃士 脚本:都築浩 脚本協力:やすけいいち プロデューサー:一瀬隆重、西前俊典
製作:オズ、TBS、制作協力:アットムービー・ジャパン
出演:上田晋也、有田哲平、友近、勝俣州和、アンガールズ、劇団ひとり、ヒロシ、ユンソナ、さくら、なぎら健壱、木村郁美、稲川淳二、他
TBS(HP) 2005/08/24(水) 21:00-22:54 ドラマ 2005/11/26
ストーリー 感想
 くりぃむしちゅー(上田晋也、有田哲平)と木村郁美アナ司会のバラエティ番組「本当にあった史上最恐ベスト10」が、勝俣州和、劇団ひとり、ヒロシ、なぎら健壱、さくら、ユンソナらゲストパネラーを迎えて始まった。
 まず第10位の、アンガールズが出演した映画『ノロイ』の未公開映像に霊が映っていることから始まり、9位でホストに捨てられたホステスが自殺した現場の歌舞伎町の空き店舗にヒロシが行って霊を待つが、トイレに水が流れていないのに音がするなどの怪しい現象に怖がったヒロシがギブアップして霊の姿は捉えられなかった。
 続いての8位で、そこでロケをすると呪われると噂の古い一軒家に友近が入って、内部の様子をスタジオと中継で結んで映し出す。
 恐る恐る進んでいく友近は、空き家なのに湿気で鏡が曇っていたり、その鏡が何故か勝手に割れたり、浴槽に赤茶けた水が溜まっていて排水溝に詰まっていた海藻を見つけたりと、ただならない雰囲気の家の様子が次々とあらわになり、ついにはスタジオにいた劇団ひとりが、割れた鏡に人の顔のようなものが映っていたのを見つけ、録画を再生して確認された。
 友近はさらに問題の2階の開かずの押入れを調べに行き、そこをこじ開けると大量の海水が噴き出し、再生した映像に少女の姿がはっきりと映っていて、驚いたカメラマンが逃げて階段を転がり落ち、一同は家から飛び出す。
 実は、その家に最後に住んでいた夫婦と一人娘と飼い犬は、引っ越して行った後に車が海に落ち、見つかったのは両親の遺体だけだったことが紹介された。
 スタジオも霊の姿がはっきりと映った映像にパニック状態になり、気分が悪くなったり、スタジオ内にも霊の姿を見る者が次々現れて、収録は中止になった。
 出演者たちはゲストの霊能者と共に友近のいる現場に行き、お祓いして一同は解散するが、上田が帰った自宅に少女と犬の霊が現れた…。

 最後に、これらの出来事がすべて創作だったことが、真相を知らされていなかったユンソナとさくらにスタジオで知らされた映像が流れた。
 タイトルに「…ドラマ…」と入っているのと、画面右上隅に「ホラードラマ」と映し続けているので、番組の作りが普通のバラエティ番組と区別が全くつかないながらも、ドラマだと判って最初から観ることになる。
 ただし、バラエティ番組をきっちり再現できていることで、見慣れた雰囲気を気楽に楽しみながら、それが異常な事態に次第に変化していくにつれて不気味さを感じさせている。
 中でも友近の出演シーンが、いかにも何かが起きそうな雰囲気をずーっと維持し続けていて、フィクションだと判っていてもそれを忘れて見入ってしまったほどの出色の出来だった。
 出演者も全員演技が自然で素晴らしい。(といっても、バラエティ番組の出演自体が演技みたいなものだから、それと同じことをすればいいだけなのだが。ただ、木村アナがスタジオの中に霊を見て驚く演技をしていて、これは非日常的な行為にもかかわらず、これも完璧に演技できていたのは凄い。しかもアナウンサーが。)
自由戀愛 ★★☆ 監督&脚本:原田眞人、原作:岩井志麻子 HDDレコーダー(WOWOW) 2005/01/23(日)放送 ドラマ 2005/02/12
ストーリー 感想
 大正時代。明子(長谷川京子)たち女学生は、金持ちの男とは一緒にならず職業婦人として自立して自由な恋愛をするような人生を夢見ていたが、数年後明子は磐井商会の次男の優一郎(豊川悦司)の妻の座に納まっていた。
 彼女は街で再会した学友の千鳥(瀬戸カトリーヌ)から演出家を目指す藤原(遊人)を紹介され、また同級生の清子(木村佳乃)が、結婚相手が妾を囲ったと知って離婚した聞いて、一方的な同情から優一郎に磐井商会の職を世話してもらう。
 しかし、優一郎は清子と関係を持って妾に迎えた清子は身篭るが、裏切られたと思った明子は後取りが出来ないことを理由に優一郎の母(香川京子)から実家に帰るように言われる。
 しかし、明子が1人住まいをして自立を目指すことを援助すると優一郎が提案し、明子もそれを受け入れ、やがて優一郎が手がける映画の監督になった藤原の下で女優としての道を歩みだす。
 一方の清子は、若い男と心中した妻をかばうほど女性の進歩的な生き方に理解のある父に、金持ちの本妻に納まったことを蔑まされ、母への憎しみから進歩的な女のなど馬鹿にされるだけだという清子と意見が相違したが、乳が出ないことを責め粉ミルクも飲ませない姑に耐え切れず、子供を抱えて家を飛び出し、当てもなく乗った汽車の車掌をしていた父の勧めで、平塚らいてふの集会に行く。
 優一郎は清子の居場所を探し出すが、子供を抱えて1人で生きる今のままの生活を続けさせるために、清子の父を通して密かに彼女を援助する。
 そして関東大震災が起こり、優一郎は行方不明になって優一郎が手がけた撮影所も崩壊して磐井商会も事実上廃業、清子の父は暴動に巻き込まれて死に、明子は避難先で知り合ったフランス人と結婚し、藤原と千鳥と共にフランスに行って女優を続けることになる。
 出発の日、帝国ホテルの記者会見場で明子たちは社会的メッセージを発し、編集長になった清子と2人きりで会って過去を振り返り、その様子を陰から見ていた優一郎が黙ってその場を去って行った…。
 細かいカット割りやカメラワークが一部あざといかなと感じることはあるものの、映像や演技を作りこむ原田監督の実力が発揮され、大正時代の雰囲気が良く出ていた。
 女性の自立がテーマのストーリーは、なんとなく筋は通っているようだけれど、細かく見ると具体的ではく、いいんだか悪いんだか良くわからない。
 女優対決は、ハセキョーがお嬢様っぽい役柄が頼りなく見えて不利だとか、それにしても今いちかな?とかいうより、とにかく佳乃が演技の幅の広さと懐の深さが圧倒的で圧勝。
ほんとにあった怖い話 夏の特別編2004 「トンネルの中の少年」 ★★ 監督:後藤博幸&鶴田法男、脚本:清水達也&三宅隆太、出演:窪塚俊介、上野なつひ、久保山知洋、5分 VHS(フジテレビ) 2004/09/07(火) ドラマ 2004/12/13
ストーリー 感想
 窪塚が運転する車に上野と久保山が乗っていて、その車がトンネルに入ったとき、窪塚はトンネルの中に少年の姿を見る。
 車を止めて降りると、路肩にお供え物があり、3人は怖くなって車を発進させる。
 トンネルを出てもう安心と思ったその時、白い運動着の少年が走って車の後を追いかけて来て、車の脇を並んで走って3人に向って不気味な笑みを浮かべた…。
 まあ、怖がらせ方に目新しさはないんだけど、少年の表情の怖さでキッチリと見せてくれる。
ほんとにあった怖い話 夏の特別編2004 「ひとりぼっちの少女」 ★★☆ 監督:三宅隆太、脚本:高木昇、出演:佐津川愛美、谷村美月、9分 VHS(フジテレビ) 2004/09/07(火) ドラマ 2004/12/13
ストーリー 感想
 水泳部に所属する中学3年の真希(佐津川)は、大会を目指して1人だけプールに残って練習し、付き合いを断った友達の美雪(谷村)に夢中になり過ぎるのは良くないと言われていた。
 1人でロッカールームで帰り支度をしていると、不吉な噂が立っているロッカーの扉がひとりでに開いて、閉めようとすると中から出た白い手に腕をつかまれる。
 ロッカールームから出ようとするが扉が開かず、後ろからのピチャピチャという足音に振り返ると、少女がゆっくりとこちらに向ってきて、真希は気を失い、気が付くと美雪が真希を起こそうとしていた。
 これも急に腕をつかんだり、暗くて顔がはっきり見えない幽霊など、手としては目新しくないのだが、不意を付いたりねばってじっくり見せたりなど、怖がらせ方の間合いの取り方がいい。
ほんとにあった怖い話 夏の特別編2004 「予言者の余波」 監督:星野和成、脚本:田村孝裕、出演:吉沢悠、11分 VHS(フジテレビ) 2004/09/07(火) ドラマ 2004/12/13
ストーリー 感想
 1995年1月、ソウルで取材をしていた吉沢がタクシーでホテルに帰ろうとすると、いつもすぐにつかまらないのにその日はあっさりとつかまる。
 その運転手は、日本語で「もうすぐ日本に大地震が来る。あなたには素質があるから見えるはずだ。」としつこく話しかけてくるが、吉沢は信じらせずに相手にしないようにしてやがて眠ってしまった。
 ホテルに着いて目を覚まし、その夜に恋人が傷ついているのと、大阪の友人が枕元のテレビを見ている夢を見た。
 次の日目を覚ますと、阪神淡路大震災のニュースが流れていて、後日夢で見た2人と電話で話すと、夢で見た状況と一緒だった。
 これはただのお話だけで、演出的には何もなかった。
ほんとにあった怖い話 夏の特別編2004 「怪音寮」 ★★★ 監督:澤田鎌作、脚本:高木登&三宅隆太、出演:金子さやか、12分 VHS(フジテレビ) 2004/09/07(火) ドラマ 2004/12/13
ストーリー 感想
 宏美(金子)は念願の社員寮に入ることが出来て引っ越してくると、その部屋の畳には爪で引っかいたような跡がいくつもあった。
 まもなく、毎晩深夜の2時に壁を叩く音に悩まされることになり、愛想の悪い寮長に隣の部屋を見せてもらうと、そこは旅行中でずっと留守だった。
 ある社員が打ち明けたことによると、その部屋には霊現象が起きるが、部屋を空けないためにそのことは伏せてあって、他の入寮者も口止めされていた。
 宏美は壁にお札を貼るとノックは止み、寮を出る前日の夜に不意に目を覚ますと、お札が壁から落ちていて、長い髪の黒い服を着た霊が壁から出てきて、畳の上を這ってベッドの方に向ってきた。
 霊が畳のを引っかきながら這ってこちらに向って来るという、あの映画とソックリなクライマックスなのだが、霊が向きを変えたり一瞬止まったりの間合いが抜群で、金子さやかとのカットバックもバッチリで文句なしです。
ほんとにあった怖い話 夏の特別編2004 「あの日の約束」 監督:加藤裕将、脚本:浅野妙子、出演:美山加恋、市川千恵子、12分 VHS(フジテレビ) 2004/09/07(火) ドラマ 2004/12/13
ストーリー 感想
 みちる(美山)はお婆ちゃん(市川)から、死んで幽霊になったら知らせに来ることを約束すると言われ、1ヵ月後にそれまで元気だったのが突然倒れて入院することになり、それでも元気だったのだが、みちるが友達のところに遊びに行ったとき、ポリ袋の手さげが切れて、悪い予感がして家に帰って病院に行くと、おばあちゃんは手遅れのガンで死んでいた。
 自宅での葬式の日、1人になったみちるは、お婆ちゃんの霊が約束通り庭に立っているのを目にするのだった。
 これも、この日の3作目の「予言者の余波」と一緒で、見どころのないただのお話。
 この番組に限れば、怖くない話はやらない方がいいみたい。
極道恐怖大劇場 牛頭 ★★★ 監督:三池崇史、製作:曽根晴美、出演:曽根英樹、哀川翔、吉野きみ佳、日野正平、石橋蓮司、他、129分 VHS(WOWOW) 2004/10/28(木) (2004/10/30(土)鑑賞) OV 2004/11/01
ストーリー 感想
 喫茶店でノイズだらけの怪しげなドラマのテレビを見ながら、兄弟分たちと組の会合が始まるのを待っていた哀川翔は、やって来た親分の石橋蓮司に、表の通りで女が抱えているチワワが、実はヤクザを殺すヤクザ犬だと言い出して叩き殺す。
 哀川と弟分の曽根英樹が、車で名古屋まで挨拶回りに行くことを命じられるが、実は曽根の任務は哀川を殺して名古屋のヤクザ処分場に運ぶことだった。
 途中で哀川は曽根に、刺し違えてでも女に狂った石橋組長を組のために辞めさせると告白し、曽根も哀川に忠誠を誓うが、直後、哀川が後ろの車がヤクザを轢き殺すために改造されたヤクザカーだと言い出し、運転手のオバサンを撃ち殺そうとしたときに、曽根は哀川を殺して、座席に座らせて名古屋に向けて運転する。
 名古屋の近くまで来て立ち寄った喫茶店で、コーヒーにサービスで付いてきた茶碗蒸しを食べたとたん、吐き気でトイレに駆け込んで、テーブルに戻ると車に座っていたはずの哀川が消え去っていて、店員や客に問い詰めても知らないの一点張り。
 石橋から曽根に、名古屋の城山組に行って哀川の捜索の協力を頼めとの指示に従うも城山組を見つけることが出来ず、車がパンクしたときに偶然知り合った火野正平の持つ廃車置場こそが城山組だと知る。
 曽根は火野の紹介でマサカズ旅館に泊まり、女将の背中流しや母乳のサービスを迫られて断るが、部屋の天井から牛乳のようなもののしずくが落ちているのに気づく。
 翌朝、朝食に赤飯が出ていて、火野と2人で昨日の喫茶店に行くと、昨日もいた客の間寛平たちと野は幼なじみで、話し込む日野の指示で一人で旅館に戻り、後で戻ってきた日野は、喫茶店の客の2人は交通事故で死んだはずで、彼らから昨日もち米を売っている場所を聞いていた男がいたと聞き出していた。
 2人はその米屋に行って人相から男が哀川であることを確認し、さらに米屋の紹介で哀川が小豆を買いに行った酒屋に行き、さらに酒屋から哀川がその後マサカズ旅館に泊まりに行ったことを聞き出し、旅館の女将から哀川が曽根の部屋の上の物置部屋に昨夜泊まり、宿代の代わりに置いていったもち米と小豆で朝食の赤飯を作ったことを知った。
 曽根はその物置部屋にもう1泊して哀川を待っていると、頭が牛のブリーフ一丁の男が現れ、顔を舐められて気絶した曽根には、「処分場で待つ」との哀川の伝言が残されていた。
 処分場に向った曽根は、処分場の前に転がっていた哀川が既に処分されたことを知るが、そこに吉野きみ佳が現れ、自分は兄貴の哀川だと言う。
 曽根は吉野を連れて事務所に戻ることにし、途中宿泊したラブホテルで、眠っていた吉野の布団を剥いでいくと、彼女の股間が下着の中でもぞもぞと動いていることに気づくが、目を覚ました吉野にHをしてもいいと言われて恐縮する。
 事務所に戻り、吉野が石橋親分に組への就職を求めて、親分が彼女を自宅に連れて行って、おたまの柄をおしりの穴に挿した状態でのセックスというお気に入りのプレイをしようとした時、曽根が吉野を守るために窓から乱入して、もみ合いになるうちに親分が串刺し状態になって死んでしまう。
 逃げた2人がついにセックスに及ぼうとすると、吉野の股間の中の手が曽根のイチモツを握り、吉野の股間から哀川が這い出してきて、吉野はしぼんでしまったがお風呂でお湯につけたら元に戻り、3人はその後仲良く暮すのだった…。
 なんだなんだ、凄いストーリーだな、こりゃ。
 無理やり一番近いものを当てはめると、主人公に不思議な出来事が次々起こって戸惑うさまを描いた、鈴木清順監督の不条理モノとなるのだろうが、あれに比べると下ネタも多くてかなり馬鹿馬鹿しい。
 人によっては怒り出すのではないかと思える程、理屈無視でむちゃくちゃな展開をやり放題なのだが、それでも結果としてちゃんと笑いになっていて、決して滑るような出来になっていなかったのは良かった。
 それだからこそ、決まりごとにこだわらずに面白さを目指した、「自由」を感じさせる映画になっていた。
水曜プレミア 世界最恐Jホラースペシャル「日本のこわい夜」「こわい話、聞きたいですか?」 ★☆ 監督:中村義洋、脚本:中村義洋、鈴木勝秀、出演:白石加代子、森下能幸、3分 TBS 2004/09/22(水) 21:30-23:24 ドラマ 2004/10/04
ストーリー 感想
 白石加代子が、もう一人の客の女子高生(笹岡莉紗)と運転手に恐い話をして、2人は恐さでバスから逃げ出す。  いくら白石加代子の語りがメインだからといって、映像的に何か見せてくれないと、しゃべってるだけでは印象が薄い。
水曜プレミア 世界最恐Jホラースペシャル「日本のこわい夜」「予感」 ★☆ 監督:落合正幸、脚本:落合正幸、大野敏哉、出演:香川照之、小島聖、24分 TBS 2004/09/22(水) 21:30-23:24 ドラマ 2004/10/04
ストーリー 感想
 信販会社に勤める俯川(香川照之)は、売ってお金にするために会社の顧客情報を盗み出し、家族を捨てて、一緒に旅立とうとしていた恋人の待つ駅に向うために、会社のビルのエレベーターに乗って降りようとした。
 そのエレベーターには老夫婦(梅野泰靖、大方斐紗子)と女(小島聖)の3人が乗っていたが、エレベーターに閉じ込められてしまい、外部の警備会社に電話で救助を頼んだ俯川は、監視カメラに1人しか映っていないと聞かされる。
 パニック状態になったところに救助隊がやって来てビルの外に出た俯川は、工事現場の鉄骨の落下事故に巻き込まれ死んでしまう。
 人が死ぬ現場の見学ツアー客だった3人の幽霊が、それを見ていたのだった…。
 一言で言って、わざとらしい演出が空回りしている感じ。
 同乗者の3人が不自然に無表情なので、一目見て幽霊か何かだとわかるのに、3人の正体を伏せているタテマエで展開されて、そんな3人が物静かに禅問答のような台詞を言うのと、大袈裟にうろたえる香川照之とのやり取りが、内容的にも表現的にも全くかみ合っていないのが延々と続くのが観ていてツラiい。
水曜プレミア 世界最恐Jホラースペシャル「日本のこわい夜」「金髪怪談」 ★☆ 監督&脚本:清水崇、出演:杉本哲太、8分 TBS 2004/09/22(水) 21:30-23:24 ドラマ 2004/10/04
ストーリー 感想
 ロサンゼルスに出張して来た石黒良夫(杉本哲太)は、タクシーから目にした道行くパツキン娘たちの姿に大はしゃぎ。
 現地の専務の部屋で、休暇中で留守の専務が帰ってくるのを寝ながら待っていたら、誰かがいる気配を感じて目が覚め、専務が自殺したとの電話をを受けてホテルに移ろうとしたら、ベッドの下に血まみれの金髪の女が現れた…。
 内容的にほとんど何もない作品で、『THE 呪怨』の仕事でハリウッドに行った清水監督が、そのついでにハリウッドでちょこちょこっと撮影して、そこで「女の霊は黒い髪に限る」とよく言われることにあえて逆らって、これまで黒髪で行った演出を金髪で試してみただけ、のような気がする。
 ついでに、タクシーの運転手に向って、「最近のハリウッドは(『呪怨』などのように)リメークばかりでダメだ。」、なんて台詞を言わせたりもしている。
水曜プレミア 世界最恐Jホラースペシャル「日本のこわい夜」「こわい話、聞きたいですか?」 ★☆ 監督:中村義洋、脚本:中村義洋、鈴木勝秀、出演:白石加代子、我修院達也、3分 TBS 2004/09/22(水) 21:30-23:24 ドラマ 2004/10/04
ストーリー 感想
 白石加代子がもう1人の客の我修院達也に、一番後ろの座席に女の霊が付きまとっているいきさつを聞き、霊に話しかけて付きまとうのをやめさせるが、彼は白石の姿が窓ガラスに映っていないのに気づいてうろたえる。  怪優同士の怪演の競演になったが、そんなに面白いやりとりはなかった。
水曜プレミア 世界最恐Jホラースペシャル「日本のこわい夜」「大生首」 ★★ 監督:白石晃士、脚本:白石晃士、横田直幸、出演:山田優、モロ師岡、麻丘めぐみ、19分 TBS 2004/09/22(水) 21:30-23:24 ドラマ 2004/10/04
ストーリー 感想
 OLの真由(山田優)は、係長の福田(村杉蝉之介)にストーカーのように付きまとわれて、呪いをかけられているようだった。
 彼女が病弱の母親の静子(麻丘めぐみ)を見舞いに実家に帰ると、母は仏壇の前で念仏を唱え続けていたが、真由は子供の頃に仏壇の前にいた祖母が大きな顔だけのお化けと一緒だったのを目撃して以来、その部屋に入るのを避けていた。
 ある夜、うなされて目を覚まして仏間に入ると、そこにであのお化けが静子をくわえていた。
 次の日目を覚ますと静子は死んでいて、同じ頃に福田も死に、腕や天井にあった紋章も消えていた。
 真由は祖母が静子を、静子が自分を救ったことを知り、会社を辞めて実家に帰ることにした…。
 ホラーにしてはまとも過ぎるくらいに、真っ当に作られた印象。
 丁寧なのはいいのだが、もっとケレン味を発揮しても良かったかも。
 山田優、意外と良い。
水曜プレミア 世界最恐Jホラースペシャル「日本のこわい夜」「すきま」 ★★★ 監督:鶴田法男、脚本:高山直也、出演:中村俊介、嶋田久作、山崎樹範、10分 TBS 2004/09/22(水) 21:30-23:24 ドラマ 2004/10/04
ストーリー 感想
 小寺(中村俊介)の友人の清水(山崎樹範)が失踪し、行方の手がかりを探すために彼のアパートの部屋に管理人(嶋田久作)と入ると、中は窓やふすまなどの隙間という隙間が、すべて赤いガムテープで目張りがされていた。
 テープをはがして調べているうちに、突然管理人がいなくなり、部屋にあったビデオカメラの録画を再生すると、そこには部屋の中を目張りをして、やがて悲鳴と共に消えた清水が映っていた。
 恐怖心を感じた小寺を、すきまから這い出してきた白い手が襲いだし、彼もあわてて隙間を赤いガムテープで目張りし始めるが、見落としていた隙間から出た手が彼を襲い、アパートに悲鳴が響き渡った…。
 まず、展開に無駄がなくて、あっという間に恐いシーンに入るのが良い。
 消えたテレビ画面に霊が映ったりなど、恐がらせる手としては見たことがあるものばかりなのだが、それでも残されたビデオに映っていた映像が、見てはいけないものを見てしまったようないや〜な感じの不気味さがちゃんと表現されていたりしたので、面白く観ることが出来た。
 中村俊介、恐がる役が意外に良い。
水曜プレミア 世界最恐Jホラースペシャル「日本のこわい夜」「くも女」 ★★☆ 監督&脚本:中村義洋、出演:遠藤章造(ココリコ)、深浦加奈子、岡田義徳、山口美也子、真木よう子、杉原あんり、22分 TBS 2004/09/22(水) 21:30-23:24 ドラマ 2004/10/04
ストーリー 感想
 怪奇現象の噂話を特集している週刊誌に、蜘蛛女の目撃に関する投稿がある町から多数寄せられ、編集者の山崎(遠藤章造)が取材に行くと、目撃現場で蜘蛛女に虫を供えている沙枝子(小松愛)に、襲われた彼女の友達の朱美(杉原あんり)がこもっている自宅に連れて行ってもらう。
 そこに、朱実の母の知子(深浦加奈子)が帰ってきて山崎をもてなしているうちに、夕方に変身するという目撃談を思い出して恐くなった彼が帰ろうとすると、先に取材に来ていた同僚の長谷川(岡田義徳)が朱実の部屋で蜘蛛の糸でぐるぐる巻きで捕まっているのを見つけ、粘着する床を歩いて逃げ出すが、車の後部座席にいたくも女の沙枝子に襲われ事故を起こし、現れた知子に襲われ蜘蛛にされてしまう…。
 都市伝説の胡散臭い話の数々が紹介されるどぼけた感じで始まって、朱実が機械的な早口で目撃談を話したりなど、前半のコミカルな展開から、クライマックスで恐い話に転換するのが面白い。
 ココリコ遠藤は、バラエティで見せる姿とはうって変わって、渋い表情を見せる抑えた演技をしていて、意外にもかなり良い。
水曜プレミア 世界最恐Jホラースペシャル「日本のこわい夜」イントロダクション「こわい話、聞きたいですか?」 ★★ 監督:中村義洋、脚本:中村義洋、鈴木勝秀、出演:白石加代子、森下能幸、3分 TBS 2004/09/22(水) 21:30-23:24 ドラマ 2004/10/04
ストーリー 感想
 夜道を走る客のいない路線バスに、白石加代子が乗り込んできて、運転手の森下能幸に「こわい話、聞きたいですか?」と聞いて、恐い話を話し出す。  白石加代子の持ち味で見せる、彼女あってのエピソード。 
世にも奇妙な物語 秋の特別編「あけてくれ」 監督&脚本:君塚良一、原作:松山ひろし「開けてくれ」(「3本足のリカちゃん人形」)、出演:優香、石垣佑磨、一戸奈未、井澤健 フジテレビ 2004/09/20(月) 21:30-23:38 ドラマ 2004/09/21
ストーリー 感想
 大学生のシナコ(優香)は、友達(石垣佑磨)の別荘で一夜を過ごすために、彼の運転する車に彼の恋人(一戸奈未)と3人で霧のたちこめる夜道を走っていた。
 車の中で眠ったシナコが別荘のベッドで目を覚ますと、別荘に後から来るはずだったシナコの恋人のヒロシ(井澤健)が、彼の運転する車が霧でスリップして事故死したとの知らせがあったことを2人から聞いた。
 そのとき、別荘の居間のドアの向こうから、ヒロシの「あけてくれ」との声がして、鍵のかかったドアを開けようとしていた。

(ここからネタバレ)

 友達の「霊の言葉に従うな」との忠告もむなしく、シナコはやさしいヒロシ言葉の誘惑に負けてドアの向こうに引き込まれる。
 その直後、シナコは病院のベッドで目を覚まし、車の事故で死んだ2人と共にあの世に行きかけた彼女を、ベッドの傍らで看病し続けたヒロシがこの世に引き戻したことを知るのだった…。
 別荘に着いてからの展開が、「目が覚めたらベッドに寝かされていた」とか、「恋人は悪霊になった」とか、観る者が納得できないままで先走ったように進むのが、とにかく下手くそに感じられた。
 このことは、何かストーリーに裏があるからではないか?との予想はまさにその通りだったのだが、一瞬でも下手だと感じさせることは、ホラーにおいては緊張感をなくすることなので禁物。
 ホラー描写演出の最重要課題であるカットつなぎも下手で、これが監督初挑戦の君塚氏には、ごくろうさまの言葉しかない。
世にも奇妙な物語 秋の特別編「過去からの日記」 (★) 監督:土方政人、脚本:大野敏哉、原案:高橋徹郎、出演:西島秀俊、蒼井優 フジテレビ 2004/09/20(月) 21:30-23:38 ドラマ 2004/09/21
ストーリー 感想
 山岡(西島秀俊)は小説家として行き詰っていて、友人からはあきらめて他の仕事に就くことを勧められていた。
 しかし、3年前の少女(蒼井優)と文章のやり取りができる日記帳を手に入れて、死の病に冒された彼女を励ます.

(ここからネタバレ)

 そして、彼女が死んだと知ったにもかかわらず、3年後に病気が治って、約束の日に会うことが出来たと嘘を書いた。
 会うことは出来なかったが、この出来事で物語をつづる意欲を取り戻し、作家として復活する。
 もう一度約束の場所を訪れると、そこに大人になった少女が現れたのだった…。
 交換日記をしているあたりの途中から観始めたんだけど、このストーリーって『オーロラの彼方に』『リメンバー・ミー』『イルマーレ』そして『Love Letter』あたりのパターンの、あまりにもそのまんまの焼き直しじゃん。
 さては、韓流を意識したな?!
 それでも、演出面で見るべきものがあれば良かったんだけど、交換日記を2人のモノローグで表現するシーンが大半で、これといったものは無かった。
「ウルトラQ dark fantasy」第23話「右365度の世界」 ★★ 監督:? 脚本:村井さだゆき、出演:前田愛、小西大樹、草刈正雄 テレビ東京 2004/09/07(火) 25:00-25:30 ドラマ 2004/09/13
ストーリー 感想
 渡来教授(草刈正雄)の量子力学の授業を2人きりで受けているそら(前田愛)と吉安(小西大樹)だったが、吉安がそらに話して聞かせた、この世とはちょっと違う「右365度」の世界に行ってしまい、そらも後を追うと、その世界は誰も存在しない、自分がありのままで暮せるところだった。
 しかし、そらは元の世界の自分を受け入れることにし、その世界に残った吉安を後にして、1人元の世界に戻った…。
 「誰も自分のことを相手にしなければ、自分は本当に存在していると言えるのか?」、そしてその裏として「自分が世界を認識するからこそ、この世も自分も確かに存在している」ということを、「シュレディンガーの猫」の生死が観測者によって決まってしまうことに例えられる量子力学の観測者の話に絡めて描いている。
 しかし、この両者を結びつけることに腐心し過ぎたようで、本来の目的である前者を描くことについては、量的にも物足りないしもっと明確に示して欲しかった。
 そらが自分の記憶や感覚に目覚めるクライマックスが良かっただけに残念。
赤い衝撃 ★★ 監督:増村保造(10)、國原俊明(2 8 9 13 16 19 21 23 27 28 29)、土井茂(5)、瀬川昌治(6 7 14 15 18 24 25)、降旗康男(11 12 17 20)、他
出演:山口百恵、三浦友和、中条静夫、田村高廣、草笛光子、南田洋子、長門裕之、原知佐子、中島広之、木内みどり、名古屋章、谷隼人、大坂志郎、宇津井健、他
TBS(大映テレビ) (1976/11/05-1977/05/27、全29話)
(1) 2004/05/26(水) 26:13-27:17
(2) 2004/05/27(木) 25:50-26:54
(3) 2004/05/31(月) 25:50-26:54
(4) 2004/06/01(火) 25:50-26:54
(5) 2004/06/02(水) 26:23-27:27
(6) 2004/06/03(木) 25:50-26:54
(7) 2004/06/07(月) 25:50-26:54
(8) 2004/06/08(火) 25:50-26:54
(9) 2004/06/15(火) 26:00-27:04
(10) 2004/06/16(水) 26:23-27:27
(11) 2004/06/21(月) 25:50-26:54
(12) 2004/06/22(火) 25:50-26:54
(13) 2004/06/23(水) 25:53-26:57
(14) 2004/06/24(木) 25:50-26:54
(15) 2004/06/28(月) 25:50-26:54
(16) 2004/06/29(火) 25:50-26:54
(17) 2004/06/30(水) 26:23-27:27
(18) 2004/07/01(木) 26:20-27:24
(19) 2004/07/05(月) 25:55-26:59
(20) 2004/07/06(火) 25:50-26:54
(21) 2004/07/07(水) 25:55-26:59
(22) 2004/07/08(木) 25:58-27:02
(23) 2004/07/12(月) 25:50-26:54
(24) 2004/07/13(火) 26:50-27:54
(25) 2004/07/14(水) 26:15-27:19
(26) 2004/07/15(木) 25:53-26:57
(27) 2004/07/19(月) 26:29-27:33
(28) 2004/07/20(火) 25:50-26:54
(29) 2004/07/21(水) 26:20-27:24
ドラマ 2004/07/23
(ストーリー)
(第1話、「青春をつらぬいた銃声一発」)
陸上選手の山口百恵がトレーニングで森の中を走っていたとき、刑事の三浦友和と知り合って彼のコーチを受け、二人は好意を持ち合う。
 百恵の父で実業家の中条静夫が、裏で不正を働いていることを友和と彼の父でやはり刑事の田村高廣は暴こうと狙っている。
 中条の命を狙う谷隼人の猟銃が中条を狙っているのを見た友和は谷に向けて銃を撃つが、その弾は駆け寄ってきた百恵の背中に当たってしまう…。
(第2話、「かたき同士の家族」)
 百恵は脳外科医の宇津井健の手術で一命をとりとめ、彼女の家族は再び彼女が走る日を夢見ていたが、百恵を見た医者の兄の中島久之だけは、彼女が歩けないことを知っていた。
 見舞いに来た友和を百恵の家族達は追い返し、友和の父で刑事の田村高廣も百恵の父の中条静夫を昔から恨んでいたらしく、百恵に会いに行くなと友和に言う。
 病室の窓の下にいた友和に、百恵は撃たれたことは恨んでないと言い、2人は談笑する。
 しかし、やがて百恵以外の人が彼女の病状を知ることになる…。
(第3話、「走れない娘の前に死が…」)
 入院を続ける百恵は、自分の脚に感覚が戻らないことにあせり出す。
 中条は、百恵を騙して友和の告訴状に署名させ、告訴された友和は面会を断られていたにもかかわらず病院に行き、百恵が告訴を知らないことを知り、百恵は友和に車椅子で病室から外に連れて行ってもらい、楽しいひと時を過ごす。
 検事の加藤武が告訴の件で百恵に事情聴取したことで、彼女は二度と立てないことを知ってしまう。
 百恵は自殺を図り、見舞いに来た友和に憎しみを露わにする。
(第4話、「恋人よ足を返して下さい」)
 友和を恨んで面会を拒否する百恵だったが、「苦しんでいる僕のためにも一緒に戦ってくれ」の言葉に、友和とリハビリをするようになる。
 一方、告訴の結果、友和は不起訴になったが、中条は警察審査会に不服を申し立てて起訴されることになり、友和は原告の百恵と会うことが出来なくなった。
 百恵は彼を待ち続けていたが、足に痛みを感じ、脚が治る希望を抱くのだった。
(第5話、「母の告白」)
 裁判が始まり、友和はどんな罰でも受けると言い、百恵は自分が撃たれたのは友和の過失ではないとかばう。
 病院に帰って、中条は百恵の証言を怒り、友和のおかげで百恵がリハビリを始めたと言った妻の草笛光子を家から追い出す。
 一方、友和は父が止めるのも聞かずに百恵に会いに行こうとするのを止めるために、母の南田洋子は中条にレイプされた過去を話すのだった。
 母も友和もいない寂しさから、車椅子に乗って母の実家に向かう途中友和に会うが、彼は会って一緒にリハビリをすることは出来ないと去ってしまう。
 そこに、谷隼人が現れ百恵を誘拐し、彼女に自分の父親が中条に殺されたことを告白するのだった。
(第6話、「今夜限りお別れします」)
 中条は警察の協力を拒否し、谷が指定した三浦半島の海岸に約束どおり1人で現れ、谷が彼を猟銃で殺そうとしたところ、後をつけて来た刑事の田村高廣が谷を撃って逮捕する。
 しかし、谷は満潮になると沈む岩場に百恵を置いて来て、居場所を言わないで中条が百恵を殺したことにしようとするが、草笛光子から場所を聞いて駆けつけた友和が彼女を見つけて助ける。
 百恵は裁判で命の恩人の友和に有利な証言をしようとするが、それを知った中条は怒って百恵を家に閉じ込めようとし、彼女をかばう草笛を、17年前の秘密をばらすと脅して家から追い出す。
 百恵は母を呼び戻すために、二度と友和に会わないという中条の条件を泣く泣く呑むのだった…。
(第7話、「母の離婚」)
 友和の判決の日、裁判が終わって自由に彼と会えることを楽しみに百恵は裁判所に行き、結果、無罪の判決を耳にした。
 再び裁判をしようとする中条に反対したことで、百恵と草笛は家を追い出され、草笛の父の大坂志郎の家に住むことになる。
 しかし、大坂には借金があり、踊りが出来る草笛はお金を稼ぐために芸者になる。
 中条はマロン製菓の社長に料亭の女将を付けて、彼女に貢がせることで買収を狙っていて、中条の秘書で実は中条を恨んでいる長門裕之が密かに友和と田村を料亭に呼び寄せていた。
 その料亭の座敷に草笛が上がっていることを知った中条は、彼女を呼んで野球拳をさせて辱め、お金を稼ぐことの覚悟を説いて、後日密かに彼女に祝儀を渡す。
 その料亭で友和と会った草笛は、彼を家に呼んで百恵と会わせ、田村は二人が会うことを強行に反対するが、理由を言えずと友和を止められない。
 実は、友和は中条が南田をレイプしてはらませた子供だったのだ。
(第8話、「誰にも止められぬ僕たちの家出」)
 百恵の足に以前より感覚が戻ってきた。
 草笛は肺炎で入院、大坂も百恵を背負い過ぎてぎっくり腰になってしまい、友和は百恵のリハビリを続けるために2人でアパートに住もうと言い、 体の不自由な者に部屋を貸す大家がいない中、やっと2人はアパートを見つける。
 しかし、そこに2人の同棲に反対する中条と田村が押しかけるが、友和と一緒でなければリハビリが出来ず歩けないから死ぬと百恵が言い、病院を抜け出した草笛も2人に賛同して、2人の同棲が始まった。
(第9話、「助けて!火が私を燃やす!」)
 年が明けて、百恵と友和は相変わらずアパートでリハビリに励んでいる。
 一方、マロン製菓の社長の甥から5億円の株を奪った中条を、田村たちは詐欺で逮捕しようと狙っていた。
 友和の両親がアパートに来て、お手伝いのような真似はやめろと友和に説得しているのを立ち聞きした百恵は、友和や草笛の助けを拒むようになってしまい、1人でアパートにいるときにローソクが倒れて部屋に火の手が上がるが、草笛と友和が駆けつけて消火し、百恵は支えてくれる者が必要なことを知るのだった。
(第10話、「親が反対しても結婚します」)
 ぼやの弁償を中条が肩代わりする代わり、友和がそのお金を用意するまで百恵は家に帰り、入院中だった草笛も家政婦として家に帰って百恵の世話をすることになる。
 中条がマロン製菓の立替金を払っていなかったことで詐欺罪で逮捕状が出て、友和が百恵の目の前で中条に手錠をかけるが、間もなく証拠不十分で釈放され、中条はマロン製菓の大杉家を丸め込む。
 友和は中条に金を返して百恵に会い、その金を返すため九州の山で働くことになったと言い、百恵も一緒に行くことに決めたが、そこにいたマロン製菓の甥の妹の木内みどりは、友和に一目ぼれしていた。
 友和は両親に百恵との九州行きを話すが、母はついに友和の父が中条だと告白する。
 翌日、待ち合わせ場所のフェリー埠頭で、友和は姿を隠して、百恵を岸壁に残して1人九州に向かうのだった…。
(第11話、「阿蘇に煙る父母の秘密」)
 家出した百恵を探しに中条が友和の家に来て、自分が捨てた南田が友和の母だということに気付いた。
 中条が帰った後に尋ねて来た百恵と草笛に、南田は息子と百恵の気持ちはわかるが、体の不自由な人とは結婚させられないと言った。
 くじける百恵に、彼女を手術した宇津井が治る可能性があると言ったことで、中条の勧めもあって2ヶ月ぶりに1人で高校に通うことにする。
 中条の家に田村が来て、友和が誘拐犯呼ばわりされたことを晴らすために、友和が阿蘇で働いていることを告げる。
 それを聞いた木内と、続いて百恵と草笛、さらに2人を追って中条飛行機でが阿蘇に向かう。
 そして、百恵の目の前で友和と中条が殴り合い、友和は百恵に「好きだが別れなくてはいけない。」と言って去っていった…。
(第12話、「それは言えない!幻の父」)
 友和に別れを言われても阿蘇に居続ける百恵に代わって、草笛が友和がいる山中に事情を聞きに行くと、自分が中条の息子で百恵と兄弟だからと告白するが、木内がそれを立ち聞きしてた。
 草笛は百恵に、友和が別れると言ったのは木内のことが好きだからと嘘の説明をした。
 百恵は東京に帰って、家に来た木内と友和のことで話し合い、友和が自分を愛してなかったことを百恵が気にしていることを知って、木内は百恵の心配を解くために、友和は百恵の兄だから別れを言ったのだと教えた。
 ショックを受けて車椅子でさまよった百恵は、踏み切りで立ち往生し、電車にひかれそうになる寸前に草笛が助けるが、百恵は転げ落ちて弱っている首を打ち、すぐに手術をするためにアメリカから宇津井を呼ぼうとする。
 草笛が宇津井を説得して帰国し、頚椎の手術と3ヶ月前の腰椎の再手術も行うが、宇津井はまるで百恵の父親のように草笛と話し合っていた…。
(第13話、「私の父は誰ですか?」)
 宇津井は、手術は成功して百恵は元の体に戻れると言ったのだが、何故か百恵は相変わらず歩けないままだった。
 催眠術で、友和と兄妹だと知ったことで歩く意志が無意識に無くなっているからだと言うことがわかり、宇津井は百恵を歩かせるために、中条は本当の父ではないことを明かすことを草笛に勧めた。
 草笛も中条も反対したが、結局草笛は本当の父が誰かだけは伏せて百恵に告白した。
 百恵は、草笛の父の大坂志郎の家に行って真相を聞こうとするが、彼も父は知らないとしらばっくれて、来る途中に足を傷つけて出血して、入院して中条の血を輸血する。
 宇津井の説得で百恵の気持ちが高まり、友和からもらったウサギが逃げたのを追いかけて、這って足で進むことができた。
 宇津井がアメリカに帰るのを空港で見送った百恵は、友和が帰って来たのを見て、足で立って見せたのだった…。
(第14話、「かたきの娘は嫁にできない!」)
 百恵は元気にリハビリに励み、友和も阿蘇から帰って来て、2人は女子車椅子バスケットチームのメンバーとコーチになった。
 一方、判決間近だった谷が護送中の田村から逃れて裁判所から脱走して、長門にかくまわれて中条を殺すと脅迫した。
 中条が、田村は谷をわざと逃がしたと言っていることをやめさせるために、南田が中条の家へ行き、友和の父は中条だと草笛と話していたのを、百恵の姉の原佐知子が立ち聞きして、それを長門に知らせて2人で中条の会社を乗っ取ろうとする。
 さらに原は友和が百恵のコーチをしていることを中条にばらして、中条は現場に乗り込んで玉遊びは止めろというが、百恵にとっては生きがいだとの友和の説得に応じる。
 バスケットの試合の応援に行くことを渋っていた中条は、結局草笛と応援に行った甲斐があって百恵のチームが勝ち、父と娘で喜び合う。
 そこに、谷からかかってきた電話により、谷が長門の家で立ち聞きしていた、友和が中条の息子だということを中条は知り、中条は「面白くなってきた」とほくそえむのだった…。
(第15話、「死を前にした愛の美しさ」)
 中条は田村と南田の家を訪ね、友和は自分の息子だろうと問い詰める。
 友和は、地下鉄工事の仕事が忙しくなって、車椅子バスケのコーチを休み、会えなくなったことに百恵は不安を感じていた。
 彼は友和を跡継ぎにするために、百恵に友和をものにするように言い、百恵もとりあえず承諾して、バレンタインデーに友和の気持ちを確認するために家に行くが、やはり友和を狙って家に来た木内と会い、留守の友和に代わって会った南田は百恵に交際を認めないと言い放った。
 中条が社長室で「友和の親父なんか死ねばいい!」と怒鳴ったのを録音した秘書の長門は、それをネタに谷に田村を襲わせ「友和を中条に渡せ」と言って、罪を中条に着せようとする。
 このことで、友和は中条に会い、刑事の仕事に戻って中条を逮捕すると言った。
 車椅子バスケのライバルチームの岡さとみのコーチで恋人の夏夕介が死に、彼への愛の力で岡のチームが試合に勝ったのを見た百恵は、友和を前に立たせ、彼を目指して車椅子から立ち上がって自分の足で1歩1歩歩くのだった…。
(第16話、「父の蒸発」)
 リハビリに励む百恵は、友和に「歩けるようになったら結婚して下さい」と言うが、友和は中条を逮捕するまで決められないと答えた。
 入院中の田村は、彼を襲ったのは谷だと声から見破り、中条も長門と谷が組んでいることを見破って長門を問い詰めて白状させる。
 百恵が友和に結婚を断られたことを知った中条は、「お前が間抜けなのは俺と血が繋がってないからだ!」と家族の前でバラし、百恵は草笛に本当の父を聞くが草笛は隠し続けた。
 中条が長門と谷を自宅に呼び出し、谷に金で何か仕事を依頼すると、谷と中条との関係を調べに来た友和が、散歩に出ていた百恵から谷が家にいると聞いて踏み込むと、谷は逃走し、中条と長門は中条の命と引き換えに谷から金をゆすられていたと答えた。
 数日後、路上で谷が中条を猟銃で狙い、それを見た友和が谷を撃つが、間にいた長門が脚を撃たれ、谷は逃走する。
 中条は友和がまた撃ち損じたと主張し、後日呼び出した田村に、姿をくらませば友和を訴えずに谷が撃ったことにすると持ちかけ、田村はその通りにするが、すべては谷に長門を撃たせた中条の策略だった。
(第17話、「母の殺人」)
 南田は失踪した夫の田村を探して困ぱいし、百恵は脚のせいで大学に入れず、友和は自分が長門を打ったことにされた策略のしっぽを掴もうとして、中島は父への反発から友和に妹の百恵と一緒になって欲しいと言った。
 南田は中条の家に行って夫を返してと頼むが、取り合わない中条を隠し持ったナイフで殺そうとし、居合わせた友和に母を逮捕しないのなら代わりに俺の息子になれと言う。
 友和は、中条の懐に入って捜査をすることも狙って、その誘いに素直に応じて見せ、中条の家に住んで跡取りを目指すことになるが、中条に接近した友和に失望した中島は彼を殴る。
 百恵は家庭内の争いに嫌気がさして家出をするが、世話になった印刷所の人の生き様を見て、探し当てた友和と共に家に帰って、彼女の18歳の誕生日を祝う。
 すると、そこに長門が現れ、中条から廊下で謝礼の小切手をもらうのだった…。
(第18話、「結婚するなら母は死にます」)
 百恵は高校を卒業を前にして、兄の中島から手動式の車を卒業祝いに送られ、運転とギターの訓練に励んだ。
 谷が、長門を撃つことを中条に頼まれたことを、警察に自首してバラすと脅して中条を三浦の別荘に呼び出して殺そうとするが、後をつけて来た友和達を見て逃げ出す。
 友和は中条に、逮捕して大山産業を潰すと言うのに対し、中条は四国の漁師だった父が、貧しい中で妻の医療費のために荒海に漁に出て死に、それ以来世間の荒波に立ち向かって築いた今の地位は簡単には崩させないと言い放つ。
 家から夫と息子が出て行った南田は、睡眠薬を飲んで自殺を図って病院に運ばれ、駆けつけた友和に、自分を死なせたくなかったら、家に帰ってきて百恵と会うのを止めて欲しいと迫るのだった…。
(第19話、「さよなら 私は海へ消えます」)
 退院した南田に頼まれて、友和は母が訴えられるかもしれないことを承知で中条の家を出て、母と暮らすことになり、中条が友和の留守中に南田の家に来て、友和と百恵を結婚させれば殺人で訴えるのはやめると言うが、南田は結婚を認めるくらいなら自殺すると断った。
 中条は、南田の家に入り浸って彼女にも気に入られている木内と会って、友和を自分のものにするために百恵に代わって友和と結婚さすることを彼女に頼み、家に帰って百恵には友和と別れろと命令するが、それに怒った草笛が中条と揉み合う内に百恵は中条に突き飛ばされて背中を打って、激しい痛みを隠しながら脊椎を固定している金属プレートが壊れて再び脚が麻痺する恐怖を感じた。
 卒業式の朝、百恵は中条に友和と別れると言い、式が終わって来ていた友和と2人きりで記念のキスをし、まもなく家出をして友和が話して聞かせた沖縄のムーンビーチに着いたのだった…。
(第20話、「涙の恋 サンゴ礁の海に散る」)
 百恵が沖縄のムーンビーチにいることをつかんだ友和は沖縄に飛び、中条は木内にそのことを話して彼女もついて行き、ムーンビーチを何日も探し続ける友和に付きまとう。
 百恵はムーンビーチにいたところ、赤木春恵に拾われ1人暮らしの彼女の家にいたのだが、ビーチの友和と木内を見かけて身を引く。
 草笛と大坂も百恵を探しに沖縄に行き、友和が百恵を見つけるが、彼女が倒れたと聞いて、中条と中島も沖縄に行く。
 中条は百恵に問い詰められて、手術しないと下半身が麻痺する恐れがあることを言い、友和との結婚をあきらめるように言って、百恵もそれに従うが、またホテルから抜け出して夜のビーチに行くのだった…。
(第21話、「幻のお父さん私の命を助けて下さい!」)
 夜が明けて友和がビーチにいた百恵を見つけて、全員で飛行機で東京に向かうが、機内で百恵の体内で出血が起こり、平田昭彦機長は大阪に緊急着陸しようとする。
 その頃、帰国した宇津井が羽田に到着し、百恵たちを迎えに来ていた原からの情報と到着変更の場内放送から事態を察知し、空港のスタッフを通じて着陸のショックは禁物だからと着陸をやめさせる。
 そして、機内に積まれていたセキュリティ用の金属探知機をレントゲンの代わりに使うために、無線の指示で友和に組み立てさせる。
 そして検査の結果、中島が機内で手術をするしかないということになり、燃料がなくなって着陸する寸前に手術は成功するのだった…。
(第22話、「私のすべてを捧げます」)
(第23話、「涙いっぱいの贈りもの」)
 友和が骨を提供し、宇津井が手術して、百恵の足が動くようになり、補そう具なしで松葉杖で歩けるようになった。
 友和は百恵に会わずに父を捜すことを誓い、熱海まで来て木内も彼を追い回していた。
 百恵は、高校の大門正明陸上コーチに会うが、彼が「走れても選手になれない」と言ってコーチを断ったことにショックを受け、そのことを知った友和は大門コーチを説得して、彼は百恵のコーチをすることになる。
 中条は、まだ花見の季節だというのに庭のプールで泳いだら、風邪で入院することになった。
 友和の説得を知った百恵は、木内から居場所を聞いて会いに行って自分の脚だけで歩いて見せ、これからも走れるように訓練することを誓うのだったが、鳴り響くサイレンの音に、2人は不吉な思いを抱くのだった…。
(第24話、「お願い私を一人にしないで!」)
 原は退院した中条に、長門と結婚して大山産業を継ぎたいと言うが、「結婚したら財産はやらない。大山産業を継ぐのは友和だけだ。」と改めて言われる。
 百恵が箱根に陸上の合宿に行き、運転中にすれ違ったバスの窓越しに田村の姿を見かけ、草笛と大坂を呼び寄せて、みんなで箱根の旅館を1軒1軒探し回る。
 そしてついに田村を見つけ、友和も駆けつけて、長門を撃ったことで友和を訴えることを避けるために逃げるのではなく、無実の証拠を掴むことを目指そうと言い、田村は従って家に帰る。
 中条はそれでも敵対する友和を後とりにしようとするが、長門にかくまわれている谷は、友和を殺して中条を苦しめようと言い出す。
 そして、大坂の家からの帰りの夜道を歩いていた友和を車の中から銃で撃つが、弾は一緒に歩いていた田村に当たって死んでしまう。
(第25話、「私の出生の秘密が今....」)
 田村を撃った銃に谷の指紋が残っていて、友和たちが中条の家に乗り込んで、中条や長門に谷の居場所を問い詰める。
 中条は、友和が自分を親の敵と思っていて後継ぎにはならないと諦め、百恵と結婚する男を後継ぎにすると路線転向し、大坂の家に追い出した百恵の様子を長門と原に見張らせる。
 大坂の家に頻繁に訪れていた宇津井が、百恵と仲むつまじく歩いているのを見た長門と原は、宇津井が百恵の父だと中条に言って、中条が草笛を憎んで彼女と百恵を家に連れ戻すのを阻止しようとした。
 中条は草笛にそのことを問い詰め、彼女が「百恵の父は間違いなく長門です。」と反論するのを、それを知らなかった長門が立ち聞きして驚く。
 長門が中条の殺人の罪を被って服役したのと引き換えに、草笛と結婚し百恵を実の娘のように育てたのだった。
 百恵が優しい宇津井のことを本当の父親のように慕い始めたのを見て、親心に目覚めた長門は動揺するのだった…。
(第26話、「娘は悲し…父二人の争い」)
 長門は中条の悪事の証拠の書類を盗み出し、それを預かった百恵と草笛は中条に自首を勧めるが、彼は断った。
 書類のことを知った谷は、長門を脅してありかを聞き出し、家にいた大坂を襲って書類を奪い取り、中条に電話で百恵が渡したと嘘を言ったことで、中条は書類は誰にも渡さないと約束した百恵に裏切られたと思った。
(第27話、「母と娘のさすらいの旅」)
 中条と友和たち警察で、谷が持っている書類の争奪戦になり、中条はクビにした長門に、長門の娘の百恵に全財産を譲ることを条件に、谷に接近して書類を取り戻すように頼み、長門は友和の尾行を撒いて書類を中条に渡すが、約束を破って5000万円でかたをつけようとした中条を殴って奪い返して友和に渡す。
 明日にも逮捕状が出る夜に、友和は中条の家を訪ねてそのことを告げ、中条は堂々と逮捕されると言ったが、夜1人で家を抜け出して故郷の土佐へと飛び、草笛と百恵もそこに目星をつけて向かう。
 そして、廃屋になった中条の実家で3人は会い、自殺しようと言うのを思い留まらせて、追って来た友和はそれを密かに見守っていた。
 3人は宿で水入らずの一夜を過ごしたが、風呂に入ると言って1人で部屋をでた中条は、そのまま宿を抜け出すのだった…。
(第28話、「流せ熱い涙心ゆくまで」)
 中条は長門に電話をかけ、長門の分まで罪をかぶるから、後のことは頼むと言って宿を出て、長門のところにいた谷が静止を振り切って土佐に向かう。
 友和たちは、中条の父が死んだ岩場に行くと、そこで中条が小船で荒れた海の中で沖に漕ぎ出しているのを見つけ、友和が飛び込んで岸に連れ戻し、百恵と草笛と友和の愛情に打たれて、罪を償ってゼロから始めることにした。
 中条のところにやって来た長門に引継ぎの話しをしているところに谷が現れ、中条をかばって友和と長門が撃たれて、友和は谷を逮捕するが長門は最後に百恵と親子の会話をして死んだ。
 中条は友和に逮捕され、大山産業はマロン製菓の稲葉社長に引継ぎ、南田は相変わらず友和と百恵の結婚には反対で、中条の家の家財道具は売られ、家から出て行くことになるのだった…。
(第29話(最終回)、「愛よ走れ!」)
 百恵は友和のコーチの元、陸上競技会の出場タイム突破をめざして頑張っていて、南田が2人の結婚に反対している唯一の問題を知った中条は、拘置所に南田を呼んで、南田が自分と親戚関係にならないように百恵と親子の縁を切るから、2人を結婚させて欲しいと頼む。
 一方百恵は南田の家を訪ねて、自分が完全に元通りになることで友和の罪の意識が消えるのだから、競技会に出たら彼と会う必要はないから会わないと言う。
 競技会場には、大山家の面々と南田と、それに名古屋章に付き添われた中条がやって来て、百恵は100m走に出たが、途中で脚がけいれんして倒れてしまう。
 しかし、友和と中条が張ったゴールテープまで自力で走り、百恵と友和の姿に打たれた南田も結婚を許し、百恵は陸上から離れて新たな人生を歩むのだった…。
 まあ、確かに深みのないストーリーだけど、ドラマチックなドラマが最近少ないせいもあって、つい面白く感じてしまう。
 百恵、友和の演技は自然なのに、田村がいつもの彼と違って凄くくさいのが変。
 中条静夫は堂々のハイテンション演技で、第2話で赤ふんどし一丁で水泳や四股や空手のかたも披露する。
 数々の登場人物たちがユニークなキャラを発揮するのだが、ますます中条の独走状態に拍車がかかる。
 しかも彼、平気で他人を傷つけるわがままな頑固オヤジなのだが、それでいて憎みきれない。素晴らしい。
 第4話では、汗でスケスケになったランニング姿、第4話では芸者相手に野球拳をやって、そのままパンツ一丁で田村高廣と立ち話をする変な画も見られた。
 第5話では、温泉の浴場で泳ぐシーンもあり、もう彼の裸がないと物足りない。
 代わりに、難病もののような普通の真面目な展開が続くと、どーもやっぱりインパクトが弱くて飽きが来てしまう。
 中条以外の登場人物は煮え切らない人たちばかりなので、面白く観るためにはストレートなキャラの中条の方にどうしても肩入れしてしまう。
(10話) 7話で百恵と友和が兄弟ということが明らかになって以来、話しがさっぱり進まなかったのが不満だったが、やっと友和が知ることになってひとまず安心。
(11話) 木内みどりが2人の間に割り込んできたけど、何か必要のなさそうな役だなぁ。愛の障壁は兄弟という設定だけで十分だし。
(16話) 展開が早くて飽きないのはいいのだが、百恵&友和をはじめとした善人キャラ達が、試練に対して素直過ぎるくらいに無抵抗なのを見ていると煮え切らない気分になり、ますます中条の人間くさいキャラに気持ちが傾いていくものの、これは本来間違いなのだから、ストーリーの進路修正が望まれる。
(20話) いい加減、不幸を嘆いているくせに自分の運命を切り開こうとしない主人公たちにはうんざりで、どうなろうと知ったこっちゃなくなってきた。
(21話) 宇津井健が無線で現場に指示を出すなんて、まるで突然の『新幹線大爆破』だ! 前回までとはうって変わってサスペンスフルで面白い。
(24話) ついに見つかった田村高廣が久々の登場と思ったらすぐに死んで、友和の反応も何故かあっさり。でも、このあたりの人たちは興味が薄くなってしまったから、いいか?!
(29(最終)話) 終わってみたら、やっぱり完全に中条静夫の一人舞台だった。金儲け第一主義人間は、昔だったら典型的悪役だったろうけど、今となっては古き良き時代のストレート人間として好意的にも思える。
(総評) 展開が遅かったり間延びしたシーンがあったり無駄なシーンがあったり、映像に懲りすぎて余計なことに目が行ってしまったりといった、最近のドラマにありがちな欠点がなく、展開に無駄がなくてテンポも良く、感情などの表現の仕方も明確でストレートで、観ていて素直に楽しめるような作りなのが良い。
「ウルトラQ dark fantasy」第6話「綺亞羅」 ★☆ 監督:金子修介、脚本:小中千昭 テレビ東京 2004/05/18(火) 25:00-25:30 ドラマ 2004/05/19
 ジャズベーシストの野村宏伸が演奏中、白いシースルーの衣装の女の子の綺亞羅(中村有沙)が現れ、帰りに彼が運転する車の前へ飛び出した彼女をひいてしまい、自分の家に連れて行く。
 翌日、彼が依然勤めていた会社の同僚のデビッド伊東が、天使の姿を見たと言って死んだベーシストのマスター・カークランドの幻のレコードを手に入れたと言う。
 会社を辞めてまでミュージシャンになったが目が出ない野村を伊東はとがめるが、そこに綺亞羅が現れて伊東を椅子から倒す。
 伊東は会社に戻るが、持ってきたレコードが消えていて、防犯カメラには女の子と数多くの霊のようなものが映っていた。
 野村の家にレコードを持った綺亞羅が現れ、彼は飲みつぶれて眠り、綺亞羅の背中から翼が出て彼を包み込む。
 そこに警察が来て、盗難と未成年の女の子との行動のことで彼を署に同行しようとするが、綺亞羅が警官達を倒して2人は車で逃走する。
 野村が野外で演奏していたところ警官が迫り、綺亞羅は野村の手を取って飛び立つが、これは彼の幻想で、彼は高架下に落ちて死ぬ。
 レコードは伊東の手に戻り、彼はそれを燃やしながら、野村は本当は幸せだったのでは?と思う…。
 女の子は栗山千明を幼くしたような感じで色気があって、そんな彼女がシースルーの衣装を着ていたり、背中から翼を出す所で服を途中まで脱いだりと、いやらしいのは狙い通り?
 でも、金子監督にしては見どころがそれくらいしかなかったのが残念。
放送禁止3 ストーカー地獄編 ★★☆ 47分 フジテレビ 2004/03/26(金) 26:50-27:50 偽ドキュメンタリー 2004/04/03
2004/05/03更新
 OLの佐久間希美は、半年ぐらい前から後をつけられたり、裏に「思い出せ」などと書かれた自分が映っている写真を郵便受けに入れられたり、マンションの玄関を激しくノックされるという、ストーカーらしい男に悩まされていた。
 数年前に兄をストーカーの女に殺されて以来、ストーカー問題を取り扱っているフリージャーナリストの筒井令子が、取材していた希美をテレビクルーに紹介し、彼女の家にカメラを仕掛けて待機していると、そのストーカーの男が現れる。
 その時男が残した写真は、3年ぐらい前の彼女の恋人で、その後ストーカー行為に走ったAさんとツーショットのものだったが、これを含め総ての写真がなぜか裏焼きされてしているので、文字が逆に映っていた。
 しかし、Aさんの消息を追うと、3年前に地下鉄のホームから転落して亡くなっていることがわかり、それを希美に話した途端、彼女は錯乱して何か一言話すが、その言葉は録音されてなく、取材はそこで中止になり、録画テープは放送されることなくお蔵入りになった…。


 「事実を積み重ねることが、必ずしも真実に結びつくとは限らない…」というクレジットで始まるこの「放送禁止」シリーズ。
 第1作目は、ドキュメンタリー番組を装っていて、最後に実はフィクションだったと種明かしをすることで、ドキュメンタリーとはいえども、編集などによって真実を曲げたり嘘を真実のように見せかけることが出来るということを示した、まさに上の言葉通りの内容だった。
 今回はラストで、被害者と思われていた女が実は被害者意識からストーカーになった加害者で、被害者の妹がジャーナリストになって加害者をハメて白状させたということが明らかになる。
 ただし、被害者と加害者が逆だということを作り手が暗示している「裏焼き」が劇中に登場するので、事実を積み重ねているわけではなく、ただのどんでん返しドラマといった感じ。
 だいたい、地下鉄にひかれて死んだAさんの息子が新幹線の絵を描いていて、「パパは新幹線(=のぞみ)に殺されたの」って、何だそりゃ?! せっかくのドキュメンタリータッチなのに、何でそこだけわざとらしい?
 でも、カメラワークや全体の構成、それに特に俳優たちの演技の点では、フィクションであるにもかかわらず完璧にノンフィクションを再現できているほど自然で素晴らしい。
 普通のドラマの俳優たちの演技が、いかにおざなりで、比べて『放送禁止3』の方が演技の目指すところがはっきりしている。
俺は鰯 ★★ 監督:冨樫森、脚本:大石哲也、原作:鳴海章、出演:ユースケ・サンタマリア、篠原涼子、山口智充、大沢たかお、紺野まひる、高岡蒼佑、104分 WOWOW 2004/01/28(水)鑑賞 (初放映:2003/04/29(火) 20:00-21:45) ドラマ 2004/02/05
<ストーリー>
サラリーマンのユースケ・サンタマリアは、接待相手にあてがった中国女の紺野まひるが怒って店を出て行った後を追って、彼女と一夜を共にする。
後日、彼女との待ち合わせ場所に行くと、彼女の代わりに彼女を探している台湾マフィアの大沢たかおがいて、ユースケは拷問を受ける。
高岡蒼佑率いる台湾マフィアは、女が持っている高価な骨董品の皿を狙っていたのだった。
ユースケは、昔冷たく当たった友人が自殺した過去を引きずっていることもあって、紺野を見捨てられず彼女を捜し求め、彼女の父親がいる台湾に探しに行く。
一方、台湾の特殊部隊にいたころ、通じていた地下組織のメンバーの恋人を殺して罪を免れた過去を持っていた大沢も台湾に行く。
紺野は病気の父と再会するも、父はすぐに死んでしまう。
父のために日本で体まで売っていたが、その目的がなくなって、父の大切な皿を治療費の借金のために売らずに仏前に供え、娼館に売られる。
ユースケは残された皿を持って娼館に行き、紺野を救い出す。
紺野は事態を収拾するために、眠っているユースケを置いて一人でホテルを抜け出し、息子の高岡とは仲たがいしているボスの宝田明に皿を売りに行く。
その現場に、ユースケ、大沢と高岡の一団、それにマフィアを逮捕しに来た台湾警察との間で三つ巴の銃撃戦になる。
ユースケは紺野を連れ出すが、後を追ってきた大沢に追い詰められる。
しかし、2人の姿を見た大沢は、何もせずにその場を立ち去っていく…。


過去を引きずって、サラリーマンとしてつまらない日常を送っていた男が、女と出会って自分の人生を切り開いていく話。
主人公を演じるユースケ・サンタマリアがとても良く、平凡な人間でありながら、女を助けようと次第に踏ん張ってみせる役柄を好演している。
彼は特に役作りをしなくても、普通に演じるだけであるタイプの役柄にピッタリ合ってしまう貴重な存在だ。
物語の方は、なぜかものすごく長く感じて、台湾に舞台を移したところで「いよいよ大詰め。」と思ったら、まだ1時間しか経ってなくて、そこからまだ先があった。
ユースケの過去を引きずる設定はともかく、大沢たかおの方は役としての比重が大きい割りに、過去の設定がキャラを形作る上であまり有効に働いてないので、浮ついた役になってしまっている。
クライマックスの三つ巴の銃撃戦は、やたらと人が死んだりするのは、派手なのだが安っぽく感じてしまう。
ご近所探偵TOMOE 監督:堤幸彦、出演:野波麻帆、宮藤官九郎、IZAM、浜丘麻矢、石橋蓮司、銀粉蝶、麿赤兒、原知佐子、119分 WOWOW 2003/04/04 (初放映:2003/03/29 22:00-24:00) ドラマ 2004/01/20
感想は、『トリック−劇場版−』に対するものと全く同じ。つまり、堤監督の狙いは相変わらずただ1つ、妙な映像や妙な台詞などで映画を覆いつくし、観る者を妙な気分にし続けること。何故それでいいかというと、今の日本では妙なものは新しいもの、新しいものはいいものと思う勘違い人間がある程度存在していて、まともな人に向けてまともなドラマを作っても、今の日本ではもはやまともな人もまともに相手にしてくれないので、勘違い人間受けを狙った方が総合的にみて評判になるから。で、妙なものと面白いものは別だと思っている私は、この妙なだけのドラマは当然一つも面白くなかった。だいたい石橋蓮司のような面白いことの出来る役者に、妙なことはさせても面白くなってないのが、まともに演出できない/する気がない人と思われてもしょうがない。
野波麻帆演じる姉に身長を取られたせいで自分は小さいと言い張る、背の低い妹役の浜丘麻矢を久しぶりに見れたのが唯一の収穫。
花とアリス、第三章 花とアリス ★★★ 監督&脚本&音楽:岩井俊二、撮影:篠田昇、出演:鈴木杏、蒼井優、郭智博、13分 ネット (ネスレ) 2003/11/03(月) ドラマ 2003/11/04
<ストーリー>
海に来た花とアリスとミヤモトは、砂浜で吹き飛ばされたトランプのハートのエースを見つけた人が勝って何かを命令できるというゲームをする。ミヤモトとアリスが2人とも見つけるが、アリスのみが勝利宣言し、「今日からマー君は私のもの。花は別れて!」と言い出し、花は拒否してアリスと取っ組み合いになる。そして文化祭の日、花はミヤモトがハートのエースをずっと持っていたのを見つけ、花が破こうとするがミヤモトは嫌がる。花が落語の発表の出番待ちをしているとき、ミヤモトにアリスのことが好きなら自分は身を引くと涙ながらに言うと、彼は花のことを好きではなかったわけではない、と言う。「花家ビュンビュン丸」が舞台で落語を話すと、誰もいないと思っていた客席にアリスが1人だけいた…。


砂浜で繰り広げられる展開の激しいシーンも見どころだが、今回はミヤモトに身を引く決意を言う花の泣き顔(性格には、涙をこらえてくしゃくしゃになる顔)を正面からアップで延々と捕らえたショットが素晴らしい。被写体の鈴木杏が良いのはもちろん、彼女の顔をくしゃくしゃにしているものが、「失恋の悲しみをこらえる」⇒「舞台での落研部長の大うけしている下ネタの出し物の笑いをこらえる(多分)」⇒「失恋が自分の思い過ごしだと判ったうれし涙をこらえる」と、短時間にエモーションの大きな揺れ動きが花の心に起こること背景にあるので、観る者の心も揺さぶられずにはいられない。顔の正面のアップがほとんどという、何も凝ったことをしていない映像も、シンプルさが力強さを高めている。

通しの感想は、特に第三章のクライマックスシーンがそうだが、なんでもないところ(エモーションのレベル=0)からエモーションの最高点まで一気に登りつめる岩井演出の凄さをまざまざと見せつける。また出演者の演技の生っぽいナチュラルさは特筆もの。岩井監督はなにもこの分野が専門なわけではないが、他の追随を許さないのは間違いないだろう。
花とアリス、第二章 花の嵐 II. 乱舞 ★★☆ 監督&脚本&音楽:岩井俊二、撮影:篠田昇、出演:鈴木杏、蒼井優、郭智博、10分 ネット (ネスレ) 2003/11/03(月) ドラマ 2003/11/04
<ストーリー>
ミヤモトは花とつき合っているが、アリスに好きだと告白し、花はそれほどでもないと言う。祭りの縁日で花とデート中、妖艶な着物姿のアリスの幻を見たミヤモトは気を失い、花は雨の中自分の家に彼を連れてきて介抱する。花が風邪薬を買いに行く途中、雨の中で踊っている人がいるのを見かけた…。


今回は話が急展開。見どころは、花の家でミヤモトをソファに寝かせて繰り広げられる鈴木杏の事実上一人芝居で、「ずっと寝ていて下さい。」などと言ってしまう心の動揺が面白い。
花とアリス、第二章 花の嵐 I. 秘密 ★★☆ 監督&脚本&音楽:岩井俊二、撮影:篠田昇、出演:鈴木杏、蒼井優、郭智博、13分 ネット (ネスレ) 2003/11/03(月) ドラマ 2003/11/04
<ストーリー>
春になり、同じ藤子高校に進学した花(鈴木杏)とアリス(蒼井優)だが、花は電車で見かけたミヤモト(郭智博)の所属する落語研究会に入部する。花と彼が喫茶店で会っているところに、突然アリスが現われるが、彼女はミヤモトのことを覚えていない。ある日、花が家のパソコンの調子が悪いのを見てもらうが、入学前に隠し撮りしていたミヤモトの写真がパソコンの中にあるのを花の知らないうちに見られてしまう。後日、ミヤモトが電話で花に写真のことを問い詰め、花もパソコンの中を勝手に見られたことに憤慨しながら、アリスが撮った写真だと答える。一方、アリスはその間に原宿でスカウトされていて、写真のことでミヤモトと2人っきりで会うと、何やら怪しい雰囲気に…。


映像的には第一部と同じで、オープニングの窓から差し込む逆光の中で、レオタード姿の少女たちが踊るシーンでまず掴み。無造作な髪型でおどおどした表情をすることが多いどんくさい花と、いつもニコニコ笑顔の陰に下心がありそうなアリスの、2つのキャラが立っていて面白い。
少年ドラマシリーズ「なぞの転校生」総集編 ★★ 原作 : 眉村卓、脚本 : 山根優一郎、出演 : 高野浩幸、星野利晴、伊豆田依子、岡田可愛、75分 NHK総合 2003/08/31(日) 23:30-24:50
(1975/11/17〜12/03 18:05-18:30、24.5分x全9回)
ドラマ 2003/09/04 作成
2003/11/04 更新
東京郊外の団地に住む中学2年の岩田広一(高野浩幸)の隣に、山沢典夫(星野利晴)が引っ越してきて、広一と同級生になる。広一は成績もずば抜けて優秀で、不思議な力で番長たちを倒すが、クラスで放射能の怖さを力説する。彼は他の世界から核戦争を逃れてやって来たのだった・・・。

少年ドラマシリーズは、基本的に低予算のSFで、安っぽいセット(当時はロケは16ミリフィルムで、全編ビデオ撮りだと必然的にセット撮影になる。)での撮影だったのが印象に残る。「なぞの転校生」の演出は、あまり動きのない会話劇が中心で、転校生の演技も一見して普通の人間でないことがわかる程、わざとらしいくらいとても重々しい。実は少年ドラマシリーズをきちんと観た覚えがないのは、こうした重々しさやミステリアスなストーリーのせいで、おどろおどろしさや不気味さを感じて、怖くてまともに観られなかったのである。製作条件が悪いにもかかわらず、子供が「おっかない」と思うようなものにきちんとなっていたが、最近そんな子供向け番組ってあるのだろうか?
物語は、核戦争などの取り返しのつかない事態の原因となる科学の進歩に対する批判で、冷戦や公害問題が深刻だった70年代ならリアリティをもって受け入れられた題材である。つまり、わざとらしい表現や時代と結びついた題材には今となっては違和感を感じるが、社会的な題材を絡めた物語が学園ものとして自然に成立していて、今ではそうしたものはほとんど見られなくなってしまった。昔と比べると、今は「物語=フィクション」というものを受け入れられにくい時代になったと、つくづく感じる。
交渉人 ★★ 監督:三池崇史、脚本:山田耕大&NAKA雅MURA、原作:五十嵐貴久、出演:三上博史、鶴田真由、佐野史郎、中村久美、他、107分 WOWOW 2003/08/17(日) 20:00-21:48
2003/08/23(土) 13:00-14:48 再
ドラマ 2003/08/25 作成
2003/11/04 更新
3人組の外国人のコンビニ強盗が、逃走途中で車がパンクし、近くの病院に医者や患者たちを人質をとって立てこもる。かつてFBIで交渉術を学んだ石田修平警視正(三上博史)と、かつての彼の教え子で不倫関係にあった遠野麻衣子警部(鶴田真由)が犯人との交渉に当たった。人質の中には、ガンで入院中だった石田の妻の響子(中村久美)がいた・・・。

三池監督の演出は、長いカットが多く、速いズーミングでドキュメンタリー風な映像はリアリズム重視なのだろうが、引きの画(の長回し)が多いのは、映画ならともかく、テレビでは緊迫感が抜けた印象で、どうかと思う。

(以下、ネタバレ)

実はこの事件の首謀者は、石田夫妻と不妊で悩む2人に卵子を提供した遠野で、生まれた子供が病院の医療ミスで殺されたことに対して、医師たちを誘拐して復讐することが目的だった。彼らに共鳴した3人の日本人が犯人として病院に立てこもり、さらに捜査の目をそらすために、彼らのダミーとして外国人3人を雇ってコンビニ強盗をさせ、突発的に身代金を要求している事件のように見せていたのだった。この展開はどんでん返しに継ぐどんでん返しで、ヒネリの大きさが面白く、それでいて少しずつ真相を明かしていってはその後の展開に期待をもたせる、「サプライズよりサスペンス」型なので唐突ということはないのだが、それでも警察と立てこもり犯のやりとりがメインのドラマと見せかけて、医療ミスの問題に絡んだ被害者の苦悩のドラマに変わってしまうのは、観ていて主眼の置きにくいドラマになってしまっている。このドラマでは、このようにありとあらゆることが1本筋の通ってないことだらけで、「交渉人→主犯」の主役たちはもちろん、操作を担当する所轄の刑事役の佐野史郎も「交渉人の交渉術に感心する引き立て役→謎解きをリードする知能的な刑事」といった具合で、もっとキャラクターに一貫性があったらと思う。
花とアリス、第一章 花の恋 ★★★ 監督&脚本&音楽:岩井俊二、撮影:篠田昇、出演:鈴木杏、蒼井優、郭智博、16分10秒 ネット (ネスレ) 2003/07/13(日) ドラマ 2003/07/13 作成
2003/11/04 更新
<ストーリー>
冬のある地方、中学3年の花(鈴木杏)とアリス(蒼井優)が、朝の電車通学の途中に男子高校生2人組を見かけ、「あの2人兄弟だよ。」「片っぽ外人じゃん。」「あっちがカッコイイ。」「いいか?」などと言い合い、2人でカメラを持って通学途中に後をつけるようになる。アリスは外人の方が気に入っていたが、「ハンニバルに似てる。」と花に言われて幻滅。一方、花はもう1人の男ミヤモト(郭智博)を強く意識し、1人で後を追うようになるが、電車の中でたまたま彼のそばにいた女子学生を彼の恋人と勘違いする。ある日、花が電車での眠りから目覚めると、目の前で落語の寿限無を暗証している例の高校生がいた…。


篠田カメラマンお得意の逆光をと望遠レンズによる朝のやわらかい映像や、2人が堤防のようなところを歩き続けるのを横移動で追い続けるところなど、ビジュアルもばっちり。2人が冬の黄色くなった芝生の上でジャンプするのを正面から撮っているだけにもかかわらず素敵なシーンや、偶然で男に彼女がいると思わせるすれ違いなど、岩井監督は相変わらず「ニクイ」と思わせるものを確実に作り上げてみせる。
でも、男が落語好きだからといって、来る日も来る日も電車の中で落語の本を片手に「じゅげむじゅげむ・・・」と小声で音読しているという設定はいいのか?
出てくる駅の名前が「北廊(Kitarou)」「水木」「白土方面」、「木会田(Kieda?)」「石ノ森学園」「来田(Raida)」、「野比田」「藤子」「須根尾」、「跡武(Atom)」「手塚高校前」「黒雀(Kurosu?)」だって。


スカイハイ 2003/11/04

タイトル 採点 コメント メディア 年月日(曜) ジャンル 掲載日
更新日
スカイハイ 第7死「a song」 ★★★ 監督:篠原哲雄 脚本:高山直也 出演:鳥羽潤、鈴木一真、つぐみ、津田寛治、釈由美子 テレビ朝日 2003/02/28(金) 23:15-24:10 連続ドラマ 2003/03/01
ミュージシャンを目指すリョータ(鳥羽)とコージ(鈴木)が出会い、人気が出てデビューも夢でなくなったとき、デビューするチャンスを逃したくないリョータと、納得できる音楽を目指したいコージが運転中に口論になり、事故でリョータが2年間の昏睡状態のあと死ぬ。その間に、コージは人気ミュージシャンになっていた・・・。
これまでの作品で不満だったのは、死者が新事実を知って態度を変えるのが頻繁すぎて落ち着きのない展開になったり、心霊現象を起こして現世の人を脅かすオカルトっぽいシーンが無駄に感じられたことだったが、今回はぐっと落ち着いた展開でコージの心の中に次第に迫っていき、物語の要所の締めどころは音楽を効果的に使って盛り上げるところに(何しろ、鈴木一真が1人で歌うのを、鳥羽潤とつぐみが立って見ているだけで見事なシーンになっている。)、篠原監督の名手ぶりが感じられる。
スカイハイ 第6死「Pigeon house」 ★★ 監督:篠原哲雄 出演:森本レオ、山本未來、根岸季衣、平泉成、本田博太郎、留美、釈由美子 テレビ朝日 2003/02/21(金) 23:15-24:10 連続ドラマ 2003/02/22
負債を抱えて自殺しようとする出版社の社長(平泉)を止めようとしてもみ合ううちに、警備員(森本)が死んでしまう。社長も死に、妻(根岸)が社を継ぐが、編集長(山本)は風俗雑誌の出版に乗り出して売り上げを伸ばし、社員の信頼を集める。
編集長に代表されるビジネス優先の考え方と、社長に代表される理念優先の考え方の対立。それに加えて、社長に気に入られ、屋上の鳩の世話をすること以外これといって会社に対して何もしなかった警備員の人生は意味があったのかなかったのか?という、人生において大切なものは何かというテーマの話。シリーズに共通して言えることは、物ごとを一面からしか見ないで善悪などの二元論で切ってしまうより、(釈由美子の導きで)いろんな面から見るという行為が、人間をより深みのある存在にするということで、なかなか志の高いドラマシリーズ。
今回は、屋上の鳩を実際に飛ばすシーンが印象的。篠原監督の演出は、独自性を出すよりシリーズ全体のトーンに合わせた感じ。
スカイハイ 第5死「ROOM 503」 ★☆ 監督:鶴田法男 脚本:小川智子 出演:有森也実、近藤芳正、釈由美子 テレビ朝日 2003/02/14(金) 23:15:24:10 連続ドラマ 2003/02/15
35歳で独身の有森也実が近藤芳正と知り合うが、彼が隠していた会社社長の弟だという事を知ったことから、誤解で彼に殺されてしまう。
孤独な中年同士の恋愛なのだが、近藤が自分の正体を知られて突然「自分に近づく女はみんな金目当てだ」と思う疑心暗鬼のキャラクターになるが、疑心暗鬼なら知り合った時から警戒するはずだし、正体を知らずに知り合った女を金目当てと決めつけ、まして逆上して殺すのは唐突過ぎる。そして有森も、真相を知ってそれまで愛していた人を恨むようになったと思ったら、すぐに「恋は終わった」と執着心が無くなる心境の変化も唐突過ぎる。というわけで、とにかく唐突過ぎる。
スカイハイ 第4死「逆転」 ★★ 監督:麻生学 出演:新山千春、田中千絵、釈由美子 テレビ朝日 2003/02/07(金) 23:15-24:10 連続ドラマ 2003/02/08
いじめられている高校生(新山&田中)がまじないを実行するため、新山が死んでいじめっ子たちを呪い殺そうとする。
時間が短いから展開や描写がはしょり気味だけど、オチは一応きちんとつけている。でも、死んで霊になっても、ただ見ているしかなかったはずなのに、いつから怪現象を起こせるようになったの? 監督が中原俊、麻生学、鶴田法男と、(一応)映画監督を起用しているが、『濱マイク』のように演出スタイルは監督任せではなく、普通の連ドラのように各人似たような無難な演出。新山千春は、いろんな演技に対応できる。


傷だらけの天使

タイトル 採点 コメント メディア 年月日(曜) ジャンル 掲載日
更新日
傷だらけの天使 (1) 「宝石泥棒に子守唄を」 ★★ ゲスト:西村晃、金子信雄、真屋順子 監督:深作欣二 撮影:木村大作 脚本: WOWOW
(日本テレビ)
2002/07/07
(1974/10/05 22:00-22:55)
連続ドラマ 2003/02/17
修への依頼は、宝石店に強盗に入り、宝石を亨に渡した後警察に捕まること。ダンプに襲われ転倒した護送中のパトカーから修が逃げ出す。修をおとりにして、強盗犯から宝石を横取りするグループを暴くのが目的だった。
第1回目ならではの特別な紹介もなく、快調な出だしで本筋へ。でも、綾部情報社が陰で怪しいビジネスをやっていることや、修の子供の健太(高倉健の健に菅原文太の太。それとも、健太の写真の当人である深作健太から?)などの基本的な設定はきちんと登場。しかも、人情、笑い、エロ、アクションと、基本要素も押さえられている。
金子信雄が、広島弁をしゃべる元ヤクザ(山守組長?)の古物商?で、修に渡したモデルガンが本物だったなんてギャグも。
傷だらけの天使 (2) 悪女にトラック一杯の幸せを 監督:恩地日出夫 脚本: (1974/10/12 22:00-22:55)
傷だらけの天使 (3) 「ヌードダンサーに愛の炎を」 ★★ ゲスト:中山麻里、室田日出男 監督:深作欣二 撮影:木村大作 脚本:市川森一 WOWOW
(日本テレビ)
2002/07/10(水)
(1974/10/19 22:00-22:55)
連続ドラマ 2003/02/08
ストリッパー(中山)は実は金持ちの令嬢で、彼女とできて、ヒモ(室田)との間を裂いて家に戻るようにするというのが、今回の修の仕事。なぐり込みを思わせるシーンやメッタ刺しにされるシーンなど、深作らしさも見られるが、あくまでわずか。中山麻里が盛大にゴージャスに脱いでいる。
傷だらけの天使 (4) 港町に男涙のブルースを 監督:神代辰巳 脚本: (1974/10/26 22:00-22:55)
傷だらけの天使 (5) 「殺人者に怒りの雷光を」 ★★☆ ゲスト:松山省二、加藤嘉 監督:工藤栄一 脚本:市川森一 WOWOW
(日本テレビ)
2002/07/11 23:00-23:47
(1974/11/02 22:00-22:55)
連続ドラマ 2003/02/15
修の仕事仲間たちがある女に次々と殺される。ある調査結果の証拠隠滅のためとにらんだ修たちは、暴力団に殴りこむ。ところが、それは見当違いで、辰巳がカツラをはずしてツルッパゲをさらしてわびを入れることに。真相は、自分のスキャンダルの調査を依頼した女が、秘密を守るために殺したのだった。修が囮として、彼女の働く病院に入院する・・・。
殺し屋による連続殺人というスタイルがかなり効いていて、出だしからスリリングな展開でひきつける。さらに、修が薬局の前から、巷で評判の「ゴキブリ死ヌ死ヌ」のCMに出ている女の人の等身大の看板を盗んで家に持ち帰って、いい気分でそれを眺めたり、亨は一緒にドラム缶の風呂に入ったりといった、せつなくて生々しいギャグも面白い。
傷だらけの天使 (6) 「草原に黒い十字架を」 ★★★☆ ゲスト:船戸純 監督:神代辰巳 脚本:山本邦彦 WOWOW
(日本テレビ)
2002/07/11 24:00-24:47
(1974/11/09 22:00-22:55)
連続ドラマ 2003/02/12
盗難グループが狙っている絵「六月のマドンナ」を美術館から盗んで偽物とすりかえる仕事が保険会社から依頼される。ところが、修がすり替えようとしたときに絵は既になつめという女の子によって盗まれていて、警報が鳴って偽物を置いていき、彼が盗もうとしたとして警察と、すりかえに気づいた窃盗グループの両方に追われる。なつめには両親が無く、自殺した母親が外国にいると信じていて、弟に母の姿を見せるために、そっくりな「六月のマドンナ」を盗んだのだった。修は父親に似ているからということでなつめと親しくなり、修と亨となつめが絵を持って逃亡する。・・・
これはもの凄い大傑作! ひょっとして、神代辰巳の最高傑作かも。ゴダール風のかろやかな音楽、コミカルな展開、田舎道を自転車3人乗りなどしながら逃げ回るリリカルな風景の映像。妙に仲の良い修となつめの2人に、「貧しいオカマ」などどののしられ邪魔者扱いされても「アニキ〜」とついて行く亨。テンプターズの「おかあさん」(♪オ〜 ママ ママ〜♪)の鼻歌までギャグにしたり、♪たまら〜ん〜、たまら〜ん〜♪の歌を歌いながら山道を歩いたり、農家の空きやを見つけては長居するなどと言って突然亨がくわで畑を耕しだしたり、ねんざした亨を乳母車に乗せて修が押したりする妙な絵づらなど、楽しいことこの上ない。でも、まさかあんな結末とは・・・。
今回は岸田今日子の社長はギリシャに旅行中で出演せず。
傷だらけの天使 (7) 「自動車泥棒にラブソングを」 ★★☆ ゲスト:川口晶、高橋昌也 監督:恩地日出夫 脚本:市川森一 撮影:木村大作 WOWOW
(日本テレビ)
2002/07/16(火)
(1974/11/16 22:00-22:55)
連続ドラマ 2003/02/17
亨が自動車エンジニアの仕事に就職し、修が1人で自動車連続盗難事件の調査で、おとりの車を盗ませ尾行しようとしたら、盗んだのは亨だった。修が後をつけると女(川口)に邪魔され捕まってしまうが、亨に助けられる。綾部が盗難組織のボス(高橋)をゆすっているのを知った2人が綾部調査社を張り込んでいると、女が1億円現われたので彼女を連れ去り、3人は両方から狙われる。
6話目のような逃亡生活で、3人で通りがかりの小学校の校庭のタイヤや上り棒で子供のように遊んだり、田んぼの草取りを手伝ったりのメルヘンチックな展開だが、修と女が車で抱き合ってるのを亨が見たりの、男2人女1人の微妙な関係もある。最初、背中のあいたワンピースにパーマ(のカツラ?)の変な格好で現われた川口晶が、Tシャツにジーパンになってからキラキラ光りだすという趣向もいい。
傷だらけの天使 (8) 「偽札造りに愛のメロディーを」 ★★☆ ゲスト:有島一郎、田辺節子 監督:工藤栄一 脚本:芝英三郎 WOWOW
(日本テレビ)
2002/07/16(火)
(1974/11/23 22:00-22:55)
連続ドラマ 2003/02/18
偽札製造組織から取引の金を横取りするために、偽札を使った音大の女子大生を修が調べる。そして、彼女に貢いでいた偽札作りの職人の老人(有島)を突き止める。老人は組織に捕まるが、女子大生は彼に同情して助けようとする。
修が自分の部屋のステレオで浪花節を聞くのが好きなようなのだが、その内容が好きな女を他の男に奪われた男の逆襲らしい。(浪花節はよくわからない) あと、ぴんからトリオの「女のみち」なども使われ、老人と女子大生の2人を象徴している。つまりこの2人の浪花節な話なのだが、「傷だらけの天使」自体が浪花節なので、なかなかいい雰囲気。有島一郎は、この番組の出演者の中では圧倒的に高齢だが、寂しげな老人の役を風格ある演技で見せる。
傷だらけの天使 (9) 「ピエロい結婚行進曲を」 ★☆ ゲスト:滝田裕介 監督:児玉進 脚本:市川森一 WOWOW
(日本テレビ)
2002/07/17(水)
(1974/11/30 22:00-22:55)
連続ドラマ 2002/11/11
画家が修に妻を殺すように依頼し、修が知らないうちに妻が何者かに殺され、続いて画家は愛人の大学生も殺すように依頼する。亨がその大学生を相手に童貞を捨てた? 修と亨が時々歌う、♪たまら〜ん〜、たまら〜ん〜、たまら〜んぜ〜〜♪という歌が歌われるが、この回以前にも歌われたと思われる。今回の内容は平凡。
傷だらけの天使 (10) 「金庫破りに赤いバラを」 ★☆ ゲスト:加納典明、小松政夫 監督:鈴木英夫 脚本: WOWOW
(日本テレビ)
2002/07/17(水)
(1974/12/07 22:00-22:55)
連続ドラマ 2003/02/09
修と亨がある会社の社長室の金庫を破って書類を盗む仕事をしていると、別の2人組の金庫破りに襲われ、うち1人(小松)と金庫にあった1000万円を手にし、守衛を殺した疑いをかけられる。小松政男が義理がたかったという話で、加納典明のオカマっぽい殺し屋もこれといって面白くなく、それ以外も平凡。
傷だらけの天使 (11) 「シンデレラの死に母の歌を」 ★★ ゲスト:服部妙子、平田昭彦、浦辺粂子 監督:土屋統吾郎 脚本: WOWOW
(日本テレビ)
2002/07/18(木)
(1974/12/14 22:00-22:55)
連続ドラマ 2003/02/09
重病の資産家の、20年前に誘拐された娘だと名乗り出た2人の女のうち、どちらが本物かを調べろと修と亨が依頼される。前半は盛り上がらなかったが、修が調べていた女の実家の田舎に行ってから、浦辺粂子とのやりとりや、追ってきた悪者たちを相手に修が大立ち回りをしたり(振り回している丸太がグニャグニャなのはご愛嬌)と快調になる。
傷だらけの天使 (12) 「非常の街に狼の歌を」 ★★ ゲスト:土屋嘉男 監督:児玉進 脚本: WOWOW
(日本テレビ)
2002/07/18(木)
(1974/12/21 22:00-22:55)
連続ドラマ 2003/02/10
会社の金を持ち逃げした夫を探すために、依頼人の女と亨が夫婦を装って海外への逃走ルートがある熱海に来る。今回は、修が車にはねられて入院で、代わりに辰巳(岸田森)が代打で活躍。密出国の手引きをしていた土屋嘉男が、顧客の秘密を守って撃たれるシーンが壮絶で、「(撃たれてまで秘密を守るなんて)バカだ!」と冷めたことを言っていた辰巳が、代わって復讐するといった善意を見せるのも面白い。
傷だらけの天使 (13) 「可愛い女に愛の別れを」 ★☆ ゲスト:吉田日出子 監督:土屋統吾郎 脚本: WOWOW
(日本テレビ)
2002/07/23(火)
(1974/12/28 22:00-22:55)
連続ドラマ 2002/07/24
吉田日出子の社長令嬢の父親を探す話で、彼女が例のドラム缶風呂での入浴シーンも披露。でも、今回は面白くない。
「傷だらけの天使 (14) 母のない子に浜千鳥を」 ★★★ ゲスト:桃井かおり、監督:恩地日出夫 脚本:市川森一 WOWOW
(日本テレビ)
2002/07/23(火)
(1975/01/04 22:00-22:55)
連続ドラマ 2002/07/25
ついに登場の桃井かおりが、ショーケン演じる修の息子の健太の母親のキクエの姉で、3ヶ月前に実家に預けていた健太を引き取って、そこに修が訪ねてくる。今回はダブル岸田は登場せず。修と義理の姉との親戚同士と言いながらの微妙な関係がいい。年末から年始をまたいでの物語。
傷だらけの天使 (15) 「つよがり女に涙酒を」 ★★☆ ゲスト:松尾和子、渡辺文雄、稲葉義男 監督:恩地日出夫 脚本: WOWOW
(日本テレビ)
2002/07/24(水)
(1975/01/11 22:00-22:55)
連続ドラマ 2003/02/11
高校1年の息子を誘拐された会社社長稲葉)から、息子の救出を依頼される。しかし実は、社長が息子を生ませたキャバレーの歌手の母親(松尾)と、彼女の愛人のキャバレー経営者(渡辺)と共に、父親に反抗した息子が起こした狂言誘拐だった。・・・
健太の父親でもある修は依頼どおり息子を父親に渡そうとし、親に捨てられた亨は息子に協力して身代金を取ろうとする立場に別れる。そして、修が息子に言う「親っていうのはデリケートなの。」という言葉さながらに、松尾和子が息子と愛人の間で気持ちがゆれ、「親の心子知らず」の子供の反抗の物語がしんみりと描かれる。ラストの修と亨の和解のやりとりに2人の友情が見られ、抜群に素晴らしい。
傷だらけの天使 (16) 「愛の情熱に別れの接吻を」 ★★ ゲスト:高橋洋子 監督:鈴木英夫 脚本: WOWOW
(日本テレビ)
2002/07/24(水)
(1975/01/18 22:00-22:55)
連続ドラマ 2003/02/11
ある男の愛人の行方を捜すため、彼女が通っていたホストクラブに修が潜入する。一方、修に処女を捧げた女(高橋)が修を付きまとう。
今回は「純愛」がテーマで、軽い一夜の遊びと思っていた修の行為が女を傷つけたことを知ったとき、彼女に向かって「ごめんなさい」と言うところのショーケンがホントにいい。
傷だらけの天使 (17) 「回転木馬に熱いさよならを」 ★☆ ゲスト:中原早苗 監督:鈴木英夫 脚本: WOWOW
(日本テレビ)
2002/07/25(木)
(1975/01/25 22:00-22:55)
連続ドラマ 2003/02/11
不動産業で利益を上げるか、子供たちのために本業の遊園地だけで頑張るかで対立している会社に修と亨が社員として潜入し、揉め事を起こしている首謀者を探す。
修と亨のやりとりの細かいギャグ以外は、あまり見どころが無い。ストーリー的にも、依頼者の依頼の動機がよくわからない。
今回、岸田今日子は登場せず。ロケ地の、鉄道のガード下が入り口になっている遊園地は不明。ダンボにそっくりの「空飛ぶぞうさん」というアトラクションがあった。
傷だらけの天使 (18) 「リングサイドに花一輪を」 ★★ ゲスト:中谷一郎 監督:児玉進 脚本:柏原寛司 WOWOW
(日本テレビ)
2002/07/25(木)
(1975/02/01 22:00-22:55)
連続ドラマ 2003/02/24
ボクシングジムの立ち退き工作のために、修と亨がジムに入る。ジムのトレーナー(中谷)が胆石の痛み止めでモルヒネの注射を打っていたのがマスコミに漏れたことでクビになり、負い目を感じた修はトレーナーと彼が育てるボクサーに協力する。しかし、立ち退きを依頼したトレーナーの幼なじみがボクサーを誘拐する。
ストーリー自体はどうってことないが、修と中谷一郎が殴りこみに行くところは、こういうのは何度も見たとはいえやっぱりいい。
傷だらけの天使 (19) 街の灯に桜貝の夢を 監督:恩地日出夫 脚本:市川森一
傷だらけの天使 (20) 「兄妹に十日市小唄を」 ★★☆ 監督:児玉進、ゲスト:渡辺篤史 脚本: WOWOW
(日本テレビ)
2002/07/30(火)
(1975/02/15 22:00-22:55)
連続ドラマ 2003/03/25
修と亨の住むペントハウスに捨てられた赤ん坊の健一の母親を捜すと、行きつけの寿司屋の妹ということがわかるが、彼女は仙台の大学をやめて東京でヒモとくらしていた。ストーリーなどこれといった特徴はないが、ショーケンをはじめ登場人物たちの感情が演技を通じて真っ当に理解でき、比べると「濱マイク」は形で表現しているので胸に迫るものが足りない。
傷だらけの天使 (21) 欲ぼけおやじにネムの木を ゲスト:内田朝雄、監督:工藤栄一 脚本: (1975/02/22 22:00-22:55)
傷だらけの天使 (22) くちなしの花に別れのバラードを ゲスト:篠ヒロコ、久保明 監督:児玉進 脚本: (1975/03/01 22:00-22:55)
傷だらけの天使 (23) 母の胸に悲しみの眠りを 監督:工藤栄一 脚本: (1975/03/08 22:00-22:55)
傷だらけの天使 (24) 渡辺綱に小指の思い出を 監督:児玉進 脚本:市川森一 (1975/03/15 22:00-22:55)
傷だらけの天使 (25) 虫けらどもに寂しい春を 監督:工藤栄一 脚本:宮内婦貴子、大野武雄 (1975/03/22 22:00-22:55)
傷だらけの天使 (26/最終回) 祭りのあとにさすらいの日々を 監督:工藤栄一 脚本:市川森一 (1975/03/29 22:00-22:55)


私立探偵 濱マイク

タイトル 採点 コメント メディア 年月日(曜) ジャンル 掲載日
更新日
私立探偵 濱マイク (2) 「歌姫」 ★☆ 監督:前田良輔、ゲスト:UA 読売テレビ 2002/07/08(月) 連続ドラマ 2002/07/31
うーん、やっぱりテレビドラマは妙な間を取っても間延びしているように見える。もっとテンポを重視した方がいいんじゃない?
私立探偵 濱マイク (4) 「サクラサクヒ」 ★★ 監督:行定勲 ゲスト:ジェニー・チャン 読売テレビ 2002/07/22(月) 連続ドラマ 2002/07/27
クライマックスで岩井俊二直伝の(?)満開の桜の木から花びらが舞い散り、ユーミンの「春よ来い」が流れ、村上淳が壁に「愛」という字を大書きするという展開にビックリ。といっても、映画ではそんなに珍しくないけど、テレビドラマはどうも真剣に観れないので油断していた。でも、映画を見慣れていない人やTVシリーズの流れを無視しているとも言え、かなりの冒険。
私立探偵 濱マイク (5) 「花」 ★☆ 監督:須永秀明、ゲスト:窪塚洋介 読売テレビ 2002/07/29(月) 連続ドラマ 2002/07/31
『けものがれ、俺らの空と』つながりで鳥肌実出演。横浜日劇では「トラック野郎 突撃一番星」「ダイナマイトどんどん」の菅原文太2本立て。ゲストは数は多いけど、ワンポイントのみの使い方がほとんどというのは、単なるウケ狙い?
今回は演出はともかく、マイク兄妹の話は筋が通っていてよかった。窪塚がらみの事件の方はよくわからなかったけど。窪塚の役は異常だけど魅力なかった。
私立探偵 濱マイク (6) 「名前のない森」 ★★★ 監督:青山真治、ゲスト:鈴木京香、大塚寧々、原田芳雄 読売テレビ 2002/08/05(月) 連続ドラマ 2002/08/05
このシリーズでは今までのどの作品よりも格段に「まとも」なのがうれしい。メインのストーリーを真っ直ぐに突き進み、脇役レギュラーやチョイ役のゲストたちは出る幕がない。(てことは、彼らは役に立ってなかったってこと?) 出だしは凝った編集で注目させて、次第に控えめな演出で内面的な話に持っていく展開もよく考えられている。物語は、何をしたらよいかわからない空虚さと、本当の自分を探してそれを満たそうとすることの危険な一面。説明を廃してちょっと難しかったかもしれないけど、セーフかな?
私立探偵 濱マイク (7) 「私生活」 ★☆ 監督:岩松了、ゲスト:鈴木砂羽、小林薫、石橋けい、片桐はいり 読売テレビ 2002/08/12(月) 連続ドラマ 2002/08/13
横浜日劇の2本立ては『グロリア(シャロン・ストーンの方?)』『フレンジー』(関連性不明)。コーヒー・マツモトで流れる曲は「フランシーヌの場合は」。しばらく見ていなかった石橋けいが、和服&ビキニ姿で別人のような大人の女になっていた。真っ赤なキョンキョンの服とか、日本映画伝統の必殺技(と私が勝手に思っている)メロンのかぶりつきなどもやったりと、映像的に様々な凝ったものを見せているが、焦点が定まらない展開っていうのはマズいんじゃない?
私立探偵 濱マイク (9) 「MISTER NIPPON 21世紀の男」 ★★☆ 監督&脚本:中島哲也 出演:派谷恵美、松方弘樹 読売テレビ 2002/08/26(月) 連続ドラマ 2002/08/27
横浜日劇の2本立ては、『狼たちの午後』と『俺たちに明日はない』。一応、銀行強盗つながり。今回は、今までの1時間の時間で見せるといった、視聴者を選ぶような映画的アプローチは最初から捨てて、まるでワンシーンをCM1本のように演出して、その連続で見せるという作りで、飽きっぽい視聴者に見せるにはこっちの方が正解かなぁ? ストーリーははっきり言って穴だらけで、(だいたい濱マイク、なんにもしてないじゃん)むしろ無いに等しいというのが正しいけど、これもアリかな? 林家ペー&パー子や光浦靖子その他を意外な役で使うのは、発想のみの面白さといったところか?
私立探偵 濱マイク (10) 「1分間700円」 監督:竹内スグル ゲスト:浅野忠信、柄本明 読売テレビ 2002/09/02(月) 22:00-22:54 連続ドラマ 2002/09/02
横浜日劇の2本立ては『憧れのハワイ航路』ともう1本何か。今回はちょっとひどいなあ。浅野忠信が怖い役かと思ったのは最初だけで、結局訳のわからない変な役だった。もったいつけているつもりの演出はテンポが遅いようにしか見えないし、CM風の映像はエモーションを感じないし、松村邦洋のようなゲストは一発ネタだし、これまでのシリーズの悪い点が全部揃ってしまった感じ。
私立探偵 濱マイク (11) 「女と男、男と女。」 ★★☆ 監督&脚本:アレックス・コックス ゲスト:田口トモロヲ、塚本晋也 読売テレビ 2002/09/09(月) 22:30-23:24 連続ドラマ 2002/09/15
横浜日劇は『荒野の用心棒』と『殺しが静かにやってくる』のマカロニウェスタン2本立て。ということで、テレビアンテナに止まったカラスが見守る中、『ストレート・トゥ・ヘル』さながらのマカロニアクションが繰り広げられるオープニングは素晴らしい。塚本晋也は、最近冴えない中年の役ばかり見ていたので、久々の危ないキャラは新鮮で良かった。でも、アクション以外のシーンは単なる型通りのエピソード。
脚本もアレックス・コックスだけど、出前が遅いという電話に「今出ました」と応対したり、コーヒーマツダで流れる曲が左とん平の「ヘイ・ユウ・ブルース」だったり、安部サダヲがジュディ・オングの「魅せられて」を口ずさむなどのネタを入れられるほどの日本通とは思えないぞ。あと、石橋蓮司はどこに出ていたの?
私立探偵 濱マイク (12) 「ビターズエンド」 ★★☆ 監督:利重剛 ゲスト:SION、 読売テレビ 2002/09/16(月) 22:30-23:24 連続ドラマ 2002/09/26
横浜日劇の2本立ては『小さい天使』と『ロング・グッドバイ』。『小さい天使』って聞いたこと無い映画だけど、フランス映画の『少天使』(Little Angel)とかいう映画のことだろうか?
最終回に利重監督を起用した理由がわかるような内容で、今まで数は多いけど印象の薄かったレギュラー陣をきっちり魅力的に描いていて、特にマイクと妹の中島美嘉の関係、マイクとB(SION)の少年院仲間の関係の濃密さはさすが。SIONは俳優経験がほとんど無いと思うけど、好演。


ホラー(学校の怪談)

タイトル 採点 コメント メディア 年月日(曜) ジャンル 掲載日
更新日
あの子はだあれ (学校の怪談 ”最恐”の傑作選其の壱) ★★ 監督&脚本:黒沢清、出演:馬渕英里何 21分 WOWOW
(関西テレビ)
2002/08/13(火)
(1994/03/25)
TVドラマ 2002/08/14
転校生の女子高生は、彼女以外の人には見えない、髪の長い女子高生の姿を校内で見るようになる。女子高生の霊の姿をはっきり見せないで恐がらせる手法は、後年の作品に比べるとまだ甘い。ラストで真相が明らかになるのも、後味が良すぎるのが問題。
霊ビデオ (学校の怪談 ”最恐”の傑作選其の弐) ★★☆ 監督:中田秀夫 脚本:小中千昭 出演:馬渕英里何、増田裕子、松尾れい子 25分 WOWOW
(関西テレビ)
2002/08/13(火)
2002/09/21(土)
(1997/07/20 「学校の怪談f」)
TVドラマ 2002/08/14
2002/09/26 更新
幽霊が出る屋敷に入って撮影したビデオの映像が、ビデオ独特の荒い画面がとにかく気持ち悪くて恐い。また、ビデオを再生してみたら写ってないはずのものが写っていたりと、中田監督の前作『女優霊』とこの翌年の『リング』と同じパターンとはいえ、やはりこのショック効果は絶大で、実際に見ると寒気が走る。
片隅 (学校の怪談 ”最恐”の傑作選其の壱) ★★★ 監督&脚本:清水崇 出演:大村彩子、鹿島かんな 3分 WOWOW
(関西テレビ)
2002/08/13(火)
(1998/10/08 「学校の怪談G」)
TVドラマ 2002/09/26
夏休み中に学校のウサギ小屋の掃除をしていた2人の女子高生を何者かが襲う。わずか3分だが、その「何者か」と「もう1人」が見るからに恐くて、こりゃ凄い!
4444444444 (学校の怪談 ”最恐”の傑作選其の弐) ★★☆ 監督&脚本:清水崇 出演:安藤一志 WOWOW
(関西テレビ)
2002/09/21(土)
(1998/10/08 「学校の怪談G」)
TVドラマ 2002/09/26
上にある「片隅」と同じ場所が舞台の続編。男子高校生が拾った携帯に電話がかかってくるが、電話をかけた者がそこに現われようとする・・・。
前作の「片隅」で恐いものが出てきたので、今度も今にも恐い何者かが出るぞ!出るぞ!と思わせておいて、ちょっと意表をつく語り口がいい。
木霊(こだま) (学校の怪談 ”最恐”の傑作選其の弐) ★★☆ 監督:黒沢清 脚本:高橋洋、出演:山口美砂、金井愛砂美 25分 WOWOW
(関西テレビ)
2002/08/13(火)
(1998/10/08 「学校の怪談G」)
TVドラマ 2002/08/14
誰がどこにいるかを透視できる女子高生の能力を実験するために、放課後の学校で隠れている3人を当てる最中、3人が木霊(?)に襲われ次々と消える。木霊が隠れ場所に迫る様子を校内の見取り図上を黒い点が動くことで表わしたり、襲われた先生がロングで顔が髪に覆われ黒くボンヤリとしか見えないのをはじめ、顔がはっきりと映されない人が次々現われ、そのどれもが恐いなど、効果的な見せ場が盛りだくさん。
たたり (学校の怪談 ”最恐”の傑作選其の壱) ★★☆ 監督:鶴田法男 脚本:高橋洋 出演:岡本綾、安部サダヲ、鈴木砂羽 20分 WOWOW
(関西テレビ)
2002/08/13(火)
(1999/03/30 「学校の怪談/春のたたりスペシャル」)
TVドラマ 2002/08/14
2002/09/26 更新
自分の家の部屋の窓から隣の家で首を吊った男を目撃してから、窓の外が気になってしまって・・・。というありがちな気持ちを元にうまく話が作られている。でも、どんでん返しのラストは今いち弱かった。
何かが憑いている (学校の怪談 ”最恐”の傑作選其の弐) ★★☆ 監督:鶴田法男 脚本:鶴田法男、三宅隆太 出演:池脇千鶴、奈良沙緒理、平山綾、宮崎美子 25分 WOWOW
(関西テレビ)
2002/08/13(火)
(2001/03/29 「学校の怪談/春の物の怪スペシャル)
TVドラマ 2002/08/14
2002/09/26 更新
中学の頃仲良しだった同級生が、別々の高校に通うようになってから疎遠になり、彼女が何かに取りつかれているという噂を聞く。恐いのと同時に友情を扱った話。恐がらせ方は申し分ないのだが、ホラーを逆手に取った話は結果的にはよく考えると無理がある。池脇千鶴はこうした彼女らしい役を演じると全くケチのつけようがない。
花子さん (学校の怪談 ”最恐”の傑作選其の壱) ★★★ 監督:黒沢清 脚本:香川まさひと、出演:京野ことみ、馬渕英里何、加瀬亮、加藤晴彦 25分 WOWOW
(関西テレビ)
2002/08/13(火)
(2001/03/29 「学校の怪談/春の物の怪スペシャル」)
TVドラマ 2002/08/14
2002/09/26 更新
花子さんが現われて恐がらせるパターンなのだが、この花子さんの造形が桁はずれに恐い! 馬渕英里何が目ん玉をひんむかれたりするのも恐すぎるし、ラストの不気味さも、さすが『CURE キュア』『回路』の黒沢監督である。


単発ドラマ

タイトル 採点 コメント メディア 年月日(曜) ジャンル 掲載日
更新日
つばさ ★★☆ 監督:長澤雅彦 撮影:篠田昇 音楽:REMEDIOS 出演:前田亜季、萩尾みどり、草村礼子、河原さぶ 北海道文化放送 2003/01/26(日) 16:05-17:20 TVドラマ 2003/01/26
高校に行ってない香織(前田)が札幌の自宅から滝川で一人暮らしをする祖母一枝(いちえ)(草村)の家にやって来たが、祖母が下手な車の運転を始めたり、グライダーの操縦を習っていたりするのを見て驚く。そして、交通事故を起こして入院してしまい、香織に小言ばかり言う母の優子(萩尾)がかけつける。
『Love Letter』のプロデューサーだった長澤監督&撮影の篠田昇&音楽のREMEDIOSの組み合わせで、ビデオとはいえ24フレームのカメラで手持ち&軟焦点の映像といい、ピアノの音楽といい、雰囲気は『Love Letter』同じ。この雰囲気に加え、映っているだけで画面をもたせてしまうことでは宮崎あおいと双璧の前田亜季が主役なので、とりあえず惹かれる画面になっているというか、卑怯な手口というか。
1時間ちょっとの短い時間なので、親子の確執と和解のストーリーはあっさり&わかりやすいのだが、亜季ちゃんが長台詞で母に理解を求めるところの真剣な表情と、その後の開放感を感じる表情が素晴らしくて、思わずぐっときてしまった。というわけで、亜季ちゃんさまさまのドラマ。(決して贔屓目で見ているわけではないです、多分。)
撃つ薔薇 監督:麻生学 出演:松尾れい子、杉本哲太、北村一輝、原田芳雄 115分 WOWOW 2002/04/19 TVドラマ 2003/01/13
2003/07/23更新
日本で製造している最強ドラッグの製造元を探るために、警視庁の潜入捜査官の松尾れい子が組織に潜入する…。
設定が、外国人が多く住むようになって犯罪が多発したため、東京湾に日本人だけが住める人工の島があるという近未来の日本で、麻薬を巡る点といい『マッスルヒート』に似た設定。その島に行けない外国人の気持ちを描くことで、外国人から見た日本を描くかといえばそんなことはしてなくて、外国人がらみの設定は何の必然性も無い。つまりこれは、外国人が増えれば犯罪が増え、おまけに組織のトップはハングルを話し軍服を着ている将軍と呼ばれている人で、そうした実際の人々の印象を悪くするために作られたドラマなんでしょうかねえ? 誰が作ったのか知らないけど。日本人だけの社会なら犯罪が増えない、なんてことは言えないのに。
プライムサスペンス「カノン」 ★☆ 監督:行定勲 原作:篠田節子 出演:賀来千賀子、石橋凌、水橋研二、大森南朋、内藤陽子、光石研、中村久美 114分 WOWOW 2002/01/02(水) TVドラマ 2003/01/12
音楽大学で一緒だった3人(賀来千賀子←内藤陽子、水橋研二、石橋凌←大森南朋)。音楽がすべてだった水橋が耳が聞こえなくなるという理由で穂高のふもとの彼の山荘で自殺をしたという知らせが他の2人に届く。そして、彼が死ぬ直前にに演奏した奇妙なバイオリンの音楽が賀来に手渡される。彼女は大学時代のことを回想し、かつて3人が合宿中にある事件が起きていたことを知る・・・。
普通の展開なら、まず自殺の知らせというきっかけがあってから、過去を回想したり自殺の真相を突き止めようとする、となるであろうが、ここでは自殺の知らせの前から賀来が幻聴を聞いたりと精神的に不安定で、石橋も最近何故か思いつめていて妻に冷たく当たっている。さらに賀来の身の回りには回想とも幻覚とも怪奇現象とも区別がつかないようなことが起こるといったおどろおどろしい展開だが、その後の展開で、結局幻覚や怪奇現象のような重々しい描き方は何も必然性がないのがわかり、かなりアンフェアな手口だったことが判明。おまけに物語のポイントがはっきりしないままで、関連性のなさそうなことがバラバラに展開されるので、ラスト近くになるまでどういう話なのかとてもわかりにくい。最後には真相がわかること以上に、登場人物たちの心境が変化するという終わり方なのだが、ずっとわかりにくい謎解きものの展開だったので、その心境の変化がわかりにくく、観終わってすかっとすっきりとならず、なんともいやな感じ。
タスクフォース ★★ 原作:門田泰明 監督&脚本:行定勲 出演:三上博史、豊原功輔、北村一輝、他 TBS 2002/09/16(月/休) 21:00-23:24 TVドラマ 2002/09/23
総合電機メーカーの経営戦略室長の三上博史は、会社の将来の主力製品になるかもしれないマイクロマシンの事業を社長から一任されるが、産業スパイに命まで狙われるようになる。
サラリーマンは会社のために一生懸命働いても捨て駒のように捨てられてしまうといった内容はシリアスな社会派の作品なのかなと思わせるが、それにしては事業の責任者が情報セキュリティの責任まで負わされたり、家族を脅迫されていることを全社的な問題にしないで1人で抱え込んだりと、サラリーマンはそこまでやらなきゃいけないの?と思わせるトンチンカンな内容。鳥の死体を使った芝居がかった脅しをされたり、部下と待ち合わせたバーがボッタクリだったというお笑いシーンがあったりと、サラリーマンの哀しさには不釣合い。変だなあと思いつつ、妙に力強い映像(フィルムっぽい映像だけど、おそらく24フレームのビデオ撮り)に惹かれてみていたら、クライマックスは敵に追われて偶然に逃げ込んだ砂浜での撃ち合い。そこに、どうやってその場所を嗅ぎわけ、いったいどこから現われたのか、事件の関係者が次々に現われては撃ち合い、撃たれて死んだと思っていた男が生き返って別の男を撃ち殺し、その男はまた別の生き返った男に撃ち殺されるという尻取りの連続に唖然。最後にある一団が地平線のかなたからGメン’75のように横一列でこっちに向かって歩いてくるのに更に唖然。『東京流れ者』や『DEAD OR ALIVE』に匹敵するとまでは言わないけれど、一見の価値のあるシュールさで、行定監督の狙いはシリアスものでなくこっちだったのね。
スペシャルドラマ「夏の約束」 ★★ 出演:夏川結衣、倍賞千恵子、上條恒彦、蒼井優 55分 北海道テレビ 2002/08/31(土) 15:00-15:55 TVドラマ 2002/09/01
やっと連ドラの主役を得た女優が、母が倒れたとの連絡に、5年ぶりに東京から故郷のウトロに帰る。何かと子供の世話をやきたい親の気持ちと、やたらとベタベタするのがおっくうで5年も帰らなかったりしても、やはり親のことをいとおしく思う娘の、まあ良くある話をそれなりに見せる。見どころは出演陣で、夏川結衣は表情がせつない。蒼井優は『走れ!ケッタマシン』に続いて上條恒彦との共演だが、今回もまたまたいい子の役。
最悪 ★★ 監督:大森一樹 出演:沢田研二、西田尚美 TBS
(BS−i)
2002/08/07(水) TVドラマ 2002/08/13
町工場を経営する沢田研二に、騒音問題で近隣住民ともめたり、融資を当てにして機械を入れたが融資が取り止めになったりと次々と不幸が起こる。彼をはじめ、様々な登場人物たちがそれぞれに問題を抱えているので、全体的に面白いんだか面白くないんだかわからないままドタバタな展開で進んでいく。でも、本当に面白くなるのは銀行強盗が起きるところからで、それがもっと早く起きていたらと思う。沢田研二は、倒産の危機にもがき苦しむオヤジ役としては、腹の出具合はいいかもしれないが、長髪はまずいと思う。その他、三輪明日美、松重豊など出演者が豪華。


その他

タイトル 採点 コメント メディア 年月日(曜) ジャンル 掲載日
更新日
放送禁止 ★★☆   フジテレビ 2003/04/01(火) 26:05-27:05 ドキュメンタリー(?) 2003/04/04
テレビ局のビデオテープの倉庫には、はっきりした理由もわからないままお蔵入りになったテープがたくさん眠っている。その中から、幽霊が出ると噂の廃ビルに忍び込んだ若者グループが、後に次々と失踪した事件を追った2000年撮影の取材テープが今年になって見つかった。テープに映っていたのは、残ったグループの1人や失踪した人の家、そして問題のビルなどを取材して事件の真相を追っていたスタッフたちの姿。そして、そのテープの最後に映っていたのは、なんと!・・・。

というドキュメンタリー番組なのだが、雰囲気からなんとなく感じられたように、これは『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』と同様の嘘ドキュメンタリーだったことが最後に明かされる。ただし、あの映画では撮影クルーが行方不明になったことが最初に明かされるのだが、この番組ではスタッフが行方不明になることは最後まで伏せてあって、サスペンスとしてはこの方が面白い。途中で嘘ドキュメンタリーだと気づいたのは、まず一部出演者が芝居くさかったこと、カメラワークがとっさに起きた出来事に対してアドリブ的ではなく展開を予期していたようであったこと、途中からUFOの目撃とかオカルト方面に話が進んだこと(いくらオカルトとはいえ、超能力やUFOが事件に絡んでいる証拠テープが残っていたら、事件が失踪だけに無視できないシリアスな大ニュースになるはず。)、今日が4月1日だから、など。あと、これはわざとだろうけど、2000年に撮影したはずのテープに、中島美嘉の歌がバックに流れているのが聞こえた。
番組の本当のテーマは、ドキュメンタリーという「体裁」や、映像という「事実」は、必ずしも「真実」を意味するものではないということのようで、その意味では上に挙げた点は視聴者をだましきれなかったという点でマイナス。ただし、事件の鍵を握る「Z」の文字が、失踪した人の残したテキストをめくっていくと途中から各ページに殴り書きしてあったり、廃ビルの中の取材中には気がつかなかったが、取材テープを見るとそこに「Z」の文字が映っていたりと、絶妙のタイミングで現われるのには本当にゾッとした。まあ、これは黒沢清監督の『CUREキュア』の中の「X」の文字のアイディアを頂いたものかもしれないが、2本の映画のアイディアを元にして作られたホラー作品としては上々の出来といったところだった。
カッパやらせ事件 (電波少年に毛がはえた) 出演:一般の日本人、モンモン(カッパ) プロデューサー:土屋 日本テレビ 2002年10月頃 バラエティ 2003/04/04
というわけで、古い話だけど、上の「放送禁止」を受けて。
事件の真相が明らかになる前、遠野にカッパが現われたと聞いた私が思ったことは「誰かが仕組んだんだろう。」ということだった。なにしろ、ものがカッパだから。で、結果は「あー、やっぱり。」で、これは土屋プロデューサーの期待したことだと思うが、世間の声は「やらせはけしからん」だった。「やらせ」ということは、カッパが実在すると少しは信じたということ?(それはマズいだろう) 報道した側も、どういうつもりで報道したの?(大事件?三面記事?) 報道を見聞きする側も、報道されたことには何も裏がないと思っているの? それに、何に対してどんな損害があったから「やらせ」と怒っているの? なんでもかんでも「やらせ」などと簡単に非難するより、状況判断できる目を養うことの方がずっと大事。今回はネタバラシがあったから良かったけど、ネタバラシのないデマには死ぬまで騙され放題ってことになるよ。
流星課長 (grasshoppa!(3)より) 監督&脚本:庵野秀明 原作:しりあがり寿 出演:松尾スズキ、小日向しえ、他 WOWOW 2002/09/03(火) 27:00-28:30 ショートビデオ 2002/09/08
カット割りがマンガのコマ割りそのまんまといった感じで、原作のマンガを想像できてしまうほど。そう思えば、しりあがり寿のマンガらしいバカバカしさは感じられるけど、それをそのまんま動く映像にしちゃっても面白くならないよなぁ。
grasshoppa! (2) 監督&脚本:石井克人、他 WOWOW 2002/09/03(火) 27:00-28:30 ショートビデオ集 2002/09/05
2002/09/26 更新
 「END of the World」(アニメ、監督:小林浩)...日本のアニメによくある戦いの表現をしている、というだけで満足してるような。世界観にこだわるなんてばかげてる。
 「HAL&BONS」(CG、監督&脚本:石井克人)...会話の中身ではなくノリで魅せるという、『PARTY7』と同じアプローチを、映像がCGなのにFIXでワンカットという、さらに難しい課題のもとに行なっているが、肝心のテンションが低すぎ。
 「ミルクのノーマーシー!不倫は文化だ!の巻」(アニメ&実写)...ストーリーを脇にそらせる、会話の調子をはずす、とにかく常識的な流れをことごとくはずせば面白いと思っているような中身だが、それって頭良くないし、ただの不真面目。
 「FROG RiVER(2)」(実写、監督&脚本:伊志嶺 一)...連続ものなんだけど、一向に惹かれない。見るのがつらい。
 「TRAVA(2)」(アニメ)...連続ものなんだけど、一向に惹かれない。見るのがつらい。

というわけで、「grasshoppa(3)」は「流星課長」だけ観ます。
高校野球 ピッチャー   2002/08 教育 2002/08/13
高校野球はいろいろ嫌いなことがあるのだが、ピッチャーがチェンジのときにベンチに走って帰るのがイヤ。そうした方が高校生らしいからということだろうが、歩いて帰っても外野手より先に着くのでチェンジを遅らせるわけでもないし、観ている人が高校生らしさ(という幻想)を感じることなんかより、連戦連投で体を酷使するピッチャーの体のことを考えるべき。バッターは走ってバッターボックスに行かないのだから、こんなのは単なるつまんない因習!
マスクマン、異人たちとの夏 ★★☆ ゲスト:宍戸錠   2002/08/10(土) TV番組 2002/08/13
俳優って演技力だけでもなく、容姿だけでもなく、ましてや私生活の良し悪しなんてもので決まるものでもない。宍戸錠はほっぺたを膨らませる整形手術をしたことでブレークし、それを取ることでいろいろ言われたが、ほっぺの形で俳優としての良し悪しの話にまでなってしまうのは、彼としては嫌だったのだろう。実際、往年の日活アクション映画で見る彼の雄姿は、単なる不敵な面構えの俳優のものではなく、今は細面になった宍戸錠のものである。
鈴木京香   2002/08 その他(人物) 2002/08/13
どうも最近、鈴木京香しか見ていないような気がするのは、『釣りバカ日誌13』「濱マイク」に加え、なんといっても地元東北の各地(北東北のみ?)に現われているJR東日本のCM。といっても、十和田湖は合成で、浄土が浜はナレーションだけ。角館の秋田美人の高校生3人と一緒に出演しているのが一番のお気に入り。鈴木京香しか見ていない現象は、『竜馬の妻とその夫と愛人』『木曜組曲』と、今後も続くと思われる。
LIFEカード ★★☆ 15秒、主演:窪塚洋介、監督:岩井俊二   2002年 TVCF 2002/07/24
窪塚洋介の自宅から始まって、電車に乗ったり母校を訪ねたりと、次第に活動範囲を広げている好調シリーズ。8ミリフィルムで撮影したような映像もいい。
アイフル 「どうする?アイフル!」 ツーリング編&ダイビング編 ★★★ 15秒   〜2002年07月 TVCF 2002/07/27
2002/08/05 更新
今一番面白いCFといえば何といってもこれでしょう! 増感現像したような濃い色調の映像やストーリーもいいが、とにかく音楽が異常すぎる。軽やかに始まって4拍子から2拍子に変拍子、そして「どうする?ア〜イ〜フ〜ル〜ゥ〜ァ〜!」。ここで、テレビに合わせてシャウトするのが最近のお楽しみ。
(8/05)やはりあの異常さが問題だったのか、7月で打ち切り? 残念。

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