映画の感想 2008年 2011/10/23 更新
採点基準
★★★★ :人類の宝 (最高) ★★★☆ :絶対必見 ★★★ :観るべき映画 ★★☆ :観ても良い ★★ :中間 ★☆ :観なくてもいい ★ :観る価値はほとんどない ☆ :作者もろともこの世から消えてなくなれ (最低) なし :あえて採点しない(最低ではない)
基本的に、ネタバレがある可能性があります。
文章などの内容には、時々変更や追加が入ることがあります。
2008年公開作品(2007年以前に鑑賞) 2008/07/14
2008年公開作品(映画館以外で鑑賞) 2008/09/23
ビデオ、劇場上映 //
映画祭/上映会/2009年公開予定/公開未定作品 2008/10/27
2007年公開作品(2008年に鑑賞) 2011/10/23
2007年公開作品(2008年に映画館以外で鑑賞) //
2008年に映画館等で観た旧作 2008/10/27
2008年公開作品 2009/06/13
邦画 | 洋画 | 米 | 英 | 仏 | 独 | スペイン | 露 | 加 | 中国 | 香港 | 台湾 | 韓国 | イスラエル | ブラジル | 計 | ||
拡大公開作品 (東京都心で4館以上かつ全国で200館程度以上で公開) | 10 | 20 | 17 | 1 | 1 | 1 | 30 | ||||||||||
ミニチェーン作品 (東京都心で3館もしくは全国で100館程度で公開) | 16 | 17 | 10 | 1 | 1 | 1 | 1 | 3 | 33 | ||||||||
ミニシアター作品 (東京都心で2館以下で公開) | 32 | 29 | 9 | 2 | 3 | 2 | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 | 2 | 2 | 1 | 1 | 61 | |
計 | 58 | 66 | 36 | 4 | 4 | 2 | 2 | 2 | 2 | 6 | 2 | 2 | 2 | 1 | 1 | 合計=124作品 |
【註】上の表の国の区分けは、データベースなどの表記による正式なものに代わって、台詞の言語、主なスタッフやキャストの国籍などによります。
例えば、『片腕マシンガール』は正式にはアメリカ映画(製作がアメリカ)ですが、ここでは邦画に含めています。
タイトル | 採点 | 分類 | 製作国 | 公開規模 | 更新日 | 累計 |
GOTH | ★★ | 感覚系、ドラマ系 | 日 | ミニシアター系 | 2009/01/18作成 2009/02/07更新 |
113 |
硬質な画面と主人公2人のスカした芝居の凝った演出で、観る者をスクリーンに惹きつけようという意気込みは感じられるが、スカシ芝居が結局最後までどこにも収束しないままなので、スクリーンとの距離が近づかないままに終わったような印象を受けた。 |
その日のまえに | ★★★☆ | 観念系、妄想系 | 日 | ミニチェーン系 | 2009/01/18 | 112 |
この地上に天国があるとすれば、それは大林宣彦監督作品の中にあると思えてしまう。 人々が生きている世界は現在だけで成り立っているのではなく、記憶の中にある過去の風景やそこにいた人々、過去の存在の証として遺された品々、そしてさらには既にこの世にはいない人々までもがこの世に関わっているような、もっと大きな世界であるという幸福な観念的イメージを、映画の力を借りて可視化させている。 映画を作る目的は、現実の再現や小説の映画化など作り手それぞれだが、「天国」のような世界を作り上げる(もしくはでっち上げる)ことをやってのけているのは、大林監督ぐらいしかいないと思われ、映画監督として彼が別格たるゆえんである。 1つ贅沢な難点を言えば、「過去」「死者たちの世界」は大林作品ではおなじみの要素で、それらを中心にすえることでこんな素晴しい映画ができてしまうことが、当たり前すぎてちょっとつまらなく感じてしまうこと。 |
ワールド・オブ・ライズ | ★★ | ドラマ系 | 米 | 拡大系 | 2009/01/18 | 111 |
とりあえず感じたのは、普通の「CIA諜報員の諜報活動モノ」。 どういうわけか、いい感想も悪い感想も出てこない。 悪くないはずなのに、何も残らない。 何故だろう? |
アリア | ★★★ | ドラマ系、感覚系 | 日 | ミニシアター系 | 2009/01/18 | 110 |
天国はまだ遠く | ★★ | ドラマ系 | 日 | ミニシアター系 | 2009/05/05 | 109 |
加藤ローサが途方にくれた顔で夜汽車に乗り、死に場所を探しながら行き当たりばったりで山奥の民宿にたどり着く、という始まり方に、こんなベタな深刻描写で大丈夫か?と思ってしまった。 でも、死にぞこなった彼女が、その後不思議ちゃんっぽい言動で民宿の主のチュートリアル徳井と渡り合って映画を引っかき回すようになり、彼女の得意な役柄で魅力を発揮できていた。 キャスティングがピッタリなのは良いのだが、長澤監督の前作『夜のピクニック』(★★)の感想でも述べたとおり、キャスティングが絶妙に決まった時点で満足してしまって、それ以上の作りこみがおろそかな印象をこの映画でも受けた。 |
俺たちに明日はないッス | ★★★ | ドラマ系 | 日 | ミニシアター系 | 2009/05/05 | 108 |
とにかく早く童貞を捨てたいと考えた主人公の男子高校生たちは、当然体だけが目当てで、相手が恋愛対象である必要は無かったはずだが、それがいつの間にか愛に振り回されて悩み苦しむことになってしまうという、「愛の魔力」が良く描けていた。 |
ブラインドネス | ★★ | 象徴系 | カナダ=ブラジル=日 | 拡大系 | 2009/01/18 | 107 |
宇宙人が地球に攻めてきたら、人間たちは戦争を止めて1つになるみたいな話があるように、人間が当たり前のように享受しているものが失われると、社会が変わって中には良い変化もある、例えば目が見えなくなることで、逆に今まで気づかなかったことに気づくこともある、という現実社会の何かを象徴した映画なのか? それにしてはその「何か」がもの凄くイメージしづらい。 唯一目が見えるジュリアン・ムーアは言わば神のような存在なのだが、あるときは現実の神のよう人々の不幸に対して傍観者であるかと思えば、別の時には人間臭い感情的な行動をしたりするので、神というわけでもなさそう。 ましてや、現実に起こりうるパンデミックを描くことが目的の映画かといえば、それなら伝染病を実在のものにすればよく、架空の病気にしてリアリティを弱くする必然性が無い。 というわけで、結局意図が伝わらずじまいの映画だった。 まあ、唯一感じたことは、人々が切羽詰ると、あっという間に街や屋内が汚れるという目に見えた変化が実感できたこと。 |
斬〜KILL〜 | ★☆ | 感覚系 | 日 | ミニシアター系 | 2009/01/18 | 106 |
4人の監督による4話オムニバスで、それぞれ映像や芝居や設定にもの凄く凝っているんだけど、どれもこれも直感的に楽しくない。 ざっとその理由を考えれば、結局登場人物に人間味が無くて感情移入出来ないから、といったところか? |
その土曜日、7時58分 | ★★★ | ドラマ系 | 米 | ミニシアター系 | 2009/01/18 | 105 |
犯罪者がどんどんドツボにはまっていく、まるでコーエン兄弟作品のようなストーリーはやっぱり面白い。 |
デス・レース | ★★★ | 感覚系 | 米 | 拡大系 | 2009/01/18 | 104 |
マシンガンの撃ちまくりっぷりが凄い、車の激突が凄い、爆破が凄い、生身の肉弾戦での相手を殴るその重い一撃が凄い、ジョアン・アレン演じる悪役っぷりが凄いなどなど、アホカッコイイ領域にまで達している。 そして定番の展開でありながらその定番であることのマイナスイメージを感じさせないなど、色々よく出来ている見事な「アクションバカ」映画。 料理に例えれば、最近は食材を数多く入れ込んでトリッキーな調理法をする料理人を持ち上げる風潮があるが、『デス・レース』のように単純な素材をシンプルな調理法で美味しい料理に出来る料理人の方が絶対に優れている。 また、こんな単純な映画でも、経済が何事よりも優先されることの恐ろしさを思わせるところがいい。 |
ハッピーフライト | ★★★☆ | ドラマ系、お笑い系 | 日 | 拡大系 | 2009/01/18 | 103 |
矢口史靖監督は、今や「ハズさずに面白い映画を作る」ことに関して、世界中のどの監督よりも高い確率で出来るのではないだろうか? それを実現している秘訣は、脚本、芝居、映像などの各要素において、あらを見せずに面白いものを目指すことにおいてひたすら完璧を目指すという、特別なことではない当たり前のことをしているだけのようである。 そんな当たり前のことの具体例はというと、あれだけたくさんの面白い人々が数々のドタバタエピソードで笑わせてくれるというのに、作り手はどの登場人物も見下していないし、それどころか一番とんでもない綾瀬はるかの役ですら最終的には素敵に見えるし、悪役っぽい登場人物でも映画自体を不愉快な印象にさせることはないなど、そんなレベルまで突き詰めている。 映画を楽しく気持ちよいものにするという明確な目的を持っていて、それを実現するために何をどうすればいいかということを全部把握しているようである。 これって当たり前のことのはずだが、実情はというと、ここまで出来ていない映画の方が当たり前だったりするから、「矢口監督が特別凄い」のか?「他の監督が見劣りし過ぎ」なのか?いったいどっち? |
ニュータイプ ただ、愛のために | ★★ | ドラマ系、感覚系 | 日 | ミニシアター系 | 2009/01/18 | 102 |
いかんせんストーリーが「愛する人のために自分を犠牲にするか?」ということだけで量的に不十分だし、その選択が超能力を使うことに関してなので、観る者にとっては自分のこととして考える意味も無い。 それでも、廣木監督の演出に手抜きは無く、長回しでじっくり芝居をさせ、ロングショットで風景をとらえ、要所要所はアップで表情をとらえるなどにより、画面の緊張感は抜群であった。 |
1408号室 | ★★☆ | ドラマ系、感覚系 | 米 | 拡大系 | 2009/01/18 | 101 |
まあ退屈しなかったので良かったのだけど、ホテルの一室に宿る「呪い」の実態が、主人公の心の奥底の罪悪感を刺激して苦悩させるというもので、呪いをそんなふうに「筋の通った」ものにしちゃうと、なんかスケールが小さくなっちゃって物足りなさを感じてしまう。 理由も理屈も無く、とにかく人間を無差別に呪っちゃっう方が面白いと思うのだが…。 |
ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発 | ★★ | ドラマ系、お笑い系 | 日 | ミニチェーン系 | 2009/01/18 | 100 |
真木栗ノ穴 | ★★☆ | 感覚系 | 日 | ミニシアター系 | 2009/01/18 | 99 |
『ツィゴイネルワイゼン』(★★★★)でもそうだったけど、鎌倉の切り通しを通った向こう側には、この世とは違う世界があるようだ。 ちょっとホラーでちょっとエロい映画で、よくまとまっている。 |
シルエット | ★☆ | 感覚系 | 日 | ミニシアター系 | 2009/01/18 | 98 |
映画は、観る者にエモーションを伝えるという目的のための手段に過ぎないのか?それとも、何かのための存在ではなく映画そのものとして存在することが目的なのか? 難しい問題だが、私が映画を観ている時の気分は前者の方を期待している。 だから、『シルエット』がモノクロサイレントというスタイルこだわるのは構わないけど、そのスタイルが「目的」になってしまっているように感じられたことが残念で、やっぱり「手段」であって欲しかった。 そう感じた具体的な理由は、往年のサイレントコメディの体を使った演技を再現した前半は良かったが、壊れかける恋愛関係が中心になる後半で、そんな状態での登場人物の「エモーション」の表現が不十分に感じたから。 例えばもっとアップで表情をとらえるとか、もっと身振りを大きくするとか、そのような演出は往年のサイレント映画も見られたが、それはそんな映画が「エモーションを伝えるための手段」としての映画を目指していて、台詞に頼れないが故の大きな感情表現だったからではないだろうか? |
イーグルアイ | ★★ | ドラマ系、感覚系 | 米 | 拡大系 | 2009/01/18 | 97 |
科学的&テクノロジー的な間違いが山ほどある。 それよりも、主人公を翻弄する理由があれならば、彼の身柄を確保して得意の情報捏造で護送させればいいのであって、彼を逃亡させるというリスクの高いことをする意味が無いというストーリーの大穴もある。 でも、それらより問題なのはこの映画の製作意図で、ヒッチコックの『知りすぎていた男』のストーリーの約60%を流用した事実上のリメイクなのか?それとも、国家がIT活用を進めることの危険性を告発する社会派映画なのか?どっちを目ざしたんだろ? 結局、一番の難点はアクションシーンが雑なことで、やたらアップと早いカット割りの映像は、ズンズンうるさいBGMと合わせて勢いでごまかそうとしているようにしかみえない。 |
X-ファイル:真実を求めて | ★★ | ドラマ系 | 米 | 拡大系 | 2009/01/18 | 96 |
悪人のしたことの成果が、善人にとっても必要なことがあるという、世の中は善と悪とに分けられないものだということを反映した物語。 |
ホームレス中学生 | ★★★ | ドラマ系 | 日 | 拡大系 | 2009/01/18 | 95 |
ベストセラーの同名作は未読だが、そこからは有名エピソードを数件引用することでオリジナルに義理立てして、おそらくはエピソードの大半は新たに追加した、事実上は原作無しの映画オリジナルストーリー。 その結果、野宿をする羽目になるという他人事にしか思えない特殊な内容ではなく、中学生が生きる目標を見失いかけるという普遍的なストーリーに設定して、ドラマとしてしっかり作って見応えのある映画になった。 |
レッドクリフ Part I | ★★ | 感覚系 | 米=中国=日=台湾=韓国 | 拡大系 | 2009/01/18 | 94 |
ジョン・ウー念願の企画ということは、香港ノワールやハリウッド映画にはない、自国のコスチュームプレイや合戦シーンに思い入れがあったということだろう。 そして出来上がった本作は、人間模様はシンプルで合戦シーンがメインになっている。 しかし、そんな合戦シーンは、大量のエキストラを動員しているにもかかわらず、まるでチョウ・ユンファの二丁拳銃のようなトリッキーな動きをする個人技が中心で、「モブシーンと個人技、ホントはどっちをやりたいの?」という疑問が起こる。 それから、私は登場人物の想いを強く感じられる映画が好きなので、大人数が大きな出来事に巻き込まれるストーリーだと、どうしても一人ひとりの想いが薄まってしまうのが不満。 |
ブリュレ ("brulee"【仏語】意味:「焼かれた」、「[クレーム]ブリュレ」) | ★★ | ファンタジー系、ドラマ系 | 日 | ミニシアター系 | 2009/01/18作成 2009/02/07更新 |
93 |
狙いは岩井俊二か? 「雪」と「瓜二つの女性」という『Love Letter』を思わせる要素があるし、双子が列車に乗っているシーンの、撮影や早いカット割りの編集も岩井っぽい。 でもそれ以上に似ているのが、映画における「グッとくるつぼ」を押さえることに周到で、反面ディテールの整合性(話の辻褄)とかリアリティには無頓着(というより、物語重視が故のリアリズム排除)なところ。 「つぼ」の例を挙げると、「離れていても通じ合う双子の神秘」、「炎を見ると変な気分になる」、「過去の思い出や事件のトラウマ」、「はかない命」、「逃避行」、「黒髪の少女」、「雪景色」など。 さらに勘ぐれば、この映画のつぼの中のつぼといえる、双子の姉妹のキスシーンを撮りたいがために、その前後のストーリーを考えて1本の映画が作られたようにも思える。 整合性とリアリティに対して無頓着なストーリーなので、ドラマとして掘り下げようがない、「物語」に過ぎないのだが、それよりもとにかく「つぼにはまる」忘れられない映画で、監督の思い入れが現れていることに好感が持てる。 |
リダクテッド 真実の価値 (Redacted (意味:「編集された」)) | ★★ | 社会派系 | 米=カナダ | ミニシアター系 | 2009/01/18 | 92 |
米兵が駐屯するイラクの様子を、映画のカメラが撮影するのではなく、米兵のカメラ、報道カメラ、テロリストのカメラ、監視カメラなどが捕らえた映像をそのまま使って編集したという体裁で作られた映画。 それは、現実感を出すための体裁だろうが、所在がバラバラの映像ソースを編集することが不可能なのだから、印象としてはドキュメンタリーよりも普通の映画に近く、あまり意味は無かったかも。 米兵が駐留先の民間人女性をレイプするという内容は、デ・パルマ監督は既に『カジュアリティーズ』で取り上げていて、非常な状況であっても兵士の無秩序を許さないという監督の意志を感じる。 それから、隠し爆弾によるサスペンスは『ファントム・オブ・パラダイス』『アンタッチャブル』(拡大解釈すれば『キャリー』も)などでおなじみのデ・パルマの得意技で、さすがのハラハラドキドキ感だった。 |
GSワンダーランド | ★★★☆ | ドラマ系、お笑い系 | 日 | ミニチェーン系 | 2009/01/18 | 91 |
ストーリー的には『ドリームガールズ』のような「挫折と栄光」モノなんだけど、こっちの方が絶対いい。 その理由の1つは、あっちには無かった「スターは大衆のオモチャ」という、今の時代でも変わらず実感できる悲哀がこの映画にはあったから。(スターを使い捨てる傾向って、ひょっとして日本だけ?) GSの映画ということで、観る前から道化たちのはかない運命は想像出来るのだが、それでも素敵な音楽とギャグを散りばめながら、道化たちの意地と輝きの生き様、「夢」と「シリアスな現実」を絶妙なバランス感覚で描いていて、本当に素晴らしい。 |
トロピック・サンダー 史上最低の作戦 | ★★ | 皮肉系、お笑い系 | 米 | ミニチェーン系 | 2009/01/18 | 90 |
ハリウッド映画のさまざまな問題をおちょくっている内容は面白いんだけど…、なんかやっぱり身内ウケっぽいなぁ。 批判めいた筋の通ったギャグより、唐突で無意味でくだらないギャグの方が面白かったから、そっちがの比重がもっと大きかったら良かったのにと思う |
七夜待 | ★★ | 妄想系 | 日 | ミニシアター系 | 2009/01/18 | 89 |
結論から言えば、河瀬直美監督の前作『殯の森』と同じテーマの映画だと思うが、ショットの冴えという点で前作に比べて劣る。 両作品とも、「客観的な現実」とか「相互理解」よりも、「主観的な信念(=思い込み)」の方が重要だと言っている映画だと思った。 そのために、前作では認知症、『七夜待』では言葉が通じない&他人のことをすぐ決めつける人々という設定で、登場人物同士のコミュニケーションを絶っている。 その上で、主人公たちが各自にとっての現実に対するイメージやフィーリングを自分自身で獲得していく姿を描いている。 イメージやフィーリングといった、言葉では表現できないようなことを映画で表現しようという監督の思い入れはいいのだけれど、描く対象が「当人が獲得した、当人のみが感じ取れて、当人以外の人には同じように感じることが難しいモノ」になってしまっては、そんな観ても理解できない映画の存在意義って果たして何なのか?さらには、何を表現しようとしているのかを、演じる長谷川京子、そして監督すらちゃんと理解しているのかすら疑わしく思える。 そのくらいはクリアしてなきゃいけないような気がするんだけど…。 現状、あまりにも取り付く島がなくて…。 |
石内尋常高等小学校 花は散れども | ★★☆ | ドラマ系 | 日 | ミニシアター系 | 2009/01/18 | 88 |
僕らのミライへ逆回転 | ★★ | ドラマ系 | 米 | ミニチェーン系 | 2008/10/27 | 87 |
この映画の根底にあるのは、映画が観る人の心を豊かにするということからハズレてしまったハリウッド大作と、映画への愛情が全く無い大手のレンタルビデオショップに対する不満と対抗心だろうけど…、その意見はこの映画を観に来た人なら観る前から同意済みだろうから、こういう映画は「こっち」じゃなくて「あいつら」に向けて作ってよ。 「あいつら」の気持ちを動かさなければ「こっち」側の勢力が伸びることは無いんだから。 |
闇の子供たち | ★★☆ | ドラマ系、社会派系 | 日 | ミニチェーン系 | 2009/01/18 | 86 |
日本のパートは、弱みに揺れる心や葛藤などが真に迫っていてリアリティがあったのだが、反面タイのパートにリアリティが感じられなかったことが気になった。(自国に比べて他国の現状には疎いから実感しづらいのは当然とも言えるけど) 特に、冒頭子供たちをビルマから連れて来たりする組織の男のポジションが、やっていることは極悪非道だが心の中だけは子供に同情的で、本性を捕らえにくかったりすることが。 日本パートで唯一リアリティが無かった登場人物は、結果を考えずに感情で突っ走る宮崎あおいで、そのときは彼女を子供っぽいと思っていたのだが、ラストでむしろそんなストレートな考え方の方が、冷静な「大人の考え方」よりもよっぽど現状打破の原動力になるのでは?と思い直した。 |
おろち | ★★ | ドラマ系 | 日 | ミニチェーン系 | 2008/10/27 | 85 |
主演の木村佳乃が、「この映画は、自分がいかにハイテンションな芝居が出来るかにかかっている」ということをちゃんと理解しているような熱演で素晴らしい。 谷村美月も凛々しい表情がさまになって、いつにも増して魅力的な姿で撮られている。 でも、そんなキャラを受け止めるストーリーの方が弱いと感じた。 29歳になると容姿が崩れていく遺伝病(?)にかかっているという設定は、その病気は老化の象徴であると捉えることしか出来なかったのだが、それならそのものズバリ中年へと差しかかることを恐怖とした設定の方がより身近で生々しく恐れが実感できたのではと思い、病気というワンクッション置いた設定にしたことで、表面的には解りやすい代わりに実感出来にくい映画になったような気がする。 |
わが教え子、ヒトラー | ★★ | ドラマ系 | 独 | ミニシアター系 | 2008/10/27 | 84 |
ヒトラーをコケにする映画なら既に『独裁者』があるし、保身と戦いの板ばさみに合うユダヤ人なら最近の『ヒトラーの贋札』の方が面白かったし、ヒトラーを普通の人間のように描くタブーに挑戦したとはいっても、彼が死んだからといってナチズムは無くなったわけではないし、ほとんど全部の他の国だって判で押したように同様のナショナリズムとそれを押し進めるために異民族蔑視を利用することがあるわけで、ナチスドイツの悪行の原因は人間離れした悪人であるヒトラーが存在したからではないのは明らかで、むしろ彼は特別な人間でなかったと考える方が自然だし、大衆が抱える問題の言い訳に彼を利用されることも出来なくなる。 以上、いろんな点で分が悪い映画だった。 |
宮廷画家ゴヤは見た | ★★ | ドラマ系 | 米=スペイン | ミニチェーン系 | 2008/10/27 | 83 |
期待したよりも胸に迫るものが無かった。 その原因は、宗教、権力、民衆といった、「図式」で語られるようなひとかたまりのレベルでしか物語が進行しないで、登場人物一人ひとりの個人のレベルでの想いとか葛藤が希薄だったからだろう。 ハビエル・バルデム演じる主人公が、「ああいう立場にいた人にありがちな役」としか見えなくて、1人の人間として映画の中で生きているように実感できなかったのがその典型だった。 |
アキレスと亀 | ★★ | ドラマ系 | 日 | ミニチェーン系 | 2009/05/05作成 2009/06/10更新 |
82 |
芸術家が創作の目標を見失って試行錯誤を繰り返すが、何をやっても上手くいかず苦悩するというストーリーは、監督の前作『監督・ばんざい!』(★★★)と同じ。 よって、『監督、ばんざい!』が北野監督自身についての映画だったのと同様に、この映画も監督自身についての映画だと思われる。 実際この映画の主人公は、子供のころに絵をほめられたことがきっかけで、調子に乗って画家になって行き詰るのだが、それは北野監督の初期作品の評判が良かったので、それ以降の作品製作が続いたことに重なる。 また、大森南朋演じる画商がたけし演じる画家に「こんな絵じゃ売れない」とか、「今はこういう新しさのある絵を描かなきゃダメだ」みたいに、的確なアドバイスではあるのだが、創作者を差し置いて上の立場から創作について語ったり、しかも主に商売になるかどうかについての内容だったりする。 画商の立場は、映画監督に対するプロデューサーのようなものだろうが、他にも北野監督が彼の作品に対する評論家の評価や世評や興行成績に関して頻繁にコメントしていたことから、彼は意外に世間の反応を気にするたちで、他人の評価に振り回されやすいということを自覚して表しているのかもしれない。 でも、画商が売れないと言った(私は良いと思った)絵が、その後レストランに飾られているのが映されるシーンがあるように、彼は他人の声を気にしつつ、一方で偉そうに言ってるだけで何も解ってないとか、いつか自分が正しいことが解ってもらえると思っていて、相反する思いがあるようだ。 この映画が『監督、ばんざい!』と違うのは、あちらが創作の目標を見失ってもがき苦しんでいる現状をそのまま映画にしていて、オチも当然答えのないままで終わるのだが、『アキレスと亀』は答えが見つかったような形で終わっていること。 答えが判らないならその混乱を映画にするのはいいのだが、答えが判っているなら答えが出るまでの過程なんか映画にするより、答えが出た新たな段階での新作を観てみたかった、というのが残念。 |
東京残酷警察 | ★★☆ | 感覚系 | 米 | ミニシアター系 | 2008/10/27 | 81 |
冒頭の見せ場で、主役のしいなえいひの表情や身のこなしがカッコよくて美しく、血しぶきすらその美しさを引き立てることに一役買っていた。 おかげでそれ以降、映画は表面的には残酷な映像のシーンが続くのだが、観ている気分としては「怖い」とか「気持ち悪い」ではなく、「カッコいい」「美しい」といったものだった。 主役同様にほぼすべての脇役にも見せ場が用意されていて、俳優たちも気合を込めて演じているのが伝わってくるのが素晴らしい。 特に女性陣の頑張りがすごい。 『ロボコップ』を荒っぽく組み直したようなストーリーの問題をものともしない、映像の力で押しまくる映画だった。 |
ゲット スマート | ★★ | 感覚系 | 米 | 拡大公開系 | 2008/10/27 | 80 |
小ネタは頑張って数多く仕込んであって笑わされたんだけど、大ネタは見るべきものがほとんど無くて、映画全体に対してはそんなに面白くなかったというのが観終わっての正直な感想。 |
トウキョウソナタ | ★★★ | ドラマ系 | 米 | ミニチェーン系 | 2009/01/18 | 79 |
大人は子供に対してこうなって欲しいと思ってもそうすることに関しては無力で、そもそも大人自体が自分自身の思うように生きることさえままならないのだから、子供の人生をなんとかできるはずもない。 そして、結果として子供は大人に手を借りなくても自分で生き方を見つけていくものだ、という映画なのだろう。 同じ黒沢清監督の『アカルイミライ』もそんな映画だったと思うが、『トウキョウソナタ』の方が受け入れやすくなっていると思った。 その違いは『アカルイミライ』の「淡水の川を泳ぐクラゲ」のようなオカルト的で象徴的で非現実的な要素が『トウキョウソナタ』では無くなって現実的な映画になったことや、『アカルイミライ』の硬質なビデオ撮りの映像に比べ『トウキョウソナタ』のフィルム撮りの方に暖かみを感じられたことなどなどか? 演出的にも素晴しく、家庭を守ることに必死だった小泉今日子演じる母親が、態度を変えるきっかけとして束ねていた髪をほどくところなど、ゾクッとさせられた。 |
イエスタデイズ | ★★☆ | ドラマ系 | 日 | ミニシアター系 | 2008/10/27 | 78 |
反発して疎遠になっている父と向き合うことになるシリアスでデリケートな部分と、現実離れしたファンタジーの部分とを力ずくでくっつけたような奇妙なストーリーで、いい加減な演出ではアラが目立ってダメになっていたかもしれないが、芝居なども粘ってじっくり撮っていて安定感が感じられた。 そして、何より主演の塚本高史が素晴らしく、彼は演じる役に「真剣さ」を感じさせる。 彼の演じる青年が現実離れした状況にも真剣に向き合っていることを感じさせるからこそ、シリアスとファンタジーの橋渡し的な役目を果たして両者が乖離することなくまとまった映画になったのだろう。 |
P.S.アイラヴユー | ★★ | ドラマ系 | 米 | 拡大公開系 | 2008/10/27 | 77 |
病死した夫が遺した手紙が定期的に送られてくる妻が、手紙に従って2人の思い出の地をたどるという展開により、2人の愛の軌跡が描かれる。 この展開だと、妻は手紙が届くたびに夫のことを思い出し、その不在に苦しみ続けることになるので、妻を愛する夫ならむしろ自分のことは早く忘れて欲しいと願う方が正解だろ!?との疑問を抱きながら観ることになるが、さすがにそんな筋違いな展開は続けずに、最後はキレイな形で終わるストーリーになっている。 「キレイ」は即ち「絵空事」であるとも言えるのだが、まあギリギリ許容範囲内か? ヒラリー・スワンクって今まで特に意識して見たことがなかったのだが、20歳ぐらいの頃の設定での演技にも挑戦していて、表情が豊かでいい。 |
小さな赤い花 | ★★☆ | ドラマ系、象徴系 | 中国=伊 | ミニシアター系 | 2008/10/27 | 76 |
最後の初恋 | ★☆ | ドラマ系 | 米 | 拡大公開系 | 2008/10/27 | 75 |
そんな悪い映画なのではないかもしれないけど、直前に観た映画に比べれば、子供を持つ大人同士に恋心が芽生えるとか、子供との難しい係わり合いとか、ありがちでどうでもいい話といった感じ。 |
天安門、恋人たち | ★★★☆ | ドラマ系 | 中国=仏 | ミニシアター系 | 2008/10/27 | 74 |
遠い道のり | ★★☆ | ドラマ系 | 台湾 | ミニシアター系 | 2008/10/27 | 73 |
ダークナイト | ★★★ | ドラマ系 | 米 | 拡大公開系 | 2008/10/27 | 72 |
落下の王国 | ★☆ | 感覚系、ドラマ系 | 米 | ミニシアター系 | 2008/09/16 | 71 |
ウォンテッド | ★★☆ | 感覚系、ドラマ系 | 米 | 拡大公開系 | 2008/09/16 | 70 |
パコと魔法の絵本 | ★★★ | ドラマ系、感覚系 | 日 | 拡大公開系 | 2008/09/14 | 69 |
一見して荒っぽい表現なのだが、でもそんなことの良し悪しより、ここには映画に一番大切なものがあふれている。 それはずばり「ハート」で、これまでの中島監督作品『下妻物語』『嫌われ松子の一生』から一貫して「弱者」「敗者」「ダメ人間」「はみ出し者」たちの側に立った映画を作り続けている。 独特の映像表現について多く語られがちな監督だが、そんな「手段」よりも観る者の気持ちを動かすという「目的」こそが重要という姿勢にブレがないことが、彼の作品の良さだろう。 |
放送禁止 劇場版 密着68日 復讐執行人 | ★★☆ | フェイクドキュメンタリー | 日 | ミニシアター系 | 2009/05/05 | 68 |
フェイクドキュメンタリーのリアリズムの徹底という面では、望遠レンズで隠し撮りしているように見えるシーンで、音声は録られている本人が身につけているマイクで録ったようにクリアだったりで、そんなにシビアではない。 でも、例えばインタビューしている相手が答えにつまって絶句しているところを、手持ちカメラの微妙にゆれる映像で10秒ぐらい無言のまま写したりしていて、こういう生々しい映像はドキュメンタリーでは見られるのだが、普通のフィクション映画では見られない。 つまり、フェイクドキュメンタリーがフィクションの表現の可能性を広げていることを示している。 |
次郎長三国志 | ★ | 映画ごっこ系 | 日 | 拡大公開系 | 2008/10/27 | 67 |
まるで、ここ最近20年ぐらいの間に映画を3本ぐらいしか観たことのない人が作ったんじゃないかと思うくらい、今のお客さんが喜ぶ映画を作ろうという気持ちが感じられず、全然別のところを目指しているような映画だった。 そんなお客さん無視を象徴しているのは斬り合いのシーンで、刀を左右に小振りに振り回すと、それに合わせて斬られ役の人たちが斬られるだけの殺陣で、それを手持ちカメラが被写体に近づくことで、アップとブレブレの画面で詳細を解り難くしてしょぼい殺陣をごまかしているといった具合。 『たそがれ清兵衛』とか『座頭市』(北野監督)のように、ちゃんとした斬り合いの映画が最近あったから、「ダメなのは時代のせい」なんて言い訳は出来ない。 結局、この映画の製作目的って、監督が叔父さんのマキノ雅弘の作品をリメイクすることで、「マキノ」の後継者を気取りたかっただけなんじゃないの? ついでに、江戸時代の物語なのに、明治時代に作られた「ちゃっきり節」が劇中で歌われるのは、気が緩んでいた上でのミス?それとも、何かの意図?(特別な意図があるようには思えなかったけど。) |
スカイ・クロラ | ★★ | ドラマ系、観念系 | 日 | ミニチェーン系 | 2008/09/13 | 66 |
たみおのしあわせ | ★★ | ドラマ系 | 日 | ミニシアター系 | 2008/09/13 | 65 |
言えない秘密 | ★★☆ | ドラマ系、感覚系 | 台湾 | ミニシアター系 | 2008/09/13 | 64 |
『瞳の中の訪問者』あたりの、昔の大林宣彦作品のような感じだった。 風景のいいロケ地の選び方といい人物の撮り方といい、映画全般に渡って画作りがかなり念入りで、映画の雰囲気を良くすることに対して効果絶大。 |
それぞれのシネマ | ★〜★★ | オムニバス | 仏 | ミニシアター系 | 2008/09/13 | 63 |
34人の世界の映画監督によるオムニバスで、1本当たりたったの3分間しかないので、作品としてそれなりの形になっているもの、納得できないうちに終わってしまうもの、オチをつけるストーリー形式にしてこじんまりとした映画に思えたものなど、さまざま。 こんな状況では、短時間で見るものを引き付ける力のある、デヴィッド・リンチやウォン・カーウァイなどが有利。 |
3分間 (監督:テオ・アンゲロプス) | ★☆ | 感覚系 | ギリシャ | 2008/09/08 |
ジャンヌ・モローが、今は亡きマルチェロ・マストロヤンニを映画館で見つけて話しかける。印象的な映画だが、3分間で問答無用のラストを唐突に迎える。 |
再燃 (監督:オリヴィエ・アサヤス) | フランス | 2008/09/08 |
内容失念 |
最後のデート・ショウ (監督:ピレ・アウグスト) | ★☆ | ドラマ系 | デンマーク | 2008/09/08 |
言葉のわからない外国人の女性に恋人がいちいち映画の説明をしたことで、男3人組と険悪になり、女が男たちに誘拐されたを思った恋人が彼女を探すと、映写室で彼女が3人組から説明を受けて映画を観ていた、というオチ。 |
レディ・バグ (監督:ジェーン・カンピオン) | ★☆ | 感覚系 | ニュージーランド | 2008/09/08 |
古い映画館に住む虫がスクリーンの前で踊り、従業員が殺そうとする。なんか良かったんだけど、結局ほとんど覚えていない。 |
47年後 (監督:ユーセフ・シャヒーン) | ★ | エジプト | 2008/09/08 |
約50年前、カンヌに出品した駆け出しの新人監督が、47年後にやっと受賞して拍手喝さいを受ける。これは実話? よく解らなかった。 |
チュウシン村 (監督:チェン・カイコー) | ★ | ドラマ系 | 中国 | 2008/09/08 |
廃墟のような映画館で、子供たちが自転車で発電してチャップリンの『サーカス』を勝手に上映するが、見つかって逃げていく。いかにも子供の純朴なイメージ乗っかった感じ。 |
最後の映画館における最後のユダヤ人の自殺 (監督:デヴィッド・クローネンバーグ) | ★★ | ドラマ系 | カナダ | 2008/09/08 |
未来。映画が見放されて世界で唯一残った映画館のトイレで、世界最後のユダヤ人がピストル自殺しようとしている決定的瞬間の映像を、ニュース番組が実況している。固定カメラによる動きのないワンカットの映像なので、単調なんだけど面白い。 |
暗闇 (監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟) | ★☆ | ドラマ系 | ベルギー | 2008/09/08 |
(内容失念だけど、恐らく…)映画を観ている女性のところにスリが忍び寄って隣の席に置いたカバンを開けようとしたところ、女はスリの手をとって抱きしめながら映画に見入った。 |
唯一の出会い (監督:マヌエル・ド・オリヴェイラ) | ★☆ | ドラマ系 | ポルトガル | 2008/09/08 |
フルシチョフとローマ法王が出会った。多くの人々の上に立つ両者の共通点は、恰幅良くおなかが出ていたことだった。 |
夏の映画館 (監督:レイモン・ドパルドン) | ★☆ | 感覚系 | フランス | 2008/09/08 |
アラブ地方。日が暮れていく頃、ビルの屋上の映画館に人々が集まってきて、映画が上映される。 |
アルトー(2本立て) (監督:アトム・エゴヤン) | ★☆ | 感覚系 | カナダ | 2008/09/08 |
一緒に映画を観る予定だった恋人同士がそれぞれ別の映画館に行き、ケータイでスクリーンを写して(一方は『裁かるるジャンヌ』)、お互いに目の前の映画を相手に見せ合う。やってることは面白いと思った。 |
ハイファの悪霊 (監督:アモス・ギタイ) | ★☆ | ドラマ系 | イスラエル | 2008/09/08 |
第二次大戦直前の1936年のポーランドの映画館で、人々が映画を観ていた。 21世紀のイスラエル、映画館が空爆され、多くの人が傷ついた。 |
電姫戯院 (監督:ホウ・シャウシェン) | ★ | 感覚系 | 台湾 | 2008/09/08 |
第二次大戦後? にぎわっていた映画館は、今は廃墟になっていた。ノスタルジーってことかな? |
アナ (監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ) | ★★ | 感覚系、ドラマ系 | メキシコ | 2008/09/08 |
映画を観て涙ぐむ女と、隣で話しかける男。女は眼が見えなくて、男が画面を説明していたのだった。 雰囲気たっぷりの俳優の表情ややり取りが素晴らしい。 |
鋳造所 (監督:アキ・カウリスマキ) | ★☆ | ドラマ系 | フィンランド | 2008/09/08 |
鋳造所の労働者たちが、就業後に所内の劇場でリュミエール兄弟の「退社」?を観る。これって、労働者階級闘争映画? |
ロミオはどこ? (監督:アッバス・キアロスタミ) | ★☆ | 感覚系 | イラン | 2008/09/08 |
映画館で『ロミオとジュリエット』を観ているアラブの女たちがラストシーンで涙を流す。そりゃ、あの映画はいい映画で、そんなことはわざわざ指摘されなくても知っている。 |
素晴らしき休日 (監督:北野武) | ★☆ | ドラマ系 | 日本 | 2008/09/08 |
田舎にポツンと建つ古い映画館にモロ師岡が自転車でやってきて、一人で『キッズ・リターン』を観るが、映写機トラブルで断片的に上映されて内容が解りにくいまま終了。外は日が暮れかけて、自転車は無くなっていた。映画館を竜宮城に見立てたファンタジックなオチはいい。 |
暗闇の中で (監督:アンドレイ・コンチャロフスキー) | ★☆ | ドラマ系 | ロシア | 2008/09/08 |
『8 1/2』を上映している映画館の場内は、セックスしている男女と、映画に感激して見入っているチケット売りの女だけだった。カップルが去った後も女は見続けた。映画愛は不滅ってこと? |
街角の映画館 (監督:クロード・ルルーシュ) | フランス | 2008/09/08 |
内容失念 |
ハッピーエンド (監督:ケン・ローチ) | ★☆ | ドラマ系 | イギリス | 2008/09/08 |
映画館に来た父と息子がどの映画を観るかを相談し始めるが、結局サッカーを観に行くことにした。映画が娯楽の王様なんてことはないっていう戒め? |
アブサーダ (監督:デヴィッド・リンチ) | ★★ | 感覚系 | アメリカ | 2008/09/08 |
映画が始まってあっという間に紛れもないリンチ映画に引き込まれてしまう。 この雰囲気、最高! やっぱり、リンチ先生が一番! 映画の内容は、ワケわかんないけど。 |
映画ファンの日記 (監督:ナンニ・モレッティ) | ★☆ | 実録系 | イタリア | 2008/09/08 |
ナンニ・モレッティが、映画館の数々を訪ね、そこでの思い出話を話す。映画ファンなら思い当たる節がある感慨。 |
エロチックな映画 (監督:ロマン・ポランスキー) | ★☆ | ドラマ系 | ポーランド | 2008/09/08 |
中年夫婦が『エマニエル夫人』を観ていると、唯一の他の客である男が変なあえぎ声を上げていた。夫婦が劇場スタッフに苦情を言うと、彼は欲情していたのではなく、2階席から落ちて苦しんでいたのだった。状況は面白いけど、オチが予想できちゃう。 |
贈り物 (監督:ラウル・ルイス) | ★ | ドラマ系 | チリ | 2008/09/08 |
ミシェル・ロンズデールが、原住民に映写機とラジオを贈ったが、彼らは分解して分けてしまった。しかし、その後彼らは木で映写機を作り、大きなラジオを作って映画館になった。 |
カンヌから5557マイル (監督:ウォーター・サレス) | ★☆ | 感覚系 | ブラジル | 2008/09/08 |
『大人は判ってくれない』上映中の映画館の前に男が二人立ち、1人はカンヌに行ったことがあると言い出し、それに関する2人の会話は歌へと変わっていった。 |
臆病 (監督:エリア・スレイマン) | ★☆ | ドラマ系 | イスラエル | 2008/09/08 |
映画を観ながらやけにオロオロしている男がトイレに逃げ込むと、そこで携帯を便器に落としたり、いかつい男たちが来て個室から出られなくなったりと状況は悪化した。実は、その男は上映後のシンポジウムの出席者だったのだが、停めた車が邪魔でどけろとアナウンスされる。 面白いんだけど、目的不明。単なる面白映画ってことでいいのか? |
これは夢 (監督:ツァイ・ミンリャン) | ★☆ | 感覚系 | 台湾 | 2008/09/13 |
誰もいない映画館の客席に、男とその死んだ両親や祖母が揃って映画を観る。『楽日』に似た設定と雰囲気。 |
ファースト・キス (監督:ガス・ヴァン・サント) | ★ | 感覚系 | アメリカ | 2008/09/08 |
映写技師の少年がだれもいない映画館で南の海を上映し、スクリーンの中に入って行って、水着の女性とキスをした。 |
職業 (監督:ラース・フォン・トリアー) | ★☆ | 感覚系 | デンマーク | 2008/09/08 |
映画上映中、自分がビジネスマンとしていかに優れているかを隣の男に聞かされた男は、怒ってハンマーで殴り殺して映画を観続けた。 確かにインパクトはあるけど、唐突過ぎてバッチリきまったという印象ではない。 |
平和の中の戦争 (監督:ヴィム・ヴェンダース) | ★☆ | 実録系 | ドイツ | 2008/09/08 |
長年植民地支配や内戦が続いたコンゴにやっと平和がおとずれ、ビデオを上映している小屋のような映画館では、子供たちが戦争映画を観ていた。 |
君のために9千キロ旅してきた (監督:ウォン・カーウァイ) | ★★ | 感覚系 | 香港 | 2008/09/08 |
映画館で男と女が愛し合う。ウォン・カーウァイ作品ではおなじみのやわらかい映像で、そうは判っていてもやっぱり惹きこまれてしまった。 |
映画を観る (監督:チャン・イーモウ) | ★☆ | ドラマ系 | 中国 | 2008/09/08 |
昔の中国の山村に移動映画館がやって来て、興奮を抑えきれない男の子が準備の最中にうろつきまわるが、夜に暗くなって上映が始まったころには疲れて眠ってしまった。 |
しあわせのかおり | ★☆ | ドラマ系 | 日 | ミニシアター系 | 2008/10/14 | 62 |
夫と父を失った1人息子のシングルマザーの母親(中谷美紀)が、妻と娘を失った老いた中国料理人(藤竜也)に弟子入りをして、お互いの穴を埋めるような擬似親子の関係になる。 さらに、中谷は精神が不安定で、藤は脳梗塞の後遺症で腕が不自由になったという障害を抱えてる。 このように、この映画は問題を抱えた登場人物がそれを克服していく話なのだが、映画で描かれるのは専らハッピーに感じられるプラスイメージな面だけで、「つらい」「苦しい」といった映画に深みを与えると思われるマイナスイメージは何故か排除されているので、問題を克服しているという感じが全く無い、表向き人のいいだけの薄っぺらい映画だった。 クライマックスシーンは、あのグルメ映画の決定版『バベットの晩餐会』のそれを真似たような展開なのだが、あちらは偏屈老人の気持ちが料理の力でほぐれていったから感動的なのであって、こっちは元々善人風の人々が料理に対していかにも善人らしいリアクションをするだけで、ほとんど無意味。 この映画を料理に例えれば、いいネタをそろえて丁寧に握った寿司だとしても、ワサビ無しでは締りのない味のものでしかないといった感じ。 |
ドラゴン・キングダム | ★☆ | 感覚系 | 米 | ミニチェーン系 | 2008/09/13 | 61 |
おくりびと | ★★ | ドラマ系 | 日 | ミニチェーン系 | 2008/09/13 | 60 |
死に対する尊厳、特殊な職業に対する偏見とその後の理解、生き別れた親子の愛憎などに関するエピソードが、予想した通りの展開で進む。 私が元々このような死に関わる職業に偏見が無いのと、死というものをニュートラルに考えている(人は誰でも死ぬのは当たり前だし、のたれ死んだって構わないと思っている)からかもしれないが、今の日本に比べ死がもっと身近な存在だった昔の日本のような環境だったら、わざわざこんな映画は作られる必要は無かったかもしれない。 |
TOKYO! | ★★ | 仏=日=韓国 | ミニシアター系 | 2008/10/27 | 59 |
3作品とも東京ロケだが、特に東京特有の事情を反映した作品というわけではなく、舞台が東京である必然性はほとんど無い。 |
インテリア・デザイン | ★☆ | ドラマ系 | 2008/10/27 |
この作品を前中後の3つに分けると、最初は藤谷文子と加瀬亮のカップルの会話がバカっぽくてちょっと面白い。 でも、中盤になるとその会話が減って映画全体もトーンダウン。 そして、最後の方になって突然大ネタが現れるのだが、「むしろこの大ネタで映画1本作るべきで、それまでの3分の2って無駄だったんじゃないの?実際、そんなに面白くなかったし。」と映画のバランスの悪さを感じてしまった。 |
メルド | ★★ | 象徴系 | 2008/10/27 |
オムニバスの他の2作品が煮え切らない感じだったのに比べると、この作品は「人と人とは解り合えない」ということをストレートに描いていることに好感が持てた。 |
シェイキング東京 | ★☆ | 空想系 | 2008/10/27 |
作品全体の描き方は、デジタルで非現実的。 香川照之は自宅内を几帳面過ぎる程に整頓している引きこもり。 相手役の蒼井優も、スイッチのタトゥーを押されるとそのスイッチの通りに反応してしまう。 全東京都民が引きこもっていて、渋谷のスクランブル交差点には人っ子一人いない、等々。 でも、そんな映画での大きな転換点が、優ちゃんのガーターで吊られたストッキング上にむき出されたももに対して、香川が生々しい魅力を感じたことをきっかけにして何年ぶりかで家を出ることになることであり、この「生々しい衝動」というキーポイントが、非現実的な映画の雰囲気に呑み込まれてしまって、両者がなじんでいない違和感を感じた。 実際に、オチは「生々しさ」ではなく「デジタル」なスイッチの方に戻っちゃうし。 結局、この映画の感想といえば、「ポン監督って、本当に優ちゃんが好きなのねえ。」というのが彼女のショットの数々から感じられたのと、「監督、そんなに地震が怖いのか?」というのが大きい。 |
テネイシャスD〜運命のピックをさがせ! | ★★☆ | お笑い系 | 米 | ミニシアター系 | 2008/09/13 | 58 |
赤んぼ少女 | ★★☆ | 感覚系、ドラマ系 | 日 | ミニシアター系 | 2008/09/13 | 57 |
ハプニング | ★★ | 感覚系、ドラマ系 | 米 | 拡大公開系 | 2008/09/13 | 56 |
百万円と苦虫女 | ★★★ | ドラマ系 | 日 | ミニチェーン系 | 2008/09/13 | 55 |
片腕マシンガール | ★★★ | 感覚系、お笑い系 | 米 | ミニシアター系 | 2008/09/13 | 54 |
直前に観た『死にぞこないの青』とは全く正反対に、こちらは登場人物たちに「華」を感じさせることを最優先に作られたような映画だった。 八代みなせ演じる主人公の服装ひとつとっても、ついさっきまで血まみれ泥まみれだったのが、これからアクションシーンという時にはいつの間にか純白になっているセーラー服、アクションには似つかわしくないローファーや可愛いブラ、そして白いパンチラなど、狙いすましたようにいちいち心に引っかかるような数々の作り込みに、神経の行き届いた仕事振りを感じる。 悪役は憎たらしい「悪の華」ぶりを見せ、正義側はポーズをビシッと決めながら悪を倒す。 この爽快感は、残酷なはずのバラバラ血まみれ映像で何故か笑ってしまうことも合わせて、実に楽しい映画体験をもたらしてくれる。 まるで、頭のネジが気持ちよく緩められていくような映画だった。 |
死にぞこないの青 | ★★ | ドラマ系 | 日 | ミニシアター系 | 2008/09/13 | 53 |
乙一の原作は読んでないが、おそらく人間の心の弱さを真摯に汲み取った話なのだろう。 そして、その映画版であるこの作品も、原作のメッセージを大事にして、それを確実に伝えることを真面目に目指しているように思える。 このアプローチは真っ当で、映画としてもそつの無い出来だと思うのだが、でも、映画だったら何か「華」がないとねぇ〜。 「真面目な映画」もいいけど「ぐっとくる映画」の方がもっと観たい。 谷村美月ちゃん演じる役は、拘束衣を着て全身傷だらけの姿から次第に傷が癒えていくというユニークな設定なのだが、恐ろしさやせつなさに加え可愛らしさも感じられるのに、せめてそれらのうち1つでも「華」と呼べるほどのインパクトの強さがあったなら、と思う。 |
ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン! | ★★ | ドラマ系、社会派系 | 英=仏 | ミニシアター系 | 2008/08/16 | 52 |
ギャグ映画っぽい感じで始まるのだが、お笑いの要素は意外に少なくて、代わりに大きな要素だったのは、独善的な人々が公共社会を私物化して、悪とみなした人々を安直に排除しようとする、地方社会はもちろん国家レベルでも起こりそうな排他主義に対する嫌悪感で、真面目な映画だなぁと思った。 それから、往年の刑事アクション映画に関する引用が多数あるのはいいのだが、あまり効果的ではないので、単なるオタク趣味と変わらなかった。 最大の難点はアクションの撮り方が雑なことで、やたら激しく撃ち合うだけで何がどうなっているのか解りにくく、結果的にスカッとしないものになっていること。 |
歩いても 歩いても | ★★★ | ドラマ系 | 日本 | ミニチェーン系 | 2008/08/16 | 51 |
家族の中で繰り広げられる取るに足らないような会話から、家族には明かしていない秘密をそれぞれ持っていることまで、家族に漂う微妙な距離感や立場の違いが絶妙に描かれる。 愛情や信頼感が100%でないことは、決して不完全なことではなく、お互い力まずに無意識に心地良い関係を持とうとしている結果としての最良の状態であると思わされる。 |
イントゥ・ザ・ワイルド | ★★★ | 感覚系 | アメリカ | ミニシアター系 | 2008/08/10 | 50 |
ザ・マジックアワー | ★★ | ドラマ系 | 日本(東宝) | 拡大公開系 | 2008/08/10 | 49 |
多くの人々が対立したりなどのドタバタを繰り広げながら、主にものづくりなど「何か」を成し遂げる、これまでの三谷作品の流れを汲んでいる。 今回は特にその「何か」に「映画」が深く関わっていて、これまでの「脚本家=作者」の特別な立場の個人の視点の作品とは違い、映画を愛する者たちの一員としての視点に変わっていて、この映画に描かれる「映画愛」は好感が持てるものになっている。 ストーリー的にも、「特別な立場の個人の視点」が無くなったおかげで、アイディアにあふれた、純粋に気楽に楽しめる娯楽作品になっている。 ただし、結局はそんなに楽しめなかったのだが、その理由は全体的に勢い不足、振り切れ感不足、テンポが快調でない、など。 西田敏行演じるボスは、もっと怖さを出すために、ヘマをした手下を気前良く殺すとかした方が良かったんじゃないの? 妻夫木君はもっとオーバーに慌てふためいて、映画を引っ掻き回した方が面白くなったんじゃないの? 映画のテンポを1.5倍速ぐらい速くしてドタバタ感を高めた方が楽しい映画になったんじゃないの?などと思ってしまったほど、テンションが高くなかった。 |
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 | ★★☆ | 感覚系、ドラマ系 | アメリカ | 拡大公開系 | 2008/08/10 | 48 |
結論から言えば、ほぼシリーズ第1作『レイダース 失われたアーク《聖櫃》』の焼き直し。 同業者の敵、喧嘩しあうさまも睦まじい恋人同士、そしてしつこいくらい長時間延々と続いて尻上がりにエキサイトさせられるアクションシーン、などなど。 さらについでに、シリーズ第3作の『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』の親子のやりとりまで付け加えちゃっている。 元々面白い要素を取り入れているのだから、この映画も必然的に面白い。 でも…、スピルバーグは、どんな映画でも「うーん、さすが」とうならせるような演出を必ず見せてくれたのに…。 結局「焼き直し」以上の新しさは何も無かったこの作品、これが納得できる脚本が出来るまで手がけようとしなかったという、満を持して前作から20年経った今の時代に向けて作られた新作なのだろうか? これじゃ、続編とかリメイクとかで過去の遺産を食い潰しているような最近の一連のハリウッド映画と変わらない。(もっとも、『スター・ウォーズ』という大きな一発の続編でずーっと食いつないでいるルーカスこそ世界を代表する続編商売人と言えるから、インディアナ・ジョーンズ・シリーズもそうなっても無理ないか?) |
カメレオン | ★☆ | 感覚系 | 日本(東映) | ミニシアター系 | 2008/08/10 | 47 |
格闘シーンなど、アクションが最近多いシャープなタイプのものと違って、珍しいくらい無骨な感じなのはいいんだけど、映画全体に漂うチグハグした感じは何だろう? アクションのリアルっぽさとは別に、リアリティを無視したファンタジックなシーンも多い。大衆演劇などの昭和っぽさも多めにフィーチャーしておきがら、昭和っぽさの扱いは結局たいした意味は無かったり。 藤原竜也演じる主人公などの登場人物たちも、哀しいんだか虚しいんだか何なんだか、とにかく実感できない。 |
12人の怒れる男 | ★★ | ドラマ系、社会派系 | ロシア | ミニシアター系 | 2008/08/10 | 46 |
被告人が有罪か無罪かの議論そっちのけで、12人のオヤジ陪審員たちの身の上話や日ごろのウップンのぶちまけ合戦が繰り広げられ、それらの発言を通して今のロシアが抱えるさまざまな問題が浮かび上がってくるという映画。 もちろん目的はあくまでメッセージで、それを伝える手段として有名なストーリーをベースに使っているのだが、難点を挙げると、台詞による回想はイメージしにくい、12人分のエピソードは手を広げ過ぎ、独善的なオヤジの主張の連発で聞いていて疲れる、これだったら内容を絞って160分の尺をもっと短くした方が良かったかも、など。 |
ジャージの二人 | ★★☆ | ドラマ系、感覚系 | 日本 | ミニシアター系 | 2008/08/10 | 45 |
この映画で特に身にしみたのが、堺雅人と鮎川誠の親子が床に入って寝入るまでに会話が交わされることで、親子なんだからこういうシチュエーションでは会話ぐらいしよう思う気持ちと、だからといっていい大人同士が腹を割ったり相手の心の深いところまで踏み込もうとするはずもない。 そんな、自然に快適な距離感を取ろうとする、作られた感じのしない人間関係の描写がいい。それから、浅間山やキャベツ畑などの風景もいい。 |
シティ・オブ・メン | ★★ | ドラマ系、社会派系 | フラジル | ミニシアター系 | 2008/08/10 | 44 |
少年のギャングたちが縄張り争いで銃撃戦をするような状況で、少年たちの友情や親子愛を描のだが、そんなドラマ部分が類型的で淡白。 だから、クライマックスの銃撃戦も、感情移入の対象でない人たちが次々撃ち殺されても、見た目の派手さほど気持ちは盛り上がらなかった。 こうドラマ部分が弱くては、いっそのことドキュメンタリーの方がブラジルの実情を訴える目的に合致していたのでは?と思ってしまった。 |
純喫茶磯辺 | ★★☆ | ドラマ系 | 日本 | ミニシアター系 | 2008/08/10 | 43 |
ダメ人間や裏がある人間たちが繰り広げる、不真面目で不誠実な人間関係の映画だが、それだからこそキッチリした世界にはない自由で自然な楽しさがあるということを、小ネタをちりばめながら楽しく暖かく描いている。 宮迫が映画になじむ演技を見せているし、麻生久美子はすげぇ。 |
告発のとき | ★★☆ | ドラマ系、社会派系 | アメリカ | ミニチェーン系 | 2008/08/10 | 42 |
どんな真人間でも道を踏み外してしまう戦場の狂気と、そんな異常を放置している国の怠慢を訴えながら、映画の全体的なスタイルは行方不明の息子を探す父親が主人公の謎解きによる、あくまでも娯楽作品。 この2つの要素が、絶妙のバランスで共存して映画を面白くしたのか?メッセージの実態を直接的に描かなかったことで背後に追いやって解りにくくしたのか?よくわからない。 目的は達成されたのか? |
西の魔女が死んだ | ★★☆ | 感覚系、ドラマ系 | 日本 | ミニチェーン系 | 2008/08/10 | 41 |
自称魔女の祖母が中学生の孫娘に対して行う魔女修行の極意の言葉は、意外に普通の処世術の王道だったりする。 しかし、この映画は言葉などの具体的なことより、家の周りの森の佇まいだとか、登場人物が輪郭がハッキリした描かれ方をされていることとか、雰囲気的なことをしっかりと作り上げていることに注力されていて、その結果、折り目正しい心地よさを感じることができた。 |
タイトル | 採点 | 分類 | 更新日 | 累計 |
きみの友だち | ★★☆ | 感覚系、ドラマ系 | 2008/08/10 | 40 |
WOWOWが製作したテレビドラマ「4TEEN」(2004年、【監督】廣木隆一【脚本】斉藤ひろし【出演】柄本時生、hanae*(→華恵)、他)のシリーズの新作と言っていい、WOWOWも製作に関わっている映画。 両者に共通するストーリーは、友情や思いやりといった人の心のポジティブな要素が、人間関係のトラブルを克服していく素晴らしさを描いていること。 種を明かせば、人間関係が気まずくなっていく展開を見せることで、観る者に結末に対して悪い予感を抱かせておいて、それを裏切ってハッピーエンドにすることによって爽快感を出すというのがエピソードのパターンで、はっきり言ってご都合主義。 でも廣木監督の演出は、ロングショットを多用して登場人物から距離を取るなどして、ベタベタして下品な映画になりそうなストーリーをそうなる手前のところでギリギリ抑えた上で、なおかつしっとりした表現もするという、きわめて丁寧で注意深い仕事をしている。 |
崖の上のポニョ | ★★★☆ | 感覚系 | 2008/08/10 | 39 |
まず感じたのは、「なんて自由な映画なんだろう」ということ。 映像が自由なのもさることながら、観ているこちらの気分まで自然に、自由な気持ちでスクリーンを見続けていればそれでいいと感じた。 深読みすれば、海底のゴミやハムのような加工食品や非常時に弱い高度なテクノロジーに、純粋さが失われ虚弱になっている今の人間の姿を感じるが、それすらも人間のあるがままの姿であるとして受け入れようというメッセージが感じられなくもない。 しかし映画はひたすら、そんな小難しい理屈をこねたり頭を使って考えながら映画を観ることなどには目もくれず、ただひたすらスクリーンを見てイメージの波に乗って楽しむことの方へと導いてくれた。 ポニョの見た目など、気分を重視したイメージ中心のトータルな映画作りが、そんな気分にさせたのだろう。 |
イースタン・プロミス | ★★☆ | ドラマ系 | 2008/07/13 | 38 |
ミラクル7号 | ★★☆ | 子供向け系、ドラマ系 | 2008/07/13 | 37 |
経済的や社会的に成功することを国民全体が過剰に目指しているような中国の子供たちに向けて、清く正しく行動する生き方を楽しく伝えられる映画になっている。 |
神様のパズル | ★★ | ドラマ系、感覚系 | 2008/08/10 | 36 |
論理的にすきの無い理論でクールに論破していく谷村美月演じる天才少女と、対照的に勢いだけが長所の市原隼人演じる役の、2人のかなりユニークなキャラが発揮される前半は見どころがあった。 しかし、いかんせん宇宙を作ろうとする話にはキレイにオチをつけるのは無茶で、映画の後半はかなり強引に展開して、おかげで主人公2人のキャラもすっかりかすんでしまったのだが、ストーリー的にはこれでもベストだったかもしれない。 |
シークレット・サンシャイン | ★★★☆ | ドラマ系、感覚系 | 2008/07/13 | 35 |
JUNO | ★★☆ | 感覚系、ドラマ系 | 2008/07/13 | 34 |
REC | ★★ | 感覚系 | 2008/07/13 | 33 |
とりあえず観ている間は退屈しないんだけど、私がどうにも「ゾンビもの」に対して感心できないのは、大雑把に感想を言うと常に「雑な映画」という印象を第一に感じてしまうから。 もちろん、映画は洗練されてなくちゃいけないなんて言わないけれど、「怖い」とか「面白い」と思う以前&以上に、決して「勢いがある」といったほめ言葉ではなく、悪い意味で「雑」だと感じてしまう。 |
相棒-劇場版-絶体絶命!42.195km東京ビッグシティマラソン | ★★ | ドラマ系 | 2008/07/13 | 32 |
映画は面白ければ辻褄なんて合ってなくてもいいと思うが、それは辻褄が合ってないことを観ている間は気にさせないことが条件で、この映画はご都合主義的な推理の飛躍が目につき過ぎた。 結局犯行の対象となっていたのが、不誠実もしくは無責任な政府や論客などのバッシングキャンペーンの「発信側」のみで、それに躍らされて匿名の中傷行為を実行した無責任な大衆、つまりキャンペーンの「受け側」には向いていない。 それだけではなく、犯人は大衆の無責任の最たるものである匿名のネット書き込みを、犯行のために立ち上げて憎悪の増大に一役買っている。これってまずいんじゃないの? |
チャーリー・ウィルソンズ・ウォー | ★★☆ | ドラマ系 | 2008/07/13 | 31 |
チャーリー・ウィルソンがアフガンのソ連軍撤退のために行ったのはもちろんアフガン難民たちの窮状を何とかしたいという善意からだろうが、それは映画の中で例え話として出てくる「禅の師匠が弟子に馬を買ってやった」ことと一緒なのだろう。 その後弟子が落馬して馬を与えたことを非難されたように、アフガンもソ連軍が撤退したところまでは善意が好意的に受け入れられたが、その後のタリバンなどに見られるように善意が批判されることにもなる。 善は良に結びつかず、神は(自称)善玉だけに味方するとも限らない。 そもそも、どっちが善か悪かなど決められるものではないのがこの世の中、ということなのだろう。 政治や社会の姿を、上手くエンタテイメントとしてまとめられていた。 |
つぐない | ★★☆ | ドラマ系 | 2008/07/13 | 30 |
少女の純粋な心とたくましい想像力を、凝ったカット割りと音楽で緊迫感たっぷりに見せる前半は期待させたが、中盤以降は一転平凡になってしまった。 オチとして示される「物語」の重みも、もうちょい欲しかった。 |
フィクサー | ★★ | ドラマ系 | 2008/07/13 | 29 |
正義感と、生活苦からの金銭的な誘惑との板ばさみ悩む主人公の話で、結論を言えば「ありふれた映画」の域を出なかった。 |
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド | ★★☆ | ドラマ系 | 2008/07/13 | 28 |
シューテム・アップ | ★★★ | 感覚系、お笑い系 | 2008/07/13 | 27 |
数回ある銃撃戦が、どれも新しいアイディアが盛り込まれた今まで見たことのないようなものばかりで、感心&感激してしまった。 久しぶりに観た、「笑えるほどカッコイイ」アクション映画。 |
アフタースクール | ★★ | ドラマ系 | 2008/07/13 | 26 |
この映画をレストランに例えると、フレンチレストランに入ってコース料理を注文し、スープ、前菜と続いて次はメインディッシュかと思っていたら、なんと突然北京ダックが出てきて、あれれ?と思ったら続いてチャーハンが出てきて、ふと周りを見渡すとフレンチレストランだったはずが中華料理屋の内装に変っていて、そういえば店員の日本語がカタコトの中国なまりだったなぁ、ここはドッキリレストランだったということかぁ…、といった感想を抱いた。 「『ドッキリ』を楽しめた」と思えればいいと思えるのだが、正直言って以下のように様々な点で疑問を感じた。 (1)そもそもレストランは料理を楽しむところで、「ドッキリ」はそれとは全く別物。 (2)料理の出来不出来には料理人の長年の努力などによる実力が関わり、レストランを味で評価することは料理人の努力に報いることにつながるが、「ドッキリ」は料理に比べれば誰でも思いつきで出来るようなもので、料理と同等の重みで評価できるものではない。「ドッキリ」自体はたいして知的なことではない。 (3)ドッキリによってそれ以降の北京ダックとチャーハンをじっくり味わえる状況にならないので、本当はおいしいのにドッキリがそのおいしさを阻害している可能性があるだけでなく、ドッキリ前後のコース全体の統一感に対してもいい印象を持つ材料にならない。 (4)このレストランを評価する人がいて、その理由が「ドッキリ」だとしたら、以上の(1)から(3)の理由により、私は「ドッキリ」で評価することに対してはキッパリと異を唱えたい。 以上の例え話で、「レストラン」を「映画」(特に『アフタースクール』)、「料理」を「映画の面白さの最重要ポイント」、「料理人」を「『監督』などの映画の作り手」に置き換えれば、私の『アフタースクール』に対する感想になる。 レストラン『アフタースクール』の味の部分を評価すると、裏社会の表現に具体性を持たせるなど描き方はしっかりしているので、味で勝負できる腕のある料理人のような監督だと思うから、次回作からは邪魔臭い小細工はやめたらどうだろうか? |
ミスト | ★★☆ | ドラマ系 | 2008/07/13 | 25 |
未知の敵に人々が襲われる話だが、深い霧の不気味さはともかく、アクションを伴うシーンでは監督が不慣れなのか演出がどんくさく、人々がろくに動かないでやたら叫び声を上げていたりする。 敵との対決以上に映画の中で時間を割かれているのは、危機的状況での人々の行動や、仲間割れへと発展する意見の違う人々の共存状態の人間ドラマの方。 ただし、最大の敵が「狂信者による扇動」といった宗教がらみになると、信心深くない私にとっては狂信者=ダメ人間にしか見えないので、人間の描き方が善悪で二分されただけの単純過ぎる印象を受けた。 人間が惑わされてしまう心の弱さは誰にでもあるものなので、もっとデリケートな描き方の方が良かったのではないだろうか? |
潜水服は蝶の夢を見る | ★★ | ドラマ系、感覚系 | 2008/07/13 | 24 |
体の自由を奪われた人の精神を細かく描いた映画かと思っていたら、思っていたよりも「普通の難病モノ」で、病気と闘病の実態を出来事中心に描かれていた。 |
ヒトラーの贋札 | ★★★ | 実録系、ドラマ系 | 2008/07/13 | 23 |
ホロコーストの映画なのだが、社会性よりもまずサスペンスとして楽しめる映画になっている。 |
P2 | ★☆ | 感覚系 | 2008/07/13 | 22 |
「ここさえなんとかなっているだけでも、面白い映画になっていたかも」と思ってしまった程の、この映画の致命的な欠点は、「悪役に魅力がないこと」。 男が女を監禁する話なら、ラストで女が男に打ち勝つことによる爽快感を狙い、そこから逆算して男をやられ甲斐のある憎ったらしいキャラにするのが恐らく王道。 もしくは逆に『コレクター』のテレンス・スタンプのように、悪役を魅力あるキャラにして悪役側に感情移入させることを狙ってもいいかもしれない。 しかし、この映画の悪役は中途半端な設定で、敵にしては悪さや強さに物足りなさを感じるし、実際に心の弱さを抱えている設定ではあるが同情を誘うようにはなっていない。 さらにグロテスクなシーンも多いのだが、「グロを楽しめる」ような見せ方にはなってなくて、単に悪い意味で気持ち悪いだけだった。 |
パラノイドパーク | ★★ | 感覚系 | 2008/07/13 | 21 |
同じガス・ヴァン・サントの『エレファント』同様に、事件に関わったティーンエイジャーの「気分」を描く。 でも、『エレファント』での銃乱射事件の方は、誰もがいつどこかで関わるかもしれないし、それを起こす者の「気持ち」がとても重要なので、「気持ち」や「気分」に関心を持てるのだが、この映画の事件は偶然突発的に起こった特殊なケースなので、心を掘り下げようとする気分にはならない。 |
ノーカントリー | ★★★☆ | 感覚系、ドラマ系 | 2008/07/13 | 20 |
コーエン兄弟の作品の中でも、特に『ファーゴ』や『ブラッドシンプル』が好きな私にとっては、まさにそんな映画が再びやって来た!といった感じ。 スクリーン全体から感じるクールでピリピリした雰囲気。 特に撃ち合いのシーンなんて、シャープでなおかつ重みがあって本当にカッコイイ。 |
ブレス | ★★☆ | 妄想系、象徴系 | 2008/07/13 | 19 |
夫は浮気をしていて、一人娘も心にポッカリ空いた穴を埋めてくれず、生きる目的を無くしたような人妻が、自殺を図った死刑囚のニュースを見て自分の気持ちを重ねて彼に面会し、恋愛感情をお互い強めていくが、そもそもそんな恋が叶う筈もなく…という物語。 夫婦と死刑囚、同じ雑居房のゲイ囚人、それに人妻に恋心を抱いているような刑務所長も含め、全員の恋心が相手と交わることがない一方通行で、自分が想っているように相手は自分を想っていないという、「想いの独善性への批判」といった感じのこれまでのキム監督作品の流れをくむ。 非現実的で象徴的な作風も相変わらずだが、どうも最近「ファンタジックに気持ちよく良く騙す」というより、策に溺れていると感じてしまうほど作為的過ぎるのが気になる。 |
大いなる陰謀 | ★★★ | プロパガンダ系 | 2008/07/13 | 18 |
今のままのアメリカだと、個人の人命を重視しない政治家によって、貧しい若者が戦場に借り出されて命を落とすことが無くならないから、選挙などで世の中を変えていこうと言うメッセージが、明確にしかもサスペンスフルに描かれている。 |
世界で一番美しい夜 | ★☆ | ドラマ系 | 2008/05/26 | 17 |
天願監督の脚本&父の今村監督による『赤い橋の下のぬるい水』と同様のいわゆる「ハッピーエロ映画」だが、ハッピー度もエロ度もあっけらかん度もでたらめ度も、ありとあらゆる点でかなりスケールダウンしていて、「小さい映画」という印象が残ったのは残念。 |
あの空をおぼえてる | ★★★ | ドラマ系 | 2008/05/26 | 16 |
家族を失ったことによる心の傷と再生の話だが、悲劇や再生をわかりやすく描くようなウケ狙いの映画ではなく、残された家族は自ら再生を勝ち取っていくシッカリしたストーリー。冨樫監督の丁寧な仕事ぶりが素晴らしい。 |
実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 | ★★☆ | 実録系 | 2008/05/19 | 15 |
タイトルに「実録」とあるように、実話を正確に再現することが第一の目標で、それゆえ堂々と作られたストレートな正統派映画だった。 実録的な映画にした目的は後世への記録として残すため、教訓としての歴史になることを期待してのことだろうが、主たるターゲットである当時を知らない世代の観客にとっては、もっと連合赤軍に共感を抱けるような映画になっていた方が映画の目的に合致していたと思う。 「彼らは今の自分たちと重なるところがある。彼らの問題は今の自分たちの問題でもある」と思わせてこそ彼らの過ちを教訓としてとらえることができるが、この映画では正直言って、映画の早い段階から彼らがトンチンカンな人たちにしか見えずに「俺たちはあいつらとは違う」と思ってしまった観客が多かったのではないだろうか? 彼らの過ち、即ち、自分たちが正義の側にいるという思い上がりが他人を下に見るようになって平気で傷つけるようなことは、現にネットでの無責任な非難、マスメディア主導の個人バッシングに便乗する人々など、ちっちゃい自己満足のために他人を踏みにじる行為は現に今日でも多数の人間によって日常的に行われていることであり、こういうことをする人は連合赤軍同様、自分たちはゲス人間だということに気づかないばかりか正義だと信じて疑わないのだろうから、この映画のメッセージもそんな人たちでも解るように、もっと明確であってこそ意味があったと思う。 |
王妃の紋章 | ★★☆ | 感覚系、ドラマ系 | 2008/05/19 | 14 |
時代考証やリアリティを無視してまで、セット、衣装、照明、アクション、何から何まで作り込んだ人工美の追求が、さすがチャン・イーモウと思わせる。 |
ぐるりのこと。 | ★★★☆ | ドラマ系 | 2008/05/19 | 13 |
人と人との間の心の溝の大きさと、だからといって他者(特に犯罪者)を切り捨てずに気持ちに近づこうとする人々の心を大きく暖かく描いている。 ここぞというシーンで長回しをして、芝居に力を入れてシーンの緊張感を高めようとする演出が本当に素晴らしい。 |
ぼくたちと駐在さんの700日戦争 | ★★☆ | 感覚系ドラマ系 | 2008/07/13 | 12 |
ストーリー自体の重さで泣かせだとか感動を狙う日本映画が最近多い中、この映画は全く逆でストーリー自体はとても軽くて、芝居やテンポなど演出と編集で見せようとしている。 基本的にギャグを散りばめたおちゃらけ映画で、こういう映画って作ってる自分たちので面白がっているようなスベリ映画になりがちなのだが、この映画では抜群の演出センスを見せ、ギャグ自体も工夫が感じられて全くといっていいほどスベリ知らず。 さんざん笑わせてちょっぴりホロリとさせるという喜劇映画の王道も取り入れていて、とてもよく出来ている。 男子高校生たちが麻生久美子に一目惚れして彼女が働く喫茶店にいりびたるという、昔懐かしい絵に描いたような「童貞映画」の要素もあるのだが、1979年という時代設定がなせることだろうか? 今の高校生たちでは「童貞映画」なんて作れないのか? |
モンゴル | ★★ | ドラマ系 | 2008/07/13 | 11 |
ストーリーは、チンギス・ハーンの子供時代から、敵対勢力を戦いで破って全モンゴルの頂点に立つまで。 慈愛を大切にした彼が権力争いに勝ったおかげでモンゴルに秩序がもたらされた、という映画なのだろうが、青少年の時代に彼が虐げられていたことを描いた序盤から中盤にかけてが、映画の最後の彼と何の因果関係も感じられない。 つまり、どんな経験を経たことによってどう成長したかが判らない。 クライマックスになって突然CGによる大々的な合戦シーンになるのも、唐突過ぎる。 |
クローバーフィールド HAKAIASHA | ★★★ | 感覚系 | 2008/07/13 | 10 |
大惨事の臨場感を出すために、例えばニュース映像のようなものの再現を狙って、登場人物が撮影したビデオの映像をそのまま流す映画にするという手法はさほど奇抜ではない。しかし、それでもこの映画は良く出来ているとしか言えない。 もっとはっきり言えば、映像作りにおいて当たり前のことを完璧にこなして狙い通りの映像を作ることに成功していることは素晴らしい。 でも、当たり前だからこそ、ほめ言葉といえば「臨場感がある」ぐらいのことしか思い浮かばないのがなんか悔しい。 (でも、十分ほめていること判るよね? だから、これでいいよね?) |
ライラの冒険 黄金の羅針盤 | ★☆ | 感覚系 | 2008/05/05 | 9 |
ひどい映画ではないんだけど、この手の壮大なストーリーのファンタジーにありがちな、見せ場は大掛かりだが同時に大味でインパクトが弱く、それでいて映画全体が見せ場頼みで、ストーリーが右から左に流れていくだけの、あっという間に内容を忘れてしまいそうな映画になってしまった。 この映画の鍵になっている宇宙を覆う「ダスト」は、それに触れた子供は純粋さを失うことから、それは正邪共に含んだいわゆる「世間」の象徴で、子供の健全育成のために汚いものから引き離そうとするのがニコール・キッドマン一派で、彼らは日本で青少年フィルタリング推進をめざす人たちを意味し、そんなことをしても事態は良くならないどころか、子供の情緒や成長を奪うだけだとして戦いを挑むという、つまりは『ライラの冒険』って「青少年フィルタリング反対映画」ってことだろう。 でも、そんな主張はフィルタリングをしようとしているような頭の悪い人たちには象徴的な描き方では通じないので、3部作の残り2つはハッキリとケータイの話にしてほしい。 |
人のセックスを笑うな | ★★☆ | 感覚系 | 2008/05/05 | 8 |
井口監督の前作『犬猫』同様の、フィックスのカメラの長めのカットの映像は今回も効果抜群。 でも、ストーリーとの親和性は若干劣るかな? |
接吻 | ★★★ | ドラマ系、妄想系 | 2008/05/05 | 7 |
タネを明かせば一目惚れ&片思いの普遍的な恋愛映画だが、他者からの精神的自立と他者への依存の両方を明確に描いていて、そんな律儀で自分への厳しさを感じるストーリーは『UNLOVED』を彷彿とさせる。 |
エリザベス:ゴールデン・エイジ | ★★☆ | ドラマ系、感覚系 | 2008/05/05 | 6 |
奈緒子 | ★★★ | ドラマ系 | 2008/05/05 | 5 |
何のために走るのか?たすきを繋ぐとは何なのか?駅伝というスポーツが映画では伝わりにくいことが多いという課題を一つ一つクリアして、嘘臭いドラマチック映画にならないよう緻密に作られている。 |
プライスレス 素敵な恋の見つけ方 | ★★ | ドラマ系、お笑い系 | 2008/05/05 | 4 |
懐かしいタイプのベーシックなラブコメを、芸達者な出演者を配して良く出来た映画になっている。 「良く出来た」以上のコメントが出てこないところが正直辛いけれど。 |
ラスト、コーション | ★★★ | ドラマ系 | 2008/05/05 | 3 |
人生は思わぬことに狂わされるものなのか?破滅すると解ってものめりこんでしまうものがあってこその人生なのか? ほとんど文句のつけようが無いが、あえて二点。 劇中に『断崖』のポスターが出てきたり、『汚名』との類似点など、ヒッチコックの影響が指摘されているが、『めまい』のように堕ちるところまで堕ちる映画の方が絶対に面白いのに『ラスト、コーション』はそこまでは至っていないのと、トニー・レオンの人物背景が不十分で行動が唐突に思われるところがあったから、それをさらに描けばより厚みが出たかも。 |
結婚しようよ | ★☆ | ドラマ系 | 2008/05/05 | 2 |
演出が★★、ストーリーが★で、合わせて★☆。 非現実的な登場人物によるドタバタ調の展開を人情などを絡めて押し切る70年代あたりの松竹喜劇のような映画で、ベタな泣かせ演出の力技で観るものをねじ伏せようという佐々部監督の演出は頑張っていると思う。 しかし所詮は、かつてフォークなどで大人に反抗した熱い青春を送ったが、今ではすっかりその頭の固い大人になったオヤヂたちがターゲットで、そんなボロクソに非難されても無理もない凡人たちを決して傷つけずに、子離れも難なく出来るいい大人だという「虫のいい幻想」を植え付けることを目指した映画だというのが終始透けて見える。 いい大人をだまくらかす道具として拓郎をモチーフにしたような映画にアッサリ乗せられるようなオヤヂがいたら、「いい年して、もっと現実を見ろ!」と言ってやった方がいいかも知れない。 |
母べえ | ★★★ | 社会派系、お笑い系 | 2008/05/05 | 1 |
戦時中に言論の自由が踏みにじられた話だが、登場人物は警察の下っ端も含めて全員庶民たちで、絵に描いたような悪人は1人も出てこない。そんな普通の人々が、自分で自分の首を絞めるように、個人の自由を奪うような社会を作る一員に自らなってしまうという、今の日本でも十分起こりえる恐ろしい世の中を、ドラマチックにせず終始庶民レベルの目線で丁寧に作られている。 |
2008年公開作品(2007年以前に鑑賞) (3作品) 2008/05/05
タイトル | 上映形態 | 製作年 国 | 採点 | 分類 | 更新日 | 累計 |
全然大丈夫 | 2007年試写会鑑賞 | 2007 日 | ★☆ | 感覚系 | 2007/12/23 | 3 |
ウォーター・ホース (原題:The Water Horse) | 第2回東京国際シネシティフェスティバル2007 | 2007 米 | ★★ | ドラマ系、子供向け系 | 2008/02/02 | 2 |
ジェリーフィッシュ (原題:Jellyfish) | 第8回東京フィルメックス | 2007 イスラエル | ★★ | ドラマ系、象徴系 | 2007/11/24 | 1 |
2008年公開作品(映画館以外で鑑賞) (1作品) 2008/09/23
タイトル | 採点 | 製作年 国、スタッフ、等 | メディア | 年月日(曜)時 | ジャンル | 更新日 | 累計 |
わたしが沈黙するとき | ★★ | 2007、日、18分、【監督&脚本】山本兵衛 | Web | 2008/09/22(月) | ドラマ系 | 2008/09/23 | 1 |
ストーリー | 感想 |
作家志望の恭子(前田綾花)と会計士の利恵(菜葉菜)のレズビアンカップルは、近々同居することになっていたが、恭子は長期的に2人の関係がどうなるのかがわからず、同居に不安を感じていた。 恭子が書こうとしている「わたしが沈黙するとき」について利恵に話した。 「沈黙する」のは喜びと不安のどちらからも来るものであり、ストーリーは子供の頃に自宅の部屋を貸していた年上の女性のことを忘れられない女の話だった。 利恵は恭子に、会えて良かったし別れるつもりは無いと言い、恭子は「ありがとう」と答えた。 帰り道、2人はコンビニの中と外で沈黙しながら見つめ合った。 |
映画祭/上映会/2009年公開予定/公開未定作品 (4作品) 2008/10/27
タイトル | 上映形態 | 製作年 国 | 採点 | 分類 | 更新日 | 累計 |
トルパン | 東京国際映画祭、コンペティション、35mm上映 | 2008 独=スイス=カザフスタン=露=ポーランド | ★★ | ドラマ系 | 2008/10/27 | 4 |
かざあな | 自主映画、上映会(ビデオ上映) | 2007 日 | ★★ | 感覚系、ドラマ系 | 2008/07/20 | 3 |
男1人女2人の友人関係が三角関係に発展し、定石どおり3人とも不幸になっていく展開。 口論になるシーンにおいて、出演者には大まかな段取りだけ決めて、台詞も含めたアドリブの芝居を長回しで撮影して編集するという演出方法だそうで、こだわってるだけの力強さを感じた。 でも、そんなドキュメンタリータッチの演出は口論のような芝居がかったシーンでは、編集を経てつぎはぎにされると、台本のある普通の演出によるものとさほど変わらない。 普通のやり取りのようなシーンの方がより生々しさが強調されて効果的だったのではないか?(例えは、同じ撮影方法による『花とアリス』のバレエ教室のシーンなんか、ものすごく生々しかった。) それから、エピローグ的なシーンで、監督が登場人物にインタビューをして回想と後日談を語ってもらうという、「ドキュメンタリータッチのフィクション」の枠を超えて、「フェイクドキュメント」と映画のスタイルが変貌するのだが、彼らの回答が最も予想できそうなモノだったので、意外性がないのでは蛇足なのでは?と思った。 |
反逆次郎の恋 | 自主映画、上映会(ビデオ上映) | 2006 日 | ★★ | 感覚系、ドラマ系 | 2008/07/20 | 2 |
ずんぐりむっくりで女に持てない営業マンが、道端で出会った女を自分の家に住まわせ、彼女は男をこき使うが、2人で遊びに行った山で死体を見たことから、男の暴力的な心に火がつく。 ストーリーが説明無しに展開していく部分が多くて解りにくいのだが、主人公が顔面マヒしていたりしょっちゅうタバコを吸い続けていたりなど、妙な迫力で映画を進めていくことが理屈の有無を圧倒する。 |
えてがみ | 自主映画、上映会(ビデオ上映) | 2002 日 | ★★ | 感覚系、ドラマ系 | 2008/07/20 | 1 |
監督の友人の元俳優の絵描きを追うドキュメンタリー(ひょっとしてフェイク?)で、絵描きの友人がうつ病で金銭感覚が鈍く借金が溜まっていることが問題を引き起こす。 何の気なしに絵描きに向けてカメラを回し始め、映画の世界は最後まですごく小さいままなのだが、それでもドラマが繰り広げられ映画が成立してしまう。 |
ビデオ、劇場上映 (作品) //
タイトル | 採点 | 分類 | 更新日 | 累計 |
2007年公開作品(2008年に鑑賞) 2011/10/23
7作品 (日=6、仏=1)
タイトル | 採点 | 分類 | 更新日 | 累計 |
おそいひと | ★★ | 感覚系、ドラマ系 | 2011/10/23 | 7 |
眠り姫 | ★★ | 感覚系 | 2011/10/23 | 6 |
国道20号線 | ★★★ | ドラマ系、社会派系 | 2011/10/23 | 5 |
ジャーマン+雨 | ★★★ | 感覚系、ドラマ系 | 2011/10/23 | 4 |
童貞。をプロデュース | ★★☆ | ドキュメンタリー | 2011/10/23 | 3 |
ガール・スパークス | ★★★ | 感覚系 | 2008/07/15 | 2 |
女子高生の主人公は、ネジを作る町工場を経営している父親と2人暮らしで、父は臭い、学校はつまらない、世の中みんな意味解んないと不満を抱いている。 彼女のイライラ振りの表現がとにかく絶妙で、これはかなり素晴らしい。 イライラが激しくなって、教室の床をのたうち回って絶叫するシーンなんてゾクゾクした。 そのイライラの原因にもなる周囲の人々のギャグっぽい言動も面白い。 それでいて親子関係の微妙な部分もきちんと取り込んだストーリーになっている。 |
夜顔 | ★★ | ドラマ系 | 2008/05/05 | 1 |
『昼顔』の新たな続編としては、約40年ぶりに男女が再会して、お互いに変ったことと今でも心に残り続ける思いがあり、それがぶつかるストーリーは真っ当な作りだが、言い換えれば意外性が足りず、よって続編を作った必然性も薄い。 |
2007年公開作品(2008年に映画館以外で鑑賞) //
タイトル | 採点 | 分類 | 更新日 | 累計 |
2008年に観た旧作 (9作品) 2007/10/27
タイトル | 製作年 国 | 採点 | 分類 | 更新日 | 累計 |
BU・SU | 1987 日 | ★★★☆ | ドラマ系 | 2008/10/27 | 9 |
錆びた缶空 | 1979 日 | ★★ | 感覚系、ドラマ系 | 2008/07/15 | 8 |
エロやグロのシーンに「いつでも夢を」のようなさわやかなBGMを流したりなど、異様な雰囲気が感じられる映画。 |
UNK | 1979 日 | (★☆) | 感覚系 | 2008/07/15 | 7 |
映画作りに興味を持ってきたら、「こんな撮り方や特撮を試したらどうだろう?」「あの映画でみたあんな映像を自分でも作ってみたい」ということを思って実行したと思われる映画。 だから「作ること」が目的の映画であって、「見せること」は二の次だと思うので、観る者の立場で★☆と採点したが、本来なら採点しないのが正しい。 |
スバルの夜 | 1979 日 | ★☆ | 感覚系 | 2008/07/15 | 6 |
直前に観た『OANGING '79』同様、これといったストーリーがなく、さらには台詞もなく、寺山修司っぽい映像で埋め尽くされた映画。 考え込んだ思いが込められたような映画で、でも同じ思いが込められた映画なら、漠然として頭を使うタイプのこの映画よりも、『ORANGING '79』のストレートで邪な思いの方が圧勝という結果になってしまった。 |
ORANGING '79 | 1979 日 | ★★☆ | 感覚系 | 2008/07/15 | 5 |
主人公の三留まゆみさんをフィーチャーして彼女を中心に撮った、これといってストーリーの無い映画。 監督が三留さんに具体的に対して何らかの感情を抱いていたのかいなかったのかは判らないが、自分の好きなもの(人)をフィルムの中に収めたいという、誰でも身に覚えのある思いが感じられる。 言わば「純粋なまでに不純な映画」で、「(いい映画に作り上げて良く)見せたい」という思いより「撮りたい」思いが勝っているのは、アマチュアの映画を作る目的としては全くもって正しい。 一方、第三者である私が観客として観た感想を書くと、三留さんの表情をもっと見たいと思ったのだが、10代の彼女は40代の今でもほとんど変わらない見た目の通り、髪の毛の量が多くて表情が判りにくく、もっと見せる配慮があってもいいかな?と思った。 以下、『ORANGING '79』以降の今関監督について書くと、監督の作品を最初に観たのが『アイコ十六歳』(1983)で、これだけにはとても感激して大好きなのだが、その後の『グリーン・レクイエム』(1988)と『りぼん RE−BORN』(1988)にはかなりガッカリした記憶がある。 その理由は、例えば『グリーン・レクイエム』は切ないストーリーなのだが、鳥居かおりをメルヘンチックに撮ったシーンがあったりして、映画に浸りたい観客の気持ちを無視して、浮かれた気分で撮ったという印象を受けた。 結局今関監督は、アマチュアとしては良かったのだが、プロとして観客に見せることを最優先煮にして、そのために自分自身を厳しくコントロールしなければならないという点に問題があったのではないかと思う。 |
十字路[サウンド版] | 1928 日 | ★★☆ | 感覚系、ドラマ系 | 2008/07/19 | 4 |
通常の時代劇のセットとは明らかに違って、『カリガリ博士』(1920年 独)を思わせるような歪んだ形のセットが使われている。 字幕が全く無くストーリーを語ることに無頓着だった『狂った一頁』と違って、こちらは字幕もあってストーリーがはっきりしているが、それでもサイレント映画らしく、映像の力を前面に出した映画になっている。 それは、ほとんど全編夜のシーンの中で強い光を当てて光と影がはっきり分かれているように見える照明や、俳優の表情をアップで捉えたショットの数々から感じられる。 |
天一坊と伊賀之亮 | 1926 日 | ★★ | ドラマ系、感覚系 | 2008/07/14 | 3 |
狂った一頁[サウンド版] | 1926 日 | ★★☆ | 感覚系 | 2008/07/19 | 2 |
多重露光、斜め構図、非球面レンズ(或いは鏡)による歪んだ画像など、ありとあらゆる映像技法(と、後に追加された不安定な音楽)によって、精神病院内の異常な雰囲気を描く。 徹底して前衛的な表現を追及している。 中でも、中盤の患者たちが暴れるシーンでの早いカット割りによるモンタージュのシーンは圧巻。 主人公の患者の女の隣の房に、太ももむき出して踊り続ける女がいて、和服と日本髪がほとんどだった時代においてその見た目が四元奈緒美か吉高由里子みたいだったりなど、全く古さを感じさせない。 |
月形半平太[パテベビー短縮版] | 1925 日 | ★☆ | ドラマ系 | 2008/07/14 | 1 |
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