映画の感想 2005年 2005/12/16 更新
採点基準
★★★★ |
:人類の宝 |
★★★☆ |
:絶対必見 |
★★★ |
:観るべき映画 |
★★☆ |
:観ても良い |
★★ |
:中間 |
★☆ |
:観なくてもいい |
★ |
:観る価値はほとんどない |
☆ |
:作者もろともこの世から消えてなくなれ |
なし |
:採点不能 |
基本的に、ネタバレがある可能性があります。
文章などの内容には、時々変更や追加が入ることがあります。
2005年公開作品(前年に鑑賞) 2005/06/12
2005年公開作品(映画館以外で鑑賞) 2005/10/22
ビデオ、劇場上映 //
映画祭/上映会/未公開作品 //
2004年公開作品(2005年に鑑賞) 2005/06/12
2004年公開作品(2005年に映画館以外で鑑賞) 2005/06/12
旧作 2005/09/27
2005年公開作品 2005/12/01
|
邦画 |
洋画 |
米 |
香港 |
中国 |
韓国 |
英 |
仏 |
伊 |
スペイン |
加 |
セルビア・モンテネグロ |
ギリシャ |
計 |
拡大公開作品 |
10 |
23 |
20 |
|
|
2 |
|
1 |
|
|
|
|
|
33 |
ミニチェーン作品 |
3 |
4 |
2 |
1 |
|
|
|
|
|
1 |
|
|
|
7 |
ミニシアター作品 |
18 +1/3 |
15 +2/3 |
2 +1/3 |
3 +1/3 |
1 +1/3 |
2 +1/3 |
1 |
|
1/3 |
1 |
2 |
1 |
1 |
34 |
計 |
31 +1/3 |
42 +2/3 |
24 +1/3 |
4 +1/3 |
1 +1/3 |
4 +1/3 |
1 |
1 |
1/3 |
2 |
2 |
1 |
1 |
合計=74作品 |
SAYURI |
★★ |
ドラマ系 |
2005/12/16 |
74 |
丁寧には撮られてるんだけど、このストーリーって面白いか?
芸者モノといえば成瀬の『流れる』や木下の『香華』などのように、芸者同士の争いや芸者と客との間の駆け引きなど緊張感の高い人間関係の中で、人間の心の弱さや強さが引き立つという人間くさいものが多いが、『SAYURI』では物語の形としては確かにそうでも、見た印象では唯一コン・リー演じる役だけが切羽詰った突っ張った生き様を見せるだけで、他の役はストーリーの流れに乗ってしゃべったり動いたりだけで、ちっとも人間くささを感じないものばかりだった。
へたに国産の名作を観ているばかりに、すべきではないそれらとの比較をしているかもと思ってみたが、やはり客観的に見て日本という舞台の特殊性を超えて普遍的な人間の生き様を描いているのでもなければ、日本という独自性をアウトサイダーなりに斬り込んでみたわけでもない。
監督が「実際の日本ではなく、ファンタジーの世界の日本を描いた」と言っているが、まさにその通り「絵空事」以上のものは何もなかった。
これじゃ日本人はもちろん、他のどの国の人もこの映画を面白いと思えないんじゃないの? |
空中庭園 |
★★★☆ |
ドラマ系 |
2005/12/01 |
73 |
TAKESHIS' |
★★☆ |
感覚系 |
2005/11/24 |
72 |
四月の雪 |
★★☆ |
ドラマ系 |
2005/12/01 |
71 |
映画を3つの部分に分けて、理不尽に不幸が舞い込んで、他者には理解しえない苦悩に陥ったときに、同じ状況にあって気持ちを共有できる者同士が近づいていく最初の部分は、描写が細かく確かで素晴らしい。
2人が不倫関係を続ける真ん中の部分は、始まりが唐突に感じるなど深みが感じられずダメ。
2人にそれぞれ夫と妻の立場が重くのしかかってくる終盤は、最初の部分の良さをやや取り戻してきてまずまず、といったところ。
全般的に余計な味付けを極力避けた演出のスタイルが好感を持てる。 |
メゾン・ド・ヒミコ |
★★ |
ドラマ系 |
2005/11/24 |
70 |
エリザベス・タウン |
★★☆ |
ドラマ系 |
2005/11/24 |
69 |
NANA |
★★ |
ドラマ系 |
2005/11/24 |
68 |
上京モノかつ恋愛モノとしてはちっとも型からはみ出してないのには、最近の若い人はこんなもんで十分なの?人気原作マンガもこんな内容?などと思ってしまう。
しかし、基本的に忌み嫌われるタイプの役柄を抜群の笑顔でなどの役作りで好印象なイメージを守りきったあおいちゃんと、感情の激しさの表し方や、普段の濃いアイメークが入浴シーンで薄くなるだけでなんかイイ(卑怯な手口か?)クセ球連発の美嘉の2人の魅力を堪能できて、それがすべての映画だとしても満足できた。(いいのか?こんなミーハーな感想で。) |
春の雪 |
★★★ |
ドラマ系、感覚系 |
2005/10/31 |
67 |
「瀬を早み岩にせかるる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ」の百人一首の歌は、恋愛が成就することではなく、成就することを願う想いを詠んだ歌で、むしろ愛する二人が引き離されなかったら相手を強く想うということの恋の真髄を経験できないのかもしれない。 身の破滅を避けて恋愛を順調に進めて愛する人と結ばれることより、そんな打算的な生き方では決して得られない、心の内から沸き起こるものに揺り動かされる生き方を描いて、人生は決まった正解の形があるものではなく、むしろ夢のように心のありようによって幸福なイメージを得られる自由なものであることを高らかに謳い上げている。 三島由紀夫の原作さまさまの映画なのかもしれないが(ただし未読)、行定監督の演出は締りのある画作りに徹底していて、緩みが無く素晴らしい。
映画の世界が、現実から次第に夢の中にいるような気分を感じさせるものになっている。 |
ブラザーズ・グリム |
★★ |
感覚系、ドラマ系 |
2005/11/06 |
66 |
生真面目な現実主義一辺倒の考え方より、ファンタジーも受け入れることを主張するという点で『バロン』にも通じる内容。
でも、『バロン』よりも荒っぽい出来の印象なのは、ストーリーに合わせていいかげんさを発展させた狙いからなのか、それとも単に出来が悪いということなのか、よくわからないのだが、ストーリーのつじつまが合わなかったりするところがあるから、たぶん後者だろう。
それでも、独特の俯瞰や揺れるカメラワークは楽しめた。 |
NOTHING |
★ |
ドラマ系 |
2005/10/22 |
65 |
ライアン |
★☆ |
感覚系 |
2005/10/22 |
64 |
チーム★アメリカ ワールドポリス |
★★☆ |
お笑い系 |
2005/10/22 |
63 |
運命じゃない人 |
★★★ |
ドラマ系 |
2005/10/22 |
62 |
蝉しぐれ |
★☆ |
ドラマ系 |
2005/10/22 |
61 |
監督が念願の原作を映画化したらしいが、10年以上にも渡る物語の前後の繋がりが希薄で、短いエピソードを羅列しただけのような印象で物語に厚みがない。
更に、演出面でも登場人物の苦悩をエモーショナルに描くこうという意欲が感じられず、彼らが映画の中で生きているという実感が薄くて、単にストーリーをなぞっているだけの印象の映画だった。 |
この胸いっぱいの愛を |
★☆ |
ドラマ系 |
2005/11/06 |
60 |
この映画には、まるで自分が人並みの人生を送ることが当然の権利だと思っているかのように自分に欠けていることに不平をもらすこと一辺倒で、更にはだから自分はグレて当然だとか、生きていてもしょうがないとか、物や周囲の人に八つ当たりしても構わないという複数の人物が登場する。
生まれた家の貧富、親が片親、事故などによる早い死など、人生は人それぞれで不公平なのは仕方のないことで、この映画を観た観客も、自分に不足しているものがあることを自覚しながら、それでもそうした思いと共に生きている人がほとんどだろう。
それなのに上に述べたような、人生は自分で作るものでなく不足は自分以外のせいだと思っている人たちの姿が、たとえそれが十分ありえるものだとしても、それを映画のメインにすえて、しかも周りの人たちも彼らを叱咤しないのは、観る側にしてみれば甘ったれた考えに無神経な映画だという印象を持たざるを得ない。
同じ原作者の『黄泉がえり』も、人の苦悩を表面的に描いただけのヒドい映画だったが、異常現象の真相究明に映画の大半の時間を使う(しかも結局謎のまま)といった愚は今回は避けて、短時間で納得できるように処理したことが唯一の進歩か。 |
ノロイ |
★★★ |
感覚系、ドラマ系 |
2005/10/22 |
59 |
スクラップ・ヘブン |
★★★ |
ドラマ系 |
2005/10/22 |
58 |
さよならみどりちゃん |
★★☆ |
ドラマ系 |
2005/10/22 |
57 |
西島秀俊演じる、いかにも付き合った女を不幸にする匂いがプンプンの男とセックスして夢中になってしまったばっかりに、彼との関係をズルズルと続けてしまう星野真理演じるOLの話。
まずなんといっても、決して威圧的ではないものの不気味に女を陥れようとする悪魔のようなダメ男を演じる西島秀俊が圧倒的。 彼のキャラに説得力がなけれな、「あんな男、なぜさっさと別れないの?」と思ってしまうところ、それでも惹かれてしまう魔力が感じられるから、ダメ男のいいようにされてしまうダメ女の物語が生き、そんな人々による恋に揺れる微妙な心理を楽しむことが出来た。 |
怪談新耳袋[劇場版] 『幽霊マンション』 |
★★ |
感覚系、ドラマ系 |
2005/09/08 |
56 |
Jホラーの面白さの典型といえば、見せ場以外のシーンでも緊張感を緩めない粘り腰の演出と、しかしここぞという見せ場では狂ったような展開で見る者の気持ちを混乱状態に陥れる瞬発力のある演出の2つが楽しめるものだろう。
その点ではこの『…幽霊マンション』は、テレビ版の「怪談新耳袋」で手堅い演出を見せていた吉田監督と、黒髪の落ち着いた優等生タイプの黒川芽以のコンビは、ロケ地の古いマンションの雰囲気の助けもあって「粘り腰」の方はまずまずだが、「瞬発力」の方は眠っている子供の水平移動ぐらいしか見どころがなかったのが、なんか見劣りがする原因だろう。
あと、ストーリー的にひねり過ぎだと、見終わってなんか腑に落ちないというか、どこかごまかされているような気になるから、もっとシンプルでいいんじゃないの? |
シンデレラマン |
★★★☆ |
ドラマ系、感覚系 |
2005/10/22 |
55 |
最近のハリウッドのみならず世界中の映画の傾向は、チャカチャカした早いカット割りの画面に、込み入ってトリッキーな展開のストーリーの映画が幅をきかせていて、それはそんな映画が「情報量が多い」などと有り難がっている観客に合わせているからかもしれないが、とにかく、ロン・ハワード監督は頭で観るような映画ばかりの現状において、「映画は観て魂を揺さぶられるものだ。それこそ映画の醍醐味だ。」という映画を作ってみせれば、ポッと出の映像屋なんかとは監督としての格が違うことが誰の目にも明らかになるので、そのためにわざわざこの映画を作ったのでは?と思えるほどの堂々とした出来栄えの映画だった。 |
私の頭の中の消しゴム |
★ |
感覚系、ドラマ系 |
2005/10/22 |
54 |
まるでデビアスの婚約指輪のCMの2時間ヴァージョンのような映画だった。 即ち、明確なターゲット(=カモ)の気持ちをひくために甘い雰囲気で見てくれを良くすることを最も重視して作っていて、肝心の物語の中身はといえば見事に何もない映画だった。 こうなると、「表現」というよりは「騙し」と言った方が適切。 結婚を何故か執拗に拒否する男が、女が気絶しただけで結婚を決めたり、母親のことを話題にしただけで狂ったように母への憎しみを表す男が突然あっさり母を許したり、建築現場の監督としては安全性に妥協しないほど責任感が強かった男が、痴呆の妻の面倒を見ると言っておきながら自宅に一人きりにして危ない目にあわせたりで、物語がいいかげんなのにも程がある。 物語が場当たり的だから、登場人物の輪郭が一向に定まらない。 輪郭が定まらない登場人物による物語など中身が無いも同然なのは当然。
まあ改めて、韓流とかいってもミソもクソも一緒にしちゃいけないってことだな。そんなこと当たり前だけど。 |
ランド・オブ・ザ・デッド |
★★ |
感覚系、ドラマ系 |
2005/08/30 |
53 |
ゾンビからの襲撃に備えるために、川で囲まれた町に人々が住みつき、ただしその町は特権階級だけが住めるビルとスラム街が存在して、金で雇われた下層の人間がゾンビと戦うという、金持ちが貧乏人同士を戦わせて利益を得ている今の世界情勢そのままの状況が映画の中で描かれる。
ただし、そうしたことはあくまで背景で、基本はソツなくまとめられたアクション映画。
残念ながら、ソツが無さ過ぎて普通の映画になってしまったんだけど。 |
青空のゆくえ |
★★ |
感覚系、ドラマ系 |
2005/09/28 |
52 |
毎度引き合いに出して申し訳ないが、この映画は岩井俊二監督の『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』のような映画を狙ったのではないだろうか?
映画は夏休みとその前後に繰り広げられる中学生どうしの恋の鞘当ての物語として進んでいくのだが、観終わってみればそれは恋愛というより恋愛未満で、そんな取り立てて何も起こらなかったひと夏が終わり、でもそれは紛れも無くその年代の時だけのかけがえのない経験で、数年の時を経た後に振り返ってみるとそれがしみじみと実感できる。
クライマックスの校庭での花火大会は、どんな雰囲気を見事に描き出していた。
でも、この映画のそんないい気分は、花火大会が始まる終盤になってやっと味わえたもので、それまでの映画の大半の部分にあたる前半から中盤にかけては、男1人に女5人が絡む設定がさわやかさとは相反して重過ぎるし(しかも、5人中3人が男の子っぽいキャラでかぶっていて、なおさら登場人物が無駄に多い印象を受ける)、演出のテンポが軽快さを出せていないのも、映画をもったりと重い雰囲気にしてしまっている。
映画全体が校庭のシーンのようなシンプルなトーンだったらと思ってしまう残念な映画だった。 |
ライフ・イズ・ミラクル |
★★☆ |
感覚系、ドラマ系 |
2005/08/29 |
51 |
いつか読書する日 |
★★ |
ドラマ系 |
2005/08/07 作成
2005/10/16 更新 |
50 |
「町から出て行かないと決めた」とか、「読んでいない本がたくさんある」とか、話のシンプルさに対して無意味な設定が多い。
地味に生きている人が主役の物語なのだからさりげなく描けばいいのに、なぜ登場人物や背景の設定などを作り過ぎて、作り物っぽい世界での窮屈な映画にしなきゃいけないんだろう。
作りこむことができる監督だということがわかっただけに、なおさら作り過ぎるということに無頓着なことが惜しまれる。 |
電車男 |
★★★ |
ドラマ系 |
2005/08/02 |
49 |
大真面目だったらどうしようかと思っていたが、おちゃらけた映画で良かった。主人公は22歳だけど、実質初々しいティーンの初恋モノのようで、ビビッドな仕上がりがナイス。 |
亡国のイージス |
★★☆ |
ドラマ系、感覚系 |
2005/07/30 |
48 |
阪本監督のふんばりが効いて、最後まで息もつかせぬ映画になっていて、いーです。話しにご都合主義&工夫不足はあるけど。 |
宇宙戦争 |
★★★ |
感覚系、ドラマ系 |
2005/07/21 |
47 |
映像的なイメージの出来はさすがに良かったけど、サバイバルもののはずのストーリーで、一番印象に残ったのが親子関係ってのは、どう受け止めたらいいんだろう? |
サハラ 死の砂漠を脱出せよ |
★★★ |
ドラマ系、感覚系 |
2005/07/07 |
46 |
キャラ、見せ場、展開のメリハリとリズムと、基本を押さえていて面白い。 |
おわらない物語 アビバの場合 |
★★☆ |
ドラマ系、象徴系 |
2005/07/04 |
45 |
正義だとか信念とかいうものの胡散臭さをあからさまにするソロンズ監督の現実認識は相変わらず鋭い。 |
バッド・エデュケーション |
★★ |
ドラマ系、感覚系 |
2005/07/04 |
44 |
埋もれ木 |
★★★ |
感覚系 |
2005/07/04 |
43 |
『どですかでん』をもっと脈絡を無くした様な、ストーリーを追うより映画全体のイメージを丸ごと受け止めるような映画。
そのイメージは、映画の中で3000年以上前の埋没林が発見されて、それに対して人々が大昔に思いをはせるように、もし3000年後の人が今の人間たちのことを思うとき、現実に起きている事は物語として語られたことと区別がつかなくなり、まるで木が石炭になるように存在として純化されたように受け止められるかもしれない。
それは、今という時間を生きるうえで、小さいことを気にしたり将来に不安を感じたりすることが結局は無意味なものになるということで、気持ちを楽にさせられる。 |
ザ・リング2 |
★★ |
ドラマ系 |
2005/07/04 |
42 |
全然悪くはないんだけど、予想した以上のことはほとんど起きなかった。 |
キングダム・オブ・ヘブン |
★★☆ |
ドラマ系、感覚系 |
2005/07/04 |
41 |
今にも戦争状態に入りそうな対立する2つのグループの間の危ういバランス、そして威勢良く戦争を始めてみると、戦争イコール死体の山を築くこととしか思えないほどの圧倒的な悲惨さの前には、戦争を始める理由となる神だとか正義だとかなんてものは吹き飛んでしまう。
そして、そんなことは今更当たり前で、戦争するたびに身にしみて懲りるはずなのに、それでも何度も戦争を、それもたわいもない理由で始めてしまう人間という生き物。
この映画は、そうした戦争の悲惨さを、投石器などを用いた大掛かりな城攻めのシーンをかつてないほどの見ごたえのある迫力で見せ、ちょっと退屈気味だった中盤までの展開も、その後半の戦闘シーンの前振りだったと思えば十分納得できるほどの出来栄えだった。 |
楳図かずお恐怖劇場 絶食 |
★★ |
ドラマ系 |
2005/06/25 |
40 |
楳図かずお恐怖劇場 蟲たちの家 |
★★☆ |
ドラマ系 |
2005/06/25 |
39 |
HINOKIO |
★★★ |
ドラマ系 |
2005/06/25 |
38 |
これは素晴らしい! 作り手の目線が子供のそれに近い。大人が観てもいいけど、子供にこそ観てほしい映画。 |
ザ・インタープリター |
★★☆ |
ドラマ系 |
2005/06/25 |
37 |
渋くて無駄の無い演出が、70年代の政治サスペンスものみたい。主役二人もいい。 |
エレニの旅 |
★★☆ |
ドラマ系、感覚系 |
2005/06/20 |
36 |
まだこの映画をどう考えればいいか判断しかねるんだけど…。映像的にはアンゲロプロスらしい精密さだったが、ストーリーは思ったよりもベタだった。 |
PTU |
★★☆ |
感覚系 |
2005/06/20 |
35 |
オペレッタ狸御殿 |
★★☆ |
感覚系 |
2005/06/20 |
34 |
清順監督としては、出来上がりを観た限りでは製作の上で何か制約があったようには感じられなかったので、自分の撮りたい題材を思うように作り上げることが出来たのではないだろうか。
彼の映画に対する思いはこの映画からも十分感じ取ることが出来た。つまりそれは、これ以上の深みだとか奥行きだとかテーマだとか、そういったものはストーリー的にも映像的にもこれっぽっちも必要ないということ。
そういうスタンスで、彼のような大ベテランにとっては、昔と比べて特殊効果はオプチカルからデジタルへ別物のように様変わりし、音楽も昔には考えられなかったジャンルが流行っている今の現状に対して、何も意識していないかのようにドンドン取り入れて、それでも決して振り回されることもなく自分のスタイルを作る道具として使いこなしている、その懐の深さにはまったく恐れ入ってしまう。
ただ、そんな彼の作品の魅力となっている映像的なサプライズは、小さいものはたくさんあったものの、例えば『陽炎座』のホウズキだとか、『東京流れ者』の宙を舞う拳銃だとか、そういった「これは!」といえる印象に残るショットが今回無かったのが残念だった。
ここは、清順監督が好き勝手なことを出来ることが確認できたことで良しとするか。 |
クローサー |
★★★ |
ドラマ系 |
2005/06/28 |
33 |
私も世の例にもれず、評判の「タイガー&ドラゴン」を観ては古典落語の魅力を再発見したりしているが、この『クローサー』も言ってみればまさに落語。
八っつぁんや熊さんなどの滑稽な行ないを笑いの対象として楽しむと同時に、そんな彼らの行ないにどこか自分との共通点を感じて、人間という生き物の性をしみじみと感じる。
この映画の登場人物たちのように知的な会話を出来るくらいの分別がある人間にとっては、そもそも恋愛なんて幻想みたいなもので、例えばたとえ相手が実際に浮気をしていたとしても、していないと信じ込むことが自分にとっての幸福につながるかもしれないと冷静に考えればわかるはずなのに、つい真実を追究しようと相手を問い詰めるという野暮なことをしてしまうも、そんな冷静さを失わせるのがまさに恋愛の魔力。
そんな落語のような物語で軽やかに楽しませてくれる、まことに「粋」な映画でした。この映画を重く考えるなんて「野暮」なことはくれぐれもしないように。 |
レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語 |
★☆ |
ドラマ系 |
2005/06/12 |
32 |
ミリオンダラー・ベイビー |
★★★☆ |
ドラマ系 |
2005/06/12 |
31 |
ホステージ |
★★ |
ドラマ系 |
2005/06/12 |
30 |
エターナル・サンシャイン |
★★☆ |
ドラマ系、感覚系 |
2005/06/12 |
29 |
美しい夜、残酷な朝 |
★☆ |
ドラマ系、感覚系 |
2005/06/12 |
28 |
female |
★★★ |
ドラマ系 |
2005/06/12 |
27 |
インファナル・アフェアV 終極無間 |
★★☆ |
ドラマ系 |
2005/06/12 |
25 |
やさしくキスをして |
★★☆ |
ドラマ系、社会派系 |
2005/06/12 |
24 |
ケン・ローチ監督のこの映画の1番の製作意図は、スコットランドではカトリックの学校にも公的資金が投入されているにもかかわらず、カトリックの教徒でないとその学校の教師になれないという、行政が信教によって個人を差別していることを告発することだったのではないだろうか。
この映画ではカトリックの女性とイスラム教徒の男性の恋愛という「ロミオとジュリエット」の設定を用いて上記のことをストーリーに絡めていて、さらに西欧人がイスラム世界をテロリストたちも含めて一様にしか見ないことをファーストシーンの演説で示したり、イギリス領だったインドからパキスタンが独立したときに、インドからパキスタンへの移住の際に多くのイスラム教徒が死んだことなどの余り知られていない事実を示したりなど、歴史や行政についての「告発」を映画の中に仕込むことの周到さが感じられる。
だから、女性の自由を縛るカトリックの扱いに対し、本来ならパキスタンの男性側のイスラム教も同様に描いてしかるべきところ、こちらは製作意図からはずれるということなのか、両親を愛しつつも彼らの保守的な考え方に反発する子供の葛藤は描写が通り一遍だったり足りなかったり、ましてや世代間ギャップを感じられる状況でしきたりを守るか子供を許すかといった親の側の葛藤は描かれてないに等しく、結局こっちのパキスタン人家族のエピソードははっきりしない形で終わっている。(伝統か革新かの二者択一は正解がないから、結末を示せないのは仕方ないということか?)
その点、似たような設定で、親子の関係をじっくり描いていた『GO』や、人間関係をよりエモーショナルに描いていた『パッチギ!』などを既に観てしまった目には、「告発」第一主義の生真面目なこの映画は展開がまどろっこしく、登場人物がもたもたしていたりすると、つい「パッチギかましたれ!」と心の中で思ってしまった。
それでも、抑圧された人間によるドラマチックなシーンの盛り上げ方は、さすがそのような人々を描き続けてきたローチ監督と思わせるところはあった。 |
恋の風景 |
★☆ |
ドラマ系 |
2005/06/12 |
23 |
病気で死んだ恋人の故郷を訪ねることで過去を引きずる心の隙間を埋めようとするという、『世界の中心で、愛をさけぶ』とそっくりな展開の映画。
で、この映画はまずその過去を引きずる主人公を演じるカリーナ・ラムが、「長澤まさみ風の堀北真希」といった風貌で、抑え気味の表情が文句なく絵になるし、青島の美しい風景をバックに切り取られたショットの数々もとても綺麗。ただし、残念なことにそれは静止画レベル止まりの断片的なものなのだが…。
結局、この映画も『世界の…』と同様に、過去の終わった恋と新しい恋のある未来というストーリーははっきり言って深みのないものだが、それでも『世界の…』が見られた映画になっていたのは、作り手が「泣かせる」ストーリーや「長澤まさみ」といった頼もしい「素材」を揃えただけでは満足せず、唯でさえ甘ったるいストーリーは観客の気持ちが我に返ってしまった途端に嘘臭く感じられてしまいがちなとこと、映画全体を通して決してそのようなことが起きないように緊張感を維持し続けるように、映像を作り込んだり、無駄なシーンは入れないようにしたりなど、表現を磨き上げたことによるものであった。
しかし『恋の風景』は、ヒロインとショットとストーリーという良い「素材」が揃っていることだけで「これでお客さんにもウケるだろう」と満足してしまったのか、或いは自分の映画に溺れてしまって客観的に見ることが出来なかったのか、とにかく緊張が緩んで映画から心が離れてしまった時間が長かった。
ストーリーが進展しなくて間延びした印象を受けたシーンがいくつかあっただけでなく、さらに例を挙げると、突然始まる自転車での追っかけっこのシーンは、無駄なだけでなく、狙いが見え見え過ぎてしらけてしまったし、カリーナが目的の場所を捜すのを助ける郵便配達員のリィウ・イェが、目隠しされている少女を天使が助ける絵を描いてそれをカリーナに渡すという、回りくどい割には見え見えの自分の思いの伝え方なんて、恥ずかし過ぎてもっと困ってしまった。
結局、決して自分の映画に溺れず、観客の目の厳しさを意識して創作の手を緩めない「鬼の心」を作り手が持てなかったことが、『恋の風景』が『セカチュー』になれなかった敗因だろう。 |
愛の神、エロス |
★☆ |
感覚系 |
2005/06/12 |
22 |
サマリア |
★★☆ |
ドラマ系、象徴系 |
2005/06/12 作成
2005/10/23 更新 |
21 |
この映画の中でいくつか引用されている神話的な話や奇跡と呼ばれていることは、神が作ったシナリオに則って完璧な結末が用意されているように見えるが、それに対し人間のすることは100%目的通りの結末に落ち着くことはまずありえない。
売春で旅行資金を貯めようとしても警官に見つかってしまう、喪失感を埋めるために売春を始めても父に見つかって思わぬことになってしまう、そして結末を狂わせるのはそんな偶然の外的要因だけでなく、父の行動が娘の売春を止めることから次第に復讐へとエスカレートしてしまうような、自分の心をコントロールできなくなってしまう人間という不完全な生き物のの性によることもある。
この、父親が話の中心になっていく3部構成の第3部は言わば「子離れ」の話になって、ここが映画の中で一番大きな位置を占める。(むしろ、少女が中心の1部と2部が弱いのかも。)
でも、本当は第2部の友人を失った少女のパートが奇妙なストーリーで興味を覚えたのだが、それが完結しないままあっという間に終わって、むしろありきたりなストーリーの第3部にさっさと移ってしまったが残念だったのだが。
子供に愛情を注ぎ込むことが、自分にとっての子供の理想像から子供がかけ離れていくことが耐え難いことと裏表にあり、そんな子供をなんとかしようと思っても人間のすることは思うようにいかず、いっそのこと殺して埋めてしまう方が子供のためなどと安易に考えたりもするが、たとえ人間は一瞬で物事を完璧に成し遂げるような奇跡は起こせないとしても、車の行く手を阻む石を1個1個どけて進めるようにするように、遠い道のりを地道に進むしかない。
また、子供といえども他人の人生を思うようにすることはできず、親の仕事はあくまで子供に車の運転を教えることであって、車でどこに行くかを押し付けることではないということなのだろう。
キム監督の映画を観たのはこれが初めてで、ハードでなおかつファンタジックな映像は北野武監督作品に印象が似ているが、ストーリーは北野作品はロマンチックで解釈を必要とせずに気楽に観れるのに対し、キム作品の方は現実社会に即した内容で解釈を要するところがちょっと厄介だと感じた。 |
海を飛ぶ夢 |
★★☆ |
ドラマ系 |
2005/06/12 |
20 |
PEEP"TV"SHOW |
★★★ |
妄想系、感覚系 |
2005/06/12 |
19 |
9.11同時多発テロのWTCに旅客機が突っ込んでいく映像を見て、現実感が無くて映画みたいだと思ったことから始まる映画だが、「映画みたい」と思うことに対し、私は直感的にあの映像の陰で多くの人が死んだという「事実」から逃げているのだと思った。
しかし、映像を見たそれぞれの人にとっては、「映画みたい」と素直に感じたこと自体がその人にとっての紛れも無い「真実」で、その気持ち抜きでのあの出来事の記憶は不完全なものだろう。
でも、そうなると見た人の数だけ異なった「真実」があるわけで、それは本当の意味での真実、つまりみんなにとっての「真実」ではなく、そのことに気づいたとたん、この世には「真実」なんてものは存在しないのだから、「事実」であるはずの映像に現実感が持てないのも当然で、人々がモニターを通して映像を見ることが当たり前になった今日では、現実感が持てない人が多くなっているのもまた当然のことで、そうした状況がまさしく現代においての「現実」なのだろう。
「真実」というものが世の中にはあるはずだと思う人もいるだろうが、「真実」などというものは疑わしいものだということを多面的に描いていて、世の中は真実と嘘、善と悪といった切り分けができるほど単純なものではないことをあからさまにしていく。
現実感が持てないからといって、「それがどうした。それでも生きていくしかないだろう。」な問題でしかないのだが、それを乗り越えるだけのタフな精神力の必要性に襲われてしまった。 |
カナリア |
★★★ |
ドラマ系、感覚系、妄想系 |
2005/06/12 |
18 |
「子供は親を選べない」という、『誰も知らない』とかなりかぶるテーマの映画。
カルト教団のマインドコントロールから解けずに施設を脱走した少年(石田法嗣)が、片親の父を嫌って家出をした少女(谷村美月)と出会って、引き離された少年の妹を連れ戻すために、2人で妹のいる祖父の家に向かうストーリーで、彼らにをはじめとして、親と子などのさまざまな関係の者同士が、反発しあったり相手を求めたりしながらも、それぞれ個人の生き方を探していくくというプロセスを描いていて、『月光の囁き』などのこれまでの塩田監督作品でも見られたように、人と人とのやりとりを腰を据えてじっくりと濃厚に描いてみせる語り口は、まさに彼の真骨頂。
特に、教団内で親と離れて暮していた少年が久しぶりに母親(甲田益也子)と再会して、一瞬のうちに親が遠い存在になったと知るシーンは本当に素晴らしい。
無駄の無い映画だった『誰も知らない』に比べれば多少語りすぎ凝り過ぎの感じがあるくらいで、かなりの力作であることは間違いない。 |
アビエイター |
★★★ |
ドラマ系 |
2005/06/12 |
17 |
ハワード・ヒューズといえば映画会社のRKOのオーナーだったり、飛行機を作っていたり、人前に姿を現さない人ぐらいのことは知っていて、いままで映画化されなかったのが不思議なくらいのユニーク人で、しかも『アラビアのロレンス』のように、どこかでやり過ぎて人生を踏み外してしまうタイプの人の人生の方が、映画としては断然面白い。
これがレイ・チャールズだったら人生の切り口が「広く浅く」だった『Ray』がいまいちの面白さだったのに対し、ヒューズの人生ならどこをどう切っても面白いといった感じ。
だから、この映画の面白さの最大の決め手はヒューズという人のキャラそのもので、それ無しの純粋な映画の出来としては★★程度だったかも。
映画の出来に対する、映画としての作りこむことによる貢献度はかなり不十分だったと思う。 |
フライト・オブ・フェニックス |
★★ |
ドラマ系 |
2005/06/12 |
16 |
トニー滝谷 |
★★★ |
感覚系、ドラマ系 |
2005/06/12 |
15 |
故郷の香り |
★★ |
ドラマ系 |
2005/06/12 |
14 |
田舎に残した初恋の人を捨てて都会の生活を選んだ男の帰郷モノだが、ムードに流れていて厳しさが弱い。 |
香港国際警察 NEW POLICE STORY |
★★★☆ |
ドラマ系 |
2005/06/12 |
13 |
理屈はともかく、観ていて自然に興奮できて、気持ちよくエンディングを迎えられる。活劇のつぼをしっかり押さえていて完成度が高い。 |
サイドウェイ |
★★★ |
ドラマ系 |
2005/06/12 |
12 |
恋愛下手な中年男の姿にかなり身につまされながら、『アバウト・シュミット』よりも暖かいストーリーをしみじみと楽しめる。 |
ロング・エンゲージメント |
★★☆ |
ドラマ系 |
2005/06/12 |
11 |
固有名詞だらけで判りにくいストーリーをものともせずに、美しいシーンの数々で引っ張りきる。 |
Ray |
★★ |
ドラマ系 |
2005/06/12 作成
2005/10/23 更新 |
10 |
女と薬とトラウマと、それにおなじみの曲を演じて見せるファンにはたまらないかもしれないソックリさん再現シーンの数々と、手を広げすぎて散漫気味の人生総集編になってしまった。 |
登場人物の生々しさがただ事ではなく、監督と俳優が本当にいい仕事をした |
THE JUON / 呪怨 |
★★★ |
感覚系 |
2005/06/12 |
8 |
清水監督、今回も演出の調子がはずれることなく、緊張感を維持し続け、日本版での展開の切れ目がなくなったのはむしろ良い。 |
ネバーランド |
★★ |
ドラマ系 |
2005/06/12 |
7 |
ファンタジーの持つ力が現実を切り開くってだけの話じゃ…、今更って感じが強いなぁ。 |
もし、あなたなら 6つの視点 |
★★ |
ドラマ系、実録系 |
2005/06/12 |
6 |
人権をテーマに作られた映画らしいが、メッセージに実効性があるとは思えないものが多いオムニバス。 |
鉄人28号 |
★☆ |
少年マンガ系 |
2005/06/12 |
5 |
大人の視点でとやかく言う映画でないけど、肝心の子供にウケる何かがあるかは、自信持って言えないなぁ。 |
レイクサイド マーダーケース |
★★ |
ドラマ系 |
2005/06/12 |
4 |
一般向けにそつなくまとめちゃったなぁという感じで、青山監督が得意の筈の薄ら寒い話なのに、不気味さや凄味が無さ過ぎ。 |
またの日の知華 |
★ |
ドラマ系 |
2005/06/12 |
3 |
これって…、ひょっとして作ること自体が目的の映画? 物語で見せる映画でもなく、4人1役の目的がわからない。 |
パッチギ! |
★★★ |
ドラマ系 |
2005/06/12 |
2 |
井筒監督らしい、緻密さよりも勢いとごった煮感覚優先の盛りだくさんな内容で、バランスもとれている。 |
きみに読む物語 |
★☆ |
ドラマ系 |
2005/06/12 |
1 |
第2次大戦前後の身分の違う者同士の恋愛という古風な内容がメインでもいいんだけど、にしても古風過ぎ。 |
2005年公開作品(前年鑑賞) 2005/06/12
カンフー・ハッスル |
★★☆ |
感覚系 |
2005/06/12 |
1 |
CGの出来は悪くないんだけど、格闘の生身っぽさやストーリーのエモーションがもっとあったらなぁと、それらの重要性に気づかされる。 |
2005年公開作品(映画館以外で鑑賞) (1作品) 2005/10/22
富江 BEGINNING |
★ |
ドラマ系 |
2005/10/22 |
1 |
脚本も演出もボロボロで、とにかく全然なってない。
及川監督のやっつけ仕事だったのか? |
映画祭/上映会/未公開作品 //
ビデオ、劇場上映 ( 作品) //
2004年公開作品(2005年に鑑賞) 2005/06/12
5作品 (日=4 チェコスロバキア=1)
約三十の嘘 |
★☆ |
ドラマ系 |
2005/06/12 |
5 |
話も面白くなければ、芝居も楽しくないなぁ。小劇場の芝居の悪い面だけ映画にしたみたい |
誰も知らない |
★★★☆ |
ドラマ系、感覚系 |
2005/06/12 |
4 |
子役の芝居が演技に見えないくらいに自然に演じられるまで粘った確かな演出には恐れ入った。 |
ほら男爵の冒険 |
★★ |
感覚系 |
2005/06/12 |
3 |
ヴィタール |
★★★☆ |
感覚系、ドラマ系 |
2005/06/12 |
2 |
文字通りこの世のものとは思えないようなイメージを作るために、俳優や美術の見せ方までコントロール出来ている塚本監督の力量が凄い。 |
映画全体から冷えて澄んだ空気に暖かい日が差す心地よさを感じさせる内容で、これはいい。演技内容も抜群。 |
2004年公開作品(2005年に映画館以外で鑑賞) 2005/06/12
膨大な登場人物による入り組んだストーリーを限られた時間で明確に描くことに徹した大林監督の手際の良さが光る。 |
旧作 (9作品) 2005/09/27
ストーリー |
感想 |
ある田舎町の代官(中村勘三郎、十七代)は、家宝の赤い立派な陣羽織を着ては外では強そうに見せかけているが、実は落人狩りに出ても足軽を盾にして自分は尻込みし、家ではただでさえ養子で肩身が狭いのに武芸は妻の香川京子以下で、女ぐせが悪いこと共々彼女に釘を刺される日々だった。
一方、水車小屋に住む伊藤雄之助は評判の美人の妻(有馬稲子)とアツアツで、庄屋(三島雅夫)や代官が彼女に手を出しても妻は全く相手にしなかった。
代官が有馬の営む茶屋にお忍びで来ていたときに、彼の馬を見かけた香川が、国家老の父に言って代官を2日後から城勤めにさせることになった。
代官は有馬をものにする最後のチャンスとして、村人たちが好きな相手と一夜を共にする翌日の祭の日に、庄屋に言って雄之助を一晩牢屋に入れさせ、その間に家に一人でいた有馬をモノにしようとするが、有馬は雄之助から護身用に鉄砲を渡されていて、あたりに銃声が響き渡る。
それを聞いた雄之助が牢を破って家に戻ると、そこには水車の川に落ちた代官のぬれた服と、布団に寝ていた代官がいて、雄之助は妻の操を奪われた腹いせに代官の妻を襲おうと、そこにあった赤い陣羽織を着て代官の屋敷に向かう。
一方、有馬は庄屋の家に逃げ延びて、庄屋たちを連れて家に戻ると、実は銃を突きつけられて気絶しただけの代官がいて、雄之助の着物を着た代官以下は、雄之助が向かったと思われる代官の屋敷に向かった。
すると代官は屋敷に入れてもらえず、門の外で騒いだため屋敷の中へとひっ捕らえられ、香川とそれに彼女を襲おうとして逆に捕まって代官に成りすました雄之助が、本物の代官以下に裁きを下す。
もちろんすべては香川の考えによるもので、彼女に陣羽織を取り上げられた代官は城へ向かう行列の間だけ特別に陣羽織を着ることを許され、香川から褒美をもらって帰された雄之助夫婦は代官たちを見送るのだった。 |
山本薩夫監督による喜劇というのはこれまで見た記憶がないのだが、主人公の中村勘三郎の堂に入ったダメ侍ぶりと、それに農民役の伊藤雄之助が偽代官に化けると言うシチュエーションを聞いただけで確実に期待できる面白さが味わえた。 |
月のかんさつ |
1955 日 |
★☆ |
教育映画 |
2005/09/27 |
8 |
瀧の白糸 (最長版) |
1933 日 |
★★☆ |
ドラマ系 |
2005/09/27 |
7 |
國士無双 (短縮版) |
1932 日(日活) |
★★★☆ |
ドラマ系、お笑い系 |
2005/09/27 |
6 |
武士道 (BUSHIDO:DAS EISERNE GESETZ) (フィルムセンター解説) |
1925 日=独 |
★☆ |
ドラマ系 |
2005/08/29 |
5 |
ストーリー |
感想 |
おそらく16世紀の戦国時代、航路を外れた士官のマヌエルと中国人の船員たちを乗せた船が、大名の頼朝の納める藩に流れ着く。
最初に船に乗ったのは礼之助という侍で、マヌエルは城に迎えられることになり、礼之助のいいなずけの静香は彼と一緒にいたいたいと思いマヌエルに舞を見せた。
庭で礼之助が小鳥を弓で射落とすことを頼朝から命ぜられるが外してしまい、切腹を余儀なくされるところ、マヌエルが拳銃で撃ち落して、弓では無理だから許してあげて欲しいと言い、拳銃を気に入った頼朝は礼之助が同じものを作ることが出来たら切腹しなくてもよいと言った。
マヌエルは静香を気に入り2人は一緒にいることが多くなり、ある日、マヌエルが2人の侍に連れられて大仏を見に行っていたとき、酒に酔った2人の侍が静香に絡んでいるのを見つけ、マヌエルたちは止めに入って斬り合いになったところに、1人の槍を持った侍が入って、酔った侍たちは観念し、後日その2人は頼朝に切腹を命ぜられるが、1人が切腹するのを見たマヌエルは、もう1人の切腹をやめるように嘆願する。
静香はマヌエルの船に乗り込み、礼之助のために拳銃の秘密を教えてくれたら自分の身を捧げると申し出たが、マヌエルは教えなかった。
マヌエルが磯釣りをしに1人で行ったとき、頼朝と敵対する隣の西田藩の領地に入ってしまい、そこで彼は顔見知りの女性のエヴァが船が難破して流れ着いたところを助けるが、藩士たちに城に連れて行かれる。
藩主はエヴァをものにしようと別室に連れて行き、マヌエルには西洋の技術を教えろと迫り、断られたので彼を牢に入れる。
藩主がエヴァに能を見せているとき、すきを突いて彼女が逃げ出し、吉原の遊郭で花魁にかくまってもらうが、結局見つかって城に連れていかれる。
そのころ、静香は礼之助にマヌエル救出を頼んで、彼は約千人の甲冑姿の武士たちと共に敵に城に潜入しようとし、いつの間にか脱出したマヌエルも合流して、斬り合いの末エヴァの救出に成功する。
マヌエルは、エヴァが吉原にいたことで彼女を受け入れようとしなかったが、礼之助がマヌエルを吉原に連れて行って、彼女をかくまった花魁から説明を受けて誤解は解け、マヌエルはエヴァと日本式の結婚式を挙げ、礼之助にも拳銃の仕組みを教えて、日本を去るのだった。 |
救出シーンが始まる中盤あたりから、アクションの見た目の派手さとは裏腹に、アクションも一本調子で、これといったことが何も起きない退屈なシーンが延々と続くのがイタい。 |
突撃!博多愚連隊 |
1978 日(自主製作) |
★★☆ |
感覚系 |
2005/07/21 |
- |
ストーリー |
感想 |
チンピラの政明(志水正義)と忠治の2人が暴力団の2人にドスで襲い掛かって、逆に事務所に連れて行かれて殴られる。
2人は顔見知りの知能の遅れた少年が、右翼でガンマニアの彼の兄が部屋に隠し持っていた拳銃を持ち出したのを受け取る。
彼らが住む家にムショ帰りで足を洗おうとしている男が訪ねて来て、もう1人仲間を呼んで4人で屋台で飲むが、暴力団の二代目と付き添いの2人が屋台に現れ、ムショ帰りの男との因縁で喧嘩になり、政明が逆に二代目を撃ち殺してしまう。
政明と忠治が指名手配され、2人は暴力団にも追われるようになり、右翼の男も自宅に来た警官たちから逃げようとするが間もなく捕まる。
ムショ帰りの男ともう1人の男は高飛び費用を得るためにライフルで信用金庫から現金を強奪し、政明と忠治が知恵遅れの少年と逃げて幼稚園のバスをのっとったところに合流し、幼稚園に着いた5人は幼稚園の先生と単独で踏み込んで捕らえられた警官の2人を人質に立てこもる。
一夜明けて、5人は人質を盾に幼稚園から抜け出そうとするが、警官隊に逮捕されたり暴力団に撃ち殺されたりし、1人警官の制服を着て脱出した政明は、高飛びをするために港に着くが、警官姿の彼を見た船員に撃ち殺されてしまう。 |
『高校大パニック』のエネルギッシュでかつプロ並みの的確な演出がさらに発展して、特に大通りを走って逃げる人物を同じスピードで並走して横から捕らえた映像の疾走感が素晴らしい。
採点はあくまで劇場公開作品と同じ基準によるもので、アマチュアの映画としては申し分ない演出のレベルで、私がプロデューサーなら石井監督を即スカウトしてプロとして即戦力として使うだろう。(ていうか、実際彼はそうなったんだけど。) |
高校大パニック |
1976 日(自主制作) |
★★ |
感覚系 |
2005/07/21 |
- |
ストーリー |
感想 |
猟銃を持った高校生の少年が授業中の教室に現れて教師を射殺する。
動機は、彼がその教師に授業中に成績が悪いことをなじられたことを恨んでいたことによるらしい。
教室にいた生徒たちは逃げ、教師は校内放送で生徒たちを帰し、高校には警官隊が到着し、少年は校内を逃げて、ある教室にいた女子生徒3人を人質にして立てこもり、警官隊に向けて発砲を繰り返すが、弾が詰まったすきに人質たちは脱出して少年は踏み込んできた警官隊に取り押さえられる。 |
はっきり言って、カットつなぎはかなり無茶苦茶で、フラッシュバックがそうは見えづらかったりするのだが、演出的にはテンポが取れないアマチュアっぽさや、映画の知識があるとついやってしまいそうな、手法に走るような頭でっかちな演出ではなく、カメラワークよりもまず役者の演技をしっかりさせているので、映像の安定感と緊張感が凄い。
カメラは激しく動く役者を追っているので振り回し気味なのだが、それでも振り回し過ぎることはなく、しっかりと収まっている。
採点は劇場公開作品と同じ基準によるものなので低めになるが、アマチュアとしては群を抜いてレベルが高い。 |
白夫人の妖恋 |
1956 日(東宝)=香港 |
★☆ |
ドラマ系、感覚系 |
2005/07/04 |
4 |
ストーリー |
感想 |
宋の時代、姉夫婦に居候している池部良は、御用聞きで回っていた雨の日に船に同乗した山口淑子に一目ぼれし、彼女と彼女の侍女の八千草薫に傘を預けて帰る。
翌日、彼が傘を受け取りに彼女たちの屋敷に行くと、彼は山口に求婚され、貧しかった彼は婚礼費用のお金を山口から受け取る。
しかし、そのお金は昨晩役場の蔵から盗まれたもので、義兄の密告で池部が捕まり、彼の導きで役人たちが屋敷に行くと、そこは廃屋で、中にいた山口が池部たちの目の前で煙と共に消え去った。
池部は蘇州の牢に入れられることになったが、義兄の賄賂で釈放され、蘇州で旅館をやっている上田吉二郎のところで働くことになる。
そこに、山口と八千草が池部を追って現れ、池部は山口を恨んで拒んだが結局夫婦になり、上田から借金して薬屋を開く。
祭の日、池部を見かけた導師の東野英治郎は池部に妖気が漂っているといって、魔よけのお札を渡すが、この様子を物陰から見ていた八千草が山口に報告すると、山口は井戸に毒を撒いて解毒薬の売り上げで店の経営が上向けば池部の心は帰ってくると言って、八千草に毒を撒かせる。
池部はお札を貼るのに踏ん切りがつかないうちに、山口がお札を台無しにして難を逃れる。
しかし、山口に下心のある上田が彼女と池部をお祝いに招待し、邪気をはらう酒を無理に飲ませようとしたところ、山口が気分が悪くなって、彼女を一人で寝かせた部屋に池部が入ると、彼女の正体が白蛇だとしって気絶し、そのまま死んでしまう。
山口が池部を生き返らせる薬を菩薩様のところにもらいに行っているうちに、東野が池部を生き返らせて彼を寺に連れて行く。
山口と八千草は池部を返して欲しいと懇願するが寺の住職が断ったため、2人は妖術で嵐を起こし寺を水没させようとする。
しかし、池部が水にのまれようとするのを見て山口が呪文の手を緩め、逆に山口と八千草が濁流にのまれて流されてしまう。
池部は故郷の町に帰ろうとする山道で山口の幻影が現れ、山口の愛を知った池部は高僧によってこの世を追われ、彼は山口とあの世へと向かって空を舞って行くのだった。 |
池部良はパッとしない役を軽妙に演じているのかと思ったら、結局最後まで何を考えているのかわからない優柔不断さで、白夫人が何でこんな男を愛し続けたのか?という説得力の無さが、まじめに考えれば一番の問題点。
総じて登場人物たちに魅力がなく(例外は、例の調子で下世話なキャラで笑いを取る上田吉二郎)、展開もモッタリしていて退屈なのだが、それはこの話がタイトな恋愛映画というよりは、ゆるい御伽話ととして作られたということなのだろうか? |
手をつなぐ子等 |
1948 日(大映) |
★★☆ |
ドラマ系 |
2005/07/04 |
3 |
乾いた湖 |
1960 日(松竹) |
★★☆ |
ドラマ系 |
2005/07/04 |
2 |
日本脱出 |
1964 日(松竹) |
★★☆ |
感覚系、ドラマ系 |
2005/07/04 |
1 |
映画のページ
┣ 映画の感想 2005年
┣ 映画の感想 2004年
┣ 映画の感想 2003年
┣ 映画の感想 2002年
┣ 映画の感想 2001年
┣ 映画の感想 2000年
┣ 映画の感想 1999年
┣ 映画の感想 1998年
┃
┣ 映画日記、最近
┣ 2005年に観た映画
┃
┗ 掲示板
メール
Copyright (C) SALVAGE, 2005, All rights reserved
Since 2005/01/31