映画の感想 2013年 2014/01/06 更新




採点基準

  ★★★★ :人類の宝 (最高)
  ★★★☆ :絶対必見
  ★★★ :観るべき映画
  ★★☆ :観ても良い
  ★★ :中間
  ★☆ :観なくてもいい
  ★ :観る価値はほとんどない
  ☆ :作者もろともこの世から消えてなくなれ (最低)
  なし :あえて採点しない(最低ではない)


基本的に、ネタバレがある可能性があります。

文章などの内容には、時々変更や追加が入ることがあります。


2013年公開作品(スクリーン以外で鑑賞) 2013/12/23

2013年公開作品(2012年に鑑賞) 2013/03/24

ビデオ、劇場上映 //

映画祭/上映会/公開未定作品 //

2012年公開作品(2013年に鑑賞) 2013/03/24

2013年に映画館等で観た旧作 2013/11/13


2013年公開作品 2014/01/05

  邦画 洋画 デンマーク ノルウェー 韓国 中国 香港 台湾 ブラジル
拡大公開作品 (全都道府県で同日一斉公開)
ミニチェーン作品 (多くの都道府県で同日一斉公開)
ミニシアター作品 (初日は限られた都道府県で数館でのみ公開)
合計=作品
翌年劇場で鑑賞=

 【註】上の表の国の区分けは、データベースなどの表記による正式なものに代わって、台詞の言語、主なスタッフやキャストの国籍などによります。
    例えば、『片腕マシンガール』は正式にはアメリカ映画(製作がアメリカ)ですが、ここでは邦画に含めています。

タイトル 採点 分類 製作年 国 公開規模 更新日
りんごのうかの少女 ★★☆ 感覚系、ドラマ系 2013 日 ミニシアター 2013/12/27 96
 家に寄り付かず友達と遊び歩く少女と、そんな娘に手を焼きながら黙々とりんご作りの作業を続ける母親との物語。

 りんご作りと子育てを、共に実が結ぶまで地道な努力が必要なものとしてダブらせて描いているのだが、さすがに横浜監督は予定調和な作品にはしない。
 馬や赤い靴に代表されるように、違和感をドンドン投入して異次元空間のような作品世界を作り、モヤモヤしてやり場のない主人公の想いと相まって、くせになりそうな作品の雰囲気が形成されていく。

 弘前市が企画製作の映画で、普通のPR映画を目指すのであれば同市が生産量日本一のりんごにもっとスポットを当てて、親子関係の難しさと同等に、りんご作りがものすごく手間暇を要することを詳細に描いて、農家がりんごに愛情を注いでいることをPRするであろうが、そんな縛りは無しで横浜監督の好きなように作ったようで、あくまでも物語がメインでりんごは添え物の扱いだった。(それどころか、りんごにあんなことまでしちゃってたりする…。)
パリ、ただよう花 【原題】Love and Bruises(意味「恋と傷心」) ★★★☆ 感覚系、ドラマ系 2011 仏=中 ミニシアター 2013/12/27 95
 恋人がいながら、北京で知り合ったフランス人の男を追ってパリの大学に留学した中国人の女が、到着早々そのフランス人男性に振られて、直後に出くわした肉体労働者の男と、薄々ろくでなしと感じながらも、ズルズルと離れられず踏み込めずの関係を続ける。
 傍目には不合理とも思えるダメな恋愛を、絶妙の自然な演出でわざとらしさや嘘くささを感じさせず観る者を惹き付け続けるロウ・イエ監督の手腕は素晴らしく、並の映画監督では到達できない領域に達している。
ゼロ・グラビティ 原題"Gravity"(意味「重力」) ★★☆ 感覚系、ドラマ系 2013 米 拡大 2014/01/06 94
 結論から言えば、感情移入が難しかった。

 直感的に連想した映画は『ポセイドン・アドベンチャー』だった。
 両作品とも「生き抜くこと」がテーマの作品。
 しかし、乗っていた船に沈没の危機が迫る話なら生々しく思えるが、宇宙空間だと実感するのが難しいことが色々ある。

 劇中で描かれただけでも、無重量状態、酸素不足など、台詞による状況説明が大半で、映像による表現では実感することが難しかった。
 (例えば、無重量状態とはいえ宇宙服はものすごく重いので、劇中の映像のように2人分の質量を腕の力だけで支えきれるか、疑問。)
 地上からの人工衛星の爆破もスペースデブリも実在するし、スペースデブリが重大な事故の原因になることも予測されていることではあるが、今では見慣れた宇宙映像は平穏なものばかりで、劇中のカタストロフィックな映像はあまりにかけ離れていた。
 音が聞こえない宇宙空間での事故の音の表現は、迫力がそがれることを覚悟の上で無音を通すのか?科学考証を無視して爆発音を入れるのか?、どうするのだろうと思っていたら、爆発音に似た音楽を映像にかぶせるという折衷案を採用していたが、作為が目立っていたことは否めなかった。

 以上、今いち乗れなかった理由を挙げてみたが、過去にない映像をリアルに再現しようとしたり、冒頭のカメラマンが宇宙遊泳しながら撮影しているように見える長回しなど、映像的にチャレンジブルだったことにはとても感銘を受けた。

 でも、蒸し返すようだけど、映画で重力や無重力が表現できてたら、ラストの感じ方が全然違うんだろうなぁ。
 その点、3Dでもまだ不十分だと思った。
皇帝と公爵 原題:【ポルトガル語】Linhas de Wellington / Lines of Wellington(意味「ウェリントン将軍の防衛線」) ★★ ドラマ系 2012 仏=ポルトガル ミニシアター 2014/01/05 93
 ナポレオンの軍隊がポルトガルに侵攻したのに対抗して、ボルトガルとイギリスの連合軍が迎え撃つ話だが、尺の大半が戦わずに砦まで退却して優位に立とうとする様子に費やされるので、地味な展開の作品。
 そんな殺し合いの少ない戦争であっても、人心や国土が荒らされ、身分の低い人達ほどしわ寄せが大きいことが描かれている。
もらとりあむタマ子 ★★★ ドラマ系 2013 日 ミニシアター 2013/12/21 95
 大学を卒業しても就職せずに実家に居続けるタマ子と、彼女のデリケートな心に波風を立てないように気を使う父親との、2人暮らしの物語。
 それぞれの心のかすかな動きが絡み合って、物語に小さな波が起こるのを、他に類を見ないほど絶妙に描いている。
 1つ1つのシーンが芝居も含めて素晴らしく、なんてことのない駅での別れのシーンが本当に名シーンだったりするのが嬉しい。
ブリングリング ★★☆ 感覚系、実録系 2013 米 ミニシアター 2013/12/14 91
 日本で言えば、バイト先の飲食店で冷蔵庫に入ったりした写真を自らネットにばらまいてしまう「バカッター」事件のように、羽目を外して軽い気持ちで犯罪(窃盗)に走る若者を描く。
 実際にこんな事件があると「何故そんなバカなことを…」と思うものだが、その理由として「楽しいことを追求するノリの延長」という風に描かれていて、そんな楽しい気分や、歯止めのない状態を犯人側目線で感じさせてくれる。
 とはいえ、決して犯人たちに同情的ではなく、全体的には客観的に出来事を描いていて、むしろ突き放している印象。

 以前のコッポラ監督作品の『マリー・アントワネット』でも、感性に対して従順に振る舞う彼女を描いていた。
 ただし、前作ではその志向を肯定的に描いていたと思うが、本作では好意的ではない点では一致していない。

 監督の興味のポイントは、感性に突き動かされてハッピーになろうと行動することそのものなのかもしれない。
 あくまで、そんな人の是非は置いておいて。
 特に、エマ・ワトソン演じるメンバーの1人がラストに見せるような歪んだキャラに対しては、「こういう人間もいる」という冷めた描き方をしているように思えた。

 ともかく、感性に対して真摯なスタンスで切り込んで人間を描いていることには共感を覚える。
悪の法則 ★★☆ ドラマ系 2013 米 拡大 2013/12/31 90
 きっかけは些細なことだが、気が付けばどうしようもなく深刻な状況になる展開は、過去のリドリー・スコット監督作品の『テルマ&ルイーズ』や『ブラックホーク・ダウン』などと共通の特徴。
 まあまあ良かったのではないだろうか。
ハンナ・アーレント ★★☆ ドラマ系、実録系 2012 独=ルクセンブルグ=仏 ミニシアター 2013/12/23 89

 タイトルからすると、アイヒマン関連以外も含む彼女の人生全体の映画のように思われ、実際そうなのだが、結果としてはアイヒマン関連の比重が大きかった。

 論争になったことに関しては、本作を観る限り彼女の主張が100%正しく、クライマックスで学生たちに向けて堂々と主張したとおり「人物のありのままを見ようとするのと、罪を許すことは、全くの別問題」である。 その事を考えようともせずに多くの人が悪魔認定したアイヒマンを悪魔扱いしなかっただけで「手先」呼ばわりするのは、彼女が重要だと訴えた「思考すること」を早々に放棄していることの最たるものである。 もっと解りやすい例えを挙げると、人を殺すことが「悪」かと言えば、戦時中は多くの人間を殺すことは善ともされるので、そんないい加減な善悪のイメージに囚われて人を評価することなど明らかに間違っている。

 以上のことは、わざわざ映画のテーマするまでもない、当たり前過ぎることだと思うのだが、現実には今の日本でも、事件があると特定の人々や団体に悪のレッテルを貼り、マスコミは吊し上げに躍起になっているのは日常事なので、同じ過ちを何度も繰り返す愚かな人類には、余計なお世話と思えるくらいの警鐘を鳴らし続けることが必要なのかも。

さよなら渓谷 ★★☆ ドラマ系、感覚系 2013 日 ミニシアター 2013/12/14 88
ぼっちゃん ★★☆ ドラマ系、感覚系 2013 日 ミニシアター 2013/12/14 87
ペコロスの母に会いに行く (意味:ペコロス=小さい玉ねぎ、主人公の頭部の見た目からのあだ名) ★★☆ ドラマ系、実録系 2013 日 ミニシアター 2013/11/21 86
 痴呆症の母親がいて仕事などと介護の板挟みになる、独身中年男のエッセイ漫画を原作とした作品。
 とはいえ、全体的に悲壮感は少ない。
 母親の思い出の数々が、過去ではなく現在まさに起こっていると思うことによる言動がボケの症状の1つになっていて、同時に回想シーンとして描かれる。
 痴呆症の母親の想いは実際のところ解らないので、母親をファンタジー世界の住人と勝手に解釈していると言えるのだが、例え嘘でも観る者にとって心理的に有用だと感じることが出来るものであれば、それは人間には欠かせない「物語」という存在であり、本作はまさに「物語」に触れることの喜びを感じさせてくれた。
かぐや姫の物語 ★★ 感覚系 2013 日 拡大 2013/11/22 85
 良い映画なのか悪い映画なのかも含めて、とにかくよく解らない。
 時代考証などもいい加減だったり、登場人物のキャラも設定もオチャラケ気味だったりで、一見すると悪く言えばデタラメ、良く言えば自由な作品なのだが、それすらも意図せずそうなった「天然」なのか、意図した通りの「確信的」なのかすら解らない。
 (特にクライマックスの月からの使者は、あれで良かったのだろうか…。)
 そんなわけで、頭を使いながら観てしまったのだが、仮に逆にニュートラルな気分で考えずに観たらどうだったかというと、それでも直感的に良い表現だと思ったのは全編というわけにはいかなかったし。
 うーん…。
あさひるばん ★☆ ドラマ系 2013 日 ミニチェーン 2013/11/11 84
 ストーリーが、勘当状態の父親に孫娘の結婚式に出席してもらうように説得する程度でしかないので、ボリューム不足で間が持てず観ていてダレる。
 もっとエピソードを盛るとか、テンポを上げて尺を詰めた方が良かったと思う。
わたしはロランス (原題:Laurence Anyways) ★★☆ ドラマ系 2012 加=仏 ミニシアター 2013/11/11 83
 心が女であることをカミングアウトして女装を始め、偏見の目で見られるようになる男と、戸惑いつつ彼のそばにいて支えになる恋人の女の、恋愛関係の紆余曲折を描いた作品。
 ある時は激しい芝居、ある時は凝った映像表現と、手を変え品を変えて観る者に強い印象を残そうという意気込みが感じられる。
ムード・インディゴ うたかたの日々 ディレクターズカット版 (原題:L'ecume des Jours (意味:日々の泡) / Mood Indigo (デューク・エリントンの曲名)) ★★ 感覚系、ドラマ系 2013 仏 ミニシアター 2013/11/13 82
 同じ原作の映画化作品では、利重剛監督の『クロエ』(★★★)も観たが、あれも本作ほどあからさまではないが、現実感が薄くファンタジーが支配している作品だった。
 でも、両者で明らかに異なっているのが、『クロエ』では病気になってからファンタジー色が強くなって、暖色で軟調の画面のシーンが多かったのに対し、本作ではハッピーな前半の方がファンタジー色が強く、発病後の後半は彩度の低い硬質な画面になって、ファンタジーの印象は弱まった。
 好みの問題かもしれないが、『クロエ』と比べて本作の方がバランスが悪いと感じた。
 つらい状況にありながらも愛し合う2人を描く後半こそ、ファンタジーが似合うと思ったからからである。
 前半の幸せの真っただ中でウキウキ状態の2人を描くのに、わざわざファンタジー色の強い凝った映像表現をする意味があったのか?
 むしろ、あの表現自体が目的で、ストーリーは二の次だった?などとも思ってしまう。
すべては君に逢えたから ★☆ ドラマ系 拡大 2013/11/22 81
 クリスマスと東京駅とJR東日本に関連した6つのストーリーが同時進行する映画で、これら「縛り」の存在感に比べればドラマがものすごく弱く、いかにもトップダウンで作らされた印象を受ける。
 言ってみれば、商業施設におけるクリスマスの飾り付けのような作品で、一種の「お膳立て」であり、それ以上の意義はは感じられない。
 「作品」というより「事業」を見せられてる感じ。
 それでも、いつくかのシーンで作り手たちが意地を見せているかのような芝居があったことは救い。
 若手女優陣は好演。
ばしゃ馬さんとビッグマウス ★★☆ ドラマ系 ミニチェーン 2013/11/11 80
サッドティー ★★☆ ドラマ系 2013 日 ミニシアター 2013/11/03 79
 今泉監督の二股&片思い映画は相変わらず面白い。
 いつものパターン通りなのはともかく、大半が会話のみで「平板過ぎるかな?」と思っていたら、終盤にドラマが動き出し、見せ場も用意されていた。
 恋が冷めて「もう終わりか?」と思っていても、実際に別れ話になると関係が終ってしまうのが惜しいと思うようになり、しかも選択はすぐにしなければならない。
 そんな、せつなかったりスリリングだったりする状況が面白い。
あの頃、君を追いかけた ★☆ ドラマ系 台湾 ミニシアター 2013/11/01 78
死霊館 原題:"The Conjuring"(意味:お祓い) ★★☆ ドラマ系 2103 米 ミニシアター 2013/11/05 77
 実話をベースにしているということで、ホラーでありながらわざとらしさを排し、品格ある作りを貫いている。
 アメリカのホラーは、表現が単純でやり過ぎの傾向があり、そういうのはガッカリしながら観ることになりがちだが、本作は表現を考えて作っている感じがするのが良い。
 なおかつ、要所要所できっちり怖がらせることも忘れない。
恋するリベラーチェ 原題:Behind the Candelabra(意味「枝付き燭台たちの裏」) ★★☆ ドラマ系 2013 米 ミニシアター 2013/11/03 76
 マット・デイモン演じる男が、マイケル・ダグラス演じる人気ピアニストのリベラーチェに惹かれて、異質な芸能の世界に飛び込む話。
 その世界は一般社会とはかけ離れているので、人によって好き嫌いがはっきり出やすい対象で、物語も愛憎劇になっていくのだが、他者の魅力に惹きつけられたり心を満たしたされたりすることを通じた、肯定的な人間どうしのつながりが感じられるのがいい。

 アメリカではTVドラマとして放映された作品だけど、ソダーバーグはテレビの演出は続けるのかな?
ケン&メリー 雨上がりの夜空に ★☆ ドラマ系 ミニシアター 2013/11/01 75
探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点 ★★ ドラマ系 2013 日(東映) 拡大 2013/11/01 74
藁の楯 ★★☆ ドラマ系 2013 日 拡大 2013/11/04 73
 設定的に面白い。
 容疑者移送の話なので、場所も次々移動し、画的にも常に動きがある。
 誰もが本性を隠しているかもしれないことも、緊張感を増している。
トランス 原題:Trance ★★☆ ドラマ系 2013 米=英 ミニチェーン 2013/10/25 72
 盗んだ絵画が行方不明になり、実行犯の主人公の失われた記憶を催眠療法で取り戻してありかを突き止めようとする話。
 途中の段階から、記憶を取り戻したのか妄想なのかの区別がつきにくくなるのが一番の見所で、最近観た『パッション』(★☆)もそうだったけど、比べるとその手の映画が得意だったはずのデ・パルマの方が負けてるなぁ。
くじけないで ★★ ドラマ系 拡大 2013/10/25 71
そして父になる ★★★☆ ドラマ系 2013 日 拡大 2013/11/11 70
 是枝監督の会心の作品。
 まず特筆すべきことは、子役の演技が物凄く自然。
 細かい演技指導はせず、自由に動いてもらったと思うのだが、脇役の弟と妹までもが、大映しになっていない時でもいい動きをしていた。
 ストーリー展開、登場人物の設定をはじめ、全体的に「作為」というものを感じさせない作りで徹底されていて、かつ作品の放つ「言葉では説明できない、父になるということにおける子供への想い」は見事に描かれていた。
42 世界を変えた男 ★★ ドラマ系 ミニチェーン 2013/11/17 69
<ストーリー>
 1947年に黒人初のメジャーリーグ選手になったジャッキー・ロビンソンが、人種差別と戦いながら、チームメイトとの絆を深めていく、実話を元にした話。
<感想>
 1947年の黒人差別に限れば、さすがに今のアメリカとは社会情勢が違うので、時代劇と言っていいだろう。
 ただ、異人種などの異質な人々に対する偏見は今でも当たり前のように存在するので、そんな今の状況に向けて本作のような作品を作る意図もありうるだろう。
 その場合、重要なのは差別される側よりも、差別する側の心理や、偏見から心変わりしていく過程の方を描くことになると思われる。
 以上の点で見て本作はどうかというと、意外に差別する側のことは詳しく描かれてなく、物わかりの良い白人は最初からそうで、偏見を抱いていた人は、態度を変えなかったか、気がついたらいつの間にか心変わりしていたという感じで、全体的に葛藤の少ない登場人物たちによる、差別通り一遍のエピソードが中心の作品だった。
 これじゃうがった見方をすれば、「アメリカ人は基本的にはみんな人権を大事にする人達」ということ印象付けるための歴史歪曲映画じゃないかと思ってしまう。
エリジウム ★★ ドラマ系 拡大 2013/10/25 68
許されざる者 ★★☆ ドラマ系 2013 日 拡大 2013/10/19 67
ブロークンシティ ★★ ドラマ系 2012 米 ミニシアター 2013/10/19 66
「また、必ず会おう」と誰もが言った。 ★★☆ ドラマ系 2013 日 ミニシアター 2013/10/20 65
 男子高校生が、お金のない状態のまま、知り合った人々に助けられながら旅をするロードムービー。
 自然な会話の芝居が全編に渡って貫かれていて、そんな意図に応える出演者たちも総じて好演。
 高校生の成長モノの定番パターンとはいえ、絶妙のバランス感覚による安定感抜群の作品。
ファントム 開戦前夜 ★★ ドラマ系 2012 米 ミニシアター 2013/11/04 64
 1968年に、ソ連の核ミサイル搭載潜水艦内で実際に起きた事件の映画化で、すでに存在しない国の国家機密とはいえ、他国のアメリカが映画化しているのが何とも奇妙。
 緊迫感はあったので、「潜水艦映画に駄作なし」の法則は生きていると思うが、似たような軍服を着た者同士が潜水艦内で戦うので、展開が解りづらい。
 また、ミサイル室に入った男のその後など、ハッキリさせるべきことをフォローしない事がいくつかあったのも、解りづたかった原因かも。
 ラストのようにヒネった表現には力が入っているのに。
カイロ・タイム〜異邦人〜 ★★ ドラマ系 2009 加=アイルランド ミニシアター 2013/10/11 63
凶悪 ★★☆ ドラマ系 2013 日 ミニチェーン 2013/10/11 62
タイガーマスク 感覚系 2013 日 ミニチェーン 2013/10/17 61
 プロレスファンからは「これプロレスじゃないだろ。」って文句が出そうだが、映画ファンはそこは不問。
 ただし、登場人物が表層的な喜怒哀楽を見せるだけで、それ以上の感情のうねりが感じられないから、全く面白くないことは見過ごせない。
 ヒッチコックもサミュエル・フラーも、「映画はエモーション」って言ってるが、本作は全くエモーショナルでない。
 これなら、映画作りには素人でも、原作とかプロレスとか何かにちゃんと思い入れのある人が作った方がよっぽどいい映画だったんじゃないかと思える。
甘い鞭 ★★☆ ドラマ系 2013 日(角川) ミニシアター 2013/10/12 60
 高校生の時に監禁強姦されたことがきっかけで、夜になるとSMグラブでマゾの女として働く女医の話。
 その筋の性癖の理解が不可欠なストーリーだったら困る、と思いながら観ていたが、それは杞憂に終わり、観終わってみるとフィクションとして納得できるストーリーで、まとまった作りになっていた。
 謎を秘めた終わり方になっているが、「あれは何か?」というのはどうでもよく、しいて言えば可哀想な女に対する石井監督の優しさが形になったものだろう。
ゴースト・エージェント/R.I.P.D. ★★ 感覚系 2013 米 ミニチェーン 2013/10/18 59
 最近のVFXを駆使したハリウッド作品って、見せ場が「アクション」ではなく単なる「ぶっ壊し」だったりするけど、そんな1本。
 ジェフ・ブリッジスは、西部のガンマンのキャラが定まってないとはいえ、軽妙な芝居で相変わらす良いんだけど。
きっと、うまくいく (原題"3 Idiots"、意味:3バカ) ★★ ドラマ系 2009 インド ミニシアター 2013/10/13 58
 インド映画は、常識的な道徳観のストーリーのものばかりと言っていいと思うが、それでも真っ直ぐに押してこられるとグッとくるものがある。
 強姦のスピーチのシーンに代表されるように、説明的過ぎたり、くどい印象を受けたり、テンポが遅く感じる部分が多かった。
 170分という上映時間にも現れているように、国による好みの違いなのかもしれないが。
パッション 原題"Passion" ★☆ ドラマ系 2012 仏=独 ミニシアター 2013/10/13 57
 ブライアン・デ・パルマといえばヒッチコック・フォロワーとしておなじみだが、同時に自分自身のフォロワーでもあり、自作において上手くいった表現方法を繰り返し用いている。(自作フォローはヒッチもやってたことだけど。)
 特に『キャリー』や『殺しのドレス』といった彼の代表作はフォロー率が高く、両作品において特に素晴らしかった長時間のスローモーションは、彼の代表的な映像表現と言っていい。
 彼のそんな姿勢を、マンネリで嫌っているかといえばむしろ逆。
 スローを映像の味付けとして使う監督はいても、スローの表現を極めようとするかの徹底ぶりを見せるのは彼ぐらいしかいない。
 映画ならではの映像表現を追及するのは映画作家としては当然だと思うのだが、何故かそれを律儀に行っているのがデ・パルマだけで、他の誰も真似をしようともしないから、ここはデ・パルマの一代芸として、彼にどんどん披露してもらうしかない。

 『パッション』では、前半はデ・パルマの芸はなりを潜めていたが、後半になってスローのシーンが現れたりしだした。
 今回はスローモーションよりも、現実と非現実の境目があいまいになっていく展開の方が前面に出ている。
 これは『悪魔のシスター』から始まって、最近の『ファム・ファタール』にも見られるように、デ・パルマ作品でいくつも見られた特徴的な展開だが、一番上手くいったのは『殺しのドレス』だろう。
 こうしてデ・パルマは、過去の自作における表現の成功例を元に、新たな傑作シーンの創造に励むのだが、比較対象が判りやすいのでどうしても比べて観てしまうのと、その対象が映画史に燦然と輝く出来栄えなので、元々が不利なに置かれている。
 それは承知だから、こっちも決して高望みはしていないのだが、それでも「観て良かった」と思える程のレベルに達していないと、反動で失望感も大きくなる。

 まあ、何が現実か判らなくなっていく展開はちょっと面白かったんだけど、今回は今ひとつ及ばずといったところかな?
 それでも、次も観るんだけどね。
陽だまりの彼女 ★☆ ドラマ系 2013 日(東宝) 拡大 2013/10/12 56
 主人公の年齢層が20代なのはちょっと違うけど、大林宣彦監督の尾道三部作を思わせるような作品。
 とは言っても、観る者にとって一生の宝になるような大林作品には全く及ばず、あっさり風味の作品になってしまっている。
 作品に対する作り手の思い入れの強さが、両者で違い過ぎるという印象。
 ひょっとして、30年前の映画の状況とは違って、今は入れ込んで作るよりあっさりとした作風の方が受け入れられるという判断によるのかもしれないが、そうだとしたら、そんな気心は余計なお世話。
 手加減なしの映画を選ぶ人の方が多いと思うのだが。

 そんな気合いの足りない作品でも、突出した表情の豊かさを見せるのが上野樹里で、かつての彼女の出演作の『チルソクの夏』(★★)や『虹の女神 Rainbow Song』(★★☆)と同様に、芝居の力で自力で作品を魅力的なレベルにまで引き上げて、結果的に「上野樹里を見るための映画」と言える作品として成立させている。
 やはり、彼女の才能はずば抜けて素晴らしい。
クロニクル 原題:Chronicle(意味「年代記」) ★★☆ 感覚系、ドラマ系 2012 米 ミニチェーン 2013/12/31 55
 民生のビデオカメラによる個人撮影や、街角の監視カメラにたまたま写っていた映像を編集して作った、という体の作品で、ブライアン・デ・パルマ監督の『リダクテッド 真実の価値』と同様の方式。
 ただし、『リダクテッド』か基本ワンシーンワンカメラだったのに対し、本作は普通の映画並みにカットが割られているし、カメラは念力で操作している設定なのでフィックスではなく自由自在に動くし、クライマックスでは民生カメラの原則を無視して、普通の映画のようなショットもあるしで、原則厳守よりも見た目重視の発展形で、観た印象は普通の映画とあまり変わらない。
 「念力によってカメラを空中で自由自在に動かせる」という設定で撮られた映像は、これまで見たことのないようなものだったので、単なるモキュメンタリー以上の映画的な成果があったと思う。
ランナウェイ 逃走者 ★★ ドラマ系 2012 米 ミニシアター 2013/10/11 54
ビザンチウム ★★ ドラマ系 2012 英=アイルランド ミニシアター 2013/10/11 53
もうひとりの息子 ★★ ドラマ系 2012 仏 ミニシアター 2013/09/29 52
地獄でなぜ悪い ★★★ お笑い系 2012 日 ミニチェーン 2013/09/29 51
 これ観ちゃうと、映画について細々語ることなんて無意味に思えてきちゃう。
 良い映画とは何かと言えば、「観客が満足感を得るもの」ということに尽きる。
 そして作り手の側から具体的に言い直せば、観る者の心に爪跡を残せるかどうがにかかっていて、技術的なこと云々は二の次だから。

 映画の中の台詞で何度か言及しているように、最近の邦画のつまらなさに対する問題提起になっている。
 興行的には邦画が洋画を圧倒しているとはいえ、ヒット作の大半はテレビやベストセラー小説の映画化やリメイクばかりの知名度頼み、表現的にも万人受け狙いの無難なものばかりで創造性に欠ける、そして結局は1年もすれば誰にも語られなくなるような作品が量産されている。
 ビジネス重視でリスク回避ばかり熱心な保守的な芸能は、そのうち人心が離れて見向きもされなくなるかもしれない。
 そんなぬるい邦画とは真逆の方針で『地獄でなぜ悪い』は作られている。
 表現には気後れせず、徹底的にやり抜く。
 金勘定ではなく、観客に見せたいもの、自分自身が作りたいと思う「想い」で映画を作る。
 そして、邦画の現状打破を後押しする上で必要なのは、計算なんかではなく狂ったような「がむしゃらさ」であるというのも、個人的には同意するところである。
ザ・コール (原題:The Call、意味「通話」) ★★ ドラマ系、感覚系 2013 米 ミニチェーン 2013/11/30 50
 前半、誘拐されて車のトランクに閉じ込められた被害者が、犯人に気づかれずに警察に通話して助けを求める展開は、声だけのコミュニケーションの難しさが緊迫感を高めて良かった。
 それで通すのかと思いきや、後半は普通の警察捜査モノのようになったり、猟奇スリラーになったりで、あれもこれも取り込んでみて、結果は思いつきっぽい展開になって見劣りしたのが残念。
 それでも、最初から最後まで退屈せずに楽しむことができた。
風立ちぬ ★★★ ドラマ系、妄想系 2013 日(東宝) 拡大 2013/09/27 49
 時間の流れ(=過去)や空間や生死といった、どうにもならない隔たりが存在する「現実」に対抗して、妄想力を駆使して美しさの世界を形成しつつ、それを前向きな力にして現実と向き合う。
 なんか、まるで大林宣彦作品みたいだ。
 ラストに流れる、アナログレコードの再生による荒井由実の「ひこうき雲」も、1970年代という、もはやこの世にはなく人の思い出の中にしか存在しない美しい過去の世界の一要素といった感じ。

 これまでの宮崎作品は、スクリーンの中で成立するもう一つの現実を作り、そのことを観る者にしっかり納得させるようなものだった。
 そのような能動的なイメージに対し、『風立ちぬ』は前述のように、現実の困難や不幸を受け入れるような受動的な印象を受け、これまでとの作品と比べるとかなり違っていると思った。
 どんな監督でも年齢を重ねるにつれて、力技でねじ伏せるような作風から、力を抜いてこだわりのない自由な表現をするように変化すると思うが、ここにきて宮崎監督にもついにそんな変化が表れた感じ。
 彼は長編はもう作らないと宣言したものの、新たな段階に入った彼の新作を今後も期待したい。
スター・トレック イントゥ・ダークネス ★★☆ ドラマ系、感覚系 2013 米 拡大 2013/09/20 48
 面白かった。
 見せ場の数々が手際よく展開して、全然退屈しなかったという意味で。
 ただし、観ている間は何も心に引っかからず時間が過去から未来にスムーズに流れていき、観終わっても何も残らなくて、はたして観て良かったのか?観なくても良かったのか?

 映画館にぷらっと立ち寄って、2時間ぐらい楽しめればいいという、プリミティブな映画の楽しみ方は満たしていたことにはなる。
 ただ、娯楽や暇つぶしなら他に沢山、しかもより安上がりに出来る今の状況で、それらに対抗して大金をかけたプロジェクトである映画で商売しようとしている状況に疑問を感じてしまう。
 映像技術や見せ方が行きつくところまで行った結果なのか、(他の娯楽と比べて)映画の「これは面白い」と堂々と主張できる点って何だろう?という疑問が深まった感じ。
ゼンタイ ★★ ドラマ系、お笑い系 2013 日 ミニシアター 2013/09/12 47
四十九日のレシピ ★★☆ ドラマ系 2013 日 ミニチェーン 2013/09/12 46
サイド・エフェクト ★★☆ ドラマ系 ミニシアター 2013/09/12 45
ポルトガル、ここに誕生す ギラマランイス歴史地区 ★★ 感覚系 2012 ポルトガル ミニシアター 2013/09/12 44
【第1話 バーテンダー ★★☆】
 雑な料理を出す、客の入りの悪いレストランの主人の冴えない1日。
 台詞も動きも表情も少ない、いつも通りのカウリスマキ作品で、いつもの通り楽しめる。
【第2話 スウィート・エクソシスト ★☆】
 ほぼエレベーター内のみで繰り広げられ、登場人物の2人がほとんど動かず口も動かさずに会話をするという、4作品中1番凝った作り。
トゥ・ザ・ワンダー ★☆ 観念系 2012 米 ミニシアター 2013/09/12 43
 恋愛が上手くいっている時と冷めた時を繰り返す男女2人が主人公で、人を救いたいと思いながら手応えを感じない神父のエピソードが加わる。
 2つに共通なのは「心の空虚さ」で、それを埋めるのは「希望」というほど具体的でない、もっと抽象的な気分のようなものというのがこの作品の答。

 以上がこの作品のあってないようなストーリーだか、もし観る側が空虚を感じながら日常をおくっていたり、希望を簡単に信じられる人だったらこれだけでも十分満足するかもしれないが、そうでない人にとっては、思わせ振りなだけで中身のない作品とも言える。
 さらには、テレンス・マリック特有の、人物をステディカムで至近距離から広角レンズで撮影した2秒間ぐらいのカットをモンタージュした映像も、幻想的とも言えるけど、一方では何とかの一つ覚えのようにも思えて、誰が撮っても編集でそれっぼく見せられそうな気がする。

 映画は観る人が好きなように観ればいいと思うから、上記の「傑作説」と「化けの皮剥がれた説」の好きな方を選べばいいが、後者の可能性を感じつつ前者を選ぶ勇気はないなぁ。
 「はだかの王様」の話の、王様をほめる人達のようには絶対なりたくないからね。
ウォーム・ボディーズ ★☆ 感覚系、ドラマ系 2013 米 ミニチェーン 2013/09/20 42
 ゾンビの側からの視点で描かれたゾンビ映画が有りそうでなかったのはゾンビに人格がないからだが、ここでは青年ゾンビが人間少女に一目惚れするとか、人間の脳を食べることでその人間の記憶を得るなどの設定で、新分野に挑戦している。
 感情の目覚めの表現が観念的な雰囲気を醸し出していたので、ゾンビ自身の目線で戸惑いながらも変化してゆく課程を描くことに専念していたら面白い作品になっていたかもしれない。
 でも、そこに立ちはだかるのが「ジャンル映画」の壁で、デート映画として解りやすい面白さの万人受けする映画にしようという意図が働いたのか、途中で人間目線に変わってゾンビを茶化したりとか、極悪ゾンビ相手の勧善懲悪アクションとかの要素を入れて、結局月並な映画になってしまった。
 アメリカ映画も、以前は近々リメイク作が公開される『キャリー』(1976)などのスティーブン・キング作品のように、ドロドロした要素を貫き通す作品があったのだが、今はリスク回避の万人受け志向が強くなって難しいのだろうか?

 ついでに、展開はものすごくいい加減。
 例えば、防護壁で鉄壁の守りの人間居住区に簡単に忍びこめたり。
 まぁ、面白かったらそんなの気にならないんだけど。
共喰い ★★☆ ドラマ系 2013 日 ミニシアター 2013/09/12 41
 静かに展開しながら、少しずつどうにもならない異常な状況になっていくのは、確かに『Helpless』みたいだ。
 前半の、町の淀んだ空気が人々をその場所へと縛り付ける感じは、とても良く表現されていた。

 昭和63年の夏から始まる時代設定が強調されていたが、昭和の最後ということ以上の意味は感じなかった。
 鬱屈した地元での生活から逃げ出したいと思う若者の話は、確かに平成以降では成り立たないかもしれないけど。
タリウム少女の毒殺日記 ★★☆ 観念系 2012 日 ミニシアター 2013/09/12 40
シャニダールの花 ★★☆ 象徴系 2013 日 ミニシアター 2013/09/12 39
タイピスト ★★☆ ドラマ系 ミニシアター 2013/09/12 38
パシフィック・リム 【原題】Pacific Rim(意味「環太平洋」) ★★☆ 感覚系 2013 米 拡大 2013/12/31 37
 別の宇宙との通り道のワームホールが環太平洋の海溝に通じ、そこから現れた地球侵略を狙う「KAIJU」に、人類は巨大ロボットで立ち向かう。
 KAIJUなんて役名つけるから、マニアックな映画かと思いきや、意外に小細工は無く、戦い方が飛び道具や光線ではなく肉弾戦主体なように、武骨に力で押しまくる作風の作品。
 そのせいか、前半は目新しさのなさに不満も感じたが、終わってみれば力業で押しまくることの良さが発揮されていて、緊張感を維持しながら、かといって一本調子になっていないセンスの良さも見られた。
アイアン・フィスト ★☆ 感覚系 2012 米 ミニチェーン 2013/08/03 36
リアル 完全なる首長竜の日 ★★ ドラマ系 2013 日 拡大 2013/07/22 35
バーニー/みんなが愛した殺人者 原題:Bernie(意味:主人公の役名) ★★☆ ドラマ系、実録系 2011 米 ミニシアター 2014/01/15 34
 ジャック・ブラック主演だからおちゃらけたお笑い映画かと思ったら、淡々と展開する笑うに笑えない、むしろ社会派な映画だった。
 よく、アメリカは都市部を除けば内部に巨大な後進国があると言われるが、まさにそんな感じで、人々は論理的に他者を見ることができず、宗教さながらにこびりついた固定観念や思い込みにより、安易に善人か悪人かに決め付けてしまう。
 そして、そんな人々による陪審員制度で裁きが決まってしまい、弁護士や検察官も陪審員の心理的弱さにつけこんで、イメージ戦略で評決を覆そうとする。
 こうして、裁判に感情論が入り込むという、あるまじき要素が多数存在し、宗教裁判にもなりかねない、アメリカの裁判の怖さが、ジワジワと感じられる映画だった。
嘆きのピエタ 原題:Pieta(意味「ピエタ」(聖母マリアがキリストの死体をひざの上に抱いて嘆いている図または像)) ★★☆ ドラマ系 2012 韓国 ミニシアター 2013/12/31 33
 高利貸しの手先になって、借金の肩代わりに保険金を受け取るために滞納者に障害を負わせる仕事をしている男の前に、生んですぐ捨てたという母親を名乗る女が現れ、愛情を注ぐ彼女に応え始める。
 登場人物がみんな追いつめられた状態だったり、精神的に満たされていない状態だったりすることが緊張感を高めている。
 しかし、そんな設定上の特異性が際だっている反面、表現によって魅了したり身につまされる思いにさせてくれる方は相対的に手薄だった感じ。
25年目の弦楽四重奏 ★★★ ドラマ系 ミニシアター 2013/07/22 32
コン・ティキ ★★ ドラマ系、実録系 2012 ノルウェー ミニシアター 2013/07/22 31
We Can't Go Home Again ★☆ 感覚系、実録系 ミニシアター 2013/07/22 30
リンカーン ★★☆ ドラマ系 2012 米 拡大 2013/06/08 29
ハード・ラッシュ ★★ ドラマ系 2012 米 ミニチェーン 2013/06/06 28
ウィ・アンド・アイ ★☆ ドラマ系 2012 米 ミニシアター 2013/06/06 27
セデック・バレ 第二部 虹の橋 ★★ 感覚系、ドラマ系 2011 台湾 ミニシアター 2013/06/06 26
セデック・バレ 第一部 太陽旗 ★★☆ ドラマ系、感覚系 2011 台湾 ミニシアター 2013/06/06 25
舟を編む ★★☆ ドラマ系 2013 日 拡大 2014/01/15 24
 辞書の編集という、15年もの年月を必要とする特殊な世界を描いた作品。
 とはいえ、その特殊性に対する好奇心を満たしつつも過度に入れ込まず、人間関係をバランス良くちりばめて、手堅く自然体にまとめられている
インポッシブル 原題:Lo Imposible / The Impossible(意味「不可能なもの」) ★★☆ ドラマ系 2012 スペイン 2014/0115 23
 実際の災害を題材にした作品に対してなんなのだが、津波の再現シーンの凄さにつきる。
 津波未体験の人には想像を絶する恐ろしさを、津波体験者には思い出したくもないであろうイメージを提供する。
 CGの出来も素晴らしいが、津波を全身で受けるナオミ・ワッツの姿も凄まじい。
 実話を元にしているとはいえフィクションなのだから、実質的な主役である7歳半の長男の成長とか、離ればなれになった家族のすれ違いをスリリングに見せるなどのドラマチックな要素が強くても良かったのでは?
グランド・マスター ★★ 感覚系、ドラマ系 2013 拡大 2013/06/06 22
ヒッチコック ★☆ ドラマ系 ミニシアター 2013/06/06 21
ホーリー・モーターズ 原題:Holy Motors(意味「神聖な自動車」) ★★☆ 感覚系 2012 仏=独 ミニシアター 2014/01/15 20
 冒頭、まるでデヴィッド・リンチ作品のような始まり方ににワクワク、ってカラックス監督に対して失礼か?
 「人が別の人物を演じる」という映画のようなことが、日常社会においてもありふれたことかもしれないという虚構づくめの設定の中で、ドニ・ラヴァンに何でもかんでもやらせて、展開も表現も自由自在。
 カラックス監督が楽しい映画を作るようになったことを歓迎。
愛 アムール ★★☆ 感覚系、ドラマ系 2012 仏=独=オーストリア ミニシアター 2013/06/06 19
ペタル ダンス ★★ 感覚系 2013 日 ミニシアター 2013/06/06 18
ライジング・ドラゴン 原題:十二生肖/Chinese Zodiac (意味:干支、十二支) ★★ ドラマ系 2012 香港 拡大 2013/05/03 17
 直感的に面白くなかったけど、何故だろう?
 ジャッキーが『サンダーアーム』(★★☆)、『プロジェクト・イーグル』で演じたトレジャーハンター"アジアの鷹"のシリーズ第3弾なのだが、前2作のようなストレートな宝探しのノー天気な良さが後退し、アジアの鷹の意図は定まらないし、ストーリーもあちこち迷走気味というのが大きいかな?
 ジャッキーアクションの持ち味の1つが「しつこく続く格闘シーン」(『ヤング・マスター』『ドラゴンロード』『酔拳2』など)なのだが、そのしつこさが盛り上がりに繋がるのに「ストレートさ」「困難に立ち向かう一途さ」が一役買っていた。
 本作でも後半で長めの格闘シーンがあるのだが、ストレートさが欠けていたのが関係してか、もしくはしつこさが不十分だったか、とにかく淡泊だった印象。
 アクション全般に渡って、短いカットをつなげて結局流れがよく判らない描写が多い。
 これが、「体を張って本格的なアクションをするのは本作が最後」とジャッキーが宣言しているように、肉体の限界がごまかし切れない状況になったことを示しているのかもしれない。
 映画作りなんてのは、ウソをついてお客さんをダマしてでも喜ばせるようなもんだから、本当に死にそうなことをする必要はなく、トリックとかスタントマンとかいくらでも使ってもいい(まぁ、そもそもジャッキー映画でもVFXは前からたくさん取り入れているはず)。
 大切なのは身体能力より上手くダマせるセンスの方だと思うから、監督としての高い実績があるジャッキーのアクションにはこれからも期待するけど、毎回上手く作れるとは限らないということか?ごまかし切れない限界が存在するのか?どっちだろう。
コズモポリス ★★☆ ドラマ系 2012 米 ミニシアター 2013/12/31 16
 投資会社の社長である若い男が、運用に失敗したことや殺人予告を受け取ったことで、次第に平常心を失っていく。
 クローネンバーグ監督がかつて『ヴィデオドローム』や『戦慄の絆』で描いたような、ある人間が何となくジワジワと異常な状態に変わっていく展開の作品が久しぶりに復活。
 直接的な表現を排して、噛み合わない会話や、大半の舞台となっているリムジンの中から見える車外の騒乱などから、何となく感じさせることを狙った表現方法は、説明が難しく「絶妙」としか言えない。
世界にひとつのプレイブック ★★☆ ドラマ系 2012 米 ミニシアター 2013/04/28 15
クラウド アトラス ★☆ ドラマ系 2012 米 ミニチェーン 2013/04/28 14
 過去から未来にかけて、ある人間の行為が直接的関係のない他人の運命を次々と左右し続ける、そんな雲のようなかすかな因果関係が人類という種の命運を形作ってる、という話。
 要するに壮大な作り話で、それは映画ならではであり、映画だからこそ嘘八百が許される。
 堂々と大嘘をつくだけの頭脳労働をしてまで作りあげたのなら、その頭脳労働は話の面白さのためにも使われていてもよさそうだが、結局この作品は最後まで気持ちが高揚することはなかった。
 エモーションを作品にこめることを忘れたら、どう頑張ったとしても面白くならない見本。
フラッシュバックメモリーズ 3D ★★☆ ライブ系 2012 日 ミニシアター 2013/04/28 13
 2009年の交通事故により、事故以前の記憶の一部を失い、事故以降の記憶も数ヵ月後には消え去ってしまう後遺症を抱えているミュージシャンGOMAの映画。
 全編に渡って、事故から復帰した彼が演奏するのを3Dで撮影した、実質的にはスタジオライブ映画。
 それに並行して、過去の映像や字幕などを用いて彼の半生が語られる。
 3D撮影の意味は、記憶に障害のある彼にとっては一瞬一瞬の重みが大きいので、その瞬間の生々しさをできるだけ実感できるものとして表現するための選択だろう。
 3D技術といえば、ハリウッド作品でも見せ場にアクセントを加える程度、つまり威勢のいい音楽を鳴り響かせるような表現に留まっているので、それらよりは食い込んだ使い方をしている。
ジャンゴ 繋がれざる者 ★★☆ 感覚系、ドラマ系 2012 米 拡大 2013/04/28 12
ダークホース リア獣エイブの恋 ★☆ ドラマ系 2011 米 ミニシアター 2013/03/24 11
 トッド・ソロンズ監督は、『おわらない物語 アビバの場合』(★★☆、2004年)、『ストーリーテリング』(★★☆、2001年)などで、世間で広く正しいと思われていることでも実は正しいとは限らない、そんな誤認識によって一部の人間が大勢によって苦しめられることになる、ということを描いてきた。
 『ダークホース〜』はそれに反して、誰が見てもダメだと思うような人間が、身近な人たちにダメ扱いされるという、ストレートな内容。
 それだけのストーリーだと身も蓋もない内容の映画になってしまうので、いかにひねりを加えるかが面白さにかかってくる。
 で、確かに特に後半の超現実的な展開などにひねりの形跡は見られるのだが、それでもひねりきれてないし、ひねりの量も十分じゃない。
 自分を過大評価してしまった人間の悲劇というのがストーリーのベースなのだろうけど、その選択時点からハンデが大きすぎたような…。
テッド ★★ ドラマ系 2012 米 拡大 2013/03/24 10
 結局は、中年男の「恋愛をとるか?友情(と趣味)をとるか?」の話。
 ぬいぐるみのクマがしゃべって動くとか、台詞などの至る所に映画ネタが仕込まれていることは、映画の中のかなりの要素になっているが、実はストーリー的には全く必然性がない。
 恋愛と友情の選択問題も、クライマックスで突然身の危険が迫る展開に変わってうやむやになってしまうのも、なんだかなぁ。
 まあ、もし恋愛を真面目に描くつもりだったら、なれ初めもあんな適当なものにしなかっただろうけど。

 結局、テッドの一番の魅力はテッドの見た目に尽きるかな?
 薄黄色だった新品当時からの薄汚れ具合とか、脇腹の毛の抜け具合とか、なによりまゆ毛の当たりの盛り上がりとか、「ブサカワ」という言葉がある日本でウケたのもうなづける豊かなキャラ。
 中綿が真っ白フワフワってのは、明らかにおかしいんだけどね。
横道世之介 ★★☆ ドラマ系 2012 日 拡大 2013/03/24 9
きいろいゾウ ★★☆ ドラマ系 2013 日 拡大 2013/03/24 8
だいじょうぶ3組 ★★☆ ドラマ系 2013 日(東宝) 拡大 2013/03/24 7
 小学5年3組の担任になった車椅子の教師と、彼の手足となってサポートする一度は挫折した元教師が、子供たちの心の問題にとりくむ。
 小学生たちが心の問題を克服していくさまが描かれるので、その過程が台詞によって明確に語られ、子供映画というよりは青春映画のような雰囲気。
 そして、キーポイントでは長台詞をしゃべらせアップで捉えて長回しで見せるという、『余命1ヶ月の花嫁』(★★★☆)スタイルの廣木監督演出がここでも効果的。
 (ついでに、榮倉奈々も『余命〜』『アントキノイノチ』に続いて廣木作品に起用。すっかり廣木ファミリーか?)
 観賞後の手応えが強い作品だった。
インターミッション ★★ 感覚系、ドラマ系 2013 日 ミニシアター 2013/03/24 6
ムーンライズ・キングダム ★★☆ ドラマ系、寓話系 2012 米 ミニシアター 2013/03/24 5
 一言で言えば、直球の寓話。
ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 ★★★ ドラマ系、感覚系 2012 米 拡大 2013/03/24 4
ひまわりと子犬の7日間 ★☆ ドラマ系、実録系 2013 日 拡大 2013/03/24 3
みなさん、さようなら ★★ ドラマ系 2012 日 ミニチェーン 2013/03/24 2
 小学校卒業と同時に、学校へはおろか、団地の敷地からも外に出ないと決めた少年の、1981年から1997年までの話。
 その時々の風俗を盛り込んで、時代性や社会性を強調するようなことはしていない。
 一方、団地から出ないと決めた理由を中盤まで伏せているように、主人公の心理を深く掘り下げてカッチリ描いている訳でもない。
 だからといって、そんな緩さを受け入れる寓話性が際立っているか?といえば、それも物足りなさを感じる。
 どっち付かずの宙ぶらりんな結果になってしまったことが、この作品の引力が弱いと感じる理由か?
デッド寿司 ★★ お笑い系、感覚系 2012 日 ミニシアター 2014/01/15 1
 今回の井口監督作品も、女の子&アクション&ゲテモノの鉄壁の組合せ。
 しかも、主演の武田梨奈ちゃんがアクションだけでなくバカ芝居もイケることを初めて知り、他の出演者も全員、考えつく限りのバカっぷりを見せてくれるのが一番のみどころ。
 シビアに観る映画ではないので、このくらいのサービス精神ならある意味満点なのだが、同時に井口監督ならこれくらいを基準点として、ここからどのくらい面白くできるかを期待したいところ。


2013年公開作品(スクリーン以外で鑑賞) (3作品) 2013/12/23

タイトル 採点 分類 製作年 国、スタッフ、等 メディア 公開規模 更新日 累計
さよならドビュッシー ★★☆ ドラマ系 2012 日 HDDレコーダー(WOWOW) 拡大 2013/12/18 3
ストロベリーナイト ★★☆ ドラマ系 2013 日(東宝) HDDレコーダー(WOWOW) 拡大 2013/12/18 2
96時間/リベンジ 原題"Taken 2"(意味「拉致、その2」) ★★ 感覚系、ドラマ系 2012 仏 HDDレコーダー(WOWOW) 2013/11/18 1
<ストーリー>
 前作のアルバニア人の犯罪グループの家族たちが、仇を取るべくリーアム・ニーソン演じる元CIA工作員の居場所を突き止め、彼の別れた妻(ファムケ・ヤンセン)と娘(マギー・グレイス)と落ち合ったイスタンブールで3人まとめて拉致して仇を討とうとする。

<感想>
 退屈はしないけど、作りは雑。
 格闘や撃ち合いなどのアクションは、カット割りを早くしてるだけ。
 最大の欠点は、悪役の立場で見れば、前作ではなんだかやけに強い奴に訳も分からず襲われる展開だったのに対し、本作は相手の正体が判った上に明確な目的があるので、慎重に行動しなければならないことがハッキリしているはずが、悪役がスキだらで全然手強くないところ。
 あと、前作でもちょっと気になったけど、拳銃に弾丸が何十発入ってるんだろ?
 でもまあ、知能を駆使した展開のところは面白い。


2013年公開作品(2012年に鑑賞) (1作品) 2013/03/24

タイトル 採点 分類 製作年 国、スタッフ、等 メディア 公開規模 更新日 累計
LOOPER/ルーパー ★★ ドラマ系 2012 米 Web 拡大 2013/03/24 1
 タイムトラベルものは、ただでさえタイムパラドックスの処理が厄介なので、嘘っぱちなお話ならともかく、心情に訴えるような生々しさは、前提が非現実的だからどうしても相性が悪い。
 おまけに超能力まで付け足しちゃってるし。
 雰囲気は悪くないんだけど…。



映画祭/上映会/公開未定作品 (作品) //

タイトル 採点 上映形態 製作年 国 分類 更新日 累計



ビデオ、劇場上映 (作品) //

タイトル 採点 分類 更新日 累計


2012年公開作品(2013年に鑑賞) (5作品) 2013/03/24

タイトル 採点 分類 上映形態 製作国 公開規模 更新日
サイド・バイ・サイド フィルムからデジタルシネマへ ★★☆ ドキュメンタリー 映画館(ビデオ上映) 2012 米 ミニシアター 2013/03/24 5
ルビー・スパークス ★★ ドラマ系 映画館(35mm上映) 2012 米 ミニシアター 2013/12/08 4
 私はクリエイターじゃないけど、フィクションの中の登場人物は誰かの創作じゃなく、本当に生きていて勝手に動き回っているようなのが最高だと思う。
 だから、この作品の創作物に対する創作者の内向きな想いには違和感を感じた。
 特に後半で。
 ルビーが純粋に恋愛対象だった最初の方は良かったのだが。
 「恋に落ちる」ことと「創作や想像」は、人間の想いの力が最も表れることであり、どっちか1つだけを取り上げても映画をエモーショナルにするには十分なテーマだと思うが、2つ欲張って両立しきれなかった感じ。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q ★★ 感覚系、象徴系 映画館(ビデオ上映) 2012 日 拡大 2013/03/24 3
巨神兵東京に現わる 劇場版 ★★ 実験系 映画館(ビデオ上映) 2012 日 拡大 2013/03/24 2
大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇] ★☆ ドラマ系 映画館(ビデオ上映) 2012 日 拡大 2013/03/24 1



2013年に観た旧作 (2作品) 2013/11/13

タイトル 採点 製作年 国 分類 上映形態 更新日 累計
化粧雪 ★★ 1940 日(東宝) ドラマ系 フィルムセンター(35mm上映) 2013/11/13 2
【ストーリー】
 東京の下町の小さな商店街にある寄席の喜楽亭は、客の入りが悪く、工場の用地に売るか借金を返すかを迫られていた。
 寝たきりの父に代わって寄席を切り盛りしている山田五十鈴は、父が生きている限りは寄席を売らないつもりでいて、建築家になるために学校に行きたがっている弟に鋳物工場で働かせていた。
 家を離れてさまよっていた兄が東京に戻ってきて、事業の元手のために五十鈴のいいなずけに金の無心をしたことから、縁談は破談になった。
 寄席の番頭の藤原釜足が、昔のつてで一柳斎貞山に事情を話して、彼が節分に喜楽亭に来ることになり、満員の大盛況の中、父は息を引き取り、危篤の知らせで駆けつけた兄に五十鈴は寄席の権利を任せ、家族で頑張って生きていくことを誓った。

【感想】
 映画としては普通だが、今の目で見ると、1940年の東京の場末の風俗が興味深い。
 寄席の前の電気屋で、流しているラジオの上方漫才を聞こうと人だかりができているのが面白い。
 寄席の前の看板にでかでかと「林家正蔵」とあったのは、今の正蔵と三平の祖父の先々代の正蔵だろうが、映画には出てないみたい。
その後の蜂の巣の子どもたち ★★ 1951 日(新東宝) ドラマ系 フィルムセンター(フィルム上映) 2013/07/21 1
 清水宏監督が、引き取った戦災孤児たちを本人役で出演させた『蜂の巣の子供たち』(1948)の続編で、それに触発された記者やボランティアたちが、伊豆の山中の共同生活の場所に押し寄せて起きる騒動を描く。
 子供たちを本人役で出演させて現実とリンクさせているところがちょっと面白い。
 あとは全体的に清水監督ならではの、のほほんとした調子の作品。



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