〜け〜

けいかい(境界) 大道具用語。約束ごとの一つで、部屋と部屋、座敷きと廊下の仕切りなどに実際に壁や板張りを建てずに、低い壁(勝間掘)や柱と同じ幅の板でその仕切りを示すものをいう。 .
げいなか(芸中) 演劇やショーなどの正味時間。したがって、この中には舞台転換時間および休憩時間は含まれていない。 .
けこみ(蹴込み) 大道具用語。階段や二重(→にじゅう)などの側面、下部のふさぎをいう。蹴込みの高さは、階段の場合は一段の高さになり、その時は(けあげ)ともいう。
「けこみ」に対する言葉で階段の足を乗せる面、台などの上部面のことを「ふみづら(踏み面)」と言う。
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けざおんがく(下座音楽) 歌舞伎、人形浄瑠璃、寄席などで舞台の陰で演奏される音楽の総称。歌舞伎ではもと舞台上手(→かみて)に囃子を演奏する場所があり、天保期(1830〜44)ころ下手に移された。ともに(下座)といい、そこで演奏される音楽の意味だが、演奏者自身は黒御簾(くろみす)叉は陰囃子といい、文楽や寄席では単に囃子(→はやし)または鳴物(→なりもの)という。主として長唄曲を基礎とする唄、三味線の演奏を主とする合方、各種の楽器を使用する鳴物の三つに分けられ、更にこれらを組み合わせたものなど1000種以上あるといわれる。 .
けしまく(消し幕) 歌舞伎演出用の幕の一つ。舞台上の死骸や不必要な物品の処理として、後見(→こうけん)黒衣(→くろこ)が黒幕を用いて消し去る。ドラマの進行に応じ、あるいは絵面として不必要になれば消去する歌舞伎の様式演出の一つ。 .
げだい(外題) 歌舞伎、浄瑠璃で上演される作品の題名。おもに京阪で用いられる言葉で(芸題)ともいい、江戸では(名題)といった。  .
ゲネプロ generalprobe(総稽古)の略。日本では舞台の総仕上げの意味に用いられる。 .
けれん 演出用語。(外連)とも書く。大道具や扮装術による仕掛けを利用した興味本位の演出をいう。 .
げんじまく(源氏幕) プロセニアム(→プロセニアムアーチ)開口の両側部に取り付けられる縦長の装飾幕、上部の水引幕(→みずひき)に対応するものであるが、プロセニアム巾が適当であるものならば、ようのないものであって、近来の劇場舞台では廃止されている例が多い。 .