〜み〜

みあらわし(見あらわし) 1.歌舞伎用語。本当の自分を隠している人物や、人間に化けている妖怪などの本性をほかの人物が見破ったり、本人が本性をあかす演出。たいてい最後の幕の終りの部分で行われ、演出には定型がある。
2.場面の中で、登場人物が実の正体をあらわす歌舞伎的な演出方法。
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みえ(見得) 歌舞伎演技・演出用語。形式的には局面における演技を劇内容の感情の隆起を誇張表現し、しかも一瞬活動を停止させた静止のポーズといえる。(見得を切る)といい、(にらむ)ともいうのも強烈、圧倒、徹底の最大限の発揮を約束としており、歌舞伎の絵画的視覚美を特色づける要因となっている。目をむき、ときには口をあけ、ときには舌まで出し、ツケを打ち、衣装を変化させることもある。 .
ミキサー mixerは放送用語。バラバラな音の要素を一つに混ぜて調整する技術者をいう。台詞などの音色、音楽、効果音など複数の音質、音量を番組のテーマに沿って最適な状態(音)につくりあげる。 .
みきり(見切り) 大道具用語。大道具や背景の脇から舞台奥をかくすために出す張り物(→はりもの)または切出し(→きりだし)をいう。別名つきだし。 .
みきれる(見切れる) 観客席から舞台裏が見えてしまうこと。物陰に隠しておいたものや隠れている人物が見えてしまうこと。「見切り」や「一文字幕」(→いちもんじ)「袖幕」(→そで)を用いて隠す。 .
みこみ(見込み) ドアや窓などの大道具に厚みを付けることがある。この厚みが見込み。 .
みこむ(見込む) 演者が、ある方向をじっと見ること。 .
みずひき(水引) 舞台の最前面、プロセニアム(→プロセニアムアーチ)の上部から吊られた横長の装飾布、プロセニアムの高さの低減を装飾と兼ねるものである。緞帳のすぐうしろにある一文字幕。 .
みちゆき(道行) 能、浄瑠璃、歌舞伎の舞台場面および演出、演技形態の一つ。また歌舞伎舞踊の種類の一つ。本来道行は、日本の花能や文学において特徴ある表象と様式を示すもので、祭の(お練)や(行道)(ぎょうどう)と呼ばれる以前を伝えている。地点経過移動につれる叙情の起伏や流露は、語り物文芸の聞かせどころとして重要部分となり、近世始め浄瑠璃がこれを展開し、やがて一作品中にはかならず道行を挿入するようになる。元禄期(1688〜1704)に、この道行の形式を心中事件と結びつけて、新しい演劇展開を得させたのが近松門左衞門の(曾根崎心中)の道行であった。しかし一方、浄瑠璃系の道行に対し風流系もしくは小唄系の道行といわれるはなやかな出端の道行、振事あるいは景事という道行舞踊も完成している。有名な道行に(吉野山)(義経千本松)の道行初音の旅、(八段目)(忠臣蔵)の道行旅路の嫁入り、(お三輪)(妹背婦女庭訓)の道行恋芋環、(累)(色彩間苅豆)、(落人)(道行旅路の花聟)などがある。また舞踊劇の多くは娘道成寺や勧進帳のように、その出端に道行を含んでいる。 .
みはからい(見計らい) 芝居などで使用される音やキッカケを固定せず、その都度に適宜の処理をすること。 .
ミミック 演劇用語。mimicは物まねを中心とする無言の身振り動作のこと。 .
ミラーボール 小さい鏡を一面に張りつけた球でモーターで回転し、これにスポットライトを当てると場内全体に光点を撒き散らす。レヴューなどに好んで使われる。クリスタルとも呼ばれる。

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