〜ほ〜

ほうがく(邦楽) 明治期に輸入された欧米の音楽に対する言葉で、日本の音楽という意味。広義には歌謡曲やニューミュージックを含めた、日本で作られた音楽全体をいう。狭義には三味線音楽、箏曲、尺八など近世の俗楽を指す。 .
ほそざお(細棹) 三味線の種類。太棹、中棹に次ぐもので、棹が最も細く音量も小さい。細棹は長唄、小唄、山田流箏曲などに用いられる。 .
ボーダーライト 照明用語。border lightは舞台上部に吊り下げられたフラットな照明を行なう灯具。ボーダーとは一文字(幕)(→いちもんじ)のことでこれに沿って列状に配置される。緞帳の後から第1、第2、第3ボーダーライトと呼ばれる。3〜4色に回路分岐がなされており、1灯あたり150W〜200Wの電球が着装されている。 .
ボックスセット 舞台装置用語。張り物(→はりもの)によって背景、側壁または天井が構成される室内場面の呼称。 .
ホリゾント 上部が湾曲した布製のクッペルホリゾント、垂直面のルントホリゾントがある。天光色による空の現象(たとえば1日、季節などの微妙な推移)あるいは投写機クラウドマシン、エフェクト器具併用による宇宙、自然現象(たとえば火事、波浪、山岳風景、銀河などとその推移)から抽象画面など、現代は1KWに上る白熱電力の光量、照明単独器具などの整備とフィルターの使用により、その舞台装置の様式の空間性、抽象性の多彩な展開に役立っている。

舞台図
ホワイエ 劇場入口から主室内(ロビー、客席室)に至る通行広間。通常ここに切符売り場があり、また顧客の友待ち場所に供される。我国の劇場でいわれる大間にあたる。一般にはロビーと画然と区別せず同義に用いられている。 .
ぼん(盆) 回り舞台の円形の床のことをいう。ところにより「なべぶた」とも呼ばれる。 .
ほんいき(本息) 本番の息の略。本番どおりの気持ちでやること。 .
ほんぎょう(本行) 能や狂言から取り入れた歌舞伎の作品に対して、その原作となった能や狂言のことをいう。また、その芝居が能楽や狂言の演出に則ること。能楽的または狂言的な演出の部分を「本行がかり」という。 .
ほんつりがね(本釣鐘) 下座音楽で使用する打楽器で、小型の釣鐘。通常は「ホンヅリ」と略して呼ぶ .
ほんはなみち(本花道) 上手(→かみて)の客席に仮設される「仮花道」に対して、本来の下手(→しもて)の花道を「本花道」と呼ぶ。ホンハナと略して呼ぶこともある。

ほんぶたい(本舞台) 本来は歌舞伎舞台の上手大臣柱(→だいじんばしら)と下手大臣柱との間のこと。現在では花道に対して正面の舞台を本舞台と呼んでいる。プロセニアム劇場では、プロセニアムの内側を指す。

ほんまく(本幕) 1.幕の種類。緞帳または割緞のこと。
2.幕の使用法。舞台転換のためのつなぎに用いる幕に対して、各場面を区切る目的で使用する幕を本幕という。
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ほんまわし(本回し) 回り舞台(→まわりぶたい)の回転方向の呼称で、時計の針と反対方向を本出し(下出し)といい、時計の針と同一方向を逆回し(上出し)という。 .
ほんよみ(本読み) 放送、演劇、映画などで、稽古に入る前に役者やスタッフを招集して、作者または演出家が脚本を読んで聞かせること。本読みの次に「読み合わせ」が行われる。 .