2006 | |
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12月9日 (土) |
水川寿也 作品リサイタル
津田ホール (千駄ヶ谷) ◆第一部 アクシス 涼流 AZUMI ◆第二部 水川寿也&白浜 久 尺八とギターのコラボレーション 水川寿也の知られざる一面を白浜 久が今暴く ◆第三部 残光の彼方へ 雪舞 SAKURA ※主な出演者 水川寿也(尺八) 白浜 久(ギター) 坂田梁山(尺八) 大畠博子(筝・宮城会師範) 山元文志生(筝・生田流双調会師範) 上条妙子(宮城社大師範) 大畠菜穂子(宮城会師範) ※筝助演者 逸見眞由美 山本芳子 山下恵美 松浦陽子 前田恵子 岩田知子 伊藤まり子 田辺祐子 小宮春海 田口 緑 田島みどり ※筝出演者 関野由美子 永山幸子 菊池香織 中島紀子 田澤美津枝 渡辺香澄 田口礼美 ※尺八出演者 立花茂生 後藤紘宇 住岡淳司 小松政次 松崎 雄 例えば、 「雪舞」 尺八・水川寿也 筝・大畠博子(義母) 十七絃・大畠菜穂子(妻) 「アクシス」「SAKURA」 … 大編成曲 他に、ギタリスト・白浜ひさしとのコラボ。尺八に坂田梁山などなど。 合間のトーク、 曲が先に出来て、あとで題を考えるのだそうです。 CD 水川寿也作曲「碧の伝説」「大河の響き」「残光の彼方へ」などありましたが、 『普通の人は聴かないで』という『瞑想CD』をつい…不気味、二度は聴けない。 「観音」 葛飾北斎の世界 (爆弾Tommy プロデュース、演奏・水川寿也・他) 製作会社のHP http://www.trance-w.com/ |
11月19日 (日) |
MIK30周年記念 第70回MIKコンサート
紀尾井ホール 初めに言葉あり 聖書から現代詩まで言葉の変遷を追う伊能美智子作品発表会 ◆演奏曲目 合同合奏曲「初めに言葉あり」 合唱…万葉集より,小倉百人一首より,江戸俳句より,宮沢賢治の詩より, 漢詩による歌曲,オペラ「マクベス」終曲,現代俳句,現代短歌,現代詩 印象に残った曲 ■「夫人の死を聞くマクベスのモノローグ」 モノ・オペラ「マクベス」終曲 バス独唱・佐藤征一郎 ピアノ・伊能美智子 モノローグという雰囲気が、とても素晴らしかった。 CDで聴いているはずだが、劇的で迫力があって新鮮だった。 セヴィラの「うわさは大砲のように…」という低い歌も愉快で好きだが、 佐藤マクベスの歌は、シビアな状況に直面したユーモアで、やはり面白い。 ■「こころすなほに」 山頭火 合唱・アンサンブル“のぞみ” 指揮・吉田公子 山頭火の俳句は意表をついていて、歌になってもおもしろい。 「こころすなおに」「ごはんが、ごはんが」「ふいた」「ごはんが、ごはんが、ごはんが」 「こころすなおに」「ごはんが」「ふいた」「ふいた」「ふいた」… 曲も合唱も面白かった。「ふいた」が愉快。無伴奏。 ■「六月の花嫁」 作詞も伊能美智子 合唱・カレンズ 指揮・鈴木和江 ピアノ・田中 光 曲も詞もよかった。「あなたを産んだのも 育てたのもわたし」「あなたはわたしのもの」 というところで、困った母親だと思った。しかし、「わたしは優しい母親の誇りを取り戻し」 「今日の花嫁を見て下さい わたしの娘なんですよ」「娘なんですよ」 と終るまでの心の旅の経過が感動的だった。 ■「夢に見し」 上村 文の短歌による合奏曲 合奏・野ばら会 指揮・中澤敏子 ピアノ・小沼富美枝 上村文は作曲者の母上だそうです。4首のうち、初めの2首は無伴奏。 「若き日の征途の夫を夢に見し芝浦港もふねも悲しや」よかった。 「暁の参らむ道に水鏡…」「山頂の茜に燃ゆる麓より…」 は情景が浮かぶ歌で、少人数の合唱でありながら厚みのある表現と、 ピアノと溶け合った響きが大変よかった。 ■「海を視て」 飯田善国 詩 バス独唱・佐藤征一郎 ピアノ・伊能美智子 今日の終曲。…「言葉の無力の底から噴き上げてくるもの」 「砕け散る波の現在が 砕け散る波の過去へとめくれて…言葉の表皮で編み上げられた世界を…」 「二つの心は 二つの心のま…沈黙を通してのみ感じあえる…」 「既に発せられた人間の思念が…消えようとするのを 切り裂いてしまう」 難解。ドラマチック。 詩は、海の底から宙への間で恋人が呆然としている感じだが、とにかくバスの歌が力強いので、 前向きな感覚が残る。 「初めに言葉あり」から辿り、ここで終るようだ。 MIKとしての活動も、この30回記念で一段落だそうです。 (一部 blogねこ草 より) 初演「始めに言葉あり」に間に合わなくて、がっくり。マラソンの道路規制に気づかなかった。 百人一首のソプラノは歌の響きとしてよかったが、 言葉を楽しむには少し聴き取りにくくて、「ことば」の好きな私としては残念。 漢詩「秋風辞」では、フルート(柳下正明)が大変大きく見えて、音も低いので、 狐につままれたような気分。 与謝野晶子「その子二十」は好きな歌、詩経の「桃の夭夭たる 灼灼たる其の華…」 と共に、まぶしい若さを謳い上げる調べがずっと忘れられないのだが、 今日初演の「その子二十」は大人の、ちょいと複雑な心境が込められているような…。 飯田 善国(いいだ よしくに、1923年7月10日 - 2006年4月19日)は、足利市出身の彫刻家、現代美術家、詩人。 1956年にローマに渡り、ウィーン、ベルリンなどヨーロッパ各地を舞台に活躍し、67年に帰国。 ドイツ人の妻カタリーナとの間に子供5人。 飯田善国の次女のblog 「青子 縁こそ我が人生」 http://blog.livedoor.jp/aoko2000/ の2006年05月16日と2006年11月22日など参照。 HP:http://www.aoko2000.com/aoko/index.html 「6月の花嫁」で、自立というのは、どんな場合でも手放し押し出す存在があるということを思った。 家庭、学校、研究、芸術、芸能…。 羽が傷んで飛べない親白鳥が、春も遅く飛び立つ仕草をみせる子に、 下から声で行け行けと励ますTVの場面を思い出す。 (余談だが、この飛べない夫婦白鳥が、自然界では考えられない僅かに種類の違うカップルで、 子供は雑種になるから好ましくないという見解と、 稀少なケースは全体の大きな法則の中に呑み込まれて影響を及ぼさない、 という見解が紹介されていた。 人間が知らないだけで、まま自然界にもあることなのではないだろうか?) |
10月14日 (土) 19:00〜 |
工藤裕子 ピアノリサイタル
杉並公会堂 小ホール 〜モーツァルト生誕250周年にちなんで〜 ◆モーツァルト 幻想曲 ハ短調 K.475 ◆モーツァルト ピアノソナタ 第14番 ハ短調 K.457 ◆モーツァルト ピアノソナタ 第11番 イ長調 K.331 トルコ行進曲付 ◆シューベルト 即興曲 変ホ長調 op.90-2 変ト長調 op.90-3 ◆シューマン 幻想小曲集 op.12より 第2「飛翔」 第5「夜に」 第8「歌の終りに」 ◆ショパン ポロネーズ 第7番 変イ長調 op.61 「幻想ポロネーズ」 使用ピアノ シュタインウェイ 工藤裕子HP http://www.kudoyuko.jp/ プログラムの作曲者名を拝見して、どのようなコンサートになるのかと、 大変不思議な感じがした。それが違和感なく進み、まるでひとつの物語のようで驚いた。 今まで作曲者の個性にとらわれていたが、作曲者に垣根無く、 曲想や音色で構成することができるという新たな体験ができて、とてもよかった。 そういう感じを一台のピアノで創り出すアーチストって、魅力的だ。 |
2006 | |
6月21日 (水) 19:00〜 |
武久源蔵 ・ 山崎節子 20の指のシンフォニー 杉並公会堂 小ホール ■モーツァルト 自動オルガンのための幻想曲 へ短調 KV608 ■メンデルスゾーン 交響曲第4番 イタリア Op.90 ■チャイコフスキー 交響曲第6番 悲愴 使用ピアノはベーゼンドルファー、1台の連弾。 一曲目は、モーツァルトの「自動オルガンのための幻想曲」をお二人が編曲したオリジナル、 本邦初公開。原曲は、即興好きのモーツァルトが亡くなる数ヶ月前にお金のためにやむなく 譜にすることを引き受けた、「円熟して深みのある」仕事だそうです。 いまいちよくわからない曲でした。正直なところ、 ベーゼンドルファー大丈夫か〜?と思ってしまった。高音部、山川さん。 次は、メンデルスゾーン「交響曲第4番・イタリア・イ長調」と、 チャイコフスキー「交響曲第6番・悲愴」で、作曲者自身が交響曲を連弾に編曲した、 貴重な初版本の楽譜による演奏。荻窪の音楽サロン「かん芸館」で初版楽譜のコレクター、 幅至(はば いたる)さんと出会い、ご好意で借用することができたのだそうです。 高音部、武久さん。 ( かん芸館 http://www1.odn.ne.jp/kangeikan/ ) 「イタリア」はメンデルスゾーンが自分の最高傑作と思っていたもので、 であるが故に完成できなかったモナリザの如し。3回手直しをしたが、前の方がよかった、とか、 チャイコフスキーは、まだ思い残している部分があり、弾いても弾いても汲みつくせない内容がある、 とか、武久さんのトークは、子供の頃数え切れないほど繰り返し聴いた曲について、 ほんのひと言ふた言でも、新鮮でおもしろかった。 レコードで馴染んだ管弦楽のストリングスの音色が、打楽器のようにも聴こえるし、 たくさんの音で膨らんで、繋がったメロディーのようにも聴こえる、 面白い20の指のピアノ演奏でした。 今日の使用ピアノは新品で弾きにくいそうで、だんだんに「らしく」なっていくのだとか。 演奏が盛り上がり、多重にガンガン鳴っても、低音の響きが混ざらないでクリアで、 連続高音も音の粒がきれい、テクニックとピアノの凄さを感じました。中の弦が映って、 赤みがかった金色に艶々している蓋にうっとり。鍵盤と手が見える位置に座れてラッキーでした。 入口にあった4種類のCDのうち、歌曲が入っているシューベルトげっと。 ピアノ五重奏「ます」は、もういいかなあという気がしたけれど、それなりによかった。 セピア色のウィーンとは反対の音。ある種、ユニークな曲想で、驚いたにゃ。 (すぎなみ文化通信8月号 & blogねこ草 と重複内容) |
2006 | |
1月28日 (土) 2時〜 |
小倉百人一首プロムナード 〜最終章〜 市川市文化会館小ホール ★一部 対談 百人一首と能 松平盟子:与謝野晶子研究家、国立劇場文楽専門委員 井上真也:喜多流能楽師 ★二部 競技かるた 渡辺令恵(ふみえ):クイーン獲得通算14回、永世クイーン 秋本和美:早大かるた会所属、A級4段 読み手…加藤温女(あつめ):千葉しらつゆ会副会長 ★三部 小倉百人一首コンサート 作曲:伊能美智子(Mr.伊能は伊能忠敬の子孫) ソプラノ:木村珠美 堀野直美 ピアノ:加藤裕穂(ゆうほ) 伊能美智子 合唱:東京混声合唱団 76〜100番歌まで、混声、独唱、男声、女声、無伴奏などなど、構成の変化がなかなか工夫されていた。 3曲目「あわあわあわあわ」と繰り返されちょっと笑った。「淡路島かよふ千鳥の…」でした。 各パートの掛け合いの言葉の反復に、寄せる波の白い花が揺れるようだった。 「村雨の露のまだひぬ」はソプラノ無伴奏で、コロラトーラのセヴィリアの理髪師的 華麗なるカデンツァがころころと、おもしろかった。 男声だけ、女声だけの合唱がそれぞれ綺麗な響きで心地よかった。女声の「…綱手かなしも」 の余韻が印象的。「花さそふ嵐の庭の雪ならで」の繰り返しも見事で、 吹き返す風に無心に散り続けている感じ、お能の「雪」の雰囲気。 「風そよぐならの小川の夕暮れは」は、思いのほか、おどろおどろしい音で、黄昏時の魔の感じ。 終わりの順徳院の「ももしきや古き軒端のしのぶにも」は、混声とソプラノで、 指を鳴らすところがあったり、にもかかわらず、静かな終わりでした。 アンコールの「こいすちょう」と「忘らるる身おばおもわず」は、それぞれのソプラノの方の熱唱で、 音の終わりの表情と手の表現が見事でした。オペラのように、観せる歌。 「古への奈良の都の八重桜」はオールキャストの上、なんと、観客も歌う練習をさせていただきました。 『お持ち帰りのおみやげ』 です。100曲のうち、一番旋律が簡単なのだそうですが、 F#で音は飛ぶし、分かりにくかった。「かなーーーーー」と超長いのがユーモラス。 楽しゅうございました。“4年がかりの大プログラム” の『小倉百人一首プロナード最終章』に間に合ったタイミングが不思議です。 で、百人一首をメロディーで覚えよう♪というようなのとは反対の極致なのでした〜。 和歌を詠み上げる伝統的口調が頭のなかで情感や風景になって共感する、 それをかなりな音楽的技術によって音の舞台・音の戯曲にした感じ。 百人一首は万葉・古今・新古今の歴史的背景がある種不気味に潜んでいるわけで、 また歌合せに勝つ執念たるや相当なものであったようですし、にもかかわらず、和歌は美しい。 なまの言葉もさることながら、美しくなってしまった言葉のほうが、ぞっとしてコワイかも。 (blogねこ草 同文) 個人で歌えそうな、メロディー部分の歌曲集が別冊で出版されるといいなぁ♪ |
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伊能美智子作品集CD
製作:MIK ◆歌曲集 小倉百人一首(20曲) …東敦子(Sp) 伊能美智子(P) 柳下正明(Fl) ◆モノ・オペラ マクベス…佐藤征一郎(Bs) 伊能美智子(P) マクベスは、木下順二の訳を、佐藤征一郎さんの依頼により、伊能美智子さんが作曲なさったもので、 マクベス、夫人、門番、医師、侍女を一人で歌う?語る?オペラ。 作曲者より 『言葉は歌であり、人の情感でもあると思います。30年でそれを悟りました。』 このCDのケースの絵は、伊能美智子さん作の水彩画、 セピア色のイタリア?のクラシックな建物と通りと街灯の景色で、人や生き物のいない、静かな場面。 屏風に仕立ててあり、ご自宅にあるそうそうです。ロビーで、CDの近くにいらした伊能氏 談。 (blogねこ草 同文) ソプラノとバスの迫力にびっくり。 マクベスでは、日本語の発音がときとして破壊的響きをもって落下するのでドキッとする。 |
2005 | 筝曲 鑑賞記
2003・2004
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10月16日 (日) 2時〜 * 6時〜 |
工藤裕子 ピアノリサイタル
新高円寺 SKホール 〜 ショパン三昧 〜 ◆24の前奏曲 作品28 (1836〜39の作曲) ◆ノクターン 第2番 変ホ長調 作品9-2(1831) ◆ワルツ 第6番 変ニ長調 作品64-2 小犬 (1847) ◆マズルカ 第37番 変イ長調 作品59-2(1845) ◆バラード 第1番 ト短調 作品23(1831〜35) ◆スケルツォ 第3番 嬰ハ短調 作品39(1839) ◆ポロネーズ 第6番 変イ長調 作品53 英雄(1842) 工藤裕子 東邦音楽短期大学音楽科(ピアノ専攻)卒業。 同大学付属中学ピアノ科講師。 82年・84年 リサイタル開催 85年 「現代音楽」主催「ソレイユ新人演奏家オーディション」ピアノ部門 新人賞受賞 2003年 杉並音楽家シリ−ズサロンコンサートにてペートーヴェン5大ソナタ演奏 好評を博す 井上恒子、飯野淳也(元東邦音大教授)、高橋裕希子、牛腸征司(元武蔵野音大講師)の各師に師事。 ミッシェル・ダルベルト、手尾ドール・パラスキヴェスコ、ヴラディーミル・シャーキン、 ブリジット・マイヤー各氏の公開レッスンも受講。 現在、杉並堀ノ内にて「ゆうピアノ教室」主宰するほか、西友コミュニティーカレッジの講師を務め、 子供から大人まで幅広い年齢の方を指導している。 たとえば、胡蝶や羽衣のショパンもあれば、黒塚や鉄輪のショパンもある、という二面性表現。 強い音と、流れるように滑らかな華麗な音と、すごいテクニックの連続。 プレリュードを24曲続けて聴いたことがなかったので、「雨だれ」とか、 あの旋律この旋律はこんな風に存在していたのかと改めて思った。 休憩後、それぞれ違った曲風の6曲。ノクターンでは、久々に昔のエディ・デューチンの 伝記映画のテーマ曲に逢いました。『フランス社交界の大人の世界を象徴的に表現している』 曲なんですってー!プログラムの解説が個性的で、なかなか面白い。 「英雄」ポロネーズで盛り上がって、お〜〜、と終り。期待で一生懸命拍手。 で、アンコールの最後の曲は雰囲気変わって、優しい音色と気持ちよいリズム、 穏やかな明るい気分で、会場も点灯。そのあと「ミニ交流」の質疑応答やお話がありましたが、 このような大演奏の2回公演の後で大変だなぁと精神力にびっくり。 10月17日は、ショパンの命日だそうです。 (blogねこ草 同文) |
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