〜し〜その2

じょうごかざり(漏斗飾り) 大道具用語。四角な部屋(舞台)を飾る場合、左右両側の面を平行にとらず、奥に狭める飾り方。 .
じょうしき(上敷) 大道具用語。(うわしき)ともいう。舞台装置において、畳をあらわすために敷く御座のことで、舞台端に平行して数列に敷く。縁なしと縁付きとがあり、縁の模様には黒、茶、鶯、高麗緑などがある。 .
じょうしきあな(上敷穴) 大道具用語。舞台のところところに開いている小さい穴で立木などを立てる場合に利用される。 .
じょうしきまく(定式幕) 歌舞伎の名称。萌、柿、黒色の布を縦に縫い合わせた引幕、別名狂言幕ともいわれこの意匠は現在では、歌舞伎のシンボルとなっている。 .
じょうしきもの(定式物) 大道具用語。歌舞伎大道具のうち、劇場に常備してある基本的な道具類の総称。歌舞伎の大道具にはほぼ一定の様式があって常に応用できるように、最も応用のきく寸法につくられており、これを組み合わせたり一部を作り替えたりして、いろいろの場面を作ることが出来る。たとえば松羽目、平台、階段、各子、障子、襖など。布を張った張り物の定式の大きさは、劇場によって一定しないが、たかさ、6尺、12尺、15尺、幅2尺、3尺、6尺、12尺(1尺は30.3センチ)などがある。 .
しょうど(照度) 照明用語。光が照射された際の物体表面における明るさの度合。単位にはルクス1luxを用いる。物の形が判別できるのは10ルクス以上、物の動きが識別ができるのが150ルクス以上、表情まで明瞭に見えるのは2000ルクス以上が必要とされている。計測には照度計(ルクスメーター)がある。 .
しょうねんば(正念場) 歌舞伎、浄瑠璃用語。性根場ともいい、性念場とも書く。劇中、主人公がその役の性根(心根、心構)を最もよく表す場面。ここぞという大事な場面、局面をいう。 .
しょうほん(正本) 1)各派浄瑠璃の詞章を記した版本。狭義には、太夫直伝の全段をおさめた完本(丸本)をいい、一段だけの稽古本(抜本)に対する。十行本、八行本、七行本、六行本などの各種がある。2)歌舞伎の上演用の脚本。江戸では台本、上方では根本ともいう。 .
しょうめい(照明) 舞台やスタジオ、屋外などにおける光の演出効果の総称。 .
しょうめいしこみず(照明仕込図) 照明仕込帳ともいう。舞台平面図に、特定の照明プランのために必要な照明器具の配列、スポットライトの種類、位置、台数、指定のカラーフィルターの番号などを記号で表記した一種の設計図。 .
しょうめいそうさたく(照明操作卓) 舞台照明操作の中枢指令部であり、主として調光操作を行うために調光卓などともいう。 .
しょうめいプラン(照明プラン) 舞台での光のイメージを電気照明の技術に置き換えて実現する設計計画のこと。 .
じょうるり(浄瑠璃) 三味線を伴奏楽器とする語り物の代表的な種目。 .
しょさごと(所作事) 歌舞伎舞踊、舞踊劇のこと。振事、拍子事、景事というのもほぼ同じ意味。本来ふるまい、しわざ、おこないを意味した言葉の(所作)が、芸能に関する特殊な動作をいうようになり、やがて舞踊的な演技を指すようになった。江戸時代の中期以降、劇場音楽の発達に伴い、所作事は舞踊劇を意味する言葉になった。しかし慣列では、長唄の地(伴奏)による舞踊を所作事といい、浄瑠璃、浄瑠璃物、浄瑠璃所作事などといったが、現在はその区別はあいまいになっている。拍子事は、地方演奏の拍子(リズム)にのって踊るものをいい、古くはいくぶん軽業的な要素の入った舞踊をいった。振事は劇的要素の強い舞踊の演技を指す。 .
しょさだい(所作台) 歌舞伎の所作事や日本舞踊のとき、舞台一面に敷く檜の板で作られた台のこと。高さ4寸(約12cm)、幅3尺(約90cm)、長さ10尺(約300cm)または12尺(約360cm)が規定の寸法。表面は4枚の板を継ぎ合わせてあり、なめらかで足の運びがよく、足拍子(→足拍子)の音をよくする工夫がしてある。

写真
しょさぶたい(所作舞台) 日本舞踊や歌舞伎の所作事のために、舞台と花道に所作台を敷きつめた舞台のこと。別名「置き舞台」ともいわれる。 .
しらせのき(知らせの柝) 開演(開幕)中の柝(→き)のことで、「迫り(→せり)上げ、迫り下げ」「出語り(→でがたり)」「場面転換」「舞台転換」のときに打つ。 .
しらびょうし(白拍子) 平安時代末期に発生した舞踊の一つまたはこれを演じる遊女をいう。水干、立烏帽子に白鞘巻の太刀を差して舞い、楽器には、笛、鼓、銅拍子などが用いられ、歌詞としては漢詩、漢文体の物から今様、和歌が歌われた。のち、舞伎にその面影が伝えられ、(娘道成寺)の花子、(船弁慶)の静御前、清盛の祗王祗女が代表的なものである。 .
シルバー・ブリッジ オーケストラボックスの回りにめぐらされた通路舞台。俳優をできるだけ観客に近づけて親近感、融和感の効果をあげるものである花道と同種の効用をもっている。現代のレヴュー劇場では欠くことのできない一種のエプロンステージ(→エプロンステージ)である。松竹系の劇場ではエプロンと呼ばれている。 .
じわ 歌舞伎用語。(じゃじゃ)ともいう。観客が見せ場に反応する状況の一種で、劇や演技が最高潮に達した時、あるいは人気俳優が登場した一瞬、観客のために息に似た感嘆の波が場内いっぱいに広がり、無言のどよめきの状態になることをいう。拍手や屋号を呼ぶ風景に通じるが、それ以上舞台に引き付けられた場合に生じる。こうした状態を(じわがくる)という。 .
しん(心) 舞台の中心のこと。舞台の間口の中心点から、奥へ真っ直ぐに伸ばした線。回り舞台の中心は「盆の心」という。 .
しんしょう(身上、身性) 歌舞伎用語。資産、財産の意から転じて給金、取前などの意味に用いられる。 .
しんない(新内) 浄瑠璃のひとつ。初期は歌舞伎の伴奏者に用いられていたが、後には歌舞伎から離れ、主として吉原を中心に「流し」という街頭芸能になった。 .
しんぶよう(新舞踊) 古典舞踊に対して、西洋舞踊の影響を受けた新しい日本舞踊。 .