文学史なんかでロマン派を見ると「人間の感情をのびやかに・・・」云々説明がされてて、 そういう作品はわたしも大好きです。スタンダールなんかも一時期はまったなあ。「パルムの僧院」なんて すごくおもしろかった。文体の力強さが翻訳でも滲み出てた感じがしました。 ロマン派のもうひとつの傾向として、超自然的なものに対する憧憬が強くみられます。 ゲーテやネルヴァルなんかは特にそうだし、大抵の詩人は「夜」や「死」について、特別な感情を 抱いていたようですね。「トリスタンとイゾルデ」なんかその典型ですけれども。前述した スタンダールはどちらかというと現世謳歌型ロマンチストって感じなのですが、それでも 主人公がいざ決行!ってときに鳥の鳴き声を聞いて、「あれは前兆だ!」とか言ったりする場面も あります。秘儀・秘境的なもの、魔術的な世界観が色濃く反映されていた作品が多いです。 そのながれをうけたのが象徴派の詩人たちで、ロマン派・象徴派のひとびとの作品を20世紀初頭に 復権させたのが初期のシュルレアリスム運動でした。
Cf:象徴派 ヴェルレーヌ マラルメ スタンダール ノヴァリース ネルヴァル