怪盗「闇の姫」の調査にやってきたナデシコB
ヒサゴン襲撃でアマテラスコロニーは上へ下への大騒ぎ
なんかとっても非常識な戦法で防衛ラインを突破されている統合軍も情けないといえば情けないのですが・・・
本当にヒサゴンの正体って誰なんでしょうね?
ああ、このSSって完璧に全編ギャグですのでそのつもりで
「ナデシコB、アマテラスより離脱!」
「あんな小娘ほっとけ、それより敵戦艦を迎撃、早くしろ!」
『この人はやはりダメか・・・』
目前の戦いに熱中しているアズマを見て、シンジョウは溜め息をついた。茶番と気づかずに真剣に取り組んでいる光景ほど滑稽なものはない。
『ラピスちゃん』
『なに?』
『パターンBへ移行、守備隊の相手お願い♪』
『分かった』
防戦一方のユーチャリスだが次の瞬間、反対に相手の艦が火の玉にくるまれた。
無数の無人兵器バッタを放出したからだ。
唯のバッタではない。かつての木連が放った頃のバッタではない。機能も強化されているし、何よりユーチャリスのオペレータ、ラピス・ラズリにより統制されたバッタたちだ。
人により統制のとれた無人兵器ほど怖いモノはない。彼らは恐怖を知らない。死ぬまで戦い続けるからだ。
「オレの相手はてめえらじゃないんだよ!」
当然、リョーコもバッタ達に絡まれていた。追い払いながらも本来の獲物を片目で探し続けた。
「そこか!」
ヒサゴンを確認すると同時にすぐさまレールカノンを連射した。しかし、当たったのはたったの2発、しかもフィールドに弾かれただけだった。
「下手くそ!!」
『隊長、お供します!』
「来れればな!!」
最大戦速で飛ばすリョーコ。彼女が隊長の「ライオンズシックル」部隊の内4機が彼女に付いて来れた。彼女の部下も十分優秀と言えよう。
『今までのおさらい by オモイカネ』
「不意な出現で強襲を行い、
守備隊の反撃を引きつけておいて
別動隊で殲滅。
今度は別動隊に目を奪われている隙に、自分はポイントを変えて再突入」
「やりますね。」
オモイカネのおさらいウインドウを見て呟くルリに相槌を打つサブロウタ。
「気づいたリョーコさんも流石ですね。」
「どうします?」
「サブロウタさんはエステで待機。でももうちょっと見物しましょう」
「は?」
「見たくありませんか?敵の目的、敵の本当の目的」
「それって」
「襲われるなりの理由、それがこのアマテラスのどこかにある。なら、そこまで敵さんに連れて行ってもらいましょう。」
「艦長・・・」
「ワルですねぇ♪」
ハーリーは絶句し、サブロウタは面白そうに笑うのだった。
「もうちょい!」
リョーコらライオンズシックル隊はヒサゴンを追い詰め始めた。
だが、リョーコの撃った一発がヒサゴンの顔に当たった。
それまでニコニコ顔だったが、一転大魔人のような顔になってしまった。
「・・・え?」
「た、隊長、やりすぎたんじゃ・・・・」
「バカ野郎!怯んでるんじゃない!虚仮威しだ!!!」
虚勢を張るリョーコだが、どちらかというと通信ラインから入ってくる
『止めて!キョロちゃん・・・もといヒサゴン君を撃たないで!』
『ヒサゴン君が怒ってる〜〜』
『世界が終わる〜』
なんて通信の方が怖かった。
もっとも、鬼のような顔をしたヒサゴン君のその後の行動はみんなの予想を裏切っていた。
パリン!
ピキピキ!
バシッ!!
ヒサゴン君の表面はまるで卵の殻が割れて中からひよこが出てくるような様相を呈していた。
割れた隙間から徐々に光が漏れだし・・・
「ば、爆発でもするのか?」
「羽化じゃないか?羽化じゃ・・・」
「全員耐ショック準備!」
そうリョーコが命令を出すと同時に・・・
ピッカリ!!!!
『わぁ!脱出!』
「なに!」
爆発したヒサゴンの破片がエステに突き刺さって一機が戦線から離脱した。
慌ててリョーコが元ヒサゴンの方に振り返ると・・・
そこには・・・
「エ○ジェラ?」
「ハーリー君、それはオラタンをやったことのない人じゃないとわかりませんよ」
ハーリーの呟きに密かにツッコミを入れるルリ。
そう、ヒサゴンの殻を破って現れたのはスカートがヒラヒラ、リボンがフワフワ、ポニーテールがフリフリ、猫耳ぽっこり、そして魔女っ子が装備するようなステッキを持った機動兵器であった(笑)
「・・・・・・我のヒサゴンが(泣)」
「隊長、アレはアレで萌えなのでは?」
「バカもん!木連男児はたとえ影でこっそりと魔女っ子ものをエアーチェックしていようが、人前ではヒサゴンに萌えなくてはいけないのだ!」
「・・・ですから萌えではなく燃えでは・・・・」
とかなんとかいって、ここでは早くもあと5分ぐらい遅れそうだった(笑)
『強気に本気♪無敵に素敵♪元気に勇気♪
怪盗「闇のお姫様」、神から使わされ、ただいま参上♪』
とチャットオンリーで決めゼリフを伝えてきた。
って、とうの機動兵器の方もくねくね決めポーズを取っていたりする(笑)
ルリ「どうもエ○ジェラではなくジャ○ヌだったみたいですね」
ハーリー「いえいえ、あの杖から見るとセイ○トテールではないかと」
サブロウタ「さすが、アニオタ。俺にはナチュラルライチにしか見えんが?」
ハーリー「オタじゃありません!」
ルリ「でも、猫目さんじゃなかったのですか?」
ルリのもっともな疑問に怪盗「闇のお姫様」からのお返事が来た。
ハーリー「えっと・・・『びーされなにレオタードを着せるのは却下されちゃったので、せめて由緒正しい魔女っ子風にしてみました♪』だそうです。」
ルリ「・・・敵はやる気があるのですか?」
敵の返事に呆れるルリであったが、相手は本気も本気、
戦闘が決してスペックとかパイロットの腕とかで決定するものではないことを証明するような戦いぶりであった(笑)
『レディース アンド ジェントルマン!
イッツショータイム♪
出ておいで、私のお友達♪♪♪♪』
元ヒサゴンであった謎の敵機動兵器「びーされな」は手に持ったバトンというか、ロッドを軽く振るう。するとそこには魔法でも見るかのように不思議なものが出現した。
ポン♪
「あ、ミニラ」
ポン♪
「あ、ノーマット」
ポン♪
「あ、ジャンポール」
ポン♪
「あ、ゲマ」
ポン♪
「あ、ボン太くん」
ポン♪
「あ、ドラ○もん」
怪獣だったり、クッションだったり(違う!)、熊だったり、ボールだったり、タヌキだったり(猫だって)のぬいぐるみみたいな風体の全長6m前後の物体が次々現れた。
あまりの非常識な物体に惚けていると、ライオンズシックル部隊のエステがその一つに接触した。すると・・・
パン!!!
べちゃ〜〜
『脱出!』
まるで膨らましたチューインガムが破裂して顔にこびりつくかのように、ぬいぐるみの様な物体は破裂してエステにへばりつき身動きをとれないようにしてしまった。
『隊長!すみません!』
「くそ!トリモチかよ!!!」
リョーコが呆然とする中、彼女の部下は次々とぬいぐるみ風トリモチバルーンにからめ取られていった。その光景を見てリョーコは歯ぎしりをする
単純なようでいてこの攻撃は効果的だった。
円らな瞳のバルーン達
銃火機で打ち抜くのには結構抵抗がある。
というか、誰も戦場に不似合いな、凶悪に可愛いものを打ち抜く訓練など受けていない。
感覚的には子供や民間人を撃ちたくない心情に似ている。その心理的プレッシャーは絶大だった。
そしてバルーンを撃たないでびーされなを追跡するにはそのバルーンをよけながら進むしかないのだが、ちょっとでもかするとトリモチにからめ取られてしまう。
バルーンは不安定にフワフワ移動しているので結構大回りに回避しなければならない。
となるとびーされなを追撃する速度が遅くなってしまう。
ではどうすればいいかというと、バルーンを撃てばいいのだが、それは躊躇われる・・・
ということで堂々巡りに陥ってしまうのだ。
事実、ライオンズシックル隊のエステの何機かはバルーンに引っかかってしまった。
リョーコが歯ぎしりししたのはいうまでもなかった。(笑)
だが、今度はアマテラスコロニー外周部で大量の砲戦エステバリスがびーされなを待ちかまえていた。
「打ち落とせ!!」
アズマ准将の号令でそれらは弾幕を張りまくった。
『出ておいで、私のお友達♪♪♪♪』
ポン♪
ポン♪
ポン♪
ポン♪
ポン♪
「あ、ヒサゴン♪」
一瞬砲戦エステの砲撃が止まる。
あまりにもヒサゴンが愛らしかったからだ。
「躊躇するな!
撃て、撃ちまくれ!!」
アズマの号令で渋々ヒサゴンを打ち始めた砲戦エステたち。
心の中で滝の涙を流していることだろう。
『ではでは、本日のメインイベント
出ておいで、ルリちゃんズ♪♪♪♪』
ポン♪
ポン♪
ポン♪
ポン♪
ポン♪
「あ、電子の妖精♪」
「あ、ルリルリ♪」
「あ、猫ルリだ♪」
「あ、一番星のコンテストの水着姿♪」
そう、デフォルメ気味だが、大量のルリルリバルーンが当たりを埋め尽くしていたからだ。
さすがにこの攻撃には壊れルリを書く作家も「バルーンを打ち抜いて良し!」とも言えず、思考停止してしまうのであった(笑)
仕方ないので・・・
「敵は本能寺にありぃぃぃ!!!」
代わりに後ろから追っかけていたリョーコ機がその砲撃にさらされることになった(笑)
「わぁ、ば、バカ。味方だ・・・」
「撃て、落とせ、撃ちまくれ!」
既に目的と手段が逆転しているアズマ。
「ばっきゃろ!!」
思わず、レールキャノンを砲戦エステにぶつけるリョーコ。
『てめえら邪魔なんだ!そこで黙ってみていろ!』
「何を、お前こそ邪魔だ!」
『邪魔はそっちだ!』
いがみ合うリョーコとアズマ。
と、そこに・・・
『あの、ゲート開いちゃっているんですけど、いいんですか?』
「「え?」」
二人のいがみ合いに割り込んだルリがそっけなく伝えた。
「13番ゲート開いています。敵のハッキングです!」
オペレータの報告がそれを裏づけた。
『第13番、「遺跡」搬入口、開門』
「13番、なんじゃそれは、ワシはそんなもの知らんぞ」
「それがあるんですよ、准将」
アズマの疑問にシンジョウが答えた。
「どう言う事だ、シンジョウくん」
「茶番は終わり、と言う事ですよ」
「人の執念・・・」
シンジョウの呟きは、ここまでたどり着いた敵に対してのものだったのだろうか?
「サブロウタさん、出撃」
「あの赤いエステの援護ですね?」
「いいえ、違います」
出番が出来て張り切るサブロウタ。
だが、ルリの答えは少々期待と違うものであった。
「サブロウタさんは、バルーンの回収」
「バルーン・・・ってあの艦長似の奴ですか?」
「ええ」
「どうしても?」
「サブロウタさんは自分のフィギュアが公衆の面前で晒されたらいい思いをしますか?」
「・・・いいえ」
「ということでお願いします。くれぐれも割って始末をつける・・・なんて事しないで下さいね。
給与査定に考慮しちゃいますから」
「わかりました(汗)」
「あと・・・」
「あと?」
「ヒサゴン達もお願い♪」
ルリのお願いに思わず辟易するサブロウタであった。
この行動のおかげでリョーコの救出が遅れた・・・っていうのは公然の秘密です(笑)
See you next ちゃぷた...?
・・・お待たせしました、5話目です。
なんか、更新間隔が不揃いですねぇ(笑)
次は何ヶ月後なのだろうか?(苦笑)
まだまだ、自分に優しいリサイクルな作品でありますがそのおかげで目指しておりますが、そのおかげで更新が早かったと言い訳をしてみる(爆)
えっと、北の国からさん、予想正解でした(笑)
内心ギクっとしたりして
えっと結構非常識に書いてる新機動兵器びーされなですが、実は緻密な設定があります。
知りたい方はCG&解説へどうぞ。
ってことで続きを見てみたいという方はメールを下さい。
無い知恵を絞って見ます(爆)
では!
ver1.02
Special Thanks!
・三平 様
・アキラ 様
Previos Chapter | 小説のお部屋へ戻る |Next Chapter