アバン


怪盗「闇のお姫様」の調査にやってきたナデシコB
でもその調査がヒサゴン見学ツアーなのはいいとして・・・変な視線が二つもあったのは気のせいですか?

それはともかく、開けてしまったパンドラの箱
中から出てきたのはありとあらゆる災い
最後にお笑いだけは残ったのですけど・・・
え、希望の間違いですって?

ああ、このSSって完璧に全編ギャグですのでそのつもりで



アマテラス民間人用フロア


「退いてくださ〜い!!」
疾走する見学用トロッコ、運転するはあのマユミお姉さん。
子供たちはジェットコースターに乗ってるつもりなのか、わいわいはしゃいでいる。
無論、ルリも乗っていた。
「すみません、わざわざ・・・」
「い〜のい〜の。こういうの展開って燃えるでしょ!」
「ええ・・・」

『予感は的中、まるで騒ぎに誘われるように敵は来た。』
『YURICA KURUNA』
『でも、これは暗号?偶然?』
『ANURUKA CIRUY』
『あの人達は・・・』
『おい、ルリちゃん』
『よほほ〜い、ルリちゃん♪』
でも、あの人は、あの人たちは・・・

遺体のない、お葬式。
喪主を務めるルリ
あの日は、あの時は、ただ
『3人で行こうと言った新婚旅行なのに、なぜユリカさんを阻止しようとしたトラップに自分だけハマってしまったの?』
何度も爆発するシャトルを思い出しながら、それしか考えていなかった。
そのことを思い出してルリはルルルと涙を流すのであった。



アマテラス宙域前線


迎撃ミサイル発射、その数数千。
対空砲火、その数、数万
グラビティブラストの火線、数十
たった一機に過剰とも思えるその攻撃に、「それ」は怯むことなく向かっていった。

ヒ、ヒ、ヒ、ヒサゴン♪
僕らのヒサゴン♪
いけ!ヒサゴンパンチ♪
いけ!ヒサゴンキック♪
って足ないやろ!
ヒサゴンは今日もゆく
みんなの夢を守るためにゆく♪
ヒ、ヒ、ヒ、ヒサゴン♪
僕らのヒサゴン、ヒサゴン♪

なんか、どこからか流れるテーマソングが功をそうしている、ミサイルはウソのようにヒサゴンをよけていた。

「ば、バカな!なぜ当たらん!」
「あれはLHフィールドです!」
「ええ、ラブヒサゴンフィールドです!」
「はぁ?」
「みんなヒサゴンの可愛さにミサイルが命中を拒んでます!!」

・・・・そんなことありません(笑)
単にハッキングでミサイルの命中データに介入しているのとディストーションフィールドを広域展開しているだけです。

だけど、見た目にはヒサゴンをよけてミサイルが飛んでいるように見えた。
その心理的効果は絶大だった。

駐在軍次席司令官のシンジョウ中佐が必死に指揮をとる。たった一機の強襲する兵器を落とすのがこれほど至難の業とは思わなかった。
「コロニーに近づけるな弾幕を張れ!」
それを遮るようにアズマのウインドウが怒鳴り声をあげて開いた。
「かまわん!肉を切らせて骨を断つ!!」
「何をおっしゃられるのですか准将!」
「コロニー内とその周辺での戦闘を許可する」
「ええ!」
「飛ぶハエも止まれば撃ち易し」
いつの間にかブリッジに上がってきているアズマ准将。
「多少の犠牲は止むを得ん!」
これでなかなか思い切りの良いアズマ。本当に優秀な軍人かもしれない。この茶番を見抜けていれば、の話であるが。
そしてこの通信をどうやって見ていたのか知らないが・・・

「よっしゃ!!」
エステバリス隊隊長、スバル・リョーコのウインドウがそれに呼応した。



Nadesico Short Story ぷりんせす おぶ だーくねす
ちゃぷたー4



再びアマテラス宙域前線


ミサイルの攻撃を無駄と知った統合軍はコロニーに近づけた後、機動兵器戦に切り替えた。
だが・・・

『ヒサゴンパンチ!』
「どわぁぁぁぁ!」
「げしぃぃぃぃ!」
「どはぁぁぁぁ!」
「のわぁぁぁぁ!」

なぜか頭よりも短いヒサゴンのパンチにステルンクーゲル達は吸い寄せあれるように当たりに行っている。

反撃しようとするステルンクーゲル部隊!
だが・・・

『え?攻撃されちゃうの?』
『殴るの?殴っちゃうの?』
『僕、何か悪いことした?』

「攻撃できないぃぃぃ!!!」
「俺が悪かった!!!」

というつぶらな瞳攻撃はクーゲルのパイロット達をノックアウトした。

そして極めつけは・・・
『ヒサゴンドリル!』

ヒサゴン、本当にこんな感じで飛んで、攻撃してるんですよ(笑)

「どわぁぁぁぁ♪」
「げしぃぃぃぃ♪」
「どはぁぁぁぁ♪」
「のわぁぁぁぁ♪」

と、なぜか頭の三角帽子が回転してドリルになった。
だがその正面から見た姿は『ヒサゴン君、ドリル頭突きいくじょぉ〜♪』ってな感じでとても可愛く、見惚れたクーゲルは逃げ遅れてドリル・・・というか頭突きの餌食になっていた。

可愛さを武器にヒサゴンはコロニー向かって快進撃を続けていた。
だが、そんな機動兵器ヒサゴン君の快進撃に待ったをかけるものがいた。

「野郎ども、行くぜ!」
リョーコのかけ声とともにステルスシートをはぎ取って立ち上がるエステバリス小隊。ちょうど強襲してきたヒサゴンの進路前方に立ち下がった。
ヒサゴンのコックピットには瞬時に相手の識別と戦闘能力判定を行い、結果を表示した。
『強行突破危険率75%、回避を勧告』
ヒサゴンは次の瞬間、信じられないことに今までのスピードを殺すことなくほぼUターンをし始めた。
「遅い!」
リョーコのレールカノンが2,3発火を噴いた。当てるつもりはない。ただ逃げるルートを狭めたかっただけだ。と同時にすぐさま敵の追撃に入る。
屈指のエステバリス・ライダー、スバル・リョーコとヒサゴンとのかくも壮絶な追いかけっこが始まった・・・



ナデシコB


「ただいま」←Vサイン
『お帰りなさいルリさん byオモイカネ』
律儀にウインドウでお出迎えをする。
ルリは大急ぎでオペレータシートに座るとワンマンオペレーションに移行しつつも指示を出していた。

「ハーリー君、第一種戦闘配備に移行お願い」
「はい」
「サブロウタさん、エステの準備も。ただし、当分は高みの見物です」
「了解」
「加勢はしないんですか?」
意外そうに聞くハーリー。

「ナデシコは避難民の収容を最優先とします。
 それに・・・」
「それに?」
「ヒサゴンの録画が優先です!」
「はい?」
ずっこける一同。
ジト目で睨まれているのに気づいたルリは・・・
「もちろん。敵機動兵器の分析のためです」
と誤魔化すのを忘れなかった(笑)

『今や統合軍は全ての敵を打ち倒す無敵の軍、子供の使いの宇宙軍などそこで指でもくわえて見ているがいい』
なんか、高笑いをしたままアズマはウインドウで割り込んで言いたいことだけを言って帰っていったが、ナデシコクルーはほとんど無視していた。

「真面目ですねぇ」
「ハーリー君。もう一度アマテラスにハッキング。」
「ええ!?」
「キーワードは『YURICA』です」
「え?どういう・・・」
「システム統括します」
ハーリーの疑問に答えるまでもなく、ルリはシートをウインドウボールで包んだ。



アマテラス戦闘宙域


「邪魔するな。そいつはオレの獲物だ」
リョーコのエステバリスカスタムとヒサゴンの追撃戦はアマテラスの外周部まで続いていた。当然、迎撃しようと思っていた味方の機動兵器すら巻き込んで。
しかし、アズマにはそれが敵が逃げ出したと勘違いをした。



アマテラス統合軍ブリッジ


「どうだ、宇宙軍め。大戦中はさんざんデカイ面していたが今は違う!
 みろ、これが統合軍の力、新たなる力だ。地球連合統合平和維持軍バンザイ!ヒサゴプランバンザイ!」
諸手を上げて勝利に酔いしれるアズマ、だがそれは長く続かなかった。

「ボース粒子増大!!」
悲鳴のようなオペレータの報告、だがそれが間に合うことはなかった。結果だけが無情に報告される。
「守備隊の側面、グラビティーブラスト掃射。被害多数!!」
「質量推定・・・戦艦クラスです!!」
「くそ!!」

アズマの怒号が飛んだ。
謎の戦艦ユーチャリスはその怒号が冷めあらぬうちに、次のグラビティブラストを掃射した・・・。



アマテラス非公式ブロック


「へぇ、今度はジャンプする戦艦かい?」
あのアズマの部屋を辞去したヤマザキ次官はなぜかその非公式ブロックにいた。既に白衣を羽織り、ヒサゴプラン開発公団次長の顔はそこにはなかった。変に悟った、冷めた顔がそこにはあった。
「ネルガルでしょうか?」
「さぁ」
「あの連中は?」
「5分で行くと」
「こりゃ大変だ」
全然困ってなさそうにSPの報告を聞くヤマザキ。着いた先の研究室に入ると開口一番
「緊急発令。5分で撤収。
 持って帰るのはデータだけでいいよ。
 それより逃げ遅れるとシラヒメ班の様になるからそのつもりで」
ヤマザキなりのシャレであったが、現実になった場合、シャレではすまないから各員あわてた。



アマテラス・秘密区画


と、カッコをつけたヤマサキだが、実は・・・

「離せ!ヒサゴンは俺が!」
「隊長!今はまだダメです〜〜」
ヒサゴンにこれ以上傷を付けるなぁぁぁぁ!!!」

んな理由で遅れていると知ったらどんな顔をするであろう?

See you next ちゃぷた...?



ポストスプリクト


・・・お待たせしました、4話目です。
待ってないって?(笑)

えっと「単に白プリの文章丸写しか!」ですって?
いえいえ、地球に優しいエコロージーでリサイクルな作品を目指しております(爆)

えっと、引き続き5話を書きますからそれで許して下さい(汗)
怪盗「闇のお姫様」らしい戦いがこの先展開しますので、こうご期待を!

ってことで続きを見てみたいという方はメールを下さい。
無い知恵を絞って見ます(爆)

では!

ver1.02