Last update 22 Oct. 1999
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Glossary

ここでは、主にレシプロ機の空対空戦闘で使われる用語について簡単に解説します。収録すべき用語のピックアップもせず、気まぐれで書いていますです、はい。見ての通りまだまだ穴だらけですが、暇を見てどんどん追加していこうと思っています。また「これを取り上げろ」といったリクエスト、「お前嘘書いてんぞ」といったご指摘などもお待ちしております。

以下に書いてある情報のほとんどは各種書籍、WebPageなどから得ています。一般的な用語の解説ということもあり、出所の明示はしておりません。また、著作権についても問題ないと考えています。

それでは、これが多少なりともお役に立ちましたら嬉しいです。

五十音

合わせ
[WB]射撃時、ガンサイトを横切るような敵機を射撃する際に(主にラダーを用いて)敵機の動きをトレースするように機首を振り射撃すること。これが決まるとかなり気持ちいいのだが、最近のWarBirdsではラダーのレスポンスが緩慢で、なかなか上手くいかない(--;
インメルマンターン(Immelmann turn)
上昇反転。詳しくはこちら
ウイングオーバー(wing over)
上昇旋回、降下旋回の組み合わせによる反転。詳しくはこちら
AOA(Angle Of Attack)
1. 進行方向と主翼がなす角度、迎角。
2. 戦闘時、敵機と自機の機首がなす角度、真正面を向き合った時180度、後方からの追尾時0度となる。
energy fight
後述のエネルギー管理をしっかりと行い、常に意識しながら行う戦闘。具体的には常にエネルギーで優位な状態で会敵し、機動縦機動を中心として戦う。
エネルギー(energy)
一般に、運動エネルギーと位置エネルギーの和、(1/2)mv^2 + mghで表され、その機体が持つ余力と考えることができる指標。上記の式を見てわかるように、速度が速ければ速いほど、高度が高ければ高いほど大きくなる。
エネルギー管理(energy management)
戦闘中、機動を行うと確実に速度もしくは高度、下手すると両方が低下する。そのため、休みなしに機動し続けていればいつか速度を限界まで失ってしまう。これを防ぐ為には、機動の種類や激しさを適切に選択したり、時には降下にて速度を回復するなどする必要が生じる。このことを指して「エネルギー管理」と呼び、レシプロ機による戦闘では欠かせないものである。

[WB]なお、エース級のパイロットの中にも「エネルギー???そんなん知らねぇよ、俺っちはただひたすらぶん回って敵墜としてるだけだ」と言ってのける方がおられますが、このような方々の飛び方を見ていると、大抵絶妙な飛び方でエネルギーロスを押さえていたりする。無意識のうちにやっているあたり、とても恐ろしい気が…
エルロン
補助翼。主翼左右後縁部にあり、ロールモーメントを発生させる。
エレベータ
昇降舵。水平尾翼後縁部にあり、ピッチモーメントをはっせいさせる。
オーバーシュート(over-shoot)
攻撃時、敵機より高速な状況で敵機を追い越してしまうこと。もしくは旋回時、敵機の旋回円の外側にはみ出してしまうこと。どちらも致命的な状況となりうる。
オフェンシブ・スプリット(Ofensive Split)
編隊戦闘における攻撃時の機動。2機編隊にて攻撃する際、接敵前に編隊が分離する。多くのバリエーションがあるが、どれも敵機を挟撃しようという点では共通している。⇔ディフェンシブ・スプリット
ガンサイト(gunsight)
照準器。

[WB][AH]表示される照準はユーザがカスタマイズ可能な為、少し慣れたユーザは自分にとって使いやすいよう手を加えているのが普通である。ちなみに僕は、中心点さえあればあとはどうでも良く、あまりごちゃごちゃしているのは見辛くて好きではない。
機動(maneuver)
これの原語である「マニューバ(maneuver)」には適当な日本語訳が存在していない。飛行機の場合、「機体を操縦して何らかの動作を行うこと」というのがいいところであると思われる。これを指して、一般に「機動」と呼ぶ。
grab
[WB?]高度を取ること。一撃離脱野郎は基地を離陸後ひたすらgrabしなければ一日が始まらない(嘘)
コーナー速度(corner speed)
一般に、旋回率が最大となる速度。各機体ごとに異なるのはもちろん、高度、機体重量、気圧、気温などのパラメータによって変化する。格闘戦では、できる限りこの速度近辺をキープしたまま戦うのが望ましいが、そのためには適切なエネルギー管理が要求される。
サンドイッチ
編隊戦闘における防御時の機動。2機編隊の片方が後方につかれた時、この機が僚機とは逆方向にブレークする。同時にもう一機も同方向へ旋回することで、敵機を2機の間に挟む。攻撃されていない方は手早くこの敵機を撃墜しないと、味方機がやられてしまうケースも多々ある。
Situational Awareness
「状況察知能力」と訳すのが適当か。周囲の状況を的確に把握し判断する能力。WarBirdsのような多人数対戦のシムでは何よりも重要な能力の一つである。
シザース(scissors)
防御時の機動。旋回を何度も切り返すことで逆転を狙う機動。詳しくはこちらを参照のこと。
失速(stall)
迎角が大きくなると、それにつれて発生する揚力も増加する。しかし、迎角がある大きさ以上になると、主翼上面を流れる空気が翼面から「剥がれる」。すると、主翼はもはや揚力を発生することはなくなってしまう。これを失速と呼ぶ。
シャンデル(chandel)
上昇旋回による反転。詳しくはこちら
ジンキング(jinking)
防御時の機動。後方につかれどうしようもない時、各舵を不規則に使って敵の照準から外れ続けようとする機動。詳しくはこちら
Spiral Climb
上昇力に優れた機体に乗っており、エネルギー状態が互角あるいは優位な場合に可能な戦術。上昇旋回を開始し、追ってくる敵機の様子を見ながら上昇率、旋回率ともに上げていく。そのうち敵機がこれに追従しきれなくなり機首を下げたら直ちに攻撃に移る。Bf109乗りはぜひ習得すべきである。
スパイラルダイブ(spiral dive)
防御時の機動。降下旋回を維持する。詳細はこちら
スプリットS(split-S)
180度ロールからの降下反転。詳しくはこちら
スライスターン(slice turn)
降下旋回
スローロール(slow roll)
防御時の機動。左右どちらかにゆったりとしたロールを続けることで敵の照準から外れ続けようとする機動。詳しくはこちら
旋回半径(turn radius)
定常旋回で空中に描かれる円の半径。これが小さければ小さいほど小回りが利くことになるが、失速速度という下限の存在する戦闘機同士の戦闘では、旋回率の方がより重要となるケースが多い。
旋回率(turn rate)
単位時間辺りに旋回する割合。角速度と同等。旋回半径の方が重視されがちであるが、実際には旋回率の高い機体の方が有利となる状況の方が多い。
ダイブ(dive)
急角度で降下すること。急降下。防御時のダイブについてはこちら
楕円翼
上面から見ると楕円形になっている翼。これを採用した代表的な機体がSpitfireである。この形状は、揚力発生効率が良いとされており、失速特性もよい(翼後端から一応に失速が起こる)という利点がある。
縦機動(vertical maneuver)
上昇・下降を中心とした機動
釣り天井
[WB]ヘッドオン時にとる戦術。敵機の射程圏内に入る前に緩上昇に移り、そのまま敵機上方を抜ける。敵機が横旋回や急激な機動で反転して追ってきたらそのまま上昇率を上げながら逃げる。敵機は反転時にエネルギーをかなりロスしている為、そのうちこちらの上昇に追従できなくなり機首を下げたり、失速してしまうので、そこを攻撃する。
釣る
[WB]上昇することで追ってくる敵機のエネルギーを奪い、状況を有利にすること。機動自体に難しい点はないが、彼我のエネルギー状態の見積りを間違うと悲惨な結果となる。
T&B
ひたすら格闘戦で敵機を撃墜する戦術。これと対照的なのがB&Zである。
ディフェンシブ・スプリット(Defensive Split)
編隊戦闘における防御時の機動。2機編隊が攻撃を受けた際、それぞれが別々の方向へブレークする機動。別方向へ機動することで、攻撃側に選択を強いる。これで敵機に追われなかった方は即座にもう1機のカバーに入る。⇔オフェンシブ・スプリット
捩り下げ
主翼端の迎角を小さくするように捩ること。翼端失速を遅らせる効果がある。
パーシュート(pursuit)
1. 敵機後方を追尾しての飛行。リード・パーシュートピュア・パーシュートラグ・パーシュートがある。
2. 追撃そのもの。P-38、P-51などのPはPursuit Planeから(pursuerか?)。
ハイ・ヨーヨー(High-YoYo)
攻撃時の機動の一つ。敵機後方から追撃する際、こちらの速度の方が速いと敵の旋回に追従できずにオーバーシュートしてしまうことがある。これを防ぐ為、オーバーシュートする前に上昇旋回に移行することで余分な速度を高度に変換し、敵機後方を維持する機動。エネルギーの余分なロスを押さえ、かつオーバーシュートもしないという利点がある。詳しくはこちらを参照のこと。
バレルロール(barrel roll)
スティックを引くと同時に左右どちらかに傾けることによって、樽(barrel)の表面に沿うように飛行する機動。詳細はこちら攻撃時防御時ともに有用な機動である。
ハンマーヘッドターン(hammerhead turn)
垂直上昇からの失速反転。詳しくはこちら
B&Z
高々度からダイブして敵機に襲い掛かり射撃、そのまま上昇して離脱する戦術。この戦術で被撃墜は確実に減るが、撃墜を重ねるにはかなりの訓練が必要。これと対照的なのがT&Bである。
ビックリアタック(sneaking?)
[WB]後下方などの死角から忍び寄り、敵に存在を気づかれないうちに行う攻撃。これで落とされた側が共通無線や個人無線で「無線打ってて気づかなかったんだ」とか言ってくることがあるが、これはみっともないのであまりお勧めしないです、俺は。
ピッチ
水平面と機首がなす角度。または機首の上下動。
ピュア・パーシュート(pure pursuit)
敵機を追う時に、敵機そのものを目標として追うこと。リード・パーシュートラグ・パーシュートも参考のこと。
プッシュオーバー(push over)
1. スティックを前方に押し込むこと。
2. 防御時の機動。突然マイナスG機動を行うことで敵機を撹乱する機動。詳しくはこちら
フラップ(flap)
高揚力装置の一つ。主翼後縁部にあり、主に低速時の揚力増加に寄与する。そのメカニズムにより様々な形式がある。離着陸時に使われ、通常飛行時は抵抗となる為使用しないのが普通であるが、戦闘時には意図的に使用するケースもある。また、最初から戦闘時の使用を考慮して設計されたものもある。
ブレーク(break turn)
後方から攻撃を受けた際、左右どちらかに可能な限りの急旋回で回避すること。詳しくはこちら
ヘッドオン(head on)
1. 敵機と真正面からすれ違うこと。
2. 1.の状況で射撃すること。これを極度に嫌う人もあるが、個人的には問題ないと思っている。嫌なら避けるよろし。
見越し角(lead angle)
主に射撃時、トリガーを引き実際に弾丸が発射されてから実際に敵機の位置まで到達するのには時間がかかる。そのため、敵機が自機に対して相対運動を行っている場合、その未来位置に狙いをつけないと命中しない。また、弾丸も重力の影響を受ける為、遠距離の射撃ではこれも考慮する必要がある。この時の角度を見越し角と呼ぶ。
迎角
気流と主翼がなす角度。
ヨーイング(yawing)
機体に垂直な軸を中心とした回転運動。機首を左右に振る運動。
翼端失速(wingtip stall)
通常の翼形を持った飛行機は、失速はまず翼端部から起こる。これは、翼端部で発生する渦などの影響による。また、飛行機の空力特性は左右対称ではないので、これは必ずどちらか片方の翼端から先に発生する。このため、翼端失速を起こすと大きなロールモーメントが発生し、スピンの原因となる。
翼端失速を防ぐのに有効とされているものには、楕円翼捩り下げ、ウイングレットなどがある。
ラグ・パーシュート(lag pursuit)
敵機を追う時に、敵機の過去位置(敵機後方)を目標として追うこと。リード・パーシュートピュア・パーシュートも参考のこと。また、攻撃時の実例についてはこちらを参照のこと。
ラダー
方向舵。通常は垂直尾翼後縁部にあり、ヨーイングモーメントを発生させる。レシプロ機による飛行では非常に重要である
リード・パーシュート(lead pursuit)
敵機を追う時に、敵機の未来位置(敵機機首方向前方)を目標として追うこと。ラグ・パーシュートピュア・パーシュートも参考のこと。
ループ(loop)
宙返り
ロー・ヨーヨー(low YoYo)
攻撃時の機動。追撃する速度が足りない時に、降下で速度を得る。詳しくはこちら
ロール(roll)
機軸を中心とした回転。機体の左右への傾き。
ロールアウェイ(roll away)
攻撃時の機動ハイ・ヨーヨーの変型。上昇後そのまま追撃するのではなく、いったん逆方向へのロールを行うことが特徴。詳しくはこちら
ロッテ(rotte)
第二次世界大戦時、ドイツ空軍が採用した2機編隊の呼称。比較的ルーズに編隊を組み、相互支援による一撃離脱戦術を用いる。



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