海底にできたはずの堆積岩が陸上で観察できるところがあります。 ヒマラヤの、エベレストの山頂に近い8000m付近では海の生物の化石が出てきます。つまり、海底で堆積したものがそんな高いところに上がっているのです。 |
ヒマラヤができたわけは「プレート・テクトニクス」のところで出てきましたね。プレート境界にできた皺です。岩石に圧縮する力が加わると断層ができる話が「地震」のところで出てきましたが、岩石の性質によって、また力の加わり方によってはバキッと壊れるのではなくグニャッと曲がることがあります。岩石や地層がグニャッと曲がったものを「褶曲」といいます。曲がり具合はさまざまで、ゆるく曲がるだけのこともありますし、ぐしゃぐしゃに折り畳まれたようになることもあります。 |
もちろん、岩石や地層に力が加わると断層ができることもあります。特にひっぱる力のときは、地層や岩石がグニャッと伸びることはあまりなく、断層ができるのが一般的です。単純に正断層(*1)ができる場合もありますが、図_や図_のような断層になることがあります。 |
図_のようになると山脈状の地形になります(地塁と呼ばれます)。関東周辺に有名な例はありませんが、大阪平野と奈良盆地の間にある生駒山地などが例です。 |
地殻の変動に伴ってできる地形は他にもあります。褶曲にせよ断層にせよ、多くの場合土地の上下動を伴います。土地が持ち上がることを隆起、下がることを沈降といます。 |
逆に土地が沈降してできる地形もあります。 |
地形だけではなく、当然地層にも地殻の変動の証拠は残ります。簡単なところでは、水中でできたはずの地層が陸上で見られることは土地が隆起した証拠に他なりません(*8)。また、地層に断層や褶曲が見られれば、地殻の変動があった証拠になります。 |
河岸段丘や海岸段丘が何段にもなっている場所があります。その場所が何度も、不連続に隆起した証拠です。不連続に隆起したということは、じわじわ褶曲したのではなく、断層ができるような変動であったと推測されます。 |
海面が上下(*11)することによっても、近くの変動と同様の効果があるはずです。実際、石器時代には海面が現在より低く、縄文時代には現在より十数m海面が高かったことがわかっています(*12)。その後の「土地の隆起」と解釈される現象の一部は、縄文時代以後現在までの海退によるものかもしれません。 |
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