☆★☆★☆★ Cepheus2001 ★☆★☆★☆

双眼鏡・小望遠鏡で充分に手の届く
『二重星』『有色星』『星雲・星団』などを
勝手気ままに書き連ねる!

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


Vol.06 2001.04.27

 さぁ困った!今回ほど紹介したい天体の多い号はないのでは・・・ というわけで、今回は雑学も神話もなしです。ファンの方、ゴメンね。

 じゃ〜、北の空から一気に行くぜ!

★ ミザール おおぐま座ゼータ ζUMa (眼)
 ご存じ、肉眼二重星として最も有名な星です。2等のミザールの隣りに、4等のアルコルがくっついています。昔アラビアでは、兵士の視力検査にこの星を用いました。
 さらにミザールを5cm50倍くらいで眺めると、これも4等の伴星があることがわかります。しかもミザールも、実は20日周期で回転する連星です。これは分光器にかけて初めて解るほどのものです。
【見つけ方】
 北斗七星の、柄から2番目。
(赤経13h23m59s 赤緯+54度55.0分 2001.5年分点)

−−−−−−−−−−
★ M81、M82 (望・小〜)
 おおぐま座の銀河といえば、もちろんこれです。40倍くらいで同視野におさめることができます。
【見つけ方】
 おおぐま座γ(ガンマ)とα(アルファ)を結んで、αの方へ2倍延ばすとあるよ。でかい方がM81さ。
M81(赤経09h55.8m 赤緯+69度03分 2001.5年分点)
M82(赤経09h56.0m 赤緯+69度40分 2001.5年分点)

−−−−−−−−−−
★ M51 (望・小〜)
 りょうけん座に位置する『子連れ星雲』です。これを見逃す手はない!
【見つけ方】
 おおぐま座η(エータ 北斗七星の柄の一番端)と、りょうけん座αとβの中点とを結ぶ線の、1:3にしたおおぐま座η側。
(赤経13h30.0m 赤緯+47度11分 2001.5年分点)

−−−−−−−−−−
★ コル・カロリ りょうけん座α αCVn (望・中)
 主星2.9等黄、伴星5.5等紫。格調高い重星だ!
【見つけ方】
 おおぐま座ηとしし座β(デネボラ!)を結ぶ線の、1:2にしたおおぐま座寄り。この領域にはこの星しか明るいヤツはいません。
(赤経12h56m06s 赤緯+38度18.6分 2001.5年分点)

−−−−−−−−−−
★ M3 (双)(望・小〜)
 6.4等の実に見事な球状星団。必見!
【見つけ方】
 コル・カロリとアークトゥルスの中間。
(赤経13h42.3m 赤緯+28度22分 2001.5年分点)

−−−−−−−−−−
★ うしかい座エプシロン εBoo (望・中〜)
 ミラク(帯の意)と呼ばれています。主星2.5等伴星4.9等の美しい重星。ロシアの学者ストルーベは、この星を『プルケリマ<最も美しいもの>』と名付けました。10cm100倍以上で挑戦だ!
【見つけ方】
 うしかい座の腰のところの向かって左側。
(赤経14h45m03s 赤緯+27度04.1分 2001.5年分点)

−−−−−−−−−−
★ かみのけ座 Com (眼)(双)
 エジプト王エウエルゲテスの妻ベレニケが、夫の勝利を願い美髪を祭壇に捧げました。これがかみのけ座です。散開星団が星座を形作っているのです。おうし座のヒアデス星団みたいです。
 このあたりは天の川のちょうど反対側にあたります。つまり銀河系の外を向いているのです。だからガス星雲など遮るものが少なく、はるか宇宙の彼方まで見通すことができます。『宇宙の覗き窓』の異名の通り、銀河も多く確認できます。
 なお、コード名ではMel 111となります。
【見つけ方】
 コル・カロリの見つけ方と同じくηUMaとβLeoを結ぶ線をつくり、それを2:1にしたβLeo寄り。
(赤経12h25.2m 赤緯+26度07分 2001.5年分点)

−−−−−−−−−−
★ おとめ座(Vir)周辺の銀河
 ※裏技爆発です。略語いっぱいです。勘弁。
 ※Leo=しし座 Com=かみのけ座 Vir=おとめ座
1)βLeo(2等)とοVir(オミクロン 4等)とで正三角形になるもう1つの星、6番星Com(5等)を見つけます。οVirは、βLeoとγVir(3等)との線上にあります。
2)οVirとεVir(エプシロン)の線の2:1にしたεVir寄りに、ρVir(ロー 5等)を見つけます。
3)6番星ComとρVirを結びます。これが基本ライン。
 さぁ、これで準備OK!
◎M84、M86 (望・小〜)
 並んでみえる可愛い銀河。10cm50倍くらいから。
【見つけ方】
 基本ラインより、6番星Com:ρVir=4:6のところ。
M84(赤経12h25.1m 赤緯+12度53分 2001.5年分点)
M86(赤経12h26.3m 赤緯+12度56分 2001.5年分点)
◎M87 (望・小〜)
 中心核の明るい、見事な銀河。
【見つけ方】
 基本ラインより、6番星Com:ρVir=6:4のところ。
(赤経12h30.9m 赤緯+12度23分 2001.5年分点)
・・・まだまだM58とかM98とかM99とか、この辺には銀河がいっぱいいっぱいありますよ。(分布がチェーン状で、『マカリアンの鎖』と呼ばれています。)

−−−−−−−−−−
★ ブンゼンバーナー (望・中)
 スカイ・アンド・テレスコープ誌の創始当時の筆者コープランドがつけたとされる、理科の実験で使うあのブンゼンバーナーそっくりのならびの4つの星。小さな や座 みたいですな〜。
 こういう星団でもない星の集まりを『アステリズム』と呼びます。みんなも勝手に作ってみよう!
【見つけ方】
 おとめ座εのすぐ東側。
(εVir:赤経13h02m15s 赤緯+10度57.1分 2001.5年分点)

−−−−−−−−−−
★ M104 (望・中)
 メキシコ帽子に似ていることから『ソンブレロ星雲』と呼ばれている有名な銀河です。10cm80倍。 【見つけ方】
 からす座δ(デルタ)とおとめ座γを結んだ線の、1:2にしたからす座寄りのポイントから、ちょこっとスピカ寄り。
(赤経12h40.0m 赤緯-11度38分 2001.5年分点)

−−−−−−−−−−
★ NGC3242 (望・中)
 肉眼で色がわかる星雲は非常に少ないのですが、これはその貴重な1つ。青緑色!が小口径でもわかる惑星状星雲です。見かけの大きさが木星と同じ位に見えるので『木星状星雲』とも呼ばれてます。
【見つけ方】
 うみへび座μ(ミュー)の2度ほど南にあります。
(赤経10h24.8m 赤緯-18度38分 2001.5年分点)

−−−−−−−−−−
★ オメガ星団 ωCen (眼)(双)(望・低〜)
 星にギリシャ文字で名前をつけていったときに、あんまり明るいので(3等級!)“ω”をもらっちゃった、というほどの明るさ(もちろん全天一!)の球状星団です。
 ケンタウルス座にあり、東京での南中高度は僅かに7度(でもカノープスよりは上に見える)。
 気合を入れて挑戦しよう!
【見つけ方】
 スピカ→うみへび座γ(ガンマ)→ケンタウルス座ι(イオタ)→ωCen、と直線的にたどります。
(赤経13h26.9m 赤緯-47度18分 2001.5年分点)

−−−−−−−−−−
参考文献
『天文年鑑2001』(誠文堂新光社)
『天文年鑑2000』(誠文堂新光社)
『星座への招待』村山定男・藤井旭 著(河出書房新社)
『STAR ATLAS 2000.0 実用全天星図』(誠文堂新光社)


Top Page

もどる    次へ