☆★☆★☆★ Cepheus2001 ★☆★☆★☆

双眼鏡・小望遠鏡で充分に手の届く
『二重星』『有色星』『星雲・星団』などを
勝手気ままに書き連ねる!

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Vol.02 2000.12.22

★ M45 プレアデス星団 (眼)(双)(望・低)
 「星はすばる」。誰でも知ってるあの星達。何て儚く格好良いんでしょう!見栄えも良くて可愛いよ。ヒアデス星団と共に、おうし座の華です。普通の視力なら6個は見えます。だから「六連星(むつらぼし)」とも呼ばれます。
 「すばる」の語源ですが、星が縛られているように見えることからきています(寒くてしばれる〜、ではありません)。星々が絡みつくように輝いているから、ともとれますが、実際にも淡いガス星雲が重なっています。特に構成星のメローぺ付近には濃いガスがあり、非常に好条件なら肉眼でも見ることができます。しかし極めて難しい。
 そこで、アイピースの接眼部の中央に小さく黒いシールを貼ることをお薦めします。口径の大きい望遠鏡である程度倍率をかけ、このシールでメローぺを隠して見れば、このガスが見えるかも、ね。
 ちなみに、メローペって、こいつ。

     ★  ★ ★★
       ☆ ★
       ↑

 これじゃ、すばるには見えんな〜。
【見つけ方】
 ひみつ。
(赤経03h46.9m 赤緯+24度07分 2000.5年分点)

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★カシオペヤ座 ι(イオタ) ιCas (望・中)
 見つけやすい3重星です。お互いが重力的に干渉し合っているそうです。
 4.8等(白)、7.0等(黄)、8.3等(赤)の並びが綺麗ですが、100倍くらいの倍率は必要かも。
【見つけ方】
 カシオペヤ座の左から2番目のδ(デルタ)と左端ε(イプシロン)をむすんで、ε側に2倍延ばすとあります。
(赤経02h29.1m 赤緯+67度24分 2000.5年分点)

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★ アンドロメダ座γ(ガンマ) γAnd (望・低〜)
 2.3等のオレンジ色の主星が、5.1等の緑の伴星を引き連れているのが、小望遠鏡でもよくわかります。この星は“アラマクの靴”と呼ばれています。ちなみにα(アルファ)は“アルフェラッツの頭”、β(ベータ)は“ミラクの帯”です。知ってると何だか偉そう。
【見つけ方】
 アンドロメダ座の、カシオペヤ座から遠い方の足のつま先です。簡単。
(赤経02h03.9m 赤緯+42度20分 2000.5年分点)

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★ M33 NGC598 (眼)(双)(望・低)
 M31と共に肉眼で見える銀河系外星雲です。6等くらいの明るさだし、面積体なので、よほど暗い空じゃないと直接見るのは難しいですね。夏合宿でもギリギリでした。M31よりも角度的に上から見た感じです。
 写真なら、標準レンズでバッチリ!
【見つけ方】
 アンドロメダ座ベータと、さんかく座の間あたりを双眼鏡でウロウロしてれば簡単に見つかります。
(赤経01h33.9m 赤緯+30度40分 2000.5年分点)

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★ NGC752 (双)
 年齢が16億歳という隠居の集まりの、散開星団。まとまっているようないないような。
【見つけ方】
 M33と同じ方法で、そのM33の線対称の場所です。これも簡単。
(赤経01h57.8m 赤緯+37度40分 2000.5年分点)

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★NGC1647 (双)(望・低)
 おうし座にある散開星団です。双眼鏡で見ると数個の星が見え、8センチ40倍程度の望遠鏡では視野いっぱいに星団が広がって見えます。
 おうし座の写真を撮ると、アルデバランを含むヒアデスのすぐ北東に写っているのが分かります。
【見つけ方】
双眼鏡ではアルデバランからおうしの2本の角の間の方向へ少しずらして見ると見つかります。
(赤経04h46.0m赤緯+19度04分 2000.0分点)

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 さて今回は、見たい天体の導入の話です。
【必要なもの】
★星図
 あったほうがいい筆頭。早見版なんてしみったれた事は言わない。ただし夜露によるヨレヨレ注意。
★双眼鏡
 7〜12倍くらいですかね〜。手持ちを考えれば、7〜8倍くらいですね。でもこのくらいの小さな双眼鏡も、三脚にのせて使うと、ビックリするくらい良く見えちゃいますよ。もちろんオペラグラスなんかでも大丈夫。寝っ転がっての観望なんかには、むしろこちらがお薦めですね。
 三脚への取り付け方ですが、専用のアダプターが必要です。で、“逆「へ」の字”(つまり逆さま)につけることをお薦めします。使い勝手が全然違うんだから!
 小さい双眼鏡の場合は、三脚の雲台が、1クリップ式の自由雲台だとパーフェクト!
★望遠鏡
 屈折でも反射でもカセグレンでも何でも可。でも【Cepheus2001】で紹介するような天体は、小さい鏡筒でOKなはずだよ。
 架台は、倍率があがれば、経緯台よりは赤道儀の方がいろいろできます。
 赤道儀の場合、モータードライブは無くてもOK。赤経側に1個あれば十分です。スカイセンサーなんかであれば言うことありません。
 それより何より、ファインダーです!こいつを昼間にしっかり合わせておきましょう。そして、夜は夜で明るい星を選んでチェックしておくこと。これは必須。
 なお、殆どのファインダーは、像が逆さまです(理由は改めて)。前後左右が逆転していますからビックリしないように。
【導入のしかた】
 両目をあけて星を見ましょう!
 よく片目をつぶって鏡筒を振り回している人がいますが、これはダメダメ。片目でファインダー、片目で見たい天体です。
 そして、肉眼で見えてる(見たい)天体がファインダーに入ってきたら、すかさず架台のクランプを締めます。う〜簡単!
 例えて言うと、右目でファインダー、左目で天体を直視の場合、左目での天体に、右目での天体が右側からぶつかるように近づけていきます。

    →・→ ←←←←☆←←←←
     左目     右目

で、この左右の星がポン!とぶつかります。

       →★←←←←
        ポン!

 これでOK!
 双眼鏡での導入も、高倍率ならこの方法が使えるよ。
【実際の“見方”について】
 よく観察の時に両目を開けている人がいます。トホホです。片目はつむろうね。
 (※2004.11.16追加:“見ない目”をギュッとつむると、逆に目ン玉に力が入って見えにくくなります。なので“覗いていない目”を手で覆うようにしましょう。視力検査のときも、“見ない目”はつむらないで隠すだけですよね。アレです。)
 星雲などの淡い天体の場合、対象を注視するより、視野の端の方を見るような“そらし目”“やぶにらみ”で覗くと、淡い部分が見えてきます。(詳しくは次号)
 また、暗闇に目をよく慣らすこと、観望中に外灯などを見ないようにすること、なども注意点としてあげられますね。
 タバコの火も、十分に明るい光源ですよ!

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神話コーナー!
【プレアデス星団物語】
 プレアデスは、天をささえていたという巨人アトラスと精女プレイオネの間に生まれた7人の娘で、月の女神アルテミスの侍女。
 ある日、娘たちが森で遊んでいると、猟師オリオンがあらわれて襲いかかってきた!(単に髭面が恐かっただけかも・・・)そこで、7人は空へ逃げ、アルテミスの衣のすそにかくれた。ところがオリオンが去った後、アルテミスがすそをあげると、娘たちは何と7羽のハトになっていた。ポッポ〜!
 で、大神ゼウスがそのハトたちをプレアデス星団にしたのでした。
 なるほど、そう言われてみると、オリオンはおうしと一騎打ちの様相にも見えるけど、実はそうではなく、今でも懲りずにプレアデスの7姉妹を追いかけているようにも見えますね。う〜、スケベオヤジ。
 ちなみに、ヒアデス星団は、アトラスとアエトラの間に生まれた7姉妹とされています。ということは、プレアデスとは異母姉妹ということになりますな〜。
 プレアデスもヒアデスも神話では7姉妹ですが、いずれも肉眼では6個の確認がせいぜい。もしかすると、その昔は今よりも明るい星があったのかな?それとも“7”という数字に何か秘密があるのか・・・?

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参考文献
『天文年鑑2000』(誠文堂新光社)
『星座への招待』村山定男・藤井旭 著 (河出書房新社)
『月刊天文ガイド2000年12月号』 (誠文堂新光社)
『全天星雲星団ガイドブック』藤井旭 著 (誠文堂新光社)
『星座の神話』原恵 著 (恒星社)


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