☆★☆★☆★ Cepheus2001 ★☆★☆★☆

双眼鏡・小望遠鏡で充分に手の届く
『二重星』『有色星』『星雲・星団』などを
勝手気ままに書き連ねる!

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Vol.01 2000.12.05

★ M31(NGC224) (眼)(双)(望・低)
 記念すべき第一発目は、やはりこれでしょう。『アンドロメダ大星雲』です!(今の時期、早く見ないと沈んじゃうからね。)
 230万光年の彼方に浮かぶ、2000億個の星々。地球のある銀河系のお隣りさんです。
 明るさは4.8等。肉眼で十分に見えます。見かけの大きさは、月の直径の5倍!まさに、秋の星空の大看板です。
 双眼鏡では、ため息の出るような楕円形の姿が、望遠鏡では、中心部の明るい様が、よく見えます。しかし、写真によくある渦巻き構造の確認は苦しいモノがあります(見える!と強情を張る輩もいます)。
 写真撮影は、標準レンズにISO800フィルムで5分もガイドすれば十分。200mm程の望遠レンズなら、フィルムの1/4くらいの大きさに写るかも?
【見つけ方】
 以下の方法が最も簡単なようです。
 まず、カシオペヤ座を見つける(簡単)。次に“北極星の見つけ方”の逆方向に線を延ばす。長さは、北極星までの半分強。これだけ!
(赤経00h42.7m 赤緯+41度16分 2000.5年分点)

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★ ペルセウス座 h-χ(エイチ-カイ) (眼)(双)(望・低)
 “二重星団”として親しまれている、生まれたての星の集まり(散開星団)です。双眼鏡で見ると、ビックリするくらい綺麗!
【見つけ方】
 これも、カシオペヤ座からたどったほうが簡単です。
 カシオペヤ座の真ん中の星γ(ガンマ)と、左隣りのδ(デルタ)とを結んで、線をδの方向へ1.5倍延ばすと、ほら、あった!
(h 赤経02h19.1m 赤緯+57度08分 2000.5年分点)
(χ 赤経02h22.5m 赤緯+57度06分 2000.5年分点)

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★ NGC457 (望・低〜中)
 カシオペヤ座の散開星団。全体の形は人が立っているように見え、顔にあたるところに明るい星が2つあって、これが何やら宇宙人のよう。“ET星団”とか“バルタン星団”とか言われています。思わず爆笑。
【見つけ方】
 カシオペヤ座γとδを結び、それを長辺とした二等辺三角形を、カシオペヤ座の外側に作って、その第3の角にあたる所にあります。
(赤経01h19.1m 赤緯+58度20分 2000年分点)

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★ カシオペヤ座η(エータ) ηCas (望・低〜)
 3.7等と7.5等の、黄金色と薄あずき色?の珍しい二重星。倍率50倍が適。
【見つけ方】
 カシオペヤ座γと、右隣りのβ(ベータ)を結んだ線の、真ん中ややβよりの、外側。
(赤経00h49.1m 赤緯+57度49分 2000.5年分点)

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★ ケフェウス座μ(ミュー) μCep (双)(望・低)
 一般に『ガーネットスター』と呼ばれる、深紅に輝く、3.4等〜5.1等の範囲で変光する半規則型の変光星です。
 肉眼ではその色のせいで、確認は難しい。双眼鏡ではバッチリ見えますが、赤色は空の“黒”に埋まりやすいので、多少の慣れは必要かな?もちろん、望遠鏡では難なくOK!
【見つけ方】
 ケフェウス座はひしゃげた五角形のかたちをしていますが、その底辺の左側の星ζ(ゼータ)とαの中点の少し南にあります。
(赤経21h43.5m 赤緯+58度42分 2000年分点)

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★ おひつじ座γ(ガンマ) γAri (望・低〜)
 4.7等と4.8等の二重星。双方とも白または淡いレモン色。50〜80倍で見るのがベスト。
【見つけ方】
 星座をかたどる、一番下(南)の星です。
(赤経01h53.5m 赤緯+19度18分 2000年分点)

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★ うお座α(アルファ) αPsc (望・中〜)
 4.3等と5.3等の二重星。非常に接近しているので100倍でどうにか。
【見つけ方】
 “く”の字の形をしたうお座の、その角の星です。簡単ですね。
(赤経02h2.0m 赤緯+2度46分 2000年分点)

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★ M76(NGC650) (望・中〜)
 惑星状星雲。長方形をしている変なヤツ。70〜100倍くらいで見えますが、淡い色なのであんまり明るい空だと苦しいかも。
【見つけ方】
 こいつは難関!アンドロメダ座の足の先(γじゃない方の足です)に51番という星があります。その、北側(北極星の方)。
 または、カシオペヤ座のαとβを結んで、β側に2倍ほど延長します。
・・・でも、10等級以下だからな〜。でもでも、面積体だから。挑戦する価値は充分にありますよ。何たって長方形!
(赤経00h49.1m 赤緯+57度49分 2000年分点)

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 さて、秋のギリシャ神話といえば、やはりアンドロメダ姫をめぐる、あの話でしょう。
 エチオペアの王妃カシオペヤは大変なナルシストで、つい「私は海の妖精達よりも美しい、ホホホ」と言ってしまったばかりに、娘のアンドロメダ姫を海獣ティアマト(くじら座)に差し出さなければならなくなってしまった(ちなみに影の薄い旦那は、ケフェウス王)。岩に縛り付けられているアンドロメダ。
 と!そこへ、勇者ペルセウスが通りかかった。
 ペルセウスは、見る者すべてを石に変える、髪の毛が全部ヘビの化け物メドゥサを退治し、その時に吹き出した血からヒヒン!と飛び出した天馬ペガススにまたがってご帰宅中。
 腰にぶら下げた革袋からメドゥサの生首を取り出したペルセウスは、それをエイヤッとティアマトに見せると、哀れティアマトはカチンカチン!
 かくして、アンドロメダ姫は救出されましたとさ。

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参考文献
『天文年鑑2000』(誠文堂新光社)
『星座への招待』村山定男・藤井旭 著 (河出書房新社)


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