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2005年6月27日(月) 死んだらこわい… |
昨日、記憶のメカニズムのテレビ番組を一人でみていた亮佑。今夜、寝る前になって、急に「死んだらこわい」と言って泣き出した。 昔から想像力が豊かで、いろんなことを想像しては怖がって泣いていた亮佑。今夜の亮佑はたまりにたまった不安が吹き出した感じだ。 亮佑が塾から帰ってきたのが9時半頃。エンタを見るつもりで急いで帰ってきたのに、エンタどころか、もっとも見たくない「リング」をみんなして見ているのにまず驚いた。「せっかく早く帰ってきたのに」と愚痴る。いつもはお残りで帰宅は10時をすぎで、エンタはいつも途中からしか見ていない。エンタが始まる前に帰ってくるのは珍しかったのに…。 しばらくは我慢してみていた亮佑も、10時をすぎると「(ちゃんねる)変えていい?」としびれをきらした。 昨日、晃志はママから「さっさと宿題しなさい」と叱られ続けて逆切れし、「死ね! 地国へおちろ」と紙に書いた(地獄を地国と書くあたりは漢字の宿題をしていない晃志らしい。もっとも「獄」は3年生では習わないと思うけど)。ママは悲しくなって亮佑に見せたら晃志と一緒になってエンタの出演者のようにふざけ合ったという。エンタはママとパパには不評だ。ほとんどが下劣な笑いで、おもしろくない。ブラックユーモアでもなく、ただ人を揶揄するだけの笑い。楽しい笑いの本質を欠いているからだ。あの笑いはいじめにつながる。子供たちがエンタの出演者をしきりにまねしているが、知らず知らずのうちにその悪影響を受けているとパパとママは思っている。昨日の落書きはその現れだと思う。 亮佑はずっと「もうやめよう」と言いながらも結局最後まで一緒に見た。最後まで見てしまえば恐怖感を払拭できると思ったが、亮佑はさらにおびえてしまった。恐ないやろ?と聞いても、「こわいわ!あの白目でにらまれただけで死ぬねんで!」と声を荒げる。「大丈夫やって。つぎはハリウッド版をみよか」とテレビのチャンネルを変えると映画は終盤ちかく。CMがある分、テレビのほうが進行が遅い。しかしその画面が一瞬映ったとたんに亮佑は「もう、やめてぇやぁ〜」と泣き出した。亮佑がこんな泣き方をするのは久しぶり。幼稚園か小学1年くらいまではこんなだったのに、いつしか生意気なガキになっていた。パパとママの思いも一気に幼稚園の頃の亮佑へと引き戻された。「大丈夫や。大丈夫。こわないから。みんなここにいるから。大丈夫。」 「リング」の怖さは、呪いを解いたと安心した後に、ふたたび貞子が現れるところにある。なんで? 助けを求めて来たから救ってあげたんちゃうん? そしたら呪いはとけるんちゃうん? 主人公の母と同じ思いを感じるなか、主人公は我が子を救うために自分の親を身代わりに選ぶ。救出されてもなお永久に続く呪いの連鎖が恐怖感を増大させていく。もっとも亮佑はそれ以前に、映像的な恐怖さえ抜けきれない。その日の夜は、一人で寝られへん、と言ってママの部屋に戻って来た。夜暑くて体中を掻きまくっている亮佑のために、数日前から北側の部屋のロフトベットにマットを敷いて寝かせていたのだ。そこに一人で寝るのが怖いと言って来た。しかたないので、ママと亮佑と晃志がまた一部屋で寝ることになった。 そしてもうそれから一週間経つのに、亮佑の恐怖感は収まらない。昨日見たテレビで臨死経験とかも話していたのだろうか? 「一回死んで生き返るってあるんやろか」と聞いて来た。「ぴーちゃんのおとうさんは、一回死んで生き返ったんやで」と教えると驚いていた。その話が残っているのかもしれない。 パパが階下におりながらお休みと言った後、しばらくすると風呂から上がったママが泣いている亮佑に気づき「どうしたん?」と聞くと急に大声で泣き出し、パパも呼ばれて駆けつけると「死んだらこわい」と言っていたらしい。 「大丈夫や。誰も死ねへん」 ところで、ほんとにあと40年たったらパパの年は平均寿命と一緒? 実は日本人の平均寿命、86歳というのは女性で、男性は78歳。平均ということなら、パパの余命は32年。そのころ亮佑42歳。 |