菊地秀行トークライブ
ユニヴァーサル篇1
中華街〜ハンバーガー屋

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 2000年7月28日金曜日午後2時、<新宿>に降り立つ。薄曇りのために我慢できないほどの暑さではないが、まだまだ魔界都市にも四季の移ろいはあるようだ。雪の降りしきる夏にはいたっていない。

 紀伊国屋書店に足を運び、吸血鬼ハンターDの新刊をゲットする。辺境駿河地区ではゲットできなかったのだ。とりあえずさらっと後書きに目を通す。ふむふむ、ライブネタが盛り込まれているな、これは今宵が楽しみだ。さて、第一の目的を果たし、はるばる北海道から襲撃に来ているつづみちゃんに早くお目通りを願うために、みぎーに電話をする・・・が、出ない。しばし間をおいてもう一回・・・出ない。さてはジャミングか、私のバカPHSのせいか、大騒ぎしていて気がつかんのか? しばし書店に身を隠し、電話し直す・・・出た。

みぎー「おおう!DUNE兄ィ!こんばんわじゃない、おはようじゃない、こんにちわ」
DUNE「はいはい、こんにちわ。どこに集まっておるのだ?」
みぎ〜「えーとえーと、わからねー(爆)。つづみちゃんにかわるぞ」
DUNE「なぜだぁっ!」
つづみちゃん「にーさん、おひさ。ドーナツ屋の通り沿いのコーヒー屋だよ」
DUNE「おひさー!それだけわかれば何とかなるよ」

 とは言ったものの、あのドーナツ屋は3つの通りに面しておるな。さて、どこから探すか・・・。といった心配は無用で、信号待ちをしているとあっさりと見つかる。みぎー、つづみちゃん、小太郎くんの3人にささっと合流。3人はバナナなんとかとかチョコなんとかという、いかにも「甘いですよ」なドリンク回し飲み。わたしは甘いの苦手なので参加しない。それはさておき、明日横浜へ行くというみぎーと小太郎くん、横浜でキュキュと中華まんを堪能したいというつづみちゃん、時間はまだ午後3時前。ふむ、なんとか1時間ぐらいは遊べるな。よし、今から中華街へ行くぞ。わたしも空腹なので、せっかくだから中華まんを食べたいのだ。

 善は急げということで、つづみちゃんの大胆なスリットを堪能しながら・・・中華街へ行けばさぞかし魅力倍増だろうなどと煩悩に溺れつつ移動する。そうそう、大胆なスリットの衣装、夜なべして作ってきたそうな。わしが「スリット〜!」などとぬかしたばかりに嬉しいことを・・・いやいや、たいへんな思いをさせてしまってすまない。というわけで中央線、なぜか神田で降りようとする私。きっと私を置き去りにしてやろうという誰かの魂胆に違いない・・・と思いつつ、いやぁ、ボケボケですまねいなどと正直に申告してみる。あまりに正直すぎてだれも突っ込んでくれないのが悲しい。まあ、無事に乗り継いで石川町に到着。

 まったく思いつきで決めてしまった私達を待っていた中華街は、小雨が降ったりやんだり。しかしそれは、再び始まるおバカ伝説の予兆に過ぎなかったのである。あやしい傘でも買うか・・・と、真っ先にチャイハネに向かう。しかし品定めをしていると雨は小康状態に。傘がなくても困らない程度なので、あっさりと買わないことにする。そして第1の目的、中華まんをゲット。あまり変なものを選んでいる時間もないので、みぎーたちは「健康ニラまん」、わたしは名前がいちばん豪華そうな「金華フカヒレまん」。どっちも美味いぞ・・・しかし事件はその直後に起こったのである。談笑しながらキュキュに向かっていると、わたしの後ろで「どてっ」とつまずく音が。何事かと振り返ると、みぎーが持っていた健康ニラまんから具が転がり落ちる瞬間が!。「アンが、キミの大事なアンが・・・」などと思わずドラキュラ伯爵になってしまう。というわけで、半分ほど残っていたアンは一同の情けない叫び声とともに路上の露と消え、みぎーの手の中には空しくも皮だけが残ったのであった。まあ、つづみちゃんも小太郎くんも堪能した後でよかった。

 そして中華街第2の目的、キュキュへ。時間制限のある店頭販売を待っているわけにもいかないので、店内にてオーダー。しかし不可解な値段にびっくり。なんと、飲んでいくと500円、テイクアウトなら250円なのだ。なぜだぁっ!というわけでテイクアウト。今日は何かの祭りらしく、出店の出ている公園でキュキュをふごふごと堪能する。本日のキュキュ、大きな粒がけっこうあって、何度もストローが詰まってしまったぞ。いくら吸っても出てこないから、思わず吹いてみたり・・・。ちなみにわたしは屋台の誘惑に負けて焼き鳥を一串買ったが、キュキュとはまったく合わなかった。焼き鳥はうまかったが。

 さてさて、中華街第3の目的は、紅蓮殿のために悪名高き「伸縮剣」をゲットすること。できれば足を踏み入れたくないわたしは、「ほれ、ほしかったら自力で店まで行ってみんかい」とみぎーを先頭に立てる。方向音痴を自認するみぎー一人ならかなり危なかったが、小太郎くんに助けられて伸縮剣販売店にたどりついてしまった。ああ、世も末である。用が済んだら長居は無用とばかりにさっさと店を出て、アジアンテイスト(中華街でアジアンテイストというのも変だが)の雑貨店に行く。男物の衣類がないのがちと残念であったが、この手の物に弱いらしいつづみちゃんが楽しんでくれたのでよかった。この日のみぎーはこの手の服装であったな。しわしわのスカートがみぎースカートと命名されてしまった。

 そろそろ新宿に戻ろうとするが、妙に雨脚が強くなってくる。これはあのあやしい傘を買えということか・・・というわけでチャイハネに。あれこれと悩んだ末に、みぎーと小太郎君はヨガ男の白い傘、つづみちゃんはインド象さん柄の透明傘、わたしは・・・あれ?おかしいなぁ。チャイナ柄の白いのを持っていたはずなのに、ヨガ男のみどりの傘を買っているぞ。実は小太郎くんにすり替えられたのだ。が、傘をさして記念撮影なんぞしているうちに雨も上がり晴れ間すら覗いてきてしまったのであった。まったく、タイミングの悪いうずまき兄妹である。

 少々長居してしまったが、まあいいやと帰りの電車に飛び乗る。その中でつづみちゃんがきのこの免許証を見せてもらう。おお、確かにきのこカットぢゃ。でも、どこぞのアスパラきのことは似ても似つかないほどかわいかったぞ。などと盛り上がりつつ新宿駅でゴンちゃんと待ち合わせ。なんとゴンちゃんも横浜界隈にいたそうな・・・という一触即発の緊張感を持続しつつハンバーガー屋へ。そして時間がたつほどに続々と集まるひどゆき一家。柚井さんと坊主さんはお約束通り浴衣でやってくる。日本の夏だねぇ。やがて、ハンバーガー屋は交易場と化す。バイト先で念を込めて作ってきたパンを配る者がいたり、地方名産品を広げる者がいたり、美麗なイラストを披露する者がいたり、大道芸を披露する者がいたり、その全貌はあまりにもごった返しているので、面倒だから省略。あやのさん、わずかな時間でしたがハンドルネーム食品シリーズには笑わせていただきました。謎の坊主さん、唐辛子味のゼリー飲料は怖くてまだ開けていません。さて、いちど帰るというせいらくんがなかなか帰らないのが気がかりであったが(これは後ほど的中する)、時間が来たのでライブ会場に移動する一同であった。

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