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第24号 サービスとは? その1

サービスとは?
みなさん、サービスと聞いて何を思い浮かべますか?
私はいわゆるサービス業というものに勤めているのですが、最近考えていることがあるのです。
それが、「サービス」とは。
お客様にとって、何がサービスなのか。
何を提供すればいいのか。最近苦悩の日々です。

サービスって...
私は、サービス業に勤めている。
私は、サービスを提供する側の人間。
仕事をしていない時は、サービスを享受する側の人間。
仕事をしている時でも、サービスを享受する側の人間。
だから、時折考える。
サービスって、なんだ?

ただ、お客様の望む物を提供する。確かにそれもサービスですが、マニュアル的というか機械的作業の他になりません。
そう言うものは、すでに自動販売機で現実に存在していますし、最近ではインターネットという代物も登場しています。
そんな時代だからこそ、「サービス」とは。

第1回 応対編〜1〜
自分がサービスを受けるとき、時折、疑問に思うことがある。
相手の、『サービス』の仕方に。
これからの例は、ただ私が好きでバスを利用していて遭遇しただけ、私が、鉄道やバスが好きだからという理由で例を挙げたことではないと断っておく。
しかしながら、一番身近な接客業であり、ついつい運転手や乗務員のサービスの提供の仕方に対してチェックしてしまう私がそこにいたりする。

ある日、バスに乗った。
やって来たバスは何十分も遅れてやって来た。
通常なら、その間に何本かはやって来るのに、どうした物かこの日だけは全く来なかった。
やって来たバスの運転手は『遅れて申し訳ございません』とか、『渋滞で遅れてます』ともなにも言わなかった。
お客様も、日常茶飯事という顔でなにも言わなかった。
しかしある停留所で乗車してきたお客様が『どうして何十分もバスが来ないんだ』と運転士に問うた。
その運転手は答えた。
『このバス、定刻です。時間通りに出発しています』
その答えを聞いたお客様は、その場でご立腹状態になった。

私は、その時『それがサービス業に勤める者の態度』と首を傾げたくなった。
この運転手は、お客様を運ぶだけがサービスとでも考えているのだろうか。
それとも、運転手はサービス業ではないとでも考えているのだろうか。
本当に、それで良いのだろうか?
昔は、そんな態度でも通じたのかもしれない。
ただ、目的地にたどり着くことが『サービス』なのだから。
しかし、時代は変わり行く。
今の時代、そんなサービスは通じないだろう。

この場合なら状況を判断して、たとえば『バスの運行が乱れており大変申し訳ございません。このバスは定刻通り運行しております』と、言い回しを変えるだけでもちょっとはそのお客様の心持ちは違っただろう。
たった一言付け加えるだけで、お客様の気分は変わる。
それも『サービス』ではなかろうか。

お客様の方が既存のサービスに何かの付加価値を求める時代。
既存のサービスに対しての付加価値。
『対応が速い』『愛想がいい』『質がいい』『的確なアドバイス』
そして同業他社と比較して『何か』という付加価値を見いだして満足している時代。
お客様がその会社のサービスに不快に思われ、代替の手段があるのであればそっちに流れるだろう。
お客様がその会社のサービスになにも付加価値を見いだせず、しかも代替の手段があるのならば、そっちに流れるだろう。
好景気、不況は関係ない。
お客様がそういったことを望んでいる時代だからこそ、サービスは大切であると思う。
それは飲食業、販売業など、全てのサービス業に通じるだろう。
こんなことを考えるのは、自分がサービス業に勤めているからだろうか。
それとも、自分が考えすぎと言う事だからだろうか。

サービスって、なんだろう。
一方的なやり取りだけでは、サービスと言えない。
ただ、サービスを提供しているだけでは、本当のサービスと言えないと思う。
受け取るお客様が、何を望み、何を欲しがっているのか。
受け取るお客様の気分、気持ち。
それを考えて、私はサービスを提供する。
話し方、目線、身振り、手振りなどの仕草、情報、
自分が、良かれと思ってした事も、受け取る相手の気分や状況によっては、それが余計な事になってしまうこともある。
状況を考えて、お客様に『何か』を提供しなければならない。
それと同時に、お客様にとって喜ばれる『何か』とは?
お客様は、どんな『何か』を望んでいるか。
その『何か』を考えながら、今日も仕事をしている。

『何か』の本質。
『何か』それはサービス。
そして……『サービス』って、なに?
今日も、それを考えながら今日も仕事をしている。

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