燃料容器 98.11.12.Upload
なぜばれたのだろう。


 「投票率58%」のその後は、案の定というかなんというか、何も変わらなかったようだ。政治の世界からは、相変わらず勢力争いや数比べの話ばかり聞こえてくる。

…こまったもんだねえ。

*  *  *  *  *

 さて本題。
 原子力発電所から出た、使用済み核燃料の格納容器で不正があったことが明るみに出たらしい。なんでも、設計と違う材質でつくられていたとか、それを知りながら検査を通過させて使っているとか(ん?「使おうとしていた」だったかな)。
 正直なところ、不正があったこと自体には驚かない。
 書庫で紹介したような本を読んでいると、「原子力」の世界では役人・技術者・企業の思惑が「とにかくやりたい」で一致していて、その中で「少々のことには目をつぶる」のは決して珍しいことではないらしいことが伺われるのだ。(*1)

 また、一般論として、日本のような国では企業は自転車操業にならざるを得ず、特に利益を上げるには、きれいなことばかりやっていたのでは成り立たないらしいことも、自分がいろいろと社会見学してきた中で実感している。(*2)原子力に関わるすべての企業が良心的であることを期待するのは無理な話で、公にできないようなことが時折起きているであろうことは想像に難くない。
 
 で、不思議なのは「なぜそれがばれたのだろう」ということなんである。

(*1)それらは権威あるスジのお墨付きのある情報ではないから、どれだけ信用してよいのかに疑問はある。しかし逆に「大本営発表」という冠がついていないだけに信用できる、という気もする。
(*2)小さな会社ほど厳しいようだ。原子力には大きな会社だけが関わっているように思いがちだが、そうでもないらしい。たとえば「もんじゅ」の問題の温度計さやをつくっていたのは東芝の孫受けにあたる町工場だったらしい。ま、あの場合はそこに問題があったわけではないようだけど。


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