長野オリンピック 98.2.4.Upload
  やるのか。本当に。


 「オリンピック」という言葉に魅力を感じなくなったのはいつ頃からだろう。
 ロスアンゼルスあたりかな。政治や商売の道具というのがオリンピックの本質のように思えるようになってきて。それはオリンピック自体が変質してきたからなのか、私が成長して以前は見えなかった物が見えるようになったのかはわからない。

 でも前回のリレハンメルでちょっと見直した。っていうか、いい大会だと思った。
 そして今回の長野大会。あからさまな商業主義大会である。
 
 多分、競技に関わる人たちは変わらず純粋な気持ちなんだろうけど。(*1)

(*1)これは高校野球についても言えるね。

*  *  *

 堤さんとしては、志賀高原プリンスの奥に国のお金でスキー場をつくり、「オリンピック」という箔付けをし、そこまで国のお金で道路を造り、新幹線をひっぱってくるのが目的だったんだろう。
 交通の混雑で市民が困ることとか、文化財(*2)が失われることとか、警備が大変なこととかに配慮があったようには初めから関心があったんだかどうだか。
 で、野望は一部は達成され、一部はコケたわけで。コケて流れて行った先が、あろうことか八方尾根。ここは商売敵の東急のスキー場。だからあんまり真面目に話をまとめる気にならなかった。もとより東急側ではそんなに熱心ではないのだし。

 …というのはどこかの雑誌の記事の受け売り。真偽のほどはわからないけど、うーん、そうか、って納得できてしまう話だ。
 最近になって知ったんだけどさ、長野オリンピック委員会とスキー連盟、両方とも堤さんがボスなんだね。
 なんのことはない、自分どうしでもめていたという、わかったようなわかんないような話。もっと正直に言うと、ふざけた話
 いずれにせよ、堤さんの当初の目的とは関係ないしね。もっというと、オリンピック自体がうまく行くかどうかも。

(*2)旧長野駅舎(笑)、信越本線横川〜軽井沢間(笑)。

*  *  *

 開会式は横綱が土俵入りをし、力士が旗を持つとか。いくら力士でも、2月の長野でハダカは寒そうだ。
 漏れ聞こえてくる演出を聞くだに思い浮かぶキーワードは「フジヤマキモノサムライゲイシャ」のたぐい。悪趣味。

 「日本らしさ」「長野らしさ」を出すならもっと方法があるのに。
 たとえば、こんなのはどう?→

・聖火は浅間山ほか日本各地の火山からも採ってきて、ギリシャからのと合体。
・フィギュアスケートは諏訪湖上につくったリンクで(*3)。(命名「オミワタリアイスアリーナ」)
松代大本営跡に氷を張って暗闇でボブスレー&リュージュ。
碓氷峠の旧国道18号&信越本線廃線跡に人工雪を撒いて距離スキー。
・閉会式は草津温泉の特設大露天風呂

(*3)天然氷でやれとは言わない。

*  *  *

 私と一緒に講師をしている20代半ばの人は「オリンピック、見に行きたーい!」とうち叫んでいる。私は、はっきり言ってどうでもいい。

 それは私が札幌オリンピックを覚えている世代だからかもしれない。
 東京オリンピックも覚えている人たちは、また感じ方が違うのかもしれないね。


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