黒磯の少年の事件など 98.2.4.Upload
  ナントカに刃物。さてどうしたものか。


 最初にニュースを聞いてびっくりしたのは、犯人(*1)が1年生だということ。私が知る限り、中1の生徒ってのは、小学生といくらも変わらない、お尻に卵の殻をつけているようなコドモだったから。

 事件そのものはそんなに驚かなかった。命に差し支えることがなかったとはいえ、似たようなことは珍しくないからね。今回はナイフがあったから大事に到ってしまったんだろう。

(*1)「容疑者」と呼ぶべき?疑いなく「犯人」だからいいよね。

*  *  *

 あの「バタフライナイフ」って、なに?殺傷目的以外に使い道があるの?
 工作用でもなし、キャンプ用でもなさそうだし、「凶器」以外の何者でもないのでは?
 なのに銃刀法の規制対象になってないらしいね。どういうこと?(*2)

 それをテレビで人気タレントがかっこよく振り回してたんだって?
 そりゃ、欲しくなるわなぁ。
 かくして、いわゆる「○○(*3)に刃物」状態ができるわけだ。

(*2)一方で、まっとうなキャンプ用ナイフが規制対象になっていたりする
 ことがあるらしい。今の話題とは直接関係ないけど。
(*3)差し障りのある表現かもしれませんが、言わんとするところは
 「正常な判断力がない状態にある人」ということです。

*  *  *

 「刀狩りで問題が解決するわけではない」と言う人がある。ごもっとも。「○○に刃物」の「○○」の部分をどうにかするのが正しいと、私も思う。
 若者が問題を起こす度に「居場所がない」とか「無力感」とかいうことばが出てくる。わからないでもない。
 「現実と虚構の区別がつかない」などとも言われる。わからないでもない。テレビやマンガで繰り返し暴力シーンなど見せられていると、「それが現実にありふれていること」と錯覚する者が出るのはむしろ当たり前のことだ。(*4)
 簡単なこと。常に誰か大人が目をかけていればいいだけのこと。

 監視するという意味ではなく、彼らの話を聞いたり、困っていたら手を貸したり助言したり、勘違いはただしたりできる大人がいれば、そうそう常軌を逸した行動は起こさないし、起こしたとしても深刻な事態にはいたらるまえに止められる。それがないから、彼らはガキ同士で群れて、独自の価値観にはまってゆく。
 それは親でもいいし、地域社会の誰かでもいい。ガキ共の集団に割り込んでゆく「肝っ玉かあさん」って、結構人気者だったりするんだよ。彼ら、ガキだけで群れるのが、そんなに好きなわけじゃない。

(*4)スポーツバカの大学生どもが事件を起こしたのも、
 きっとそういうことなんだろう。

*  *  *

 もしその役割を学校(教師)に求めるのだったら、それなりの手当をしてくれなくては困る。
 教員の数を増やし、時間のゆとりをつくってくれ。部活指導を仕事と認めてくれ。時間外勤務手当をくれ。

 全国の小中学校の教員がざっと50万人。これを2倍に増やしても、人件費の増加は年間2兆円か3兆円。不良銀行にふたつみっつ潰れてもらえば容易に捻出できそうな金額だ。

*  *  *

 影の薄い文部大臣、マチムラさんっていうんだね。今度は発言をしたらしい。「持ち物検査などして正常な学校に…」みたいなことを言ってくれたようで。

 でもよく聞いてみると「現場の判断でうまくやって乗り切って下さい」って言ってるだけなんだよね。
 …やっぱりダメだわ。あの人。

2月7日追記。
その後「エアガン事件」が起き、話題になっている。
でも、あれ?こういう事件って、前にもあったような気がするぞ。
ときどき新聞に小さく出ているような気が。
きっと「人柱」の効果だね。このまま尻すぼみになりませぬよう…。

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