カルフオルニアにおけるワイン法
LEGAL RESTRICTION |
では、始めましょう! |
アメリカでは、ワインの品質の維持向上
と生産者及び消費者双方の保護を目的とし
たワイン法を定め、連邦政府アルコール、タ
バコ及び火器取締局(BATF)がその施行を
担当している。同時にカリフォルニアでは、
補糖の禁止など州独自の規制を定め、より
厳格な品質管理を行っている。
しかし個人の自主性が重んじられるアメリ
カでは、生産者が各自の自由な発想に基
づいてワイン造りができるように、栽培及び
醸造に関した法規制は最小限に留められ
ている。
このことがカリフォルニアワインの急速な
品質の向上と個性化をもたらしたと言える。
一方で消費者保護の立場からラベルへの
記載事項などについては厳格な規制を定
めている |
日本での酒税法は、税金を確保する為の法律であり、
ワインについては
酒税法第一章、第三条の三項にて
「果実酒類」とは次に掲げる酒類をいう。
イ:果実又は果実及び水を原料として醗酵させたもの。
ロ:果実又は果実及び水に糖類を加えて醗酵させたもの
ハ:イ又はロに掲げる酒類に糖類を加えて醗酵させたもの
とあり、詳しい規定はないのです。 |
◆アメリカ政府承認ぶどう栽培地域A.V.A
アメリカでは、良質ワインの産地をアメリ
カ政府承認ぶどう栽培地域 (American Ap-
proved Virticultual Area 略称A.V.A)に指
定し、原産地を保護及び保証している。
A.V.Aは1978年に法制化され、1983年に
施
行された。
ヨーロッパ諸国では原産地呼称に栽培品
種、収穫量、醸造方法などの規制が結び
ついてい る場合が多い。例えば、ブルゴ
ーニュのコート・ドールの赤ワインはピノ・
ノワール種、イタリアのバローロはネッビ
オッロ種というように産地と品種がわかち
がたく結び付いている。 対してA.V.Aは、
原産地呼称が使用できる範囲とその呼
称名の規制を目的とし、栽培品種や栽
培方法、醸造方法に関する規制は定め
ていない。
A.V.Aは生産者の申請に基づいてBATF
が公聴会を開き関係者の意見を聴取した
上で審査認定する。申請から認可まで数
年は必要である。
1992年5月現在、全米で115地域がA.V.A
に 指定され、内63がカリフォルニア州内に
ある。A.V.A指定の審査の主な対象となる
のは以下の事項である。
●申請地域の境界線が明確であり、申請
する呼称がその地域の地名として一般に
認められている。
●土壌、気候などに統一性がある。
●現在または歴史的にぶどう栽培地として
一般に認められている。
[複合するA.V.A]
カリフォルニア州内のA.V.Aは、東はシェ
ラ山脈の麓から西は太平洋岸まで、北はハ
ンボート・カウンテイ(郡)から南はサン・デ
イエゴの近郊までと広範囲に分散している。
そのいくつかは、A.V.Aノース・コースト、A.
V.Aセントラル・コーストのように複数のカ
ウンティを抱合している。また指定地域の広
いA.V.Aはその中により小さなA.V.Aが抱合
されている。例えばA.V.Aノース・コーストに
はアレキサンダー・ヴァレー、ソノマ・ヴァ
レー、ナパ・ヴァレーなど数多くのA.V.Aが含
まれ、さらにナパ・ヴァレー内にはスタッグ
ス・リープ・ディストリクト、ハウエル・マ
ウンテンなどのA.V.Aが含まれている。この
ようにA.V.Aは同心円のように複合的に指
定されていることも多い。
|
フランスのAOCや、イタリアのDOCなどなどの
すこし自由度の高い地域呼称統制法だと思ってクダサイ。
ほら、その内容を、ヨーロッパと比較しています。
まずは、生産者の申請から始まり
制定されて行くのですね。
要は
ボルドーを例にとると
ACボルドー
ACメドック
ACポイヤック
と言う様に、小さい限定のAVA程
高価なワインと思っていいでしょう。
A.V.Aの現在の全リストはココ
|
◆ラベルへの記載手項
カリフォルニアでは、ラベルの記載事項に
ついて連邦政府の規制に加え州独自の規
制により、消費者がラベルから原産地、ワ
インのタイプなど正しい情報を得られるよ
うに定めている。 |
私達がボトルのラベルを見て、訳の分からない
英語が並んでは居ますが。全てに意味が
あるのですネ。 |
[表示義務事項]
|
表示しなくてはならない項目です。 |
1-原産地
使用できる原産地名称は以下に限られ、
各々に産地名称内産ぶどうの使用割合が
定められている。
〈カリフォルニア〉
100%州内産ぶどうを使用する。
〈カウンテイ(日本の行政区分では郡に当る)〉
表示カウンテイ内産ぶどうを75%以上使
用する。使用割合を明記した場合は3カ
ウンテイまで併記できる。
〈A.V.A〉
表示A.V.A内産ぶどうを85%以上使用す
る。
ヴインヤード名は100%単一ヴィンヤード
産ぶどうを使用した場合、上記の原産地
名称のいずれかとともに併記できる。 |
ここらは大切です。
ただヨーロッパと違って、AVAを決めても
葡萄は自由なのです。
資本主義社会の先端のアメリカでは、
土地に会った葡萄品種を選び、
美味しいワインを造っても良い、
自由度が残されているのです。 |
2−ワインのタイプ
ステイルワイン、スパークリングワインな
どのワイン・タイプの記載が義務づけられて
いる。スティルワインは使用品種の規制がな
いジェネリックとプロプライアタリー、75%
以上単一の品種を使用するヴァラエタル(品
種表示ワイン)に分類される。
ヴァラエタル・ワインはその使用品種名を
ワイン名としてラベルに記載できる。
ジェネリック・ワインは一般に日常消費用
の安価なブレンドワインで、ブランド名に赤、
白、ロゼ、ブラッシュの色表示をするが、ラ
イン、モーゼル、バーガンディ、クラーレッ
トなどヨーロッパのワイン産地名をワイン名
として表示することもできる。
ワイナリーが独自のブランド名を付けたブ
レンド・ワインがプロプライアタリー・ワイ
ンである。フランスのボルドーを原産とする
品種のブレンド、例えば赤ならカベルネ・ソ
ーヴィニヨンとメルロ、カベルネ・フランな
どのブレンドから造られたプロプライアタリ
ー・ワインはメリテージュ(MERITAGE)の
総称をもち、ワイン名としてメリテージュと
記載されたワインもある。 |
スティルワイン=静かなワイン、つまり普通のワインです。
スパークリングワインは分かるよね。
ジェネリック
プロプライアタリー
ヴァラエタル
この三種の説明が次に
ヴァラエタルは葡萄品種表示ワインのことです。
身近にありますね。でも表示品種を75%以上
使用です。
地域名を表示することは、それぞれの現地での
パッシングを受けなくなりつつありますね。
これは高いワインのカテゴリー
インシグニア、ルビコン、プロファイル、
などなど、ここなのですね。 |
スパークリング・ワインはラベルに
CHAMPAGNEと表示した場合、以下の表示
がされる。
●シャンパン方式スパークリング:
METHODE CHAMPENOISE
CHAMPAGNE METHODE
METHODE TRADITIONAL
FERMENTED IN THIS BOTTLE
など
●トランスファー方式のスパークリング:
BOTTLE FERMENTED
FERMENTED IN THE BOTTLEなど
●バルク方式スパークリング:
BULK PROCESS
CHARMAT PROCESSなど |
●シャンパン方式スパークリング
シャンパンと同じ瓶の中において二次醗酵をさせ
炭酸ガスを発生させたワイン。
●トランスファー方式のスパークリング
二次醗酵をを終えたワインをタンクに移し、そのまま
瓶詰めしたもの。瓶毎の差をなくし、あの細やかな
泡を保つ造りです。カリフォルニアでは増えています。
●バルク方式スパークリング
シャルマ方式ともいい、大きな大きなタンクで醗酵を
おこし瓶詰めするもの。コストは一番安い。 |
3−ボトラー(瓶詰め元)
ボトリングしたワイナリー名をボトラーと
して所在地とともに表記しなければならな
い。ワイナリー名に先立つ下記の表記によ
り、ぶどうの栽培及び醸造にそのワイナリ
ーがどの程度拘わっているかがわかる。
[GROWN,PRODUCED AND BOTTLED BY]
表記されたワイナリーがぶどう栽培から醸
造、瓶詰めまで一貫して行ったワイン。
[PRODUCED AND BOTTLED BY]
ボトリングされたワインの75%以上をボトラ
ーであるワイナリーが醸造している。
[MADE AND BOTTLED BY]
ボトリングしたワイナリーでワインの10%以
上を醸造している。
[BLENDED AND BOTTLED BY]
[CELLERD AND BOTTLED BY]
[VINTED AND BOTTLED BY]
ボトラーであるワイナリーが醸造したワイン
は10%以下。基本的には他のワイナリーよ
り購入したワインをボトリングしている。 |
ここは大切!
それぞれ、ボトルに表記されている
意味が変ってくるから御注意を!!!
“GROWN,PRODUCED AND BOTTLED BY”
はブルゴーニュの「ドメーヌ」と
同じ意味合いになります。
ココから下は、ネゴシアンの意味合いが
類似していますネ。
カリフォルニアではグローワーという、
葡萄栽培業者も、高い地位にあります。
そのグローワーの話しはここ |
4−アルコール度数
スティルワインのアルコール度数は7%か
ら14%に規制されている。 度数表示には前
後1.5%の誤差が認められ、11%と表示され
たワインの実際のアルコール度数は9.5%か
ら12.5%の間となる。度数の数値に代えて
Table Wine またはLight Wineと表示するこ
ともできる。
フォーティフアイドワインのアルコール
度数は17%から20%までで、表示数値には
前後1%の誤差が認められている。
5−警告及び亜硫酸塩の使用
健康志向の強いアメリカでは、飲酒運転
の危険性、健康への悪影響、妊娠時にお
ける飲酒が胎児へ悪影響を与える可能性
への警告と亜硫酸含有の表記が義務づけ
られている。
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ここは、私も分からない ・・・
現実にはジンファンデル、プティシラーで16%を越えるものモ、あるのです。
こんど、ワインインスティテュートの堀さんに聞いておきますね。 |
[表示許可事項]
下記の表示については条件付きでラベル
への記載が許可されている。 |
表示をしてもいい事項ですね。 |
1−収穫年
95%以上が単一収穫年産のワインであ
る場合、その収穫年を表示できる。樽熟
成中の蒸発分の補填に他年度産ワイン
の使用が5%まで認められている。 |
ここらは、良くある話しですね。
実際は古酒の出荷時に、液面の下がった分を若いワインを補填して、 リコルクしてから出荷する事が有るようです。 |
2−エステート(ESTATE)
ワイナリーが所有する、または3年以上
栽培実務及び管理の責任を負う畑産ぶ
どうを100%使用で醸造したワインでかつ、
ワイナリーとエステートが同一A.V.A内に
ある場合、Estate Wine あるいはEstate
Bottledの表示ができる。
エステート産ワインであってもワイナリ
ーとエステートの所在するA.V.Aが異なる
場合は Grown Produced And Bottled の
表示となる。 |
“GROWN PRODUCED AND BOTTLED”
より、更に厳格な意味合いですね。
エステートとあれば高級ワインと
思って下さいネ。 |
3−ヴィンヤード名
原産地名の項参照のこと。
|
長くなるので、こちらは
ココをクリック |
4−その他
ステイルワインについてはLATE HAR−
VEST/DRYなど、スパークリングについて
はBRUT/EXTRA DRYなどの表記をする
ことができるが、表記についての条件は定
められていない。
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以上で終わりました。
ワインを語る上で、必要のない事です。
でもその背景は、知っていて損はありませんヨ。
お付き合い有り難うございました。 |