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Wanda LANDOWSKA
(1879-1959)


特定の楽器は特定の演奏家を要求し、
結果的に目的を達成する。

(ベルナール・ガヴォティ)



暁.jpg11.3KB
ひとつひとつの音に秘められた輝きが、飛沫となってそそがれる夜。

ランドフスカのひかりあふれるチェンバロの音色は、

しなやかな親しみをもって語りかける。

やがてくる夜明けとの親和。




ワンダ・ランドフスカ(Wanda LANDOWSKA 1879-1959)


    チェンバロという楽器は、ピアノの前身とされひさしいあいだ人々の記憶から遠ざかっていました。
    当時チエンバロをもちいて奏せられていたもののほとんどは、ながらくピアノ曲として
    演奏を重ねられています。
    そんななかで、あらためてチェンバロの復興をはたしたのがワルシャワ生まれの女性演奏家、
    ランドフスカでした。「輝きのある冴えた音」はチェンバロのような弦をはじく楽器によってこそ
    生まれるという考えのもと、当時の楽譜を当時のままの形式で演奏するという原典主義の
    先駆者でもあります。

    彼女の演奏には独特の親和力のようなものがあって、すべてをうけいれ、抱擁する暖かみを
    感じます。彼女が生きた時代というものは2度の大戦を含む、いわば世界が次第次第に
    暗黒に向かって下降する予感に満ちた時代でしたが、ランドフスカの演奏にはあくまでも
    時代の内部に潜行する新たな生命の鼓動をなぞり続けているような印象があります。
    バロック時代の古楽といわれる楽曲の演奏に息付く新時代の予兆は、夜明けの瞬間のように
    美しく神秘的です。
   

 
    <おすすめディスク>
   「J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集」
     R25C-1073      (BMG)
    
    そのほか書籍としてはランドフスカが記した音楽理論も出版されています。    

    <チエンバロ>
    ピアノが弦をハンマーでたたいて音をだす楽器であるのに対し、チェンバロは鳥の羽の茎・
    堅い革の小片などをもちいて弦をはじく鍵盤楽器。主にバロック時代に主に演奏されていたが、
    ピアノの登場によって事実上駆逐された状態にあった。




  Cf:レオンハルト
     ゴールドベルク変奏曲  
     
  ヒルデガルド・フォン・ビンゲン



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