語学の勉強

 語学に優れた人が、その実力を手に入れるために、いかに凄絶な努力をしたか、という話をときどき耳にする。夜、寝ると、その日に覚えた文例や単語がわっと頭に押し寄せてきて、苦しくて眠れない、こんなことを続けていたら自分は気が狂ってしまうのではないか、と思うとますます眠れなくなる――そういう思いを経験した人が語学に優れていない訳がない。外国人で、外国にいながら日本語をマスターした人は、おおむねそういう勉強をした人のようだ。
 語学の勉強は結局、いかに集中したか、ということなのだろう。いやいや、だらだら、なんてのは、いくら続けたって、何もしなかったのと同じことと思われる。
 昔の人は英和辞書を一ページ目から丸暗記して、覚える端からそのページを破いて食べてしまった、などという話を聞く。これはただの笑い話ではなくて、そういう人も確かにいただろうと思う。戦前に教育を受けた人がいかに英語の読み書きがよくできたかを私は痛切に実感してきた。もちろん、辞書を食べるなんてことは勧めない。しかし、他人から、あの人は最近おかしいんじゃないの、と言われるぐらいでなければ、勉強がホンモノでないことは確かだ。
 いまからでも遅くない。ひとつ、猛烈に勉強してみてはいかが?
 私は、もうトシなので、ちょっと……。

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