〜わ〜

わかしゅうかぶき(若衆歌舞伎) 歌舞伎創成期(1603〜1651)における色若衆(色を売る若衆、色子、陰間ともいう)が演じた一芸態およびその集団。 .
ワキ 能のシテ(主役)の相手役。シテに対して第二の人という意味。現在では「脇」という字を用いるが、古くは「佐」とも書いた。シテの演技を補佐する役柄なので、面をつけることはない。 .
わきぜりふ(脇ぜりふ) 観客には聞こえているが、舞台上の相手役には聞こえていないという想定で、脇のほうを向いて言う台詞のこと。傍白(ぼうはく)ともいう。 .
ワキツレ 能のワキを補佐する役柄。同行者とか従者の役が多い。 .
わごと(和事) 歌舞伎における総括的演技、演出の一つ、またはそれを演目とした呼名、色事、艶事を内容とするが、その専門役者(和事師、色男役)が演じる場合以外は和事とはいわない。源流は、貴公子が落ちぶれて忍ぶ仮の姿で流浪するという日本の遠い伝承貴種流離譚に由来する。 .
ワゴン 正式の名称はscenery wagon。舞台装置の転換を早めるために重い道具を支える車の付いた低い台。我国でいう引枠(→ひきわく)にあたる。 .
わたりぜりふ(渡りぜりふ) 歌舞伎の手法で、長い台詞を分割して3人以上の役者で分け、順々に言うこと。最後の部分だけは全員でいうことになっている。音楽的な効果もある。 .
わらう 片付けること。大道具や小道具などが不必要になったときに、それを片付けることをいう。「そこのテーブルをわらって」などという。「とっぱらう」がなまったものといわれる。 .
わりぜりふ(割りぜりふ) 歌舞伎でふたりの役者が長い台詞をいくつかに分割して交互に言い、最後に一緒に斉唱する形式のこと。数人で分割して言うのは「渡りぜりふ」という。 .
わりだい(割台) 大道具の部門では定式寸法の平台で台組をした場合に、半端の寸法の台が必要なとき、たとえば三角形または常備の平台の寸法以外の変型の台が要求されるときにつくる平台類をいう。 .
わりどん(割緞) 中央から2枚に割れている緞帳(→どんちょう)、これには中央から左右に引かれるのと中央から左右斜め上に引かれるのとがある。 .