日本代表/試合観戦記/1997年


97.11.8 対イラン ジョホールバル(マレーシア)

第三話 「 運命のキックオフ 」 

 

  いよいよジョホール水道が見えて来ました。3車線?しかない橋を渡る車で橋は大渋滞だったんですが、一番右端のレーンは途中からバス専用レーンに変わっていて、数分で橋を渡って入出国カウンターにたどり着けました。シンガポールからの出国は、添乗員が全員のパスポートと出国カードを集めて、すんなり通過。マレーシアの入国は、全員バスを降りて、入国カウンターを通りますが、荷物検査は”ジャパーニーズOK”という言葉であっさりノーチェックでマレーシアへ入国(ジョホールバル)。12時ホテル出発して、最悪3時間位かかるといわれていた。手続きはあっさり終わって、13時過ぎにはマレーシアへ到着していました。

 最初の予定では、スーパーマーケット等で食事などを買って、スタジアムへ並ぶという予定でしたが、予定変更してみんなで昼食という事になり、現地添乗員に連絡してもらい、チャイニーズレストランへ、各自10S$(シンガポールドル)払って、10人掛けの丸いテーブルで大皿をつつきながら、昼食を摂りました。辛い料理が多くて、ちょっと辟易しましたが、それなりにおいしかったです。今日の試合の期待感からか話しも弾みます。

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 昼食を済ませて、買い物の為にスーパーマーケットに寄ります。ここはシンガポールのお金が使えなかったので、ビールを買うために、20S$をマレーシアのお金(リンギッド)に両替して買い物をしました。ビール4本、ボルビック(水)、お菓子を買っていきます。日本のビール(一番搾り)やお菓子(ポッキーやせんべい等)売っていましたが、現地の物より2割か3割高くなっていました。

 ここでちょっと軽いアクシデント発生しました。買い物している時に”hey japanease?”と私を見ながら呼ぶ声が聞こえました。後ろを振り向くと、一見してイラン人と解る人達がいました。”I'm japanease”と返答すると相手は、”iran win”(イラン勝利)という様な事を言いました。負けずに”no!no!japan team win todays game”(今日の試合は日本が勝つ)という様な事を返しましたが、最後はお互い笑いながら頑張りましょうという事で握手をして別れました。(少ないと思っていたイランサポータもいる事だし、私たちも気合を入れていかなければと再度思いました)

 買い物して時間が余り、スーパーマーケットの中をうろうろします。携帯電話が電気屋に置いてあり、ナイキショップが有り、BODYショップも有って、日本と変わらないな〜と思いました。

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 集合時間の14時30分になり、バスに乗り込みいよいよラーキンスタジアムへ向かいます。20分くらいしてスタジアムへ到着しました。バスは、たくさん並んでいる観光用バスの一番後ろに付けます。バスを降りてスタジアムへ向かいますが、周りは日本人ばかり、スタジアム外の鉄柵に日の丸の旗などを掲げていて、自分の気分も盛り上がってきます。まるで国立競技場にいるような錯覚さえします。添乗員が列の最後を確認しに行って待っている間に、空からポツリポツリと雨が落ちてきました。最初の方は傘を差していましたが、徐々に雨足が強くなり(これがスコールか!)、傘を畳んで濡れない場所に移動して雨をやり過ごしました。30分くらい降っていたでしょうか…。

 雨が止みツアーの人達と列の最後に向かって歩いていくと…”**”と私の名を呼ぶ声が聞こえて来ました。そちらを見ると、日本にいる時に一緒に応援しようと言っていた、マリノスサポータの友人達がいました。すっごい偶然です。スタジアム入ってから探しますと言っていたのに、こんな所で会えるなんて…試合前から縁起がいいぞ!と感じました。その列に入れてもらい開門まで待ちます。

 

 待っている間、A、B、Cの門の所へ他のツアーで来ている友人達を探しに行きますが、会う事が出来ず断念。開門待ちの列は各門から左右に別れて伸びていて収拾が付かなくなっていましたが、サポータの有志が、メガホンで列整理を始めて、列は落ち着きます(さすが日本人)18時過ぎに列が動きはじめて、いよいよ開門です。今回のチケットを見ると、ほぼ正方形に近い形で、この券を見せるだけで通れるのか不安(だって半券絶対記念になるから…)だったところ前の方の人を見ると係員が有無を言わさずチケットの真ん中から破っていました。これはヤバイと思い、チケットの左端を少し折り曲げて斜めに切れ目を入れておいたところ、左端から少し斜めに破りそのまま縦に破られてしまいました。まあ5分の1は残ったからいいかと自分を慰めます。

 バックスタンド中央の入場口から入って、バックスタンド1階席のややアウェー寄りに陣取ります。最前列を陣取りしようと思いましたが、金網が邪魔して試合が良く見えないため、1階席の上の方に、太鼓の人を中心に場所を取りました。周りは良く見える2階席から埋まっていきます。電光掲示板の有るゴール裏の2階席は、あっという間に青い日本人サポータで埋まっていきます(国立競技場とまったく一緒)あちらこちらに応援弾幕が貼られて、旗棒の持ち込みが禁止のため、旗もいろいろなところに貼られていきます。スコールの影響で濡れた座席を奇麗にして座り、これから始まる戦いに思いを馳せます。気分が更に高まってきました。

 

        … 第三話終了 …     まもなく試合開始です…

 

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