本日から変更とのこと。 覚えにくい名前になっちまったもんだ...。
めちゃくちゃ調子悪いのでお休み。 医者に行って薬をもらってくる。
本日もお休み。 つーか、苦しくて眠れない罠。
どうも普通の風邪とは違うと思い立ち、再度医者に行きインフルエンザ検査など受けてみる。 鼻腔に綿棒をつっこんでぐりぐりと粘膜を取得。 反応を待つこと10分くらい。 インフルエンザ(B型)と判定でました。 「インフルエンザだともうちょっと重体感があるもんだけどねー」とは医者の弁。 元気そうな患者で悪かったな(笑)。
インフルエンザ用の薬をもらって、なんとか日記は書けるようになったぜ!
このあたりでも紹介されて、すっかりメジャーになったMaster of Epicの「血のバレンタイン」イベント。 「血のバレンタイン」と言うとなんとなく恰好良く聞こえるが、実際には一方的な戦闘...大虐殺イベントとなった。
上のサイトでも紹介されているが、ごく簡単にUltimaOnlineで例えて解説すると、こうなる。 ゲームマスターの指示により、フェルッカ世界での全ての対人戦を禁止した上で、トラメラーの大集団をフェルッカ奥地まで誘導し集結させる。 その後、ゲームマスターは、War派閥全軍に対しトラメラーを叩けと檄を飛ばす。
凄いっしょ? こんなの商用段階に入ったMMORPGでは客離れが怖くて絶対に実施できない。 ユーザー側が勝手に行うイベントならともかく、権威あるゲームマスターが誘導、ゲームシステム全体が支援するイベントとしての実施。 MMORPG史上、空前にしておそらく絶後のイベントだろう。 それを日本のゲーム会社がやってのけたのだ。 ハードコアな対人戦闘が売りの洋ゲー会社ですら絶対に実施しないであろう究極のイベント。 この瞬間に偶然立ち会えたことは、幸せなのか不幸なのか...。
公式ページに、イベントレポートが記載されている。 恋のドキ☆ドキ Attack! 〜バレンタイン大作戦〜。 なんとも恥ずかしいイベントタイトルである。 そして、大虐殺の現場は2/15のレポート、【Scene1 現実】の写真でちょっとだけ伺い知ることができる。 War世界ゲームマスターの開戦時檄文と、大虐殺の現場写真を隠蔽せずに公式HP上で公開したことには敬意を表したい。 Pre世界の住人にも、ようやくWar世界側の事情の一部が判明したのだから。
この日の出来事をまとめたMoE:血のバレンタインまとめサイトも参照のこと。
4gammerのインタビュー記事も参照。 2/17日のインタビュー記事ということは、ひとまず祭の後始末が終った後にインタビューしたのかな。
以下はE鯖Pre世界住人としてイベントに参加した私の印象の記録である。 War世界の動向は主に2ちゃんねるのログから補完しているので、真偽のほどは確かではない。
以上が私の「血のバレンタイン」イベントのおおまかな流れである。 後半は興奮しているのでノリが変わっているが、イベントの雰囲気が伝われば幸いである。
MMORPGで遊ぶプレーヤーは2種類に分けることができる。 PK,PvP,RvRなどの対人戦闘を好む者と、対人戦闘は絶対に嫌だという者だ。 両者が相容れる事は無い。 カジュアルプレーヤーは対人戦闘を嫌う。殺すのも、殺されるのも嫌う。 自分のキャラクターが殺されて喜ぶ人はいないだろうから、無理もない話ではある。
MoEのゲームシステムでは、スキル値合計の総量規制があり、戦闘能力と生産能力の全てを同時に得ることはできない。 従って、生産型とされるスキル構成のキャラクターは、戦闘能力が低くなる。 極端な場合、戦闘能力を全く持たない。 War世界の住人は、主に戦闘能力(特に対人戦闘能力)に特化したスキル構成を持つかわりに、生産能力は持たないのが通例である。
バレンタインイベントでチョコレートを作るという話を聞き、Pre世界から生産型のスキル構成を持つキャラクターがWar世界に多数やってきた。 その多くは対人戦を嫌うカジュアルプレーヤーである。 そこへ、対人戦を好むプレーヤーが操作する戦闘能力特化キャラクターが襲いかかったのだから、対戦と呼べるものにはなるはずもなく、一方的な殺害ゲームとなる。
さて、今回のイベントでは、ゲームマスターが大量のカジュアルプレーヤーを対人戦闘が可能な世界まで誘導し、結果的には一方的に虐殺される側に置いたものとして理解された。 虐殺されたプレーヤー側の反応は、激烈を極めることになる。
なすすべもなく虐殺されたプレーヤーの怒りは、直接手をくだしてきたWar世界住人へ向けられた。 曰く「War世界住人は気違い」「War世界住人は虐殺者の集団。」「こんな人たちのために、武器や防具や食糧品を生産していたと思うと吐き気がする」「生産辞めるわ」。
あるいは、虐殺イベントを仕組んだゲーム運営陣へ向けられた。 曰く「イベントプランナーは死ね」「ゲームマスター死ね」「糞ゲー。二度とやらない」「さすがにコレはダメだろ。苦情メール出した」
あるいは、対人戦闘世界の存在そのものへ向けられた。 曰く「War Ageへは二度と行かない」「War AgeはMoEから外して、別ゲームにすれば良い」「War Ageは廃止」
あまりの言われように、War世界住人もキレる。 曰く「イベント進行に従ったら気違いで大悪人かよ」「人殺しが大好きな連中とまで言われては黙っていられない」「弱ければ死ぬのは当然」「Pre世界の連中はギャーギャー言いすぎ」
そして、War世界住人も今回のイベントを嫌悪する。「War世界の中の極一部に存在する虐殺好きな連中が暴走した。自分がチョコレート生産地点へ到着した時には黒い布の服の死体が積み重なっていた。けったくそ悪くてすぐログアウトした」「ハードコアな対人戦のある洋ゲーをやっていたオレでも引いた。これはひどすぎる」
こうして、Pre世界住人とWar世界住人の間には、深い溝が形成された。 溝が形成された、というよりは、深い溝が表面化したと言った方が正しいのかもしれない。 カジュアルプレーヤーは対人戦闘が大嫌いで、受け入れることは無いのだから。
また、このイベントを契機に、MoEの世界から去っていった者も多い。 特に生産型キャラクターの減少が顕著で、いつも見かけた熟練生産者の露天商店は見かけなくなり、露天商店数自体も激減した。 血のバレンタインイベント終了後、ムトゥーム地下墓地銀行前の露天商店数はわずかに4軒だけだったと云う。
Pre側、War側双方の住人にとって、後味の悪さだけが残る最悪のイベントであった。
現在、MoE本スレッドでは血のバレンタインの話題は敢えて避けようとする流れが主流である。
このイベントは、プレーヤーの間で話題にすることさえ憚られる黒歴史となった。
このイベントでゲーム運営側が描いたシナリオは「War世界住人に殺されながらも戦闘は行わず大群でWar世界住人の城に走り込み、アイテムを取得するPre世界住人」 vs 「城に突入してくるほどの高い戦意を持つPre世界住人だけを相手に防衛戦を行うWar世界住人」だったように思われる。 Pre世界住人が生産したチョコレートアイテムはスタミナ回復効果を持ち、長距離を走り抜けるのに適していたし、今は削除されて無くなったイベント予告ページでは、Pre側本拠地は一応安全地帯であるという記載があったらしい。
だが、シナリオが意図する行動は、両世界の住人にとってあまりにも難易度が高すぎた。
Pre世界の住人達が道を知らないWar世界で城まで行けたとは思えないし、殺されるのを覚悟して集団で走り抜けることができたとも思えない。 そもそも、Pre世界の住人は集団で一斉に行動することはほとんどなく、統制が取れないのである。 Pre世界住人の中で、なんとか統率を取ることができた100名程の者が城に向かって走り始めることに成功したとの報告があり、このこと自体は奇跡に近い。 しかし、数を頼みに走り抜けるというシナリオの前提が崩れているため、城まではたどり着けなかったようだ。
War世界の住人にとって、シナリオ通りの行動を行うのは絶望的なまでに困難だったと思われる。
War世界のゲームマスターの指令は、「本拠地を荒そうとする奴等を、叩き潰せ!」であった。
これを、「城に接近してきた連中だけを叩け。」という意味に取れば、War世界住人は防衛戦を指示されていると言える。
しかし、War世界の住人達はPre世界の住人達とどうしても戦いたくて、長時間待っていた。
「War世界に入った連中はイベントに従い、全員本拠地を荒そうとするに違いない。従って、Pre世界の連中は全員叩いて良いのだ」と解釈する方が自然だった。
第一、目の前で敵軍が編成されるのをゆっくりと待って、編成が終って攻めて来る敵だけをちんたら攻撃する戦争など聞いた事がない。
敵軍が編成を終える前に、本拠地へ先制攻撃をかけるのが戦略上の常識なのである。
最初から防衛戦だけに限定しての作戦行動がとれるわけがなかった。
城から離れて偵察活動を行っていたWar世界住人に至っては、ゲームマスターの声が届かず、防衛戦かもしれないと理解するチャンスすら無かった。
War世界住人専用チャットチャンネルに流れた「開戦」という報告に従い、手当たり次第に攻撃を開始した者もいた。
War世界住人としてイベントに参加している人達も、一枚岩では決してない。
指揮者がおり、統制の取れた戦闘行動をとることもできるが、悪質な行動を取る友軍を排除できない(友軍へは攻撃が命中しない)。
先走る友軍を止める事はできない。
かくして、War世界住人達は喜び勇んで進撃した。 そして、生産職が多く戦意も無く動けないPre世界住人が滞在していたチョコレート生産地点へWar世界住人が殺到した。 Pre世界住人はただ逃げ惑うばかりで驚く程戦意が無く、戦闘装備をしている者も非常に脆かった。 対戦というよりは一方的な大虐殺となる。
ひとまず殲滅を終えた後、War世界住人の間に落ち着きと秩序が復活する。 (このあたりの流れは、古代ローマ帝国時代の戦争と同じである。勝利の後、略奪が一段落した後にはじめて軍としての統制を取り戻す。) Diamondサーバでは、防衛戦のみを行う戦闘行動を取る(しかも手加減付き)War世界陣営と、戦闘行動を取らなければ城への通行を許し、自由にアイテムを取らせることを決定したWar世界陣営が出現した。 Pre世界の住人達に、戦うならばこちらの城を、アイテムが欲しいだけ場合はこちらの城を狙えという選択肢を与えたのである。 ほとんどのサーバでは、War世界住人の一部がPre世界住人の味方になってゲリラ戦を指揮した。 戦う意志のあるPre世界住人は、各地で頑張っていたようだ。
War世界側の状況は想像だが、以上が当日のイベントの流れだったと思われる。
「美味しすぎるエサを置いてはならない。」 魅力的なエサの前では、プレーヤーは暴徒と化す。
今回、対人戦闘世界へ誘導されてきたPre世界住人の群れは、War世界住人にとってはあまりにも美味なエサだった。 全MMORPG史上類例を見ないほどの極上のエサであり、今後はWar世界にノコノコ誘導されてくる幸せな連中が現われることは無いだろう。 本当に今夜限り、一回だけのチャンスである。 逃す手はない。
他のMMORPGで、イベントの景品がショボいアイテムばかりな理由を体験できたよハドソン。 当たり障りの無いイベント進行をしようと思うなら、どうでも良いアイテムを景品にしなければならなかったんだね。
最後に。
こうした、ゲームマスターの労力と高い信頼度、ゲームシステムからの数々の支援があって初めて成立させることができる、非常に大規模で特殊なイベントだった。 他のMMORPGでは、まず絶対に見ることはできないイベントだったろう。 見ても嬉しくないけど。