FreeBSD ダイアルアップPPPによるインターネット接続設定概論第1
Last Update (1998/03/25)
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ダイアルアップPPPについて
ここでは、FreeBSD に標準で付属している iij-ppp (実行ファイル名は ppp)を使って、インターネットサービスプロバイダ(略してISP)経由でインターネットに接続する方法を簡単に説明する。
FreeBSDインターネット接続設定からリンクしているページにも設定方法が載っているので、こちらも参照すると良いだろう。
私の環境を記述しておく。
家庭内でLANを張っていたり接続するプロバイダが異なる場合は、このままの設定では接続できないので、各自で設定を変更して欲しい。
- プロバイダは
- 接続はアナログ回線(プッシュホン回線)とモデムを使ったダイアルアップPPP
- オンデマンドダイアルの設定は課金が恐いのでしていない。(^^;)。
- マシンの設置場所は自宅で、家庭内LANは行なっていない。
- モデムはCOM1に接続されている。
- bindなどは設定していない。
- FreeBSD のバージョンは 2.2.2R。
(FreeBSD 2.1.xR 系では、若干設定方法が異なる。)
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iij-pppの設定 〜ppp.conf default篇〜
まずは、iij-pppの設定を行う。
iij-ppp用の設定ファイルは、 /etc/ppp/ 以下に作成する。
/etc/ppp/ にあるサンプルファイルと、man ppp で出力されるオンラインマニュアルを参考に、設定ファイルを記述することになる。
まず最初に、 /etc/ppp/ppp.conf ファイルの設定を行う。
ここでは、 /etc/ppp/ppp.conf ファイルの一部、 default: 部分の設定を簡単に解説する。
default: 部分では、iij-ppp で必ず利用する設定(共通で利用する設定)を記述する。
以下に、/etc/ppp/ppp.confファイルの例(default:の部分)を示す。
#
# /etc/ppp/ppp.conf
#
default:
set device /dev/cuaa0
set speed 38400
set debug lcp ipcp pap phase
set dial "ABORT BUSY ABORT NO\\sCARRIER TIMEOUT 10 \"\" ATZ OK-AT-OK \\dATDT\\T TIMEOUT 50 CONNECT"
set openmode active
disable lqr
deny lqr
set redial 30.random 3
- 行の先頭に # がある行は、コメント行になる。
- default: の行は、ラベル行を意味する。
ラベル行は、行の先頭から書き始め、:(コロン)で終了する。
ラベル default から下は、iij-pppがかならず利用する設定を記述する。
- default: の行から下は、行の先頭にスペースを一つ入れてから設定を記述する。
- set device /dev/cuaa0 という行では、iij-ppp が使用するシリアル回線を指定している。
COM1にモデムが接続されている場合は /dev/cuaa0, COM2にモデムが接続されている場合には /dev/cuaa1 と指定する。
- set speed 38400 で、シリアル回線の転送速度を指定している。
- set debug ... の行は、デバッグ情報の出力項目を指定している。
特にデバッグ情報が必要無い場合には、 set debug とだけ記述すると良い。
- set dial の行では、ダイヤルする際に、モデムと送受信する文字列を記述する。
- この部分は、chatスクリプトと呼ばれる形式で記述されている。
man chat とすると、chatスクリプトに関する情報が得られる。
- この行中で、ATZ と記述している部分が私のモデムの初期化コマンドである。
- この行中で、ATDT と記述している部分が私のモデムのダイヤルコマンドである。
もし、パルス回線(ダイヤルを回すと「じーころころ」という電話回線)を使っている場合は、ATDTの部分をATDPに変更する必要がある。
- set openmode active の行で、自分のマシン側からログイン開始の催促を行う設定にする。
iij-ppp は、PPPする側(PPPクライアント)とPPPされる側(PPPサーバ)の両方の役割を果たす事ができる。
どうやら、PPPクライアントからログインの催促をするのが一般的みたいなのでこの設定を行っている。
- disable lqr / deny lqr の行で、lqr の機能をオフにしている。
- set redial の行で、リダイヤルの指定 (リダイヤルタイマーは30秒、一度ダイヤル失敗してから次にダイヤルするまでの時間はランダム、3回までリダイヤルする)という指定を行っている。
以上で、default: ラベルの部分の設定が終った。
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iij-pppの設定 〜ppp.conf リムネット横浜篇〜
引続き、/etc/ppp/ppp.conf ファイルの設定を行う。
上で共通部分の設定が終っているので、こんどはプロバイダ別の設定を行う。
以下に、/etc/ppp/ppp.confファイルの例(rim:部分)を示す。
#
# for rimnet yokohama
#
rim:
disable lqr
deny lqr
disable pred1
deny pred1
disable pap
accept pap
disable chap
deny chap
set ifaddr 0 0
set phone 045-224-5724
set timeout 600
set authname ここにユーザー名(接続アカウント名)を記述すること
set authkey ここにパスワードを記述すること
- rim:の行は、ラベル行の意味。
コマンドラインから、ppp rim などとして起動された場合は、 default: ラベル以下を読み込んだ後に rim: ラベル以下が読み込まれる。
- disable lqr の行は、自分のマシン側の lqr 機能をオフにする設定を意味する。
- deny lqr の行は、相手のマシン側(この場合は、リムネット横浜のマシン)に、lqr 機能をオフにして欲しいと依頼する設定を意味する。
- disable pred1 の行からは、色々な機能を自分側と相手側でオフに指定する設定行が並んでいる。
pred1 や lqr などのオプション機能は、どのプロバイダでもサポートしている機能とは言えない。
よって、バッサリとオプション機能をオフにしている。
オプション機能をオンにするとPPP接続がうまくいかないこともあるので、オフにしておいた方が安全だろう。
- accept pap の行で、相手側に PAP でユーザー認証を行うように依頼している。
ユーザー認証だけは相手側(プロバイダ側)にやってもらわなければならないので、pap を accept させるわけだ。
自分側のマシンは外部からアクセスされても困るので、当然 disable pap と指定する。
- set ifaddr で、PPP接続した時の自分側、相手側のIPアドレスを指定する。
普通のプロバイダの場合は、PPP接続時にプロバイダ側からIPアドレスを割り当ててくるので、set ifaddr 0 0 と記述しておけば良いようだ。
set ifaddr というコマンドは、PPP接続する際に自分側のIPアドレスと相手側のIPアドレスをこの範囲内に収まるように決定してねという指定を行うものだ。
記述方法は、
set ifaddr 自分側IPアドレス範囲 相手側IPアドレス範囲
となる。
IPアドレス範囲は、
IPアドレス[/マスクビット数]
と指定する。
マスクビット数はIPアドレスうち、重要な範囲(変えたくない範囲)を限定するためのビット長で、0から32までの整数を指定して、IPアドレスの上から何ビットを変えて欲しくないかを指定する。
マスクビット数が省略された場合は32が指定されたと解釈する。
IPアドレスが0.0.0.0だった場合は、相手側のIPアドレスの提案を無条件で受け付ける設定になる。
たとえば、10.0.0.1/8 と指定した場合は、10.0.0.1の上から8ビットを変えない幅でIPアドレスをつけてくれという設定だ。
IPアドレスは通常8ビット単位で.(ピリオド)で区切って表現するので、一番上の10だけは変えないでくれという指定をしたことになる。
というわけで、10.0.0.1から10.255.255.255までの範囲でIPアドレスを割り当ててくれという意味になる。
set ifaddr の部分の設定をきちんと行うには、プロバイダ側のIPアドレスが何番なのか、プロバイダがユーザ側に割り当てるIPアドレスは何番から何番までなのかという情報が不可欠だ。
今回は、set ifaddr 0 0 と指定することによって、プロバイダ側のIPアドレスの提案をそのまま利用することにしている。
- set phone でプロバイダの電話番号を指定している。
- set timeout で、データが流れていないときに回線を切断するまでの秒数を指定する。
深夜などでは、意外と通信中に寝てしまうことがある(実話)。
この指定は結構重要だと思う。
- set authname , set authkey の行で、ユーザー名とパスワードを記入する。
以上で、リムネット横浜の部分の設定は終了だ。
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iij-pppの設定 〜ppp.conf DTI松戸篇〜
今度は、DTI松戸用の設定を示す。
/etc/ppp/ppp.confファイルの例(DTI部分を抜粋)
#
# for DTI matsudo
#
dti:
disable lqr
deny lqr
disable msext
disable vjcomp
deny vjcomp
disable acfcomp
deny acfcomp
disable protocomp
deny protocomp
disable pred1
deny pred1
disable pap
accept pap
disable chap
deny chap
set ifaddr 0 0
set phone 340-3611
set timeout 0
set authname your-ID
set authkey your-Password
設定内容はリムネット横浜とあまり変わらない。
disable / deny で、ほとんど全てのオプション機能をオフにしているのが特徴と言える。
set authname , set authkey の行にユーザー名とパスワードを設定して、上のテキストを/etc/ppp/ppp.conf の最後に追加すれば良い。
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iij-pppの設定 〜ppp.linkup 篇〜
続いて/etc/ppp/ppp.linkupというファイルの内容を示す。
このファイルは、PPP接続が成立した時に実行される。
#
# /etc/ppp/ppp.linkup
#
MYADDR:
delete ALL
add 0 0 HISADDR
このファイルはプロバイダに接続する場合、そのままコピーすれば良いだろう。
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resolv.confの設定
次に、/etc/resolv.confファイルを設定する。
resolv.confファイルは、DNSサーバなどを記入するファイルだ。
(man 5 resolver とするとマニュアルが表示される。)
#
# /etc/resolv.conf --- rimnet yokohama
#
domain yk.rim.or.jp
nameserver 202.247.130.5
このファイルに指定できる項目には以下のようなものがある。
- nameserver -- ドメインネームサーバー(略してDNS)のIPアドレスを指定する。
この行には、プロバイダのDNSサーバのIPアドレスを記入しておく。
また、nameserverの行は最大3つまで指定できるので、プロバイダにプライマリDNS, セカンダリDNSがある場合は2行書いておけば良い。
- domain -- ローカルドメイン名を指定する。
ここにローカルドメイン名(たとえばnerv.jp)を記述しておくと、極端に短いホスト名(たとえば magi)というホスト名のIPアドレスを調べる時に、ローカルドメイン名を追加して(例ではmagi.nerv.jpというホスト名にして)外部のDNSに問い合わせるようになる。
プロバイダのドメイン名(上の設定例ではyk.rim.or.jp)を記入しておくと、exelion.yk.rim.or.jpへtelnetする時には telnet exelion だけでできるようになる。
domain, nameserverはプロバイダによって設定が異なるので、リムネット横浜以外のプロバイダを使っている人は、ここを変更する必要がある。
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iij-pppの利用
iij-pppの設定が終了したら、コマンドラインから
ppp rim
とタイプすると、iij-pppが起動して以下のようなプロンプトが出る。
User Process PPP. Written by Toshiharu OHNO.
Log level is 09
can't open /etc/ppp/ppp.secret.
Warning: No password entry for this host in ppp.secret
Warning: All manipulation is allowed by anyone in the world
Using interface: tun0
Interactive mode
ppp ON magi>
ここで、iij-pppのプロンプトにdialというコマンドを打つとリムネット横浜にダイヤルを開始する筈だ。
見事に接続に成功すれば、以下のような表示が出てiij-pppのプロンプトがPPPと大文字になる。
ppp ON magi> dial
dial OK!
login OK!
ppp ON magi> Packet mode.
PPP ON magi>
画面左のPPPが大文字で表示されたら、Netscape等を起動すれば良い。
メール送信キューに溜ったメール(インターネットに接続していない状態で、外部のマシンに居るユーザ宛に出したメール)を送信するには、sendmail -q と入力すればOKだ。
また、プロバイダのPOPサーバ上に貯められているメールは、fetchmail を使って取り寄せれば良いだろう。
インターネットサーフィン(?)を堪能した後は、PPP接続を終了する。
終了方法は、closeとタイプした後、quitと入力する。
PPP ON magi>close
ppp ON magi>
ppp ON magi>quit
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