FreeBSD 2.2.6R ダイアルアップPPPによるインターネット接続設定概論第1

Last Update (1999/04/13 00:42:24)

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ダイアルアップPPPについて

ここでは、FreeBSD 2.2.6Rに標準で付属しているppp(iij pppを改良したもの)を使って、インターネットサービスプロバイダ(略してISP)経由でインターネットに接続する方法を簡単に説明する。
FreeBSDインターネット接続設定からリンクしているページにも設定方法が載っているので、こちらも参照すると良いだろう。

私の環境を記述しておく。 家庭内でLANを張っていたり接続するプロバイダが異なる場合は、このままの設定では接続できないので、各自で設定を変更して欲しい。

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pppを利用可能にするために〜DESインストール〜

pppコマンドを利用しようとして最初に遭遇する難関がコレだ。 FreeBSDインストール時にDESを入れていない状態でpppを実行すると、「ld.so failed: Can't find shared library "libdes.so.3.0"」というエラーメッセージが出て、pppコマンドが起動しないのだ。

FreeBSD 2.2.6R Errata Notesを見ると解決方法が書いてある。

私の場合は、DESをインストールすることにした。 インストール方法は以下のようになるだろう。

  1. DESアーカイブを入手する。
    DES(暗号ライブラリ)はアメリカ合州国の輸出規制品なので、アメリカ合州国のftpサイトからgetするのは連邦法で犯罪になるらしい。 ではどうするかというと、DESライブラリを合州国以外から入手するとオッケーだったりする。 または、以下のサイトからも入手できる。 ただ、この段階ではPPP接続できていない状態なので、ネットワークから入手せよというのも酷な話である。 そんな時は、Walnut Creek CDROMの1枚目に /des というディレクトリがあるので、ここからDESのアーカイブ(des.aa des.ab)を頂いてしまおう。 (良く知らないけど、日本で入手できるアイテムなんだから多分大丈夫だよね?)
  2. DESをインストールする。
    DESをインストールする際の注意点として、Kerberosサポートを絶対にインストールしてはいけないというものがある。 これをやってしまうとえらい目に会うのだ...(実話)。 インストール方法は二つあって、一つは/stand/sysinstallを利用する方法。 もう一つは、上記のftpサイトやCD-ROMに入っているinstall.shを利用する方法である。
  3. 再起動するか、ldconfigを行う。

以上でDESライブラリのインストールは終了だ。 これでpppコマンドが利用可能になっている筈だ。

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DESのインストールの時に、Kerberosサポートまで入れてしまった場合には

(under constructing...)

Kerberosサポートを入れてしまうと、以下のような不幸が降りかかって来る。

流石は地獄の番犬だけあって、驚異的な破壊力だ...。 特に、利用率の高いsuコマンドが使えなくなるのは痛すぎる。 対応策には以下のようなものがある。

  1. 最も簡単な方法
    suコマンドを使う時は、必ず-Kオプションを付ける。 その場凌ぎの方法だが、とりあえずこれでしのげる。
  2. 真面目な方法
    (under constructing...)
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pppの設定 〜ppp.conf default篇〜

いよいよ、pppの設定を行う。 ppp用の設定ファイルは、 /etc/ppp/ 以下に作成する。 /etc/ppp/ にあるサンプルファイルと、man ppp で出力されるオンラインマニュアル、handbookを参考に、設定ファイルを記述することになる。
まず最初に、 /etc/ppp/ppp.conf ファイルの設定を行う。 ここでは、 /etc/ppp/ppp.conf ファイルの一部、 default: 部分の設定を簡単に解説する。 default: 部分では、ppp で必ず利用する設定(共通で利用する設定)を記述する。

以下に、/etc/ppp/ppp.confファイルの例(default:の部分)を示す。

#
# /etc/ppp/ppp.conf
#
default:
 set device /dev/cuaa0
 set speed 38400
 set log Carrier Link Phase Chat Connect
 set dial "ABORT BUSY ABORT NO\\sCARRIER TIMEOUT 10 \"\" ATZ OK-AT-OK \\dATDT\\T TIMEOUT 65 CONNECT"
 set openmode active
 disable lqr
 deny lqr
 set redial random 3
 set hangup "\"\" \d\d\d\d\d\d\d\d\d\d\d+++ OK-ATH0-OK"
 allow users george
    
以上で、default: ラベルの部分の設定が終った。

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pppの設定 〜ppp.conf リムネット横浜篇〜

引続き、/etc/ppp/ppp.conf ファイルの設定を行う。 上で共通部分の設定が終っているので、こんどはプロバイダ別の設定を行う。

以下に、/etc/ppp/ppp.confファイルの例(rim:部分)を示す。

#
# for rimnet yokohama
#
rim:
 disable lqr
 deny lqr
 disable pred1
 deny pred1
 disable pap
 accept pap
 disable chap
 deny  chap
 set ifaddr 10.0.1.1/0 10.0.1.2/0
 set phone 045-224-5724
 set timeout 600
 set authname ここにユーザー名(接続アカウント名)を記述すること
 set authkey ここにパスワードを記述すること
    
以上で、リムネット横浜の部分の設定は終了だ。

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pppの設定 〜ppp.conf DTI松戸篇〜


今度は、DTI松戸用の設定を示す。

/etc/ppp/ppp.confファイルの例(DTI部分を抜粋)

#
#	for DTI matsudo
#
dti:
 disable lqr
 deny lqr
 disable msext
 disable vjcomp
 deny vjcomp
 disable acfcomp
 deny acfcomp
 disable protocomp
 deny protocomp
 disable pred1
 deny pred1
 disable pap
 accept pap
 disable chap
 deny chap
 set ifaddr 10.0.1.1/0 10.0.1.2/0
 set phone 340-3611
 set timeout 600
 set authname ここにユーザー名(接続アカウント名)を記述すること
 set authkey ここにパスワードを記述すること
    
設定内容はリムネット横浜とあまり変わらない。 disable / deny で、ほとんど全てのオプション機能をオフにしているのが特徴と言える。 set authname , set authkey の行にユーザー名とパスワードを設定して、上のテキストを/etc/ppp/ppp.conf の最後に追加すれば良い。

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pppの設定 〜ppp.linkup 篇〜

続いて/etc/ppp/ppp.linkupというファイルの内容を示す。 このファイルは、PPP接続が成立した時に実行される。
#
# /etc/ppp/ppp.linkup
#
MYADDR:
 delete ALL
 add default HISADDR
    
このファイルはプロバイダに接続する場合、そのままコピーすれば良いだろう。

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pppの設定 〜ppp.secret 篇〜

FreeBSD 2.2.5Rのpppコマンドの場合、このファイルを設定しないとppp -auto や ppp -backgournd などの自動実行系オプションを利用できなかった。 FreeBSD 2.2.6Rのpppコマンドの場合は、このファイルを設定せずともppp -autoやppp -backgroundなどのオプションが利用でき、/etc/ppp/ppp.conf 内部に set server 3000 iijppp などと記述しておけば外部からpppを制御可能なので、このファイルの設定作業は省略する。

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resolv.confの設定

次に、/etc/resolv.confファイルを設定する。 resolv.confファイルは、DNSサーバなどを記入するファイルだ。 (man 5 resolver とするとマニュアルが表示される。)
#
# /etc/resolv.conf --- rimnet yokohama
#
domain		yk.rim.or.jp
nameserver	202.247.130.5
    
このファイルに指定できる項目には以下のようなものがある。 domain, nameserverはプロバイダによって設定が異なるので、リムネット横浜以外のプロバイダを使っている人は、ここを変更する必要がある。

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pppの利用〜手動接続〜

pppの設定が終了したので、早速利用してみよう。 FreeBSD 2.2.6Rから、pppコマンドを利用できるのはroot(スーパーユーザー)か、/etc/ppp/ppp.conf内部でallow usersに記述されているユーザー(ただし、そのユーザーはnetworkグループに登録されている必要がある)だけになっている。 一応、以下の説明ではrootになってからpppコマンドを利用する例を示す。

su コマンドを使って root になってから、

ppp rim
    

とタイプすると、pppが起動して以下のようなプロンプトが出る。

Working in interactive mode
Using interface: tun0
ppp ON magi> 
    

ここで、pppのプロンプトにdialというコマンドを打つとリムネット横浜にダイヤルを開始する筈だ。 見事に接続に成功すれば、以下のような表示が出てpppのプロンプトがPPPと大文字になる。

ppp ON magi> dial
Dial attempt 1 of 3
Phone: 045-224-5724
dial OK!
login OK!
ppp ON magi> Packet mode.
ppp ON magi> 
PPP ON magi> 
    

画面左のPPPが大文字で表示されたら、Netscape等を起動すれば良い。

メール送信キューに溜ったメール(インターネットに接続していない状態で、外部のマシンに居るユーザ宛に出したメール)を送信するには、sendmail -q と入力すればOKだ。
また、プロバイダのPOPサーバ上に貯められているメールは、fetchmail や popclient コマンドを使って取り寄せれば良いだろう。

インターネットサーフィン(?)を堪能した後は、PPP接続を終了する。 終了方法は、closeとタイプした後、quitと入力する。

PPP ON magi>close
ppp ON magi>
ppp ON magi>quit
    
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オンデマンドダイアルアップの設定 〜リムネット横浜篇〜

付録として、リムネット横浜用のオンデマンドダイアルアップ用の設定を記述しておく。

オンデマンドダイアルアップとは、文字通り「要求があった時にダイアルする」ことだ。 オンデマンドダイアルアップをする設定にしておくと、以下のような特典がもれなくついてくる。

オンデマンドダイアルアップ用の指定は/etc/ppp/ppp.conf内部に記述する。 上で紹介したリムネット横浜用の設定の先頭にset server 3000 iijppp、最後にdelete ALLとadd default HISADDRの行が追加されているだけである。

#
# for rimnet yokohama auto
#
rimon:
 set server 3000 iijppp
 disable lqr
 deny lqr
 disable pred1
 deny pred1
 disable pap
 accept pap
 disable chap
 deny  chap
 set ifaddr 10.0.1.1/0 10.0.1.2/0
 set phone 045-224-5724
 set timeout 600
 set authname ここにユーザー名(接続アカウント名)を記述すること
 set authkey ここにパスワードを記述すること
 delete ALL
 add default HISADDR
    

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オンデマンドダイアルアップの設定 〜DTI篇〜

さらについでに、DTI用のオンデマンドダイアルアップ用の設定を紹介する。 この記述は、/etc/ppp/ppp.conf内部に追加する。 上で紹介したDTI用の設定の先頭にset server 3000 iijppp、最後にdelete ALLとadd default HISADDRの行が追加されているだけである。
#
#  dti ondemand
#
dtion:
 set server 3000 iijppp
 disable lqr
 deny lqr
 disable msext
 disable vjcomp
 deny vjcomp
 disable acfcomp
 deny acfcomp
 disable protocomp
 deny protocomp
 disable pred1
 deny pred1
 disable pap
 accept pap
 disable chap
 deny chap
 set ifaddr 10.0.1.1/0 10.0.1.2/0
 set phone 340-3611
 set timeout 600
 set authname ここにユーザー名(接続アカウント名)を記述すること
 set authkey ここにパスワードを記述すること
 delete ALL
 add default HISADDR
    

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オンデマンドダイアルアップを使う

オンデマンドダイアルアップの利用方法を簡単に紹介する。 FreeBSD 2.2.6Rの場合、rootか、/etc/ppp/ppp.confファイル内部のallow usersに指定されたユーザーだけがpppコマンドを利用することができる。 以下では、rootから操作する例を示す。

rootになってから

ppp -auto dtion
    
とタイプすると、
Working in auto mode
Using interface: tun0
    
と表示した後すぐにコマンドプロンプトが返ってくる。 ここで、すかさず
ping -c 1 202.247.130.5
    
などと、使っているプロバイダのDNSサーバのIPアドレスにpingすると、自動的にダイヤルを開始するはずだ。

FreeBSD 2.2.6Rのpppコマンドでは、ダイヤルの引金になったパケットが失われることは無くなったようだ。 (詳しくチェックしたわけではないけど、なんとなく...。)
そんなわけで、ppp -auto dtion などとしてオンデマンドダイアルアップの準備を整えた後に、おもむろにNetscape Navigatorなどを起動すると、勝手にダイヤルを開始してそのままネットサーフィンが楽しめるようになる筈だ。

オンデマンドダイアルしたiijpppを終了させるには、pppctlコマンドを使う。

pppctl -p iijppp 3000 close
pppctl -p iijppp 3000 "quit all"
    
とコマンドを入力すると、回線切断、pppの終了を行なう事ができるだろう。 -p の後には、/etc/ppp/ppp.conf内部のset serverに指定したパスワードを指定する。 このページでは、パスワードをiijpppにしている設定を紹介しているので -p iijppp と指定している。
実際に設定する場合には、こんなわかりやすいパスワードは使わないようにしよう。 iijpppにはシェルコマンドを実行する機能があるので、pppctl -p iijppp 3000 shell rm -rf / なんてやられた日には目も当てられないことになるだろう...。

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