アバン


ジェネシスミッションから早2年
私達はやっと私達の目的のために宇宙に飛び出す理由を見いだすようになりました。

とはいえ、私達はまだ学生の身
多少のモラトリアムを貰いつつも、今は宇宙に行って何をするのか、それをゆっくりと考えても良いのかもしれません。

ともかく、今年も新入生がやってきました!
私の弟やアリサの妹達ですが、先輩として彼らを導いていかなければいけません。

さぁ歓迎式です!

えっと・・・あくまでもこの作品は『宇宙のステルビア』の短編電波系ギャグですのでそのつもりで



宇宙のステルビア2『しーぽん日記』
FOUNDATION 2



作戦司令官選出


さて、新入生歓迎のメインイベント
『ピーターパンとウェンディーによるフジヤマお出迎えショウ』
の実行計画委員会はその打ち合わせを行っていた。

やよい「では、オーバビス隊の総指揮を決めたいのですが・・・しーぽんでどうですか?」
志麻「いいわよ」
アリサ「ダメダメ!実行委員長様には式典会場でスピーチして貰わないと!」
志麻「え〜〜私がスピーチするの!?」
アリサ「当たり前でしょ!」
晶「心配いらない。とっても荘厳で格式あるの考えてるから」
志麻「ひえ〜〜」

志麻、あえなくリタイヤ

やよい「それじゃ・・・光太君お願い」
光太「え?僕はダメだよ!」
やよい「なんで?またガラじゃないとか言って逃げる気〜」
光太「違うって。その日はちょうどミッションが入っているんだ。
 式典の頃にはインフィで火星辺り(苦笑)」
アリサ「しーぽんも残念だね。せっかくの晴れ舞台を旦那さんに見てもらえないなんて」
志麻「あ、アリサったら何てこと言うのよ!」

光太、後で保険医に朴念仁と言われる(笑)

りんな「そう言うやよいちゃんがやれば良いんじゃないの?」
アリサ「そうだそうだ。お嬢、まとめるの上手そうだし」
やよい「私はダメよ。私はアルキュオンでお出迎えだから」
アリサ「るっきょん?
 あれってしーぽんがパイロットじゃ・・・」
やよい「アリサは居眠りしていたから覚えてないかもしれないけど、新型のオーバビスマシーンのテストパイロットにしーぽんが選ばれたから私が代わりにアルキュオンに乗ることになったの」
アリサ「そ、そうだったっけ?」
晶「呆れた・・・」
ジョジョ「大体あれのテスト、お前も志願しただろう。俺達まで付き合わせて」
大「そうそう、しかもあの新型、勝手に三角帽子って呼ぶし、まだ正式名称がないから名前を公募制にしようって学園投票の実行委員になっているのはアリサだろ?
 集計手伝わされるこっちの身にもなってよ」
アリサ「あ、そうだった?
 あははは・・・」

やよい、るっきょん搭乗決定

やよい「となると指揮官がいないわ・・・」
りんな「んじゃ私がるっきょんに乗るからやよいちゃんが総指揮やれば?」
やよい「ダメ!」
アリサ「ダメダメ!」
志麻「りんなちゃんはやめといた方が・・・」
光太「そうだね(苦笑)」
ジョジョ&晶&大「うんうん」
りんな「え〜〜何で!」
やよい「だって、この前りんなちゃんったらアルキュオンで千本安打しようとしていたでしょ?おかげでステルビアに大穴が開いたのよ!
 さいわいまだ未着工の区画だったから良いようなものの・・・」
りんな「でもロボットなら一度はやってみたいロマンじゃないの・・・」
やよい「ダメです!」

そうなると誰もいない事になってしまう

やよい「困ったわねぇ」
ピエール「フゥ・・・仕方がないなぁ〜♪
 誰もいないんじゃこの僕が・・・」
やよい「晶は?」
晶「無理無理!」
ピエール「だからこの僕が・・・」
やよい「ジョジョ君は・・・無理ね」
ジョジョ「ほっとけ!」
ピエール「いや、ここに立候補している人がいますよ〜」
やよい「大ちゃんは?」
大「それこそガラじゃないよ」
やよい「困ったわね〜」
ピエール「ピエール・タキタ、ピエール・タキタをよろしく!」
一同「う〜〜ん〜〜」
ピエール「お前ら、無視するな!」

何故か丁重に無視されるピエールの主張(笑)

志麻「そうだ!りんなちゃんなんてどう?」
アリサ「お、いいねぇ〜最年少の指揮官か〜〜」
やよい「うんうん、良いわね♪」
ピエール「いや、本人が望んでいないかも・・・」
光太「りんなちゃんはどうなんだい?」
りんな「やってもいいよ(あっさり)」
やよい「はい、決まり♪」

一同、拍手を持って総指揮役のりんなを迎えた。

ただ一人涙を流した人物を除いて・・・

ピエール「どうして僕じゃないんだ・・・」



新しいオーバビスマシーン


新しいオーバビスマシーンのテスト訓練から帰ってきた志麻をアリサが迎えた。

アリサ「お帰り〜」
志麻「疲れたよ〜」
アリサ「ほう〜この子は本科生ナンバーワンのしーぽんを手こずらせるか〜
 結構じゃじゃ馬だねぇ」

アリサは戻ってきたテストマシーンを早速整備し始めた。
そんなアリサを見て志麻はふと思う。

志麻「そういえば、アリサってどうしてパイロット科に進んだの?」
アリサ「え?」
志麻「いや、一時期は整備科に進むんじゃないかって思っていたから」

志麻は言い難そうに告白した。
アリサは予科の時、パイロット実習よりも整備関係の授業を多く選択していたからだ。
そのことで晶と衝突したこともある。
どんなに頑張っても片瀬志麻や音山光太という越えられない壁がある。
そこから比べられない別の場所に移る・・・そういう選択もあり得たはずだ。

けれど彼女は整備科の制服ではなく、パイロット科の制服を着ている。
そのことをアリサに聞いてみたかったのだ。

アリサ「あ・・・そのことを聞かれるかぁ〜」
志麻「あ、言いたくなかったら言わなくても・・・」
アリサ「んじゃなくて、やぱり専科(注:本科より上の学年)は整備の方に進むと思う」
志麻「え?それって・・・」
アリサ「私、船外活動のスペシャリストになりたいのよ。
 ほら、ジェネシスミッションでるっきょんにジェネレータ付けたでしょ?
 あんなのしたいの」
志麻「へぇ・・・」
アリサ「あの時わかったのは、宇宙(そら)を飛ぶ翼がなければ送り出したパイロット達が帰ってくるのを待っていることしかできない。
 よりパイロットの近くへ・・・それこそ前線の近くで作業をしなければいけないんじゃないのか?・・・ってそう思ったの。
 なにより一人で体をはるしーぽんを後方でただ待つのって性に合わないから(苦笑)」
志麻「アリサ・・・」
アリサ「私はあなたのそばでいつも応援します。
 その為には同じ速度で跳べる翼が必要なの。
 だから同じパイロット科に進んだ。
 片瀬志麻、あなたは私の目標、そして希望だから」
志麻「アリサ〜」

ヒシと抱き合う親友二人

アリサ「もっとも、この子がパイロット科に配備されるからって話を聞いたからでもあるんだけどね」
志麻「この新型オーバビスが?」

アリサは惚れ惚れと最新のオーバビスマシンを撫で回した。

アリサ「大体、しーぽんは私に付き合ってテストパイロットを引き受けてくれたんでしょ?るっきょんをやよいちゃんに譲ってまで」
志麻「一応大親友だし」
アリサ「感謝してるわよ。
 光太君と一緒にインフィとるっきょんでラブラブミッションの機会を奪っちゃったみたいで申し訳ないんだけど」
志麻「いや、それは別に良いんだけど」
アリサ「まぁ大丈夫よね♪しーぽんと光太君はラブラブなんだし、
 光太君がやよいちゃんと二人きりでミッションに行っても何も起きないから♪」
志麻「・・・アリサ、さりげなくケンカ売ってない?」
アリサ「そんなことないない♪」

一瞬、志麻の殺気を感じたのか、からかうのを止めるアリサ。
それにしても・・・

志麻「でもアリサ、この新型マシン・・・
 どこかで見たことある気がするんだけど・・・
 思い出せないのよね〜〜」
アリサ「そう?」
志麻「なんだったかな・・・
 どうしても商品名が商標に引っかかるからララァ・スン専用モビルアーマーって商品名にしないと売れなかった某プラモデルに似ている気がするんだけど・・・」
アリサ「そう?確かに三角帽子に似てるって所は一緒だけど」
志麻「それに子機として小型オーバビスマシンを複数操れる様になってるし」
アリサ「いいじゃん、整備の時に同時に動かせるマシンがいっぱいあった方が便利だよ」
志麻「でも、何となく不安なんだけど・・・」
アリサ「心配いらないって♪」
志麻「そうかなぁ〜」

アリサは心配いらないと言うが、やっぱり志麻は心配だった。
サン○イズやバン○イから版権料を取られないかと・・・(笑)



あこがれの先輩達


新入生達の歓迎会の為に作業する一同
現在、歓迎会の準備で大わらわだった。
もちろん志麻達以外にも下級生・・・つまりちょっと前まで予科生だった生徒達も手伝っていたりする。
その中で一際テキパキと作業の指揮をする上級生の姿は彼らにとってあこがれの的であった。

特に片瀬志麻、藤沢やよい、栢山晶は下級の女生徒には特に人気があった

「私、片瀬先輩に憧れちゃう〜」
「私はやよい先輩よ」
「え〜〜栢山先輩の方が良いわよ〜」
「でも片瀬先輩はあのジェネシスミッションで活躍した英雄よ。
 今もこのしっちゃかめっちゃかの歓迎会準備が形を成しているのは片瀬先輩の名指揮のおかげだよ。
 これぞ才媛!って感じよねぇ♪」
「わかってないわねぇ〜〜実際にはその補佐をしているやよい先輩が要所要所でフォローしているからでしょ?」
「違うって!栢山先輩がびしっとにらみを利かしているからみんなちゃんとやってるんでしょ!」

ここでは微妙に派閥が出来ているらしい(笑)

「片瀬先輩が優秀だから!」
「やよい先輩の気配りが!」
「栢山先輩が格好いいから!」

と言い合いになった彼女たちはそれぞれのお姉様を観察する事にした。



Case by 片瀬志麻

女生徒「先輩〜〜部材が足りません〜〜」
志麻「あれ?数は足りていたはずだけど・・・」
女生徒「それが発注間違えで予算が足りなくなったみたいなんです。
 どうしましょう〜〜(泣)」
志麻「ああ、追加で発注しておくわ」
女生徒「でも予算が・・・」
志麻「心配ないわ。リチャード先生の交際費枠からちょこっと借りてきておくから」
女生徒「え?そんなことをしたら・・・」
志麻「良いの良いの。どうせリチャード先生は忘年会まで交際費使わないし」
女生徒「でもバレたりしたら・・・」
志麻「大丈夫。校長のアカウントで操作するし、バレたらまた大ちゃんにメインサーバーにログ消しに行ってもらうから」
女生徒「あ、あはははは・・・お願いします・・・」

なにげに恐ろしい事をさらりと言っている気がする(笑)



Case by 藤沢やよい

女生徒「先輩〜〜この重いのどこに運びましょう?」
やよい「あ、良いわよ。私が手伝ってあげるわ♪」
女生徒「え?そんな〜〜重いですし、それに先輩は他にもお仕事が〜〜」
やよい「良いから良いから♪」

そうやってよいしょともう片方をやよいが持っていると・・・

ピエール「やぁ、やよいさん、重そうだねぇ」
やよい「そうなの、重いのよ」
ピエール「そんな重いのを持つのは男子の役目だよ。
 ここはこのピエール・タキタに任せなさい!」
やよい「でも、やっぱり悪いわ」
ピエール「任せなさい!僕は全女性の下僕なのだから」

ここぞとばかりに格好を付けるピエール。
しかしやよいの眼鏡はキラリと光った!

やよい「へぇ〜他の女性にもそういう事言うの・・・」
ピエール「い、いや、そういう訳じゃなくて・・・
 や、やよいちゃん一筋だよ!」
やよい「本当?」
ピエール「本当、本当!
 だから二人で一緒に荷物を運ぼ・・・」
やよい「じゃ、これお願いね♪」
ピエール「え?」
やよい「良かったわね、ピエール君が荷物を全部持って行ってくれるって。あなたもご苦労様♪」

ピエールに荷物を渡すとさっさと女生徒を引っ張って立ち去るやよい。
ピエールの泣き声が背中越しに聞こえるが、やよいは涼しい顔だった。

女生徒「いや・・・先輩、あの人泣いてますよ?」
やよい「いいのよ。もうちょっと頑張ったらあの人も素敵な恋が出来るわ♪」
女生徒「はぁ・・・」

『優しそうに見えて、実は操ってる?』
そう思わずにはおれない女生徒であった(笑)



Case by 栢山晶

晶「ほら、そこ!さぼらない!
 そこ、長椅子の列が歪んでる!適当に置かない!!!」
女生徒「あの〜先輩〜〜」
晶「なに?」
女生徒「来賓者の席はどこにすればいいんですか?」
晶「ああ、それ?それはあそこの区画よ。
 ビニールテープでマーキングしているからそこに並べて・・・」

と、テキパキ指示を出していた晶であるが・・・

ジョジョ「お〜い、うさ子はどこに置くんだ?」
晶「ジョジョ、うさ子を何に使うつもりなのよ!」
ジョジョ「いや、アトラクションに使おうと思って、ダメか?」
晶「ダメに決まって・・・」

晶が怒り出す前にジョジョはうさ子の着ぐるみを着だした。
ジョジョの背だとうさ子のぬいぐるみはちょうど良いサイズだ。

「は〜い、私うさ子です〜〜
 私も歓迎会に出して♪
 ・・・ってダメ?」
ジョジョはうさ子っぽいポーズでお願いする。
それを見た晶は・・・

晶「やぁ〜ん、可愛い♪」
ジョジョ「わぁ、抱きつくなよ!」
晶「だって、可愛いし〜」
ジョジョ「男が可愛いって言われても嬉しくない!」
晶「なによ、ならもう抱きついてやらないから」
ジョジョ「え?いや、それはそれで・・・」
晶「手も握ってあげないし、キスの時にかがんであげないから!」
ジョジョ「わ、わかったから好きなだけ抱きつけよ・・・」
晶「ん〜〜♪」

女生徒の目には想像と違ったバカップルの光景が見えていた(笑)

で、結局女生徒達が目を向けた先とは・・・

「「「アリサ先輩〜ここを教えて下さい〜〜」」」

こいつら、まだ懲りていないようだ(笑)

・・・続くかもしれない(笑)



ポストスクリプト


ということで自分の中ではちょっとしたマイブームの「宇宙のステルビア」の短編パロディーです。
今回はちょっぴり眺めのお話ですね。なんか、気を抜くとだんだん長くなる(苦笑)
もうちょっとすぱっと切れに良いギャグで落とす事をした方が良いのでしょうか。

今度から長すぎる文章を削ってみるという訓練をしてみるのもいいかもしれません(笑)

ってことで面白かったならご感想を頂けると嬉しいです。

では!

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