ビデオタイトル |
THE MAN WHO LAUGHS |
ジャンル |
ドラマ |
原題 |
THE MAN WHO LAUGHS |
制作国 |
アメリカ |
邦題 |
笑ふ男 |
出演 |
コンラッド・ファイト |
制作年 |
1928年 |
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制作社 |
ユニヴァーサル |
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監督 |
パウル・レニ |
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制作・総指揮 |
カール・レムリ |
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原作・原案 |
ヴィクトル・ユーゴー |
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脚本 |
J.グラブ・アレキサンダー |
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映像情報 |
モノクロ/サイレント/110分 |
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ビデオ情報 |
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DVD情報 |
KINO |
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17世紀のイギリス、クランチェリー卿はジェームス2世の拷問によって死をとげ、息子グィンプラインは人買いコンプラチコによって口元に永遠の笑みを刻みこまれた。そしてしんしんと雪の降り積もる夜、少年グィンプラインは行き倒れた女性の胸に抱かれた赤子を助ける。サーカス一座のもとに転がり込んだ少年はその風貌のため、道化としてささやかながら豊かな人生を歩み、彼が助けた少女デァは盲目となりながらも美しく成長し、いつしか二人の間には恋が芽生えていた。しかし、公爵夫人の目に止まった“笑ふ男”は貴族社会につれこまれ、上流階級の間でも道化として笑われつづけた。グィンプラインは貴族社会のあさましさとデァへつのる恋しさから逃げ出すが、貴族たちに追われてあわやの大ピンチに街は大騒ぎ。そうとは知らず、グィンプラインをあきらめて街を離れんとデァたち一行が乗りこんだ船も岸を離れ、取り残されるかグィンプライン、といったところで彼の声を聞きつけた愛犬に助けられ、めでたしめでたしの大団円で幕は下りる。 ポスターとスチルにわずかな紹介文しか知らなかったので、てっきり怪奇映画だと思っていたら大間違い、なんとも心に染み入るドラマなのでした。妙にファンタジックなオープニングから、なんとも猥雑ながら人間味あふれる道化たち、あらがいがたい権力への抵抗に手に汗握り、犬の活躍とハッピーエンドにほっとする、軽快なテンポにどっしりとしたテーマの、いかにも古典ユニヴァーサルらしい名作です。 主役のフリークスをチェザーレのコンラッド・ファイトが熱演しているんですが、これがまたなんとも切ないんですね。貴族のもとで見世物にされ、口元は笑みが張りつけられたまま涙するシーンなんて胸が痛みます。この役はロン・チャニーで撮る予定だったそうですが、このときチャニーはMGMと契約していたため、パウル・レニがコンラッドをヨーロッパから呼び寄せたそうです。驚異的なチャニーのメイクで見たかったような気もしますが、ハンサムなコンラッドも哀愁漂う雰囲気がなかなかのものでした。 盲目の少女との絡みがチャーリーの「街の灯」みたいだなぁと思ったんですが、「街の灯」はこれより3年後に作られたんですね。フリークスといえばブラウニングの「フリークス」が有名ですが、こっちはちょっとゲテモノ趣味を強く押し出しすぎた犯罪物でした。 |