4日目〜6日目?

オーロラ観賞の延長のせいで、出発時間まで眠る時間がなく、結構へろへろのまま朝4時ころに起床。着替えをして風呂に入り、荷物をまとめてポーターさんが来るのを持っていたけれども、時間が来ても誰も来ない。
「廊下に出しとけって、最初の日に言ってなかった?」
「部屋の中に置いとけって、書いてあるよ」
とわたしとふみふみの意見も割れてしまい、待つことしばし。
廊下を覗いてみたら、ずらーっと並んだ荷物の列。
「やっぱり外だったんだ〜」とあわてて荷物を出してロビーに集合。早朝なのに、日本人でいっぱいです。チェックアウトを済ませて、車に乗って空港へ。空港に着いたところから、波乱含みの旅が始まります。

はっきり言って、ここからの道中が凄すぎて、オーロラ観賞よりも帰りの道中のほうが印象が強いくらいだったりします。

搭乗券の手続きまでは順調だったわたしたちですが、荷物検査でふみふみが異様に長くかかっている。たまに抜き打ちで乗客のうち何人かがピックアップして調べられることがあるので、それか?と思って見ていたのですが、それにしても様子がおかしいしあまりにも時間がかかる。搭乗開始のアナウンスも流れ始めたので、あわててふみふみの元へ戻ります。
「どしたの?」
ふみふみは何ともいえない顔で振り向き、
「.....爆発物の疑いがあるって言われちゃった」

.........は?

「フィルム?それともカメラじゃない?」
「いやぁ、よくわかんないんだけどさ。なんか細かい検査数値まで見せられたんだけど。」
あわてて、現地係員に連絡して通訳してもらいます。わたしの英語力では、細かい意思疎通は無理なんだもん!
職業や爆発物関係の仕事をしていないか細かく質問されるので、係員とわたしの二人掛かりで『彼女は信頼ある職業の信頼ある人物で、そんな爆発物なんて!』という説明を繰り返すばかり。カナダには『県』という概念がないので、prefectureという単語を出したら余計混乱させてしまうし.....。最終的はOKだったのですが、いったい何が引っかかったのかは最後まで謎でした。なぜか疑惑の対象を教えてくれなかったところを見ると、カメラを怪しいと踏んだのだけれどあきらかにカメラだったので、引っ込みつかなくなったんじゃないかとわたしは思っています。

ま、そういうわけでどきどきしたけれども、何とか無事に搭乗。
早朝のフライトだからでしょうか、翼の雪かきなんかしていました。うーん、北国ならでは。
エドモントンまでの飛行機も特に揺れなかったし、快適な空の旅で爆睡しました。

エドモントンで次の飛行機を確認したら、Delayの文字。どうやら遅れているらしい。わたしとふみふみの頭に、アフリカからの飛行機が遅れたためにシンガポールで、目の前で乗り継ぎの飛行機に逃げられたときのことが頭に浮かびます。そこで、ふみふみはJTBに連絡し、わたしは搭乗券に交換する手続きをすることに。列にぼーっと並んでいたら、すぐ近くに心細そうに座っているやはり日本人女性がいました。彼女は本当に不安だったらしく、わたしと目が合ったので話しかけてきました。どうやら、彼女の乗る飛行機の搭乗時間が過ぎているのにまだ乗れないということらしい。
「わたしたちの飛行機も遅れているんですよ〜」
「あ、そうなの?同じ飛行機?」
「いや、違います。2つ後の便ですねぇ」

搭乗券の交換が終わり、どうやら10分くらいの遅れのようなので、次のバンクーバーでの乗り継ぎも大丈夫だろうと連絡がついてから、やはり不安そうな女性に声をかけてみました。よくよくチケットを見ると、もう1時間も過ぎている。ずいぶん遅れているなぁ。ゲートを確認したほうがいいと思って掲示板に行ったら、彼女の乗る便の名前は載っていない。.....なんか、いやな予感。
「聞いてみたほうがいいですよ。飛行機の便の名前が掲示板にないです」
「え!?」
というわけで、飛行機会社の職員に「彼女が、不安がっている。この飛行機の搭乗はまだ?」と話かけてみました。そしたら

「Gone!(行っちゃったよ)」

「え。」
「何?何?」
「あ、いや、Gone.....っていうか、行っちゃったって言ってます」
「えええ!?」

そうです。日本人女性2人組だったのですけれども、なんと乗り遅れたというか、乗り損ねたらしい。しかも、Rebook(取り直し)しなくていけないらしく、右往左往していました。
でも、その人たちの助けをしている場合ではなく、わたしたちの飛行機もどんどん遅れていく。最終的には1時間以上の遅れです。これでは、バンクーバーの乗り継ぎは完全アウト。

あわててJTBに再確認。現地係員がやってきたのはずいぶん遅くなってからで、それまでは、同じツアーだと思われる日本人どうし、自主的に集まって情報収集するという事態にまでなりました。最終的にエドモントンの時点で分かっているのは、バンクーバーでの乗り継ぎは完全アウト、今夜はバンクーバーで足止めらしいこと。荷物は、一緒の飛行機に乗っているだろうから、引き取るということだけだったのです。そして、バンクーバーから直行便ではなく、経由で帰ることになるだろうという話。
思わず遠い目になってしまいました。

帰りのJRはどうなるんだろう〜、正月前に日本に帰ることができるのか?それすらもわかりません。
とにかくバンクーバーまでの飛行機がやってきたので乗り込みましたが、それまでは一緒だった乗り遅れ組の女性2人は本当に泣きそうでした。彼女たちは、どうやらずっとキャンセル待ちの状態になっていたらしく、無事エドモントンを脱出できたのかどうか不明です。ツアーでもなかったので、個人で何もかもしなくてはならず、最終的にはJTBがお手伝いしていたようですが、日本に帰ることができたのかなぁ。何よりも、カードを持ってきていないという信じられない状態で、現金だけではできることも限られていますから、大変だったと思います。
というわけで、後ろ髪を引かれながらもエドモントン脱出!

バンクーバーに着いてからがまた大波乱。今度は荷物が出てこない。わたしの荷物ともう1つだけは出てきたのですが、後の荷物はなんと違う便で成田に飛んでしまったらしい。散々待たされた後でのこの説明に、みんなため息。とにかく荷物はあきらめるにしても(手荷物はありますからね)、一晩ゆっくり休みたいよ。ところが、夜半過ぎの出発で、しかも香港経由ですって?通常は8時間程度で済むフライトが20時間近いものに。もう、笑うしかないぞ〜。日本直行便のJALはビジネスしかなくて、しかも40万円くらいかかるなんて聞いたら、従うしかないじゃあないですか。

というわけで、みんなしぶしぶですが「ま、海外旅行だからね」という感じでおとなしく納得していたのですが、例のホテルで隣部屋だった家族連れは違ったようです。説明が終ったあと、なんだか係員と話しこんでいるなぁと思ったら、おだやかにだけれども強行に「母親と子どもだけでもビジネスにしろ」とかなんとか言っていたらしい。
うーーーーーん。それは、違うんじゃない?確かに小さなお子さんだけど小学生だし、病気もしていないようだし、元気なんだし。特別扱いは変だし(他にも小学生のお子さんいましたからね)、なんたって、「海外旅行はいろんなトラブルがつきもの」だという認識で連れてこいよ。とわたしは、思う。トラブルがあって責任の所在がはっきりしているなら、要求すべきは要求したほうがいいと思うけど、「ビジネスクラスにしろ」とか「母親と子どもは特別」って、それは要求できる範囲を超えてると思うけどなぁ。そんなに特別にしなければならないのなら、トラブルに耐えられるようなるまで、子どもを海外に連れてくんなよ〜。それが親の責任ってもんだろ〜と思うんだけどな〜。
でもま、どういう決着だったのかはわかりませんが、JALでビジネスで帰ることにしたようです。.....6人で。か、金持ち〜!自腹だったのか、エアカナダもちだったのかは分からないけど、自腹だったら200万円以上?!帰りの便だけに?すげぇ。

ま、そういういざこざはあったものの、他の人たちは穏やかに指示に従い、ホテルで体を休めたり食事をしたりして過ごし、夜半に空港へ。
搭乗手続きが結構スムーズだったので、わたしは印鑑を押してもらいに、税関に行ってみることにしました。
カナダでは、おみやげの分の税金は申告すれば戻ってくるんです。手続きは結構めんどくさいしカナダドルで帰ってくるらしいけど、一応やってみたかった。それには、レシートに税関の印鑑が必要なんです。
というわけで税関へ。
レシートを出したところまでは良かったが、品物を見せろという。本当におみやげかどうか検査するんですね。
「え、みんなスーツケースの中です」
お土産の中に1つ自分用に買ったアクセサリーがあったのですが、
「こんな高価なものをスーツケースに!?なぜ?」
「え、いや.....なんとなく(^^;」
「No reason?!(なんとなく!?) I can not understand!!(さっぱり理解できんね!!)」
と、はああ〜と盛大なため息と大げさなアクション付きでバンバンバン!と押してくれました。

だって。あんまり荷物持ち歩きたくないんだもん。いーじゃん、自分の責任なんだからさあ。
(でも、あんまりよろしくないのは本当。みなさんはしないでね♪)

バンクーバーからは香港経由なので中国系の外国人がいっぱい。同じ顔でも話す言葉は、中国語だったり英語だったり。小さな子どももたくさんいます。
少しは体を休めたものの、バンクーバーで2時間ほどしか寝ていない状況で、昨晩も寝ていないし、体力限界。席についたとたんにあたりの状況も構わず爆睡。何回か食事も来たのですが、1回だけカップラーメン(スープだっていうから頼んだらラーメンだった)を食べたきりで、ひたすら体を休めていました。それでも、うとうとしているだけなので、寝ているとは言いがたい。

香港についたときには、結構ぐったりしていました。でもせっかくの香港!ただ通るだけでも、ちょっと感じてみたい。というわけでおみやげを覗いてみたのですが、香港ドルなんでいまいち価格がわからない。くそ〜、まさか香港経由になるとはおもっていなかったから、何もリサーチしていないぞ。
どうやら、1円=0.06円くらいらしいとわかってから、品物の値段をみたら、げ、すごく安い!なるほど、香港に買い物ツアーってあるもんね。というわけで、あやしいふかひれスープとかツバメの巣のスープとか購入。

そうしているうちにようやく搭乗。これで日本に帰れる。ANAなので乗務員も全員日本人だし。あぁ楽だ。何事もなく日本に到着し、入国審査もスムーズに済みました。
ところが、ここで最後のオチが。
「荷物が、届いてない〜!?」
そうでーす、ロストバゲージ。しかも大量の。なにやってんだ〜、エアカナダ!という感じでしたが、ここまでけちがつくとみんな達観してしまって、笑うしかない。
荷物が見つかったあとの手続きをすませて、JRの切符を取り直し。
ようやく、実家に帰ることができたわたしたち。

あぁ、今回は平穏無事なまったりな旅だったはずなのに。
なんでこんなにハードなんだ?

なんとなく今回の旅でさとったこと。
「期待していないオプションツアーほど大当たり」
「どんなにセーブしてもなぜかハードになるわたしたち」