2002.11.9

今日はいよいよリバサイドを離れる日です。そして、ここから1週間は本当に一人になります。大丈夫かなぁ。
クリスチンが送ってくれるかと思っていたのですが、まったく新しい人が迎えにきました。うーん、親切なんだか、それともそのほうがよいというクリスチンの戦略なのかは今ひとつわからないところです。でもま、また新しい人と話ができたのでよしとしましょう。
手続きも簡単に済み、飛行機が揺れたのは相変わらず怖かったけど、無事ヒューストンに到着。そうそう!時差があるので、乗り換えとヒューストンで時間を確かめなくてはならず、苦労しました。さて、シャトル・バスに乗り遅れそうになったけど、なんとか無事にホテルにも到着し、一安心です。ですが、なんだかダウンタウンから遠いんですけど。キチネットがついているのはすんごくありがたいのですが、いかんせん店もない。シャトルバスが出ているのでそれを利用するしかないようですねぇ。明日フロントに聞いてみないといけません。早めにダウンタウンをチェックしておかないといけないし、バス路線も知りたい。テキサスは公共交通機関がないと本当に不便です。でも、まぁ最後なので、頑張ってみたいとは思いますが。

さて、ここまで研修してみて思ったことなのですが。

アメリカは思ったよりもおもしろい国で、人柄も魅力的な人が多いという感じがします。これは意外な喜びでした。また、国立自然公園が大変美しいこともわかり、魅力的な国だということに確信を持てるようになったのは、大変良かったと思います。社会制度も、メリット・デメリットは当然あるのでどちらがいいというわけではないですが、おもしろいし、何より市民のボランティア精神には本当に頭が下がります。

でも最後にわたしが感じたのは、日本は美しいな、ということでした。どこでも日本の文化は愛されていて、驚くほどよく日本の小物を見かけました。それらはわたしの心を大変なぐさめるものでした。アメリカの壮大な自然やひとなつこい性格など、愛すべき部分を見れば見るほど、日本の静かな自然や和の雰囲気が好ましく思えました。日本人である自分が、日本を好ましく思えたということが、一番大きな収穫だったかもしれません。

 

2002.11.10

今日はとにかく、ダウンタウンに行くぞ!と決めて、お昼から出かけてみました。ホテルのフロントに聞いたらバスを使えばいいというので、ホテルの前のバス停で待ちます。ところがいつまでたってもこない。地図で見るとそんなでもないかな〜、最悪歩かないといけないし、歩いてみようかな〜、天気もいいし。というわけで歩いてみたのですが、これが!
遠い遠い。テキサスをなめてはいけなかった。途中で何度もバスに追い越されるし。11月とはいえ暑いヒューストンの気候にへろへろになり、途中のバス停からバスに乗りました。すると、今まで歩いた距離と同じ距離を5分.....。50分も歩いたのにぃ。
というわけで、研修1日目は必ずバスにしようと決心。バス停の感覚がいまいちわからなくて、随分前に降りてしまいましたが、なんとか地図をみながら中心部に到着。まず、メトロバスの案内所に行ってみたのですが、平日以外はお休み。仕方がないので、マックで休憩。油っこいものを食べる気になれず、アイスとジュースという変な組み合わせでした。
せっかくキチネットがあるのに、ぜんぜん活かされた食事をしていないぞ。そして今度は観光案内所へ。ここで、目的のバスの地図とスケジュールはあらかたチェックできたので、満足して観光することにしました。

ところが。

地球の歩き方はうそつきです。というか、ダウンタウンは見るものがはっきりいってナイ。ヒューストンはきっと、NASAで食ってる街だな。というか、少なくとも観光の街ではありません。今日何年か前の記録誌を見て初めて知ったのですが、ここは都市計画していない街だそうで、無差別にビルや再開発が行われていて、雑然としているのです。また、計画がないためだと思うのですが、やたらと無差別に広がっています。これだけ無差別な都市にきちんと公共交通機関が生きているというのが不思議なくらいです。なんとなく、人口や規模の割にはアンバランスな街だなという印象です。
歴史的な建物があるというからサム・ヒューストン公園に行こうと思ったのに、たどりつけないし街の人は誰も知らないし。歴史的な建物を保存している地区というのも、さっぱりわかりませんでした。これでは観光客にはつまらない街でしょう。わたしが来たのが日曜ということもあって、ひどく寂しい街で、これで本当に200万人の都市なのか?と疑問に思うほどでした。展望台も今日は休みだったので、仕方がなく戻ることにしたのですが、今度はバス停があるはずの道が工事していてまたさらに歩く歩く!ろくに食べずによく歩きました。なんとかバスに乗って無事帰還。お買い物バス(ホテルのバスで、無料で連れていってくれるのです)にも乗り損ねるし、昨日の残りを食べて夕飯です。明日はお買い物するぞ!

 

2002.11.11

今日は念入りに日程を組んでみました。昨日の二の舞はせんぞ。

というわけで、ホテルの無料バスを有効につかい、まずはモールでショッピング。3時間のうちに昼食を食べ、自分の冬用のセーターを二枚購入。特に安いからほしいのではなく、わたしの好きな綿のセーターがアメリカには多いので、今のうちに購入しておきたい。それにしても、ブランド店も何ヶ所かあったのですが、見てもあまりそそられませんねぇ。わたしはやはりブランドを買いあさる趣味はないのだなぁと思います。それなりに楽しかったけど、これからの荷物をどうしても考えてしまって、買いたいお土産が買えないのがすごくフラストレーション。
帰ってきてから、スペースセンター行きのツアーを申し込みます。はっきり言って、これだけが楽しみなんだから必ず行かなくちゃ。ですが、ホテルのツアーデスクもフロントも「自分で手配してくれ」ということだったので、どきどきしながら電話で予約。わたしの発音はどうしても伝わりにくいので、土曜日か木曜日かでもめたけど、なんとか予約。よっしゃ〜、これでOK!

それからまた無料バスにてお買い物。リストも考えたので、無駄ができるだけ出ないように食材を買います。18ドルくらいだから、朝も食べることを考えるとお得だし、何よりも自分の好きなときに何も気にせず調理できるというのは、本当にいいです。ワシントンにいたころEveがよく作ってくれたインゲンのお料理がお気に入りだったのでそれを作ったり、鮭を焼いたり。でも途中でバターが激しく焦げて警報機がなるというアクシデントがあり大変焦りましたが、どうやら消防には通報されなかったようなので、一安心。
洗濯も済んだし、お料理もまぁまぁだったし、満足満足。今日は天気がいいにも関わらず屋内にばかりいた一日でしたが、それなりに充実していて満足でした。明日からいよいよ研修開始です。

 

2002.11.12

さて、今日から研修開始です。なのに、寝不足だったりして。原因はとにかくうるさい機械音。朝の5時に起きること2回、さすがに耐えかねて部屋を変えたいと申し出ることにしました。午後3時以降に変えられるというので、一安心。訪問まで時間があったので、まず自然科学博物館へ行ってみました。ヒューストンに来てすぐに苦労したかいあって、何の苦労もなく到着。小学生がたくさんいてぎょっとしたけど、小さな博物館はゆっくり見るのにちょうどいい大きさで(スミソニアンがいかにでかかったかを実感)プラネタリウムという名の変なタイタニックの画像(星が出てこないんだもん)や、バタフライ館など楽しむことができて、なかなか有意義でした。さて、お昼を博物館内のマックで食べようとしたのだけれど、何か注文をドジってしまったようで、チーズバーガーが2個くるわ、コーヒーはまずいわで、辟易。でも安いから文句は言わない。

訪問先にも無事着いて、いよいよ研修開始です。

早い!いや、たぶんゆっくりでも多分理解の度合いは一緒だったと思いますが。あぁ〜、パワーポイントは、英語がわかる人にはいいかもしれないけど、わたしにはかなり苦痛でしかない。本当にわからない部分だけ質問しましたけど。

終わりがけに、いきなり社員向けの情報誌にわたしが訪問したことを掲載させてくれと言われ、ぎょっとしました。録音したいという申し出はあわててお断り。あとで聞いたって下手な英語にわからなくなるだけだよ!しどろもどろになりながらインタビューを受け、これで記事になるんかい?という感じでしたが、そばで今日のコンタクト・パーソンがフォロー。あうあう。笑顔だけにしといてね、という感じでした。貴重な体験でしたが。

さて、ホテルに帰って部屋を変えてもらいます。これは結構スムーズだったのですが、部屋にキチネットがついているのに、料理をしてはいけない、と言われた。確かにコンロが使えない。なんでよ!?困った〜また部屋を帰るのはいやだし、ここ静かなのはすごく気に入っているのだけど。問題は生の魚とインスタントラーメンなのですが......。

料理しましたよ、えぇ!

まず、ほうれん草はレンジにかけてバターとガーリックソルトを絡めたらおいしくいただけました。よし、これでこれからも食える。

お魚はサイコロに切って無防備にレンジにかけたらかさかさにひからびてしまい失敗。明日は煮てみようと思います。自分でもほれぼれしたのが、インスタントラーメン!まず半分に割って、器に入るくらいにしてから、コーヒーサイフォンでお湯を沸かします。深めの器に麺とお湯を入れてレンジにかけるのです。途中ほぐしながらしたら、とてもおいしくいただけました。へーんだ!いや〜、気分良かったです。どうもお魚も煮てから焼く(バターを絡める)ほうがうまくいきそうなので、明日は名誉挽回頑張ろうと思います。

それにしてもここは今度は寒いなぁ〜.....。

 

2002.11.13

今度は寒くて目が覚めましたが、うるさいよりはいらいらしないので我慢できそうです。さて〜今日はいよいよラスト!です。長かったですね〜、ここまで。
という感慨にひたってから、午前中は迷った末に美術館に行くことにしました。美術館まではバスを使ってすんなり到着。入り口に「FINE ART」と書いてあるのでてっきり現代美術館かと思って引き返したり、受付でアダルト1枚って言ったのに何度も聞き返されたりといろいろありましたが、入ってからはゆっくり見ることができました。特別展示でフィリップス美術館(ワシントンで見れなかった美術館ですね)が来ていたのですが、高いお金を出して見たいと思う代物でもなかったので、常設展示だけ楽しんで帰ってきました。西館・東館と彫刻庭園を散歩してちょうど1時間半くらいだったので、ちょうどよい大きさの美術館だったです。
さて、ホテルで1時にタクシーを頼んでいたのですが、さっぱりこない。いやな予感がしてフロントに確認したら、15分くらい待ってくれという。仕方がないのでもんもんと待っていたわたしの目の前に、いやにすかしていて、なのに丁寧という男性があらわれました。どうやら、タクシーの運転手らしいのですが.....。車にメーターはないし、妙に立派な車だし、すかしてるけど紳士だし、ということで、はっきり言って頭の中は大混乱。「こいつ誰!?」を頭の中で連発しながら目的地へ。ホテルが呼んだのだから間違いはないだろうと思ったのですが、きちんとしたタクシーの運転手でした。結果的に安かったことも後からわかったのですが。いやに親切でこわかったです。

研修はハードでした.....でもこれで最後だと思えば我慢できるかも。

さて、帰りのタクシーですが。イエローキャブだったので料金は安心だったのですが、何しろラッシュアワーに入ってしまったので結果的に高上がりになりました。これだったら、怪しいおじさん呼べば良かったかなぁと思いましたが、まぁこれもいい経験でしょう!

 

2002.11.14

今日はいよいよNASAです。ですが、わたしには一抹の不安。ツアーを申し込むときに間違ったラストネームを言ったこと(苗字なんですよね)と、部屋を移ったこと。申し込む時に部屋番号を言ったからです。さて、悪い不安は的中です。時間が過ぎても来ない。それらしき人は何人か見かけたのですが、みんな出て行ってしまう。15分を過ぎたあたりで耐えかねて電話してみました。すると、やはり部屋番号が違っていてみつけてもらえなかったらしい。「Too Late!」と言われてパニック!とにかく5分後にまた電話してくれと言われてあわてて部屋にもどってフォンカードを持ってきます。
部屋から電話がうまく出来なかったのであわててフロントに戻ってまた電話。10分後に行くから待て、という。もんもんと待っていたら、あ!ツアーのバスだ!やっと乗ることができました。今日は平日ということもあって乗客も少なく、途中道が少し混んだけれども快適で、やっと安心。

さて、予定よりは遅くなりましたが無事NASAに到着。帰りの時刻まで自由だというので、早速ガイドブックのとおりトラムツアーに出発。これが一番のハイライトで、実際のNASAの施設を見ることができます。最新の管制部屋は見ることができませんでしたが(そりゃそうだよね)、なかなか楽しめました。でも、宇宙飛行士はいなかったなぁ。残念。アメリカに来るまではこういうアトラクションものはあまり好きではなかったし、つまらないと思うことも多かったのですが、アメリカでは丁寧に説明してくれて、つまらなく見える展示やツアーにも意味があるのだと教えてくれるので、だいぶ好きになりました。今日のNASAも想像したよりはちゃちなのですが、楽しめたのはそういうところだと思います。

さて、次は有無を言わさずシアターへ。アトラクションの時間が決まっているので、かなり忙しい。ここでNASAの映画を見て、次のアトラクションへ。今度は宇宙船の生活の解説を見て、次は間髪入れずに展示場へ。
ここで初めて日本人に会いました。いるんだぁ、こんなところに。でも、その人たちは英語がさっぱりだったみたいで、「わからないから先に行こう」とさっさと行ってしまいました。わかると結構おもしろいのになぁ。展示場では実際に使用された宇宙船なども展示してあるので、なかなかです。レプリカじゃないからねぇ。でも暗い。さて、ここでアトラクションも一段落なのですが、いい時間になってしまって昼食を食べ損ねてしまいました。まぁ、いいや、と思って、体験型のシミュレーションに挑戦(でも説明がわからなかったので四苦八苦)したり、スペースシャトルの着陸シミュレーションに行ったりしました。途中のスペースシャトル内の展示でまた日本人にあったのですが、「これだけだよ」とさっさと行ってしまっていました。なんだかなぁ、結構おもしろいと思うんだけどなぁ。やはり、わからないということはおもしろくないということになってしまうんでしょうね。いろいろなものに興味が持てるようになっただけでも、この3ヶ月は大きかったかもしれません。さて、歴代宇宙飛行士の写真を眺めたりしながら残りの時間をすごし、バスに戻ります。おみやげも買ったし。帰りは何事もなく無事に到着。明日の飛行場までのシャトルを申し込もうとしたら、自動的に来るよ、との言葉。......ほんっとーか?!まぁ、乗り損ねたらタクシー呼んでもらおう。最後の洗濯をして今日は寝ます。