更新日:2006年6月10日
 気まぐれ写真館 
凹電3号(後編)
出来上がり
2006年の5月下旬から「ココログ」上で鉄道模型のキット組み立て風景を載せていましたが、予想以上のボリュームになりましたので、別ページにてアップすることにしました。気まぐれと言うことで笑ってやって下さい。写真の数の関係から前編・後編に分けて掲載します。
酸洗い
酸洗い
では、後半です。塗装が中心になります。
塗装の前に、真鍮は油やゴミで汚れていますので、サンポールやクレンザーできれいに洗います。10円玉をサンポールやしょうゆで洗うときれいになりますが、これと同じ要領です。意外に忘れがちなのが、サンポールやしょうゆ、クレンザーは金属表面をごくわずか溶かしたり削ったりしてきれいに見せているので、歯ブラシで磨いたあとは水で洗い流します。やり過ぎかと思うくらいがちょうどよいようです。
プライマー吹き
プライマー吹き
いきなり電車の色を塗ってもきれいに色は乗りません。まずはエッチングプライマーを吹き付けて塗料が乗りやすいようにします。今回はスプレーワークを使って吹き付けますが、エッチングプライマーを2倍程度に薄めて吹き付けます。エッチングプライマーは金属の表面をごくわずか荒らして塗料の食い付きをよくします。ですので、放っておくと金属が腐食していきますので、乾いたら下塗りをすぐに行います。
下塗り
下塗り
今回は車体を緑色、屋根を灰色、窓をニス色に塗ることにしますが、いきなり色を塗ってもきれいに色は出ません。エッチングプライマーが乾いたらすぐに明るい灰色に塗ります。この上に色を塗るときれいに発色します。白い画用紙の上に絵の具で塗るのと色つきの画用紙の上に絵の具で塗るのとでは色の見え方に違いが出たという経験があると思います。それと同じで、灰色に塗ることによって本来塗る予定の色がちゃんと出るようにするという役目があります。後は、下地を整えるという意味もあります。今回は阪神電車のシルキーグレー(5500系の下半分の色)を使用しました。
余談ながら、よく見ると「3」と番号が貼ってありますが、塗装前にステンレス製の切り抜き文字を貼って、塗装後にヤスリで磨き出しをします。
本塗装
本塗装
ここでようやく本塗装:本来の色を塗ります。車体は緑:南海サザンの濃い緑、床下・屋根は灰色:つや消しのねずみ色1号、窓枠はニス色にします。これらはマッハ模型の金属用ラッカーを使用しました。車体はつやありなのですが、屋根や床下はつや消しにしてメリハリを付けます。
マスキング
マスキング
塗装の前にバラバラにしたのは実はパーツごとに色が違うためにという理由もありました。しかし、運転台部分だけは先にハンダ付けしたので屋根と車体を塗り分ける必要があります。この部分を塗装後に・・・というわけにも行きませんので、塗り分けることにします。マスキングテープを車体部分に巻いて、灰色に塗らないようにします。ちょうど水着の跡と日焼けの関係と同じです。
グレーに塗装
グレーに塗装
こんな面倒なことをしなくても・・・と思われがちですが、案外エアブラシの霧は飛ぶものでして、グレーに塗りましたが、必要のない部分もグレーになっていると思います。ここまで飛ばしていなくても飛ぶのです。
テープはがし
テープはがし
乾いたらマスキングテープをはがします。ちゃんと塗り分けができているかドキドキする一瞬です。失敗したら、また塗料をはがして洗浄からやり直しです。Nゲージのキットで何度も失敗したことがあり、落ち込んでしまって立ち直るまでしばらく色塗りができなかったこともあります。
塗り分け
無事に塗り分け
テープをはがすと、無事に塗り分けられていました。このカラーリングを見て・・・。京阪電車の制服だとついつい思ってしまいました・・・。
塗装終了
塗装終了
これで塗装は終わりです。最後に組み立て作業を行うことにします。ここまで来ると早く出来上がりを見たくなりペースは上がります。でも、雑になってしまう危険性もありまして・・・。
磨き出し
磨き出し
次に、車番を磨き出します。紙ヤスリで車番の部分の塗装をはがします。手元が狂っていらない部分まではがしかけています・・・。まだまだ不器用なやつです。
仕上げ
仕上げ
で、窓枠、ヘッドライト、テールライトを仕上げます。窓枠は車体にはめ込むときに裏側にアニメのセルを貼ってガラスを表現します。薄くて透明度が高いので重宝します。接着はゴム系接着剤で行います。また、ヘッドライトやテールライトのレンズは木工用ボンドになります。乾くと透明になります。急に表情が出てきたのがうれしくなります。
あおり戸の取り付け
あおり戸の取り付け
あおり戸を台枠にねじ止めします。締めすぎるとねじ山がつぶれますので、ほどほどにします。
連結器と運転室の取り付け
連結器と運転室の取り付け
連結器と運転室を取り付けることにします。底からねじで止めることになります。連結器を止めるのには少々コツがいりました。
ビューゲルの取り付け
ビューゲルの取り付け
そして、ビューゲルを取り付けます。こちらは運転室の溝にはめ込めばOKです。いったん運転室を止めているねじをゆるめてビューゲルを取り付けたら再度締め直します。これで車体はほとんど完成です。
パワートラック
パワートラック
電車はモーターで走りますが、ここまでこのあたりの話は出てきませんでした。このキットは別売の「パワートラック」という車輪とモーターがセットになった動力装置を使用します。黒い箱の中に小型のモーターとギアが入っており、このまま線路に乗せても走り出します。編成ものでよく使われるMPギアに比べてパワーや静粛性はありませんが、貨車を1〜2両程度しか牽引しませんので、これで十分です。それよりもモーターを目立たないように組み込むにはパワートラックしかありませんので・・・。
ねじ止め
最後のねじ止め
最後に、パワートラックをねじ止めすれば完成です。この最後のねじ止めの瞬間がたまらないのです。
完成
完成
これで完成です。最後に記念撮影をしました。車番や最後のクリア吹きを省略したこと・・・ラッカー系のつやで大丈夫かと思ったのですが、やはりモデラーさんと話す機会があり話していたら薄くでも必要とのことです。・・・など反省材料はありますが、また機会があれば他の車両を組み立ててみたいと思います。いや、どこかの地方私鉄の車両を作りたいというのはあるのですが、お金がありませんので・・・。

最近、Nゲージのキットですら売れないと聞いています。(最大のキットメーカーさんが塗装済みばかり出しているので応用が利かないという話もありますが・・・。)自分で組み立てたら結構愛着が湧いて来ると思います。開き直りかもしれませんが、初めて16番を組んだので下手くそですが、また次を組んだら腕が上がれば・・・と思っています。製作に約1週間くらいかかりましたが、これくらいのキットならば簡単にできあがると思います。
ココログの拡大版として掲載しましたが、こんな酔狂なことをしているということで笑ってやって下さい。

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