記
弊社は、長い間特殊撮影の分野で活躍して参りましたが、この度、特撮用に開発しておりましたカメラクレーンを改造し、文字や絵が流れるように緩やかにつづられてゆくという巻物本来の美しさをそのまま撮影することができるコンパクトなカメラクレーンを製作いたしました。
従来、この種の撮影では、カメラマンの手押しによるクレーン又は移動車が使用されてきました。しかし、現実には人カによるためスピードに再現性や一貫性がなく1枚の和紙に緩やかに連なっている文字や絵の美しさ『巻物の美術的価値』まで撮影することは不可能でした。
今回開発しましたこのモーションコントロールカメラクレーンは、従来人力に頼っていた動きをすぺてコンピュータが管理しますので、スピードの再現性や一貫性あるいは、極めて細かい微調整もなんなくこなします。照明もクレーンと一緒に移動しますので、すぺての部分に当てる必要はありません。
このモーションコントロールカメラクレーンは、そちらにある程度のスペースがあれぱ基本的には出張して撮影することができますので、美術品である巻物を外部に持ち出すことが難しい場合でも大丈夫です。
レールの長さは最長15mですが、それ以上巻物が長くてもスピードに一貫性があるので途中継いで編集しても、つなぎが分かりません。もちろん横移動しながらのフォーカス送り、ズーミングも可能です。つまり何度もいろいろなスピードをテストして最良のデータをコンピュータに再現させれぱリハーサルと完全に同一のものがつくれます。
これからは、美術品もデータベース化し、鑑賞もそれ自体だけでなく、いろいろなメディアに置き換えられて、見られたり、研究されたりすることが、考えられています。そのためにもVTRにしておくことは大切です。必要に応じそれらをデジタル化しておげぱ永久保存出来ます。もちろん単なる素材撮りだけでなく、それらにタイトルや音楽・ナレーションを入れ作品化することも企画・製作致します。
巻物の長さすべて展示できない場合、きちんとした形にして保存しておきたい場合、将来のデータベース化をお考えの場合、いずれにしても、今モーションコントロールカメラにて撮影しておくことは大変意義深いものと思います。是非一度、御検討下さい。
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