97秋・碓氷峠

 過剰な反応はするまいと思っていたのですが、
やっぱり一度は行かなくてはいけないような気に
だんだんなってきまして、行って来ました。碓氷峠。
 しかし、ただ往復するだけでは「いかにも」で癪です。そこで。
2階席で小淵沢へ

 朝9時まえに家を出て、立川駅へ。みどりの窓口で乗車券を買う。立川から、小淵沢、小諸、高崎経由で都区内まで。¥6300也。(*1)
 ホームへ降り「ホリデー快速 ビューやまなし」を待つ。215系(*2)。子供向け特撮ヒーローに、こんな顔したの、いなかったっけ ^^;。(*3)
 自由席は前3両と後ろ2両。3号車から乗車。

 やっぱり「お約束」でしょう、ということで、3号車から1号車まで2階を探検….結構乗っている ^^;。しょうがない、じゃあ、と、今度は1階を3号車まで戻る。やっぱり乗っている。(*4)
 えっと、入りこみ易そうだったのは、あそことあそこと…。で、1号車2階(*5)の女性2人のところへおじゃまする。残ったひとつの席にも、八王子から乗ってきたおばさん団体のひとりが入った。

 窓の外を眺めても、特にふだんと違う感じはしない。ただ、すれ違う電車の屋根の上が丸見えだったり、単線トンネルに入るとアーチ壁が妙に近かったりして、ああそうか、と思う。
 215系の座席は、座り心地は悪くないが、シートピッチが広くないし、背もたれが直立していてあまりくつろげる席ではない。まあ、本来の使い方がああいうものだから、仕方ないか。

 女性2人は建設会社のOLらしい。勝沼でブドウ狩りをして一泊するようだ。おばさん団体の方は塩山で降りた。

 このあたりまで来ると、すれ違うのは「あずさ」「スーパーあずさ」の他は115系の3連ばかり。なのに10連が入れる設備がちゃんとあるんだなあ、と妙なことに感心したりする。
 また、115系の方向幕の「八王子」などという地名に妙になつかしい感じがしたりもする ^^;;。気持ちはすっかり日常から離脱してしまっているようだ。

(*1)「スーパーホリデーパス」\4080、という手があったのだった。
(*2)2階建て電車。本来の使い方は湘南電車(東海道線)の混雑緩和。
(*3)それともたがみよしひさ氏の描くキャラだったか。
(*4)【教訓】この次は始発(東京)から乗ろう。せめて新宿から。
(*5)1号車は2階だけしかないから、2階というのは日本語がおかしいかも。
 いや、そもそも「2階だけ」ってのがおかしいな。高床式だ。(^^)b


小海線

 実はこちら方面、いつも車で来ている。電車で来たのは初めてである。
 朝は曇っていたが、先ほどから晴れている。

 山口よしのぶ氏(*1)お薦めの駅弁「元気甲斐」を買い、小海線ホームへ。キハ110(*2)の2両編成がすでに入っている。八ヶ岳が見たい。左側に座る。
 とはいえ、やはりそんなにすいてはいないわけで、…あ、しまった。左側のロングシート(*3)に座ってしまった。(爆)
 私の隣には、私と同じくらいの歳の女性と、その母上と思しき女性(*4)。野辺山までの切符を持ち、「野辺山・清里」の観光情報誌など広げているから、「今日は天気がいいから、ここ(*5)なんかいいですよ」などといらぬお節介を焼いたりする。

 発車するとすぐ右に大きくカーブする。かなりの急カーブである。右の車窓の風景がみるみる左へずれて行き、反対の車窓から見えるようになる

 さて、今乗っているのは野辺山行きである。少し考えて、清里で下車。散歩して時間をつぶす。清里駅から国道141号へ降りる道、せめて両側に歩道をつけるといいと思うぞ。

↑キハ110型気動車(清里駅にて)

 駅へ戻ると、間もなく小諸行きがやってきた。やっぱり同じくらい混んでいる。きっと野辺山過ぎればすくだろうから、とりあえず右側のロングシートに座っておこう。(*6)

 なんとしたことだ。野辺山でもほとんどすかない。あきらめてロングシートに座ったまま、「元気甲斐」を取り出す。
 野辺山から乗り込んできて空席を探して歩き回り、やはりあきらめて私の隣に座ったのは…あら、さっきの2人じゃありませんか。野辺山の駅前で食事をしていたとのこと。この2人は中込まで行くのであった。
 結局、最後まで同じような混み具合(空席パラパラ〜立ち客パラパラ)であった。

(*1)「名物!たびてつ友の会」という「鉄」マンガを描いている漫画家。
 単行本は白泉社「ジェットコミックス」で1〜5巻発売中。
(*2)民営化後のJR東日本が作ったディーゼルカー。
 小型で軽い車体に強力なエンジンを積み、ローカル線のスピードアップに貢献。
(*3)「97・帰省」にも書いたけど、窓に背を向けて座るのが「ロングシート」。
(*4)残念ながら薬指に指輪が。^^;
 しかし、私好みの美人というわけでもなかったから許す。^^;;;;
(*5)「ここ」とはどこのことか。15文字前後で答えよ。
(*6)しかし、天気はよいものの、雲がかかっていて八ヶ岳はちっとも見えなかった。


いよいよ碓氷峠

 小諸から軽井沢行き各駅停車に乗る。ロングシートの115系3連。
 白い車体、窓まわりは薄い青、その下辺に薄い緑の帯。高原の風のような色。だけど、なんかボケたような色でもある。

 軽井沢に着くと、すでに発車していなければならない「さよなら碓氷峠号」が隣のホームにいた。青い12系客車の先頭に茶色い機関車が3両。
 「さよなら碓氷峠号」が出たあと、私が乗ってきた115系が引き上げ線に。そのあと長野方から「あさま24号」。
 私は次の「マリンシティーあさま」に乗るつもりで、これは写真を撮ることにしていた。
 連結作業の詳細より全体の流れが目的だったので「あさま」前頭から10mほど下がった位置に陣取る。驚いたことに、ここはがらがらである。

「あさま」はプッシュゥッ、と音を立てて止まり、続いてしゅうぅっ、とエアサスの空気を抜く(*1)。そうすると車体全体が3cmぐらい沈むんだねえ。「へえ、本当に沈むんだぁ」ってのと「これだけしか沈まないのかぁ」ってのと両方思ったけど(^^)。
 そして、機関車が近づいてきて連結し、ドアを閉めてガタガタと発車して行く。....という一部始終を撮ったつもりだったのだけど、うーむ、驚いたことに、連結位置付近に人が密集しすぎてその辺の様子が撮れているんだかどうだか。(*2)
 もうひとつ驚いたことに、反対側のホームはがらがらである。となれば、ここはひとつ「マリンシティーあさま」も見送って、あっちから写真を撮るべきであろう。
 てなわけで移動する。と、先ほど引き上げて行った115系が下りホームに戻ってきた。時刻表を出して調べると、あらら、これの方が発車が後だ。写真は撮れないや。
 もう一本あとまで待つか?いや、そろそろ暗くなり始めている。あきらめて帰るしかなかろう。

EF63型。
碓氷峠の助っ人専門。

まず、この機関車が出て行く。

「あさま」入線。さっきの機関車が迎えに来る。
(見物人集合)

連結し、発車して行く。
(見物人解散)

 元のホームに戻り、入ってきた「マリンシティーあさま」に乗り込む。右側窓際の席を確保。やがて発車。なるほど、おもしろい乗り心地である(*3)。
 それにしても、カメラマンの多いこと。線路際の、鉄道用地としか思えないところでカメラを構えるものも少なくない。困ったことである。また、ちらりと見えた道路には駐車車両の列が。困ったことである。

 横川を出ると189系(*3)本来の乗り心地に戻り、一路東京方面へ。新幹線と違って、通勤電車と同じ平面、人々の暮らしのある面上を走って行く。ガラスの向こうには日常生活の匂いのする風景が。
 新幹線は軽井沢と東京を近くするが、隣の町を遠くしてしまう。それは実際の時間的・費用的なことの他に、新幹線に乗った途端、現実の生活から離れた世界に気持ちを引き剥がしてしまうせいでもある....というのは考えすぎだろうか。(*4)

(*1)急勾配で連結器にかかる負担を小さくするため。
(*2)ご覧の通り。
(*3)特急用標準型「183系」に、碓氷峠用装備(連結器の強化など)を施したもの。つまり、平地では普通の特急電車である。
(*4)考えすぎだろうな。^^;;;;;;


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