長野行き新幹線開通・横軽間廃線 97.10.2.Upload
  FCHEMあたりから「最初の話題はソレかい(-_-)」というツッコミが入りそうだ…^^;

 笑止千万なネーミングですが、それはさておき。

 暴挙ですな。
 一部の地域では東京が近くなりましたが、横川〜軽井沢間の鉄道廃止や軽井沢〜篠ノ井間の第三セクター化(=運賃値上げ)で隣の町が遠くなった地域もあります。第三セクター化で運転本数が増えた例などもありますから、現時点で「隣の町が遠くなった」と決めつけるのは早計ではあるのですけど。

 恩恵を受けるのは誰なのでしょう。
 帰省の人?いいえ、「東京が近くなった」と言っても、たかだか1時間半の短縮でしかありません。もともと3時間かそこらの距離です。特急料金の値上がりと引き替えの時間短縮を望んだ人はそう多くはないのではないかと思います。もっとも、値上がりもたかだか1000円ぐらいですけどね。
 多分、時が金になる人の意向が働いたのでしょう。

* * * * * 

 マニア的な感傷はむしろ拒絶していた私ですが、9月20日、とうとう碓氷峠に行って来ました。さまざまなメディアで繰り返し取り上げられるのを見ているうちに、やっぱり行っておかなくては行けないような気になってきまして。^^;
 行ってよかったと思います。これはひとつの文化財だと感じました。
 他は100km/h程度の速度で走る電車が、ここだけは40km/h程度で走ります。上り坂は後押しのため、下り坂はブレーキの補助のために電気機関車をつけて。電車自体もここを走るものは連結器を強化した特別仕様車です。特急など空気バネ付きの車両は、連結器の負担を小さくするためにバネの空気を抜くことができるようにもしてあります。まるでパンクした自転車に乗っているような乗り心地です。
 かつては車輪ではなく歯車をかみ合わせて機関車を進ませたというのは有名ですよね。そうまでして、人はここに鉄道を走らせたのです。いうなれば、現代(近代)版の箱根八里です。決して大げさではなく!

 長野行き新幹線はオリンピックがらみの思惑で建設されたんですよね(*1)。遠来のお客さんに、この文化財を見せようとは考えなかったのでしょうか。…考えなかったのでしょうね。長野駅のあの美しい駅舎をあっさり潰してしまったぐらいですから。
 そういう問題とは別に、オリンピック期間中の輸送力確保のために残しておいてもよかったのではないかとも思います。ゆくゆくは廃止せざるを得ないとしても。営業的な事情などもあるのでしょうが、そもそも政治の力で建設が決まった新幹線。政治の力で在来線を半年延命することぐらいできたはずなのです。

 横軽間の廃線跡は一部が遊歩道として整備されるそうです。軽井沢を訪れることがあったら、ぜひ運動靴で歩いてみてください。

(*1)オリンピックそのものについてもいろいろかみつきたいことはあるのですが、それはまた別の機会にします。


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