Story02 City of Intrigue 都市 |
前回の冒険での経験値は1人700点。レベルアップにはまだ少し足りない。 そして、今回の冒険にゲストキャラクターが1人参加することとなった。 |
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クロム | というわけで、クロム・ハートと申します。パーティに入りやすくするため、アイザックの家の家令の息子という事にしてよいですか?あ、クラスはファイターです。 |
アイザック | おおお!HPが2ケタもある! |
アンラスタ | すばらしー! |
トッシュ | これで今日は前衛しなくて済むよ(TT)早くれべるあっぷしたいよ〜 |
マスター | 前回、「信用できて腕が立つ男は使いに出ていていない」ということでしたよね。それは彼だったという事で、その使いに出ている時の話をやりましょうか。 |
ここで話はすこし戻る。三人が鉱山村に行く前、まだエイブラム男爵が高熱で意識がなかったころのこと。城の家令の息子で強い兵隊のクロムは、父に言われて南の大きな町、インスパの公爵のところへ密書を届けに行った。性悪なコボルトに道をふさがれたので、大きな剣で切って通った。 |
クロム | 2d6+・・・両手武器はStr(+3)の1.5倍切り捨てで+4なので、13ダメージ・・・ですか? |
マスター | は。コボルド真っ二つになりました。 |
(全員) | うおおお!グレートソードつええ!(TT) |
マスター | では、クロムは無事にInnspaに到着しました。 |
クロム | ああよかった;ところで、私はなんの用でInnspaに行ったのでしょう? |
マスター | あなたの父(男爵家の家令)にInnspa公爵宛の密書を届けるよう命じられていたのです。 |
さて、そもそもこのあたりは西の国ニロンドと南の国アフリッサとの国境いだった。エイブラム男爵の城は西の国の領土に、インスパの大きな町は南の国の領土にあった。しかも西の国ニロンドの王は、近々南の国アフリッサを相手に戦をしかけるという噂だった。 といってもここらの領主たちは、西の王と南の皇帝に同時に仕えているというのもよくあることで、戦になれば「さてどっちにつこうか」と考えだすのだった。 だからエイブラム男爵の城にとって一番大事なのは、南の大きな町インスパの公爵とけんかをしないようにすることだった。 クロムはもちろん(他の者も)知らないが、密書の中身はこうだった。 「攻めて来るなら戦う用意はあるが、ここはひとつ仲良くしよう」 返事はこうだった。 「いいだろう、人質か金をよこせ」 クロムが返書を父に見せると、父である家令は「これは却って好都合」と呟いた。彼は前々からこの家の奥方ドロテが嫌いで、ドロテの息子スティーヴを人質に出して、嫡男アイザックを盛り立てようとしていた。 そうするうちに男爵の病も少しよくなり、アイザックたちも帰ってきた。家令はアイザックの若殿が帰ってきたのを喜んで迎え、病床の男爵と手紙のことについて相談した。 |
トッシュ | はい!立ち聞きします! |
マスター | ではまずHidingをどうぞ。男爵か家令のSpotと対抗判定です。失敗すると『そこにいるのは誰だ?』となります |
トッシュ | ふっふっふ。21〜! |
マスター | はい、見つかってないようです。ではListenチェックをどうぞ。 |
トッシュ | あ。・・・・・12ですが?;;; |
マスター | それではですねー、こんなのが聞こえてきます。『銀・・・喜ばしい・・・Innspa・・・返事を・・・それはできん・・・いや、せっかく・・・賛成できん・・・ではそのように』 |
トッシュ | ・・・さっぱりわからん。メモるのでもっかい言って; |
i この話は二人のものに立ち聞きされていた。一人はトッシュで、もう一人は奥方の侍女だった。トッシュは半分ほど聞き、侍女は全部聞いた。奥方は書簡を書いてアイザックに持って行かせることにした。 |
トッシュ | では、俺もついていこう。インスパの金貸しに借金も返さんといかんしなっ! |
アンラスタ | もちろん私も。アイザック殿お一人ではやや心配ですので。 |
クロム | 私も参ります。他の用事もあるし。 |
アイザック | そらそーとこの手紙・・・どーかんがえてもあやしいよねえ? |
アンラスタ | うーん。しかし、封ろうされているとあっては、中を確認するすべはないぞ。 |
アイザック | かといって、これ、このままインスパ公に渡してほんっとーにいいんだろうか?と・・・ |
アイザック | なになにー?「和平の使者として、我が家の長男・アイザックを公の元へ参らせ・・・」ぐはあ!だめじゃんやっぱ! |
トッシュ | ほらみれ。どのみちこの書状はわたしちゃいかんっしょー? |
アンラスタ | うーむ;単に結果オーライだっただけという気もするが。そりゃそうとどうする?渡すものがないとなると、それはそれでまずくないか? |
クロム | えとですね。実は私もインスパ公あての手紙を持っているのですが。 |
アイザック | は? |
クロム | 出発する前に、寝ぼけた馬番が「クロムのお父上(家令)から」とかいって、渡されたですよ。こいつを渡しちゃえば問題ないのでは? |
アイザック | ・・・いや!もし、もしもですよ。インスパ公と母上が繋がっていたりしたら、母からの手紙がないのはかなりまずいのではないかと。 |
アンラスタ | ええっ、それはー・・・ないとはいえんなあ。 |
トッシュ | んじゃあ、俺はインスパ公の裏情報をしらべにここの盗賊ギルドに入ろうと思うんだが |
アンラスタ | そうですな。その手の情報はトッシュにお任せしましょう。私は教会にでも行って見ましょう。 |
トッシュ | あ、まって、100gp貸して。盗賊ギルドの入会金が要るんだわ。オレ借金返すとすってんてん |
アンラスタ | ぬう;私もそんなには;; |
アイザック | みんなでかき集めれば・・・なんとか足りるね。クロムの分も。 |
クロム | ええっ、私もですか?使用人から金を巻き上げるぼっちゃんなんて聞いた事ございませんTT |
アイザック | 君はボクがどうなってもいいんだね? |
クロム | ・・・ほんとにローフルグッドですか? |
アイザック | あ,私今ピーンとひらめきましたよ! この娘をボクの代わりにインスパ公に差し出すと言うのはどうでしょう? |
(全員) | おまえホントにローフルグッドか? |
一行は盗賊ギルド・教会・こじきのメアリ(乞食ギルドなるものもあり、情報を売っていたりする)等さまざまに調査するも、有用な情報を得る事が出来ず、かといってインスパ公に会いに行くことも出来ず数日が過ぎた。 |
マスター | 最初にアイザックをメアリと見間違えた男が慌ててかけこんできます。 『大変だ!メアリがさらわれちまった!』 |
(全員) | なにー!? |
マスター | あっしは『目立つ事するな』って言ったんですがね。あんた方からもらった金(情報料)できれいな服を買って、入った事のないような高い飯屋にいっちまったんでさあ。そしたら盗賊ギルドの連中が・・・ |
アンラスタ | これは・・・アイザックに間違えられたな。 |
トッシュ | あ、あにょー。と、盗賊ギルドですって?;;;;; |
一行はメアリを助けるためにギルドの隠れ家を襲撃する事にした。スリープに耐性のあるトッシュが囮になり、見張りを1箇所に集めた後、アイザックのスリープが炸裂。 |
アイザック | 見張りはみんな眠った? |
トッシュ | いや,一人逃がした! |
マスター | 見張りは地下へ逃げていきます。 |
クロム | 追いましょう!増援を呼ぶ前に捕まえねば! |
トッシュ | うっしゃ! |
マスター | 階段を降りると,正面に扉が見えます。 |
トッシュ | 突入だ!急いで逃げていったので,ワナなんか無いはずだ! |
マスター | 左右の壁からじゃきんと槍が。Refセービングスロー目標値15を行って、失敗したら1d6ダメージ・・ |
トッシュ | ちょっとまて。いつのまに逃げていったやつはワナ解除したんじゃい? |
マスター | は。足元にスイッチがあることを知っているので,飛び越えたのです。 |
アイザックのスリープが炸裂し、なんなく扉の向こうの盗賊を制圧。ただ、一人が右の通路に逃げ出す。そして、通路の奥から獣の唸り声が聞こえてくる。 |
アイザック | こ、この赤くて大きな犬はなんですか?! |
マスター | は。赤くて大きな犬のようなものです。盗賊は「この魔獣に食われてしまえ!」と、鎖を解き放ちます。さあイニシアチブいきましょうか。 |
アンラスタ | よし!先手を取った!Endure Elements:Fireをトッシュにかけます! |
(全員) | おおおおお! |
アンラスタ | でもこの1発だけなんで、他のみんなは気をつけてね; |
トッシュ | 次は俺ですな。いくぜ!射撃!!そしてはずれ(笑) |
マスター | はい。ではヘルハウンドの番です(あ、言っちゃった)。アンラスタの読みは正しいですね。 こいつはおもむろにクハーと口を開けて、炎を吐きます。 |
マスター | こんな範囲でブレス。Refセービングスロー目標13でどうぞ。失敗なら1d4+1ダメージ、成功ならダメージ半分です。 |
トッシュ | 失敗・・・だけどEndure Elementsのおかげでノーダメージ♪ |
アンラスタ | 失敗;でもまだ平気・・・かなあ? |
アイザック | ボクは範囲にいないのでへーきー |
クロム | 失敗・・・みんな失敗ですかあ!? |
マスター | さらに、範囲内にあるものは燃えると書いてあるので、引火チェックをどうぞ。 |
(全員) | は? |
マスター | は。火炎ダメージを受けた人は再びRefセーブ目標13.失敗すると引火による追加ダメージが入り、さらに身につけている可燃物は燃える可能性があるので、可燃物1つづづセービングスローを行ってください。 |
アンラスタ | 私の持ち物はクロスボウ、修道服、木の盾かあ・・・ふんっ!引火チェック成功!ふ〜 |
トッシュ | よおーし!こっちも成功〜!おいら鋲つき皮鎧だからドキドキだー燃えたら裸だーTT |
クロム | 私は・・クロスボウ・・・成功、・・・・あ。父の手紙 |
(全員) | あ |
クロム | そして手紙のセービングスロー失敗。 |
(全員) | あ・・・ |
アイザック | マスターやらしいなああ〜 |
マスター | え、えっとですね、ぐ偶然です。つぎクロムのターン |
クロム | ・・HPマイナスなんですが・・・意識不明てことでいいんでしょうか?TT |
アイザック | ギャー!と、とりあえずクロムを扉の前まで引きずって火を消します。てか、犬にスリープ効きそうにないし、他にすることがない; |
トッシュ | 火を消さないと追加ダメージ入っちゃうからもちろん火消しが先だけど、マジックミサイル撃つのもいいのでは? |
アイザック | は。そんな魔法ありましたねえ。しかしながら取ってません。お茶を入れてもらうためにUnseen Servantを取っておるのです。 |
(全員) | なにー!! |
アンラスタ | 実はもうCure Minor Woundsが二発しか撃てない・・・クロムにはすまんが、先に犬を殺すしかない!それまで死ぬなよ!! |
クロムが昏倒するも、アンラスタとトッシュでなんとかヘルハウンドを倒す事が出来た。 |
アンラスタ | ふううう、な、なんとか勝ったか。 |
トッシュ | ひいいい、生きてるってすばらしい; |
クロム | すまんみんな〜ラストで1発も剣振らないままこのありさまで(TT) |
アイザック | いやーまあそういう事もあるでしょう。みんな生きててよかったーということでー |
トッシュ | 右の通路の先はヘルハウンドの檻だったのか。・・・とすると残るは左側の扉か。罠&鍵チェックします。 |
マスター | 鍵はありませんが罠を発見しました。毒針のようです。罠外し目標値15で解除できます。 |
トッシュ | 晴れて借金もないきれいな体でマスターワークシーフツール!・・・失敗 |
マスター | ・・・とりあえず2ダメージ・・・ |
トッシュ | ほおおおふううう、HP1!まだ生きてます!・・・って、とりあえず? |
マスター | さらに耐久セービングスロー目標値13に失敗すると毒のダメージが |
トッシュ | がふ!せ、成功すればいいんだ!・・・・・・・・・・・あ。ばったり。アンラスター、Cureのこってたっけ? |
アンラスタ | よかったー;;最後の1発ッス〜〜 |
生き残った盗賊の1人を尋問すると、依頼者はわからない(こいつは下っ端なので)が、「これこれこういう人相の貴族の少年を誘拐して来い」と言われたとのこと。 結局どちらの密書も渡せず、四人は城に帰ってきた。 後にわかったことだが、家令は男爵に黙って「(弟)スティーヴさまを人質に出します」という密書を書き、クロムに預けたのだった。真相を知った男爵は家令と奥方を叱りつけ、病床から戦の支度を命じた。インスパの軍隊はほどなくやって来るだろうということであった。 |
アンラスタ | 限りなく奥方はクロに近いと言う事はわかったが・・・結局今回の件はわれわれにどうにか出来る事じゃなかったんじゃあ? |
アイザック | あうう;戦争なんてことになったら、より家を出にくくなっちゃうなあ・・・やはり替え玉か? |
クロム | オレひょっとして燃えて終わり? |
トッシュ | そーだよなあ。考えてみたら、馬番が寝ぼけて密書を渡す時点でそっちも怪しいと気づくべきだったんだなあ。状況に変化はなかったけど。ああ・・・ギルド入会金100gpがあああ |
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注釈 | |
ファイター D&D第3版のファイターは、Feat(特技、離れ業)が他のクラスに比べてかなり多く取得できるので、カスタマイズが非常に楽しいクラスになっている。クロムの場合、Dodge(回避)とImproved Initiative(イニシアチブ上昇)、Blind Fight(暗闇戦闘)を取得した。 インスパの公爵 このキャンペーンでは男ということになっているが、後にオフィシャル設定では女性だったということが判明した。事前にわかっていればさまざまに違う展開があったように予測される。 Hiding 隠密。物陰に隠れる技能。 Spot 隠れている(主に敵対的な)生物、不意打ちなどに気がつく技能。危機感知。Search(調査)は罠など生物でない危険を発見する技能でSpotと区別される。 Listen 聞き耳。小さな物音などを聞き取る技能。今回は情報収集に使っているが、ListenはSpotと並び危険を察知するための大変重要な技能であり、パーティ内で誰かがどちらかに成功しなければかなり死ぬ。 盗賊ギルド 多くの中世ヨーロッパ風ファンタジー世界において、ギルドと呼ばれる職能組合が設定されている。ポピュラーなところで盗賊ギルド、魔術師ギルド、職人ギルド等々といったところか。RPGで、情報収集といえばまずギルド、あるいは多様な人々が集まる酒場や宿屋、僧侶ならば教会に当たってみるのがよく取られる行動。 ローフルグッド Lawful Good。「秩序を重んじ、善を好む」性格。これはアライメント(Alignment)というキャラクターの属性のひとつ。ちなみにアンラスタとクロムはローフルグッド、トッシュはニュートラルグッド(法や秩序に対して中立で善を好む)。アライメントは呪文の効果に関わってくる事もある。 ボクの代わりに この男、この後もえんえん身代わり案を話しつづける。そして、セッション終了後プレイヤー全員は彼にアライメント変更を要求。とりあえずニュートラルグッドにすると言う事で勘弁してやる。 ※注釈の注釈※ このページを読んでくださったD&Dファンの方から、「自分のかわりに人質として差し出すというのは、ローフルかカオティックかというよりグッドかイビルかという問題なのでは?」と言う指摘を頂いた。いや全くその通りである。なぜプレイヤー達が見誤ったかというと、彼が出した案は他に「ウチに引き取ってマイフェアレディする案」や「ボクがいなくなって父が悲しまないように」など、そーとーきわどいが”イビル”とも断定しづらいものも多かったためだと推測される。かくのごとく、アライメントに関する話は面白いのだが意見がわかれやすい。「そは善か悪か?」なんて一概に決めらんないもんね。 スリープに耐性のあるトッシュ スリープの呪文は範囲魔法で、敵味方関係なく効果を及ぼす。撃ち場所が悪いと味方も寝てしまうと言う事が起こりうるが、トッシュの種族はエルフであり、エルフの種族特典としてスリープの呪文が効かないというものがある。低レベル戦でエルフの前線+スリープというのは有効なコンボ。 足元にスイッチがあることを知っているので,飛び越えたのです。 「あとで思うとアレはアンフェアなマスタリングでした。足音が『だだだだ(間)どすん、』とするか、Listenチェックをさせるべきでした」はマスターの言い訳。 Endure Elements:Fire 炎のダメージを毎ラウンド5点軽減する魔法。アンラスタがなぜにこれを覚えていたのかは謎(ヘルハウンドに関する事前情報は全くなかった)。他にもここでは割愛してあるが隠し扉の場所を推理したり、さりげなく良い行動を連発していた。昔からのD&Dプレイヤーのカンか? 炎を吐きます いわゆるファイアーブレス。ヘルハウンドのブレスは射程30フィート、最大直径30フィートの円錐形のエリアが効果範囲。フィギュア的には1マス5フィートなので、長さ6マス幅6マス。 Unseen Servant 見えない召使を召還し、簡単な仕事をさせる魔法。戦闘には使えない。ロールプレイの為だけにこの魔法を取ったと思われるが、後に思わぬところで役に立つ事となる。 Cure Minor Wounds HPを1点だけ回復する魔法。重傷の時の応急手当には大変有効だが、HPを大きくマイナスに割りこんでいたクロムを戦闘に復帰させられるだけの回復は望めなかった。 |