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骨髄移植

1997.11.23更新


白血病やリンパ腫のような血液ガンの最強の治療法として、骨髄移植があります。
概要としては次のようなものです。


これらの過程で、最初の難関(というか最大の難関)が、ドナーをどのようにして探すかということです。



誰から
もらう?
患者との関係
特徴
[1]
同種骨髄移植
他人
血縁者(兄弟姉妹)
HLAの完全一致確率は兄弟姉妹で25%

[2]
全くの他人
骨髄バンクに登録。ドナーが見つかりにくいらしい
[3]
自家骨髄移植
本人

ドナーを探さなくてよい(本人だから)


自家骨髄移植にすればノープロブレムじゃん。とはいきません。それぞれの方法に一長一短があるのです。
それを以下に示します。

[1]同種骨髄移植
兄弟
[2]同種骨髄移植
他人
[3]自家骨髄移植
HLAが適合していても拒絶反応がでることがある。
拒絶反応なし。
完全に正常な細胞を移植できる
がん細胞が混ざっている可能性がある
移植の成功後にGVHDと呼ばれる反応がでることがある。
GVHDなし。
移植失敗による死亡 10%
再発率 20%
成功 70%
0%
30〜40%
60%
実績多数。

この方法を行える医療機関が少ない。症例も少ない。



私の場合は兄がいます。が、今サウジアラビアに赴任中なのです。骨髄移植を行えるころに日本に帰ってきてくれる予定。2日おきくらいにサウジアラビアとE−Mail交換中です。

自家骨髄移植も現在入院中の病院で行えます。
この病院では、ドナー(この場合は自分)の骨髄液を採取するのではなく、末梢血(静脈などを流れている血)の幹細胞を取り出す方法を用います。正確には、自家骨髄移植ではなく自家末梢血幹細胞移植(PBSCT※)と呼びます。
がん細胞の混入については、Cell-Selection(細胞選択。そのままやないか)を行うことにより、がん細胞の混入率を低くし、再発率を上表よりは下げることが可能だそうです。

末梢血幹細胞の採取(1997.07.03初体験)
採取は、両腕の静脈に太い針を刺し、片方は体から機械へ、もう片方は余分な血液を体に戻します。両腕を動かしてはいけないので、結局ベッドの上でじっと寝ている他ありません。麻酔なんてしないので安全ですが退屈です。機械の中で血液が遠心分離され、幹細胞の比重の部分が別容器へと入っていきます。採取した細胞のカウンタがあり、1づつ上がっていきます。1回の採取で15000個の細胞を集めます。約2.5時間かかります。
1分間に100mlの血液を処理するそうです。150分では15リットル。体内に5リットルの血液があるとして、3回転している計算になります。
外へ出ている部分(腕〜機械〜腕)の血液量は200mlだそうです。機械が万一途中で壊れても、200mlの血液をあきらめれば済むので、安心です。機械の造りは非常にシンプルで壊れそうではありませんが。


私の中での優先順位は[1],[3],[2]です。
私の白血病のタイプはMixedだそうで、ちょっと珍しいタイプの急性白血病らしいです。このタイプを自家骨髄移植すると、おそらく日本で初めての症例になるんじゃないかなと、主治医が言っておりました。日本一になるのも悪くないかなーなんて・・・・
骨髄バンクへの登録も行います。可能性は高くしておかないとね。


結局、私の場合は兄とHLAが合わなかったため、PBSCTを行いました。
骨髄バンクという選択肢もあったのですが、いつ適合者が見つかるかわからず、PBSCTを選択しました。

これを御覧のみなさん、まず、骨髄移植・骨髄バンクのことをよくご理解して頂きますようお願いします。
(いろいろリンクコーナーに、詳しい説明が記載されているHPを紹介しています)



PBSCT兵庫県臨床衛生検査技師会のページへリンクしています。