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第４回：マクロの登場人物の紹介（その３）

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節目次：

4.1　文字列リテラル中の特殊記号
演習問題

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何とか４回目にこぎつけたこの連載ですが、 そろそろ実用的なマクロを書いてみることにしましょう。

今回は、前回の日付と時刻を挿入するマクロを


備忘録ファイルの最初にヘッダのテンプレート（ひな型）を挿入するマクロ

に書き換えてみましょう。 世の中には色々と凝ったヘッダを作る人がいますが、 筆者にはそういうデザインのセンスがないので、 以下のようなシンプルなヘッダでお茶を濁します(^^;。



--------------------------------------↓ 記録日時：[TAB]yy/mm/dd(Ｄ) hh:mm:ss ↓ タイトル：[TAB]↓ --------------------------------------↓


ここで、２・３行目の直後の [TAB] は 実際にはタブ記号を挿入するものとします。

4.1　文字列リテラル中の特殊記号

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まず「ファイルの最初につける」ことは マクロの先頭に gofiletop コマンドを 入れれば実現できますから、 あとは上記のヘッダを挿入する部分に集中しましょう。

まず、以下のように書いてみたらどうなるでしょうか？



gofiletop;↓ insert "--------------------------------------↓ 記録日時：[TAB]" + date + " " + time + "↓ タイトル：[TAB]↓ --------------------------------------↓ ";↓ [EOF]


このマクロを実行した結果は（エラーにならずに(^^;(*1)） 以下のようになります。



--------------------------------------記録日時：[TAB]99/07/21(水) 03:04:03タイトル：[TAB]--------------------------------------


入れたはずの改行がすべて取り除かれてしまいます。

この例からも分かるように、 文字列リテラルの中に改行記号を 直接書くことはできませんが、 その代わりに \n という 別の書き方がちゃんと用意されています。 例えば１つの改行記号を挿入するには



insert "\n";↓ [EOF]


と書きます。 この改行を表す記号は文字列リテラル中のどこにあっても構わないので



insert "１行目\n２行目\n";↓ [EOF]


という書き方も可能です。 このマクロを実行すると、



１行目↓ ２行目↓ [EOF]


という２行が挿入されます。

てなわけで、最初の例の解答は



gofiletop;↓ insert "--------------------------------------\n記録日時：[TAB]" + ↓     date + " " + time + ↓     "\nタイトル：[TAB]\n--------------------------------------\n";↓ [EOF]


となります（所々で行を分けているのはマクロを見やすくするためです）。 また、[TAB] にも \t という書き方が用意されているので



gofiletop;↓ insert "--------------------------------------\n記録日時：\t" + ↓     date + " " + time + ↓     "\nタイトル：\t\n--------------------------------------\n";↓ [EOF]


と書いてもよいです。

今の例では \n と \t を 使いましたが、他にもこのような書き方をする必要のある記号があります。



記号		書き方		備考
改行		\n (または \r (*2))		必須
タブ		\t
円記号		\\		必須
二重引用符		\"		必須
任意の文字コード(0x??)		\x??		例： "\x41"→「A」, "\x0C"→フォームフィード(改ページ), 　　"\x82\xA0"→「あ」(*3)


円記号の後に \, n, r, t, ", x 以外の文字があった場合は、 円記号が削除されたものになります（例："\a" →「a」）。

よくある例ですが、openfile コマンドに 空白を含むファイル名を渡す場合の書き方は以下のようになります。



openfile "\"C:\\Program Files\\hidemaru\\install.txt\"";↓ [EOF]

（赤色の文字が特殊な書き方を使っている部分）

この場合、実際にコマンドが受け取る文字列は 「"C:\Program Files\hidemaru\install.txt"」となります。

上の表で、円記号はこれらの特殊な書き方の始まり、 また二重引用符は文字列リテラルの始まり・終わり、 という特殊な意味を持っている文字（＝メタ文字）ですが、 "\" をつけることでその特殊な意味を打ち消しています。 このような文字のことを（特殊な意味を回避する文字、ということで） エスケープ文字と呼びます。



(*1)	秀丸マクロはＣ言語と似た構文規則になっていますが、 この書き方はＣ言語の場合では構文エラーになります。
(*2)	Ｃ言語(他、多くの処理系)では \n はニューライン(文字コード 0x0A)、 \r はキャリッジリターン(文字コード 0x0D) となりますが、 秀丸マクロでは両方ともニューライン(0x0A)と解釈されるようです。
(*3)	「あ」の文字コードは 0x82A0 という２バイトですが、 それを１バイトずつに区切った 0x82, 0xA0 を並べて書いています。 もちろん、こういう書き方もできるというだけで、 特に理由がなければ "あ" とそのまま書けばよいです(^^;。

演習問題

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1. 次の文字列リテラルが表す文字列を書け。 (例："\\2,000" →「\2,000」)
   
   1. "D:\Program Files\netscape\navigator3\temp"
   2. "command.com /c echo \"\tHello world!\""



2. 次の文字列を表す文字列リテラルを書け。 (例：「\2,000」→ "\\2,000")
   
   1. 「command.com /c dir "C:\Program Files"」
   2. 「マクロ中で正規表現検索を行う時は"\n"を"\\n"と書きます」

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