柴田よしきの日記です。2004年11/1-11/29分です。それより前の分はこちら
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リンクを貼られると困る、はずして貰いたいという方は、ご遠慮なくメールにてお知らせください。
なお、リンク先のURLは日記作成時点のものです。その後、HPの移転や閉鎖によってURLが見つからなくなることはあると思います。過去の日記分の訂正は基本的にはいたしませんので、リンクが切れていてもご了承ください。
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2004.11.29 ほこりまみれです。食器棚が届いて、設置してからがもう大変。丸一日働いて、途中でホームセンターにも買い物に出かけて、ああだこうだして、それでもまだ足の踏み場がないとはこれいかに。謎。
今日は丸一日、肉体労働で終わりました。明日から仕事しないとやばいっ。
キッチンが使えないので、わたしがお弁当を作れず、学校で食券を買って仕出し弁当を食べた息子。メニューによれば好物の目玉焼き付きハンバーグ弁当だったので喜んでいたのに、帰って来るなり「一口食べて、食べたことを忘れたいと思った」と文学的(?)表現で失望を表明。とにかくソースがまずかったらしい。で、夕飯も作れないのでまた外食になり、「何が食べたい?」と訊くと、「ハンバーグ・リベンジ」とのお返事(笑) なんかその気持ちはわかるなぁ。好物なのにまずいのに当たってしまったら、すぐにでもおいしいのを食べ直して、嫌いにならないでいたい、みたいな。かわいそうなので、ちょっと連日の贅沢で家計的には真っ青ですが(涙)、近くのおいしいステーキハウスのハンバーグを食べに行きました。ま、ハンバーグならばファミレスとそう代わらないお値段なんですけどね(^^;;;
ほんとに家の中がとんでもないことになっております。ドラえもんを呼んで来て、物体を二次元にする、なんとか壁紙、を借りないと。
●今日の晩ご飯● ということで、ハンバーグ定食でした。
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2004.11.28 いよいよ明日、大型の家具が来るので、今日はひたすらその準備でした。大型って言っても、普通の家庭ならば当たり前にある食器棚なんですけどね(^^;;; うちにはそういうものが一切、なかったんです。京都で借りていたのがものすごいボロ家だったので、大きな家具を置くと床が抜ける心配があり、置けませんでした。今も、スチールラックに食器から食材まで適当に積み上げています。でも京都の家は広かったけど、今度のところはとても狭い(2LDKしかありません)ので、効率的に収納しないとにっちもさっちもいかなくなっちゃう、ということで、食器棚を購入しました。だから家具が届いてしまえば、いろんなものが納まってすっきりするはずなんですが、問題は、その家具が納まるスペースを空けることと、空けた分のごたごたしたものをとりあえずどこに置くか。どこに置くか、ったって、置けるところは結局、床しかないし(笑)。かくして、部屋の中はむちゃくちゃな状態になりました。まさに文字通り「足の踏み場がない」。明日、新しい家具にいろんなものをしまい終えるまでは、仕事も家事もなーんにもできません。
●今日の晩ご飯● キッチンの家具を移動しちゃったので、29日の午後までキッチンが使えません。外食。とんかつ屋さんのことがあったので、もっと捜せば近所においしいお店があるかも、と、徒歩五分のところに見つけたイタリア料理店に入ってみました。パスタ中心で値段もファミレスとそんなに違わず、ワインも安い。カルボナーラに卵の白身まで使っていてちょっとぽろぽろしちゃってたり、タラコのスパゲティは、着色料の使われた赤いタラコで色が濃いピンクだったりするところが、かなりシロートっぽかったけれど、スパゲティの茹で具合はとってもグーで、ペペロンチーノは美味でした。パスタではなく、本格的なイタリアンで修行したシェフが、町でレストランをするのにパスタ中心に切り替えた、って感じなのかな?アンティパスタのカルパッツォは、お魚の臭みを上手に取り除いてあっておいしかったし、もっといろいろ頼んでみて、得意な分野を見極めるとなかなか「つかえる」お店になりそうです。ここも合格、わーい、四軒目。
●今日の読了●(敬称略) 「クイーンの色紙」鮎川哲也 創元推理文庫 再読(137・国内105) 前に読んだのは光文社文庫版
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2004.11.27 風邪薬が切れたので、別のを飲んだら、すごく眠たくなって一日の大半を寝てしまいました。ふへ。部屋の模様がえもまだめどがついていないのに……。それでもホームセンターでいろいろと材料を買込んだりして、気になっていたところを少しずつ改善しています。引っ越して来て半年以上過ぎたし、そろそろ、ちゃんと居心地のいい我が家にしないとね。
お昼に大量に野菜を入れた焼きうどんを作って食べたら、夜はなかなかお腹が空かず。遅くなってから何か作ろうかと言ったら、本屋に行きたいので外食しようよ、とパパ。で、ふらふらと家族で出かけて、町のとんかつ屋さんに入りました。ここが大当たりで、すっごくおいしいとんかつが出て来てびっくり。年季の入った初老のご夫婦が二人でやっている小さなお店で、その年季がそのまま感じられるふんわりと細く切られたキャベツに、さくさくと揚がったカツ、ふっくらたけたご飯。やったー。これで、近所に三軒目の「おいしい店」を見つけたことになります(^^) 京都にいた頃は、徒歩で行けるところにおいしいお店がいくらでもあったので、こっちに来て、回転寿司とファミレスしかないのにほとほとうんざりしていたの。うちの場合、あたしが忙しいとどうしても外食が多くなるし。歩いて行けるところにおいしいお店があるって、嬉しいですよね〜
●今日の晩ご飯● そんなわけで、あたしはミックス定食。ヒレカツとホタテフライとエビフライが載ってました。エビフライとヒレカツの半分は息子にあげたけど、おいしかったのでほんとなら食べられたなぁ、全部。でも息子は、自分の分のビフカツをあっという間に平らげていたの……
●今日の映像● 「ミス・マープル -予告殺人-」ケーブルより
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2004.11.26 午前中は仕事。午後は部屋の模様変えの続きで、キッチンの片付け。来週の月曜日に大型の家具が届いてしまうので、それまでにめどをつけないとなりません。大変だ。
ぎりぎりまで働いていたので、出かけるのが少し遅くなりました。祥伝社S氏と会食。S氏は膝の手術をしたばかりなので、快気祝のつもりだったんですが……わはははは。笑ってごまかす。なんと、財布を忘れて家を出てしまい、待ち合わせの場所に着いてからそのことに気づきました。パスネットがあったら電車には乗れたの。ふぇーん。と言うわけで、仕方ない、今夜は祥伝社様にご飯を奢っていただくことに(笑) 仕事の話もしよっと。
いつもと雰囲気を変えて、下町、白河町で深川丼を食べました。清澄庭園は、小さい頃からよく遊びに行った場所。わたしの実家からだとバスで10分、徒歩で30分ちょっとです。庭園に入るところでおばさんがジュースを売っていて、行くたびにそこでバヤリースオレンジを一本買ってもらうのが、ものすごく楽しみだった。今は自販機なんだろうなあ。夜なので確かめられなかったけど。深川丼は、味噌で煮たネギとあさりの剥き身を、ご飯にぶっかける、なんとも下町っぽい食べ物です。我が家の定番「あさり丼」は、味噌の代わりに醤油と味醂のタレを使うんですが、もともとは深川丼からの発想。深川飯はあさりの炊き込みご飯で、これもおいしい。最近は携帯メールをあまり打たない(親指が痛い)のでメル友ではなくメシ友になってしまいましたが、S氏や同じ祥伝社のY氏とだと、接待とか会食ってより、ほんと、「メシでも食う?」のノリでいけるので、気楽にいろんな店に入れます。版元さんにご馳走していただく、とてもおいしいディナーの夕べも、それはそれで楽しいし有り難いのですが、深川丼と焼き鳥で一杯、ってのが、やっぱ、あたしみたいな下町育ちにはいい感じ。
仕事の話は、ちょっと嬉しいことがぽろぽろありました。不確定要素が多いので、確定したらお知らせいたしますね。
●今日の晩ご飯● 白河町の深川飯屋さんで、つまみと焼きとりと深川丼。うま。
●今日の読了●(敬称略) 「偽りの館 -叔母殺人事件-」折原 一 講談社 読了(136・国内104)
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2004.11.25 朝から仕事場へ。朝は東名が混むんだけど、今日はそうでもなかったので割と早く着きました。昼過ぎまで雑用をこなして、一時半に帰宅。ちょうど息子も戻って来たので、ラーメン屋さんに遅いランチを食べに行き、家電量販店へ。息子は予約していたゲームをひきとってほくほく。親二人は、この冬の暖房をどうするかで頭を悩ませました。低予算、低電気代、安全。この三条件をクリアせねば。マンションの規約で、灯油は使えないんです。しかもオール電化なのでガスもない。エアコンはついてますが、エアコン暖房はあたまがボーッとして来る上に部屋がすごく乾燥して健康に悪い。健康にいいエアコンは高いし、今のがまだ壊れてないので買い替えるなんて贅沢だし。結局、ホットカーペットかオイルヒーターに落ち着きそうです。実は、古いタイプのオール電化マンションなので、夜間電力を利用するボイラーが室内に設置されているんです。だから夏は地獄なんだけど、冬はすごくあったかいらしいの。前にこの部屋に住んでいた方がたまに遊びに見えるんですが、冬はほとんど暖房が必要ないくらい、らしい。実際、今でも、室内は何も暖房をつけてないのに春っぽいくらいです。まあね、実際に真冬になってみないとわかりませんが、暖房に関しては、そう大袈裟に考えなくても大丈夫みたい。ホットカーペットだけでいけそうなんですが、仕事スペースは窓際で寒いので、ちょっと工夫がいるかな。オイルヒーターは未経験だけど、ヨーロッパではポピュラーですよね。空気が汚れないのが何よりいいなぁ。
<午前三時に追加> 寝られないけど仕事に飽きたので。昨夜(ってか一昨日だけど)編集者と食事をした時に話題になったこと。某ラジオ番組で、高校生にアンケートをとりました。「大学生になったら読みたい本はなに?」で、一位の回答が……「ハリー・ポッター」。………… 呆れ返って顎がはずれるかと思いましたが、冷静に分析してみれば、いろんなケースが想定できますね。第一に、アンケート対象になった高校生たちが、質問の意味をちゃんと理解していなかったケース(笑)。第二、回答した人たちが、実は、「英語で読みたい」と答えていたのに、本の題名だけカウントしてしまったケース。これはあり得るような気がします。ハリポタくらいの英語だったら高校生で読めよ、とは思うけど、まあ、受験が終わって暇になったら、原書で読んでみたいなー、なんて思うってのはありそう。できれば、この第二のケースが真相であって欲しいと切に願うわけですが、はたして。仮に、本気に大真面目に、大学生になったらハリポタが読みたい、と答えたお子たちがいたとしたら、その子にまず言いたいこと。大学生にならなくても読みたかったら今、読め。あれは小学生向けの本なんだからね。受験で時間がない?あんなもの、さっと読めば一時間だよ、一時間。お金がない?携帯版が出てます。図書館にもあるよ。次に言いたいこと。未読本の海は、無限の喜びに通じる景色です。今まではまったく本を読まないで生きて来たんだとしても、まだ十代。ぜんぜん遅くない。本を読む喜びを知らないままで人生を生きるのは、とてもとてもつまらない、さびしいことだとわたしは思います。何をどう読むかは気にしなくていい。とにかく、読み始めてほしい。「大学生になったらハリポタくらい」などと言ってないで、世の中が、世間が、大人が騒いでいる本じゃなくって、君たち自身が本屋さんで見つけた、出逢った本を読んでみてください。わたしが生まれて始めて、自分のお小遣いで買った本が、エラリー・クィーンの「ローマ帽子の謎」でした。ほらね、ある意味では、その出逢いがわたしの人生を変えたわけです。今の仕事にたどり着くまでに、その時から22年かかったけれど、それでも、わたしはミステリ書きになりました。本と出逢う、ということは、もしかすると、人生と出逢う、ということなのかも知れない。ほんとだよ。
●今日の晩ご飯● 昼が遅かったので、夜も遅くなりました。ぶたシャブだったけど、あまり遅くに重たいものを食べては胃が大変なので、肉はロースの薄切りを少し、あとはきのこと青菜と豆腐だけ、大根おろしとぽん酢でさっぱり、という感じ。
●今日の読了● 「被害者を捜せ!」 パット・マガー 創元推理文庫 再読(135・翻訳32)
中学の時だったか、「犯人じゃなくて被害者を捜す推理小説なんてどうだろう」と本気で思って、ノートにアイデアをメモしていたことがありました。結局、小説にまとめられずに忘れていたんですが、大学を出た頃だったか、この作品が文庫化されて(それまでは邦訳は手に入りにくかったはず)読み、仰天しました。1946年に、すでに使われていたのねー、このアイデア。書店をぶらついていたら、「折原一推薦」の帯が目に飛び込み、20年ぶりに再読。折原さん、ありがとう(^^)
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2004.11.24 午前中は仕事。午後、また家具屋さんへ。ソファを選びました。このマンションに住むのはあと五年くらいなので、五年もてばいい、という基準で選択。本当は布張りが好きなんですが、ソファダイニングだと食事もソファでするので、どうしても汚れちゃう。拭き取り簡単な合成皮革で我慢します。
夕方から電車で上京。銀座で、実業之日本社と打ち合わせ。担当のS編集長が異動になって、出戻りのO氏が新担当に。三人で顔合わせとお疲れ様のお食事でした。カジュアルフレンチのお店だったけど、シンプルな味付けでとってもおいしかった。特に、フォアグラの炭火焼きに感動。フォアグラって、お店によってはやたらと油っぽくて臭かったりするんですが、ここのは、適度に油が抜けていてさっぱりと、こくだけを楽しめる感じでとっても後口が良かったです。もしかしたら、ソバージュだったのかな。メインのホロホロ鶏も、皮がパリッとしていて、素材の良さが活かされてました。デザートのブドウのシャーベットも、生のブドウの風味がたっぷり残っていて、ざっくりした食感がとっても素敵でした。お店の名前が、以前、わたしが小説で使った店の名前と同じだったのがちょっとにっこり(^^) しかも、実業之日本社での連載に出ていました(^^) ル・クラージュ。まだ新しいお店だそうです。
早めにお食事が終わったので、自宅に戻って10時半前。このくらいに帰って来られると楽です。まだ風邪が治っていないので、早寝します。
●今日の読了●(敬称略) 「キウィおこぼれ留学記」 小林聡美 幻冬舎文庫 読了(134・国内103) 「留学」というタイトルに別のものを期待しちゃったんですが、出版社ヒモ付きの、企画モノでした。面白く読めましたが、一週間の短期でしかも費用が版元持ちということだと、できる冒険にも限度はありますよね。そのくらいの短期なら、無理に語学コースなんかで時間を潰さなくても、観光オンリーの珍道中記とかの方が面白そう。
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2004.11.23 勤労感謝の日?祝日がころころ動くようになって、自信なくなっちゃう。
いつまでも気落ちしてしょんぼり暮らしても仕方ないし、来週には買った家具が届いてしまうので、思いきって、リビングダイニング(縦に細長い12畳)の模様変えに着手。これまで、リビング部分とダイニング部分の間に仕事机を置いて仕切って使っていたんですが、テレビ見ながらビールにおつまみ、なんてのをやりたいので、京都の時のように、ソファダイニングにして、全体の2/3をくつろげるダイニングスペースに変えました。で、部屋の奥に仕事コーナーを設置。ご飯食べながらテレビを見たくなっちゃうのが問題ですが、まあそれは、親が気をつけるってことで。とりあえず今日は、仕事机を移動させ、出たゴミを捨てたところまで。来週はキッチンボードが来るので食器類と食品を整理、その次の週はテレビボードが来るので、仕事スペースとダイニングをそれで仕切ります。それから、ソファも買い替える予定。息子がだんだんでかくなるので、ソファも大きめにします。ほこりまみれでめいっぱい働いて、疲れたけど、すっきりしました。
ぴー太の位牌ができあがりました。白いアクリルの、とってもお洒落な位牌です(^^)
●今日の晩ご飯● 八時過ぎまで模様変えをしていたので、バーミアンで中華。
●今日の読了●(敬称略) 「天城一の密室犯罪学教程」 天城 一、日下三蔵(編) 日本評論社 読了(133・国内102) 天城一作品がこれだけまとめて読めるというのはすごく嬉しい。密室評論も、実作者として勉強になります。
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2004.11.22 妙な時間に夜寝したので、当然ながら昨夜は寝られず、朝までぽつぽつ仕事したり日記UPしたり読書したり。五時半に本格的に起きて、時間があったので朝からクリームシチューなんか作ってました。息子は最近、保温ジャーで汁ものも入れられるお弁当箱を愛用しているので、おかずに汁ものが用意できます。シチュー系は、野菜を食べさせるのに便利。有機野菜の宅配ボックスの中に入っていた「安納いも」という紅芋をシチューに入れてみました。外側の皮の色が薄くて、沖縄の紅芋(紫芋)によく似ているんですが、切ると中がほんのりとしたオレンジ色です。でも火を通したら、すごく鮮やかな橙色になりました。まるでカボチャみたい。さっぱりとした風味で、なかなかいい感じでした。
午後、家具屋さんへ。二時間も悩んで、ようやく、キッチンボードとテレビボードを購入。それはよかったんだけど、買い物が終わる頃にものすごい頭痛と目の痛みにびっくり。最初は風邪のせいだと思ったんですが、配偶者も「目が痛い」と涙目になっていて、どうやら、ホルムアルデヒドのせいのようです。超高級家具だとそうでもないんだろうけど(^^;;;、量販店の安売り家具屋さんだったので、商品にホルマリンを使った接着剤がたくさん使われているんでしょうね。ずーっと古い借家で暮らし、家具も、京都のお気に入りだった家具屋さんで、戦後すぐとか戦前に作られたものをリフォームしたものばかり使っていた(とっても安いんですよ)ので、ハウスシックと縁がなかったせいか、からだが慣れていなくてすぐに反応してしまうみたい。それにしても、ああした家具店で働いている人たちは、大丈夫なんでしょうか……。本当はこっちでも、古いリフォーム家具を使いたいんですが、東海大地震が近いうちに来るのはほぼ確実なので、古い家具だとガラスが割れやすかったり、砕けてしまったりする心配があるんですよね。買ったものも、ガラスは最小限しか使っていなくて、アクリルなどが使われているものにしました。
あまりの頭痛に、自宅に戻って薬を飲み、おさまるまで寝ていました。ひどい目に遭った〜
作家の柄刀一さんから、心のこもったメールをいただきました。柄刀さんも猫大好き人間なんですよね。他にも、愛川晶さんとか篠田真由美さんとか、猫好き作家さんたちから優しいお言葉をいただいています。著者近影にまで参加して、本の裏表紙に顔を刷ってもらって、作家さんたちから愛のこもったお悔やみもいただいて、ぴー太は幸せなやつです。
●今日の晩ご飯● 三日連続で夕飯作りをさぼりました(^^;;; だめだなあ、こんなんじゃ。近所の焼き鳥屋さんへ。経済的にももったいないし、栄養的にもねー。でも、もう少し元気が出るまでは、まあ無理はしないでいます。配偶者も気落ちしているみたいで、いつもならわたしが作らなければさっさと台所で作り始めてくれるんだけど、あまりやる気が出ないのか、本ばかり読んでいます。ぴー太は特に、パパが大好きで、いつもパパにまとわりついていて、猫の世話はほとんど配偶者の分担で、その手間の八割はぴー太がかけていたので(メスの方は、トイレも綺麗に使うし世話がかからないんです)、それがなくなって、気が抜けたかな。
●今日の映像● 「フロスト警部シリーズ -見えない標的- 前・後編」ケーブルより
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2004.11.21 風邪が治らず、すべてさぼりました。さぼりまくった日曜日。でも冷静に分析してみると、風邪のせいばかりじゃなくて、やっぱり気落ちしているのかも。脈絡もなく、ぴー太のことを思い出しては、はあ、と溜め息をついています。17年6ヶ月の「歴史」は、そう簡単に忘却の彼方へは消えないものです。当たり前のことだけどね。気掛かりなのは、メス猫のちびりんのこと。彼女もどことなく、なんとなく、気落ちしているように見えます。勝手な思い込みだといいんだけど。最近の雌猫は長生きになって、ペット火葬場の人の話でも、最高で23歳という子がいたそうな。そこから考えれば、まだ数年は大丈夫だぞ〜>ちび。がんばれ。
さぼり過ぎて退屈したので(笑)、夕方からふらふらと電車に乗りました。息子のお伴でユザワヤまでNゲージの部品を買いに。親と行くと、なんか買って貰えそうだと期待している息子に「あんたの方がおかあさんより金持ちやんか」と冷たく言って自分の財布を開けさせます。関西人らしくがっちりしている息子、自分のお金をつかうとなるとシブイ。さんざ迷ったあげく、台車だけ買ってました(笑)
夕飯も済ませて帰宅して風邪薬を飲んだら猛烈に眠くなり、寝てしまいました。目覚めたら11時過ぎ。三時間半も「夜寝」したら、そりゃ寝られないわさ。現在、午前四時です。仕事していたんだけど、まだおさぼりモードから脱出していなくて、ぽつりぽつりとしか進みません。
●今日の晩ご飯● 昨夜はちょっと贅沢してしまったので、今夜は花まるうどんで済ませました(笑) 「かまたま」が好き。
●今日の読了●(敬称略) 「アヒルと鴨のコインロッカー」伊坂幸太郎 東京創元社 読了(132・国内101)
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2004.11.20 明日は女子マラソンがあるので都内の道路はややこしいことになりそう。ということで、午後から、実家に行きました。息子の誕生日のお祝を、じいちゃんばあちゃんが渡したい、と言うので。行きも帰りも渋滞にまきこまれ、実家には30分しかいなかったのに、往復で五時間以上かかってしまった。とほほほ。
風邪が治らず、帰宅してからは横になってました。
●今日の晩ご飯● 渋滞のせいで帰宅が遅くなったので、近所のステーキハウスに。わたしはビーフシチュー。
●今日の読了● 「ジェーンに起きたこと」カトリーヌ・キュッセ 創元推理文庫 読了(131・翻訳31)
●今日の映像●「黄泉がえり」(映画) ケーブルより録画で。ぴー太くんも、早く転生して戻って来ないかなー。「うぇ〜」と鳴く子猫見つけたら、拾っちゃう。
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2004.11.19 風邪が本格的にひどくなって来ましたが、午前中は仕事場に。帰りに家具屋さんに寄って、引っ越しした時に「後で考えよう」と適当にしてしまった収納をどうするか、配偶者と頭を悩ませて来ました。前に、ナショナルの作り付け壁面収納の見積もりをしてもらったことがあったんですが、思ったほど高くはなかったものの、やはり、作り付けはそれなりに高い。地震のことを考えると作り付けてしまった方が倒れなくていいんだけど。でも、このマンションには、息子が高校を出る頃までしか住むつもりがないので、他人に貸すにしても売るにしても、大型の作り付け収納があったのでは、自由なレイアウトができないので不利かも知れない。やっぱり普通に置くタイプにして、地震対策は別に考えよう、ということになりそう。
ついでにホームセンターに寄って、ペット用の小さなホットカーペットを買いました。これから寒くなるのに、ぴー太(生きた暖房器具、だと、お互いに思っていた)がいなくなっちゃって、ちびりんが可哀想だし。人間のベッドにもぐって寝たがるんですが、上から布団をかけられるのが嫌いな猫で、毛布より重いものをかけると這い出てしまうんですね。人間は毛布だけってわけにはいかないだろうし。とりあえず、家に帰ってホットカーペットに電気を通してみたところ、気持ちよさげに寝てくれました(^^) でも猫は気紛れだからなー。
風邪っぴきなのであまり無理せず、だましだまし仕事しました。
年末が近づいて、各種ベストテンだのアンケートだのの締めきりも。今年は、翻訳物をあまり読んでいなかったので、ここ一週間ほど、翻訳物のミステリばかりダーッと通読しています。面白いのがたくさんあったのねー、今年も。とりあえず読み通してアンケート等に回答したら、気に入ったものから、お楽しみ読書(精読)しようっと。
●今日の晩ご飯● キムチ煮込みラーメン(昨夜のキムチ鍋の残り汁に、野菜とかひき肉とかを足して、煮込み用ラーメンを入れてぐつぐつ。けっこうおいしかった)。鰹のたたき。貝のお刺身の盛り合わせ。山菜おこわ(お惣菜コーナーで買ったもの)。
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2004.11.18 風邪の症状がまたあたまをもたげて来ました。一日中、体温調節がうまくいかなくて、鳥肌が立ったり汗が出たり。寝たり起きたり繰り返しながら、牛歩仕事。
新聞を読んでいて、唖然とするような記事を見つけました。大学生が三人で「ストレス解消のため」に、行きずりの会社員を暴行して財布を強奪して逮捕された、というもの。大学生ですよ、大学生!親のすねかじって大学にいかせてもらって(三人共私大生)、それで「ストレス解消」に、見ず知らずの人を三人がかりで殴って財布を強奪するなんて……聞いた人の顎がはずれるほどの馬鹿ですよね。中学生のすることでしょう、さもなければヤクザ、それも下っ端のチンピラヤクザの。人を殴って怪我をさせて、財布まで奪うのが「犯罪」だということぐらい、小学生だって知っている。犯罪をおこなえば、逮捕され起訴され、刑務所行きになるかも知れないってことも、小学生だって想定できる。でもそこで「自分は捕まらない」と思うのが中学生(ガキ)であり、「捕まってもかまわない」と思うのがアウトローなわけです。では、ちゃんとした私立大学に通う学生は、捕まらないと思ったのか、捕まっても構わないと思ったのか。捕まらないと思ったとしたら、その根拠は何だったのか。とてもおそろしいことだけれど、彼らはもしかすると、「何も考えていなかった」のではないのか。一億総白痴化という言葉がありますが、白痴化というよりも、「何も考えない」、つまり、人間未満の状態へと、退化しているのではないか。そしてそんな退化した人々が、大学の入試にはちゃんと受かってしまうのはなぜなのか。考えれば考えるほど、SFホラーですね。
そう言えば、知人の知人、40代のサラリーマンが、親父狩りに遭ったことがありました。その人は武芸の心得があり、逆襲した結果、親父狩りを実行したガキ数人をまとめてぶちのめして警察に引き渡したそうですが、それでたまげたことに、そのガキがみんな「大学四年生」で、警察に駆け付けた母親たちが泣きながら「こんなことが表ざたになったらせっかく内定していた就職がだめになるので、どうか示談に」と頼みこんだそうです。その母親の気持ちは、同じ母親としてわからないではない。ですが、サラリーマン氏の方が筋が通っていました。「見ず知らずの人間を大勢で襲って怪我をさせて楽しむような人間を、知らずに採用してしまったのでは、その企業が気の毒です」と突っぱねたそうです。当たり前だよね。世の中のことは、何もかも自分の思い通りになるわけではない。誰か殴ってすっきりしたい、という気持ちは誰でも少しは抱くものかも知れないけれど、それを実行したらその代価は自分で支払わなくては。
さて、他人のことをあーだこーだ言うのは簡単。問題は、自分がその母親の立場になってしまった時、毅然として、息子が刑務所におくられるのを覚悟できるかどうか。さらには、そんな人間にしないために、どうやって育てればいいのか、です。それを考えていると、本当に胃が痛くなって来ます。
微熱で寝ていたら、新潮社の担当Gさんから、ちょこっと嬉しいお知らせが入りました(^^)
●今日の晩ご飯● キムチ鍋 NHKの「ためしてガッテン」で、キムチ鍋のコツをやってました。それを昨日見たパパ、今日はキムチ鍋を作る、と、朝から決めていたらしい(笑) コツと言っても、キムチと豚肉を最初にフライパンで炒めてから鍋に入れる、具にイノシン酸豊富な魚介類を使う、というだけなんですが、確かに、炒めてから煮た方がぐっと味が深く、香りもいいみたい。魚介類はいつもたっぷり使っていますが、特におすすめの具が「煮干し」というので、今日は煮干しも入ってました。風邪のひき始めにカプサイシンは効く〜
●今日の読了●(敬称略) 「キマイラの新しい城」 殊能将之 講談社ノベルス 読了(130・国内100)
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2004.11.17 1時間に一回くらい、「あ、ぴー太はいなかったんだ」と気づいて、しゅん、となっています。生活の一部だったあの姿や鳴き声が、もう二度と戻って来ないと、納得できるまでにはまだ時間がかかりそう。メスの猫も、なんかへんだなー、と思っているみたいで、どことなく元気がありません。犬ほどではないにしても、人間よりは鼻も耳もいいものね、ずーっと一緒だった相棒の気配が急に消えてしまって、居心地が悪いのかな。最期の数日、ぴー太はトイレに行くことができずに、あちこちに少しずつお漏らししてしまいました。今日はゴミの日で、うちの地域では布団なんかも出せるので、まとめて、ぴー太がお漏らしした古い布団などを捨てました。点滴だけで生きていたので、オシッコの匂いも、ビタミン剤の匂いになっちゃってて、なんとなく人間の病院みたいな匂いが家中に漂っていたのが、さっぱりとしちゃった。猫のトイレも三つあったんですが、メス猫はトイレの使い方も綺麗だし、一つで充分になったので、二つは処分予定。こうやってひとつずつ、ぴー太の痕跡が家の中から消えて行く。さびしいけど、いつまでも引きずってたら、空の上でぴー太もばつが悪かろう。
ただ、メス猫のちびもすでに18歳ぐらい(迷い猫なので生年は不詳なんですが、17年前にうちに来た時すでに妊娠していたので、生後九ヶ月は過ぎていたと思われます。そこから考えると、ぴー太とおない歳か年上なんです)なので、いつ、その日が来ても不思議ではないんですよね。でもなんとかもっと、長生きして欲しいなぁ。
昨日は朝から忙しかった。午前中は家事、それから美容院でブローセットして貰って、着替えて、配偶者と東京へ。途中でおそばでランチ。仕事場に着いてから、洗濯したり掃除したり郵便物の整理。三時半に新潮社まで送ってもらい、配偶者は帰宅。わたしは新潮社で、二つ続けて著者インタビューを受けました。サンケイスポーツ新聞と、共同通信。二時間半くらい喋り続けになったので、口がくたびれました(^^;;; 「ワーキングガール・ウォーズ」が出て以来、これで6件目のインタビューです。ひとつの作品でこれだけ短期間に殺到したのは、デビュー以来かも。新潮社の担当G嬢の頑張りのおかげですね(^^) 著者インタビューは、本の売り上げに直結する、というわけでもないんですが、これだけあちこちで出してもらえると、少しは効果もあるみたい。先週、最初にインタビューを受けた「hanako」が発売になり、インタビュー自体は小さかったですが、本の紹介の方を大きく取り上げていだけたので、昨日は都内某書店の売り上げがポコッと伸びたそうです(^^)
これまでのインタビューも、そろそろ順次、雑誌等に出ます。見本が届く頃には発売されていて情報が遅くなりそうですので、雑誌名だけ挙げておきますね。「25ans」「週刊女性」「anan」「サンケイスポーツ」それに、共同通信が配信している地方紙に出ると思います。ご興味のある方は、書店等でチェックしてみてくださいませ。
六時過ぎにやっとお仕事が終わり、新潮社近くのイタリアンレストランで、「ワーキングガール・ウォーズ」の打ち上げでした。担当Gさんと、小説新潮の担当T氏、編集長E氏と。E氏はほんとにおしゃべりが楽しい人なので、笑いっぱなしでした。食事も魚介類いっぱいですごくおいしかった〜。松江の有名な漁師さんがとったという、「ブランドもの」のスズキとか、黒鯛まるごと一匹のアクアパッツォとか。アクアパッツォって、シロートが作ると水っぽくなっちゃっておいしくないんですよね。黒鯛もすごく新鮮だったけど、味付けはシンプルで好みでした。10時前にお開き。地下鉄を乗り継いで、自宅に帰り着いたのは11時45分。夜は急行が少ないので、時間がかかるなあ。
今日は、ほぼ以前と同じ生活に戻っています。1日中、仕事。
●今日の晩ご飯● 小龍包(冷凍をふかして)。豚餃子(餃子の具を豚ロース肉で挟んで焼いて)。発芽枝豆と蓮根と魚肉ソーセージのオイスター炒め。大根菜とあさりのすまし汁。白飯に、いくらの醤油漬けをのせたイクラ飯。
●今日の読了● 「キリンの涙」 アレクザンダー・マコール・スミス (ヴィレッジブックス) 読了(129・翻訳30) わたしが今年読んだ本の中でもイチオシの、「No.1レディース探偵社本日開業!」の続編です。アフリカはボツワナではじめての女性探偵となったマ・ラモツエの探偵物語。今回は、ラモツエの婚約者や秘書の視点部分が増え、ミステリー度は低くなっていますが、ふわっとした、おおらかで優しく、それでいて厳しいあの世界はそのまま受け継がれています。
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2004.11.15 昨夜は、ずっとぴー太をベッドの上に寝かせておこうかとも思ったんですが、家の中は気温が高いので万が一のことも考え、野菜の入っていた箱に毛布でベッドを作って寝かせ、リビングに。寝ようとしてもなかなか寝つけず、ついついリビングのあかりを点けて、ぴー太の顔を見つめてしまいます。それも、夫婦で交互に(笑)。デパスを二錠飲み、無理に寝ました。
昨日、全身をきれいに拭いて、硬直が始まる前に姿勢もある程度整えたので、とてもきれい。息子が学校に出かけてから、車でペット火葬場へ。桐の棺に入れてもらい、花で埋め、キャットフードにおやつのスルメもしっかり入れて、ぴー太は煙となって天に。一時間後、お骨あげ。人間の場合とまったく同じに、骨の部位も丁寧に説明してくれました。ぴー太のお骨はしっかりしていて、すごく綺麗に残ってました。まるで骨格標本みたい。尻尾と爪のところを少しずつ、お守りホルダーに分けてもらい、お昼前に、遺骨を持って火葬場を出ました。
「悲しくない」と昨日の日記に書いたのが、驚きだった人が多かったみたいで、作家の友人からもずいぶんメールが届きました。でも、ほんとに、「悲しい」というのとは明らかに違う気持ちなんですね。自分でも不思議なんだけど。たぶん、ぴー太に関しては、飼い主としてしてあげられることは全部やったもん、という思いがあるからだろうな。生まれたその日から、掌にのせて育てて、最期のひと呼吸までじっと見つめていられて。
でも、18年も一緒にいると、空気のように、家の中にいるのが当たり前の存在になっていたので、これから毎日、ふとしたひょうしに思い出しては、涙がぽろっとかなるんだ思う。今日も、綺麗な袋に入ったお骨を持ち帰って、「ぴー太、おうちに帰ったよ」とお骨をテーブルに置いたとたんにぽろり。夕飯を食べているといつも「なんかおくれ〜」と足下ですりすりしていたぴー太が、今夜はもういない。スパゲティを食べながら、ぽろり。そんな感じ。それでも、それは、「悲しい」のではなく、「さびしい」んですね。雄猫としては、葬儀屋さんもびっくりしたくらい長生きしたんだもの、悲しんだりしたら、ぴー太だって困るよな(笑)
昨夜から、ぴー太そっくりな白黒ブチの野良猫(?)ちゃんが、ベランダに登場しております。遊ぼうかなと思ってサッシを開けるとサッと逃げてしまうので、ガラス越しに見ているだけだけど。生まれ変わるには早すぎですが(笑)、なんとなく嬉しい。
『猫の側からすれば、餓えと渇きがなく、快適な寝場所でゆっくり寝られれば、それで「幸せ」です。
他のことはすべて、飼い主の幻想なんですよ。
つまり、ペットというのは、飼い主が作るひとつの「物語」なんです。
その意味では、ぴー太は、ハッピーエンドな物語だったと思っています。18年もいたものがいなくなると、さびしいですけど……』
↑ は、お友達の作家さんに出したメールの一節。これが今の、わたしの気持ちの、すべて、かも知れません。
●今日の晩ご飯● 本の整理をしていて時間がなくなったので手抜きです。
スパゲティミートソース。ソースは缶詰めに赤ワインを足して味を整えたもの。
牛肉のサラダ。(牛バラ薄切りをグリルで焼いて、ベビーリーフと、焼いたピーマンと一緒に、行者ニンニクのドレッシングであえました)
●今日の読了●(敬称略) 「紅楼夢の殺人」芦辺 拓 文藝春秋 読了(128・国内99)
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2004.11.14 まだ午後三時にならないのですが、たくさんメールをいただいておりましたので、早めにご報告を。
12時13分、ぴー太の呼吸が停止いたしました。人間さまのベッドで、夫婦ふたりの間に挟まって、ながながと手足を伸ばしての大往生でした。17歳六ヶ月。生まれた時から見ているので、今は、長い長い物語を一冊、やっと読み終えた、そんな気持ちです。なんだかね、悲しくはないんですよね(^^) 飼い主の勝手な思い込みですが、飼い猫として受けられる幸せはすべて、受けて逝った、と思えるので。どちらかと言えば、そこはかとない、表現のできない、幸福感に近いものがあります。満たされている、そんな感じ。まあつき合いが長かったので、これから少しずつ、いろんなシーンで喪失感に襲われて泣く日もあると思うけど、とりあえず今日は、微笑んでおくってあげられました。
昨夜から、暖めようとすると激しく嫌がり、氷みたいに冷たい窓サッシのところで丸くなってしまいました。明け方まで心配で寝られず、何度か、抱いて暖めようかとも思ったんですが、ここで迷って見苦しくジタバタすれば、ぴー太が苦しいだけだから、と、堪えて、まんじりともせずに夜明け。朝になった時、もう眼球が乾いて皺が寄り、何も見えていないようで、意識も混濁しているようだったので、いよいよ最期だな、と覚悟したんですが、九時にいちおう、配偶者が獣医さんに連れて行きました。そこで獣医さんから、尿毒症を発症してしまっているので、もう 持たない、と告げられ、家で看取ることにして、配偶者が連れて戻りました。それから三時間、人間のベッドの上に寝かせて、夫婦で両側を挟んで寝そべり、ぴー太が生まれてからのいろんな珍騒動を語りあいながら、そっと撫でて過ごしました。11時過ぎまでは規則正しかった呼吸が、次第に、深い溜め息のようになって間隔があきはじめ、12時頃、お腹の動きがとまり、肺が停止したのかな、と思ってから、しゃっくりのような「息継ぎ」が始まり、それが10分ほど続いて、静かになりました。その間、ずーっと、顔を見つめておりました。しゃっくり呼吸になる寸前、一声、大きく鳴きましたが、その鳴き声は「わかんにゃい」あるいは「ばかじゃない」と聞こえ、思わず笑いました(^^) ふだんから、日本語みたいな鳴き声をあげる子だったんです。「わかんにゃい」が辞世の句(笑)
もう二時間以上経つのに、まだ温かい。毛皮の保温力のせいでしょうか。明日、お骨にして、持ち帰る予定です。
朝からみそっかすにされたメス猫のちびりんは、ちょっといじけています(笑) 今日はもう仕事もせず、ぴー太くんと一緒にベッドに横になって本でも読んで過ごします。
いろいろとお騒がせいたしました。メールで励ましてくださった皆様、本当にありがとうございました(^^)
●今日の読了●(敬称略) 「密室の鎮魂歌」岸田るり子 東京創元社 読了(127・国内98) 今年の鮎川賞受賞作です。
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2004.11.13 土曜日だと言うのに、午前五時起きでお弁当作り。息子が友達と、ビッグサイトで開催される任天堂DS関連のイベントに行くというので、立ったままでも食べられるような簡単なお弁当を作って持たせました。開場前に国際展示場駅に到着するにはうちを六時半過ぎに出ないとならないという強行軍。いつもは起こすのにものすごく苦労するのに、遊ぶこととなると、すんなり起きる息子。まあ大人でもそんなもんか(^^;;;
猫は九時に獣医さんへ行く予定だったので、それまでの二時間、わたしたちのベッドに寝かせてそっと抱いていました。とにかく、目を離すと、冷たいところへ冷たいところへと移動してしまい、低体温になっちゃうんです。猫ってそういう習性があるのかも知れませんね。熱があろうとなかろうと、体調が悪いと冷やすという。九時にまた半日入院。引き取りは夕方なので、自宅に戻って家事をしてから、東京の仕事場へ。ついでに、お気に入りのフレンチレストランで超お得ランチを食べました。三時に自宅に戻り、仕事。息子は無事、四時半に帰宅。なんだか要領を得ない感想を述べていたけど、とにかく楽しかったみたい。ものすごく混んでいたようですが。でも、「また欲しいソフトが増えた」と、必死になってソフトの価格を並べて足し算しています。どう足しても減らないよ〜(笑) 欲しいものを並べれば予算オーバーになるのは世の常さ。お誕生日プレゼントにDS本体がもらえるだけでもラッキーだと思いなさい。しかしがっちり息子は「クリスマスはこれでええか」と、ひとりで合点しています。「ええか」って、プレゼントっちゅーもんはなぁ(小一時間)。
ぴー太くん。インスリンの効果で、血糖値はかなり下がりました。異常値の範囲でもなんとか下の方に。でも、期待していたほどの元気は戻っていません。血糖値さえ下げれば、もう少し元気になって、自分で水を飲むくらいしてくれるかと思っていたんだけど……。多機能不全、とでも言うのか、あらゆる内臓機能が、静かにフェイドアウトしていく最中なんでしょうね。広い意味では老衰ですよ、と、獣医さんが言ってくださいました。そう思うと、少し気持ちが楽になります。瞳孔が開き気味なので光が眩しいらしくて、家に連れて戻っても、よたよたしながら必死に暗いところに入ろうとします。本当はあたためて、体温を上げてやらないとならないんだけど、タオルにくるんであたためると、しばらくはじっとしているけれど、そのうちもがいて冷たいところに行こうとします。情けない飼い主だと思いながらも、配偶者もわたしも、それでも縛りつけて温める、ということができない。なんだかそれは、やっぱり、無意味な延命治療なのかな、と迷ってしまうわけです。こういう時は迷うのがいちばんいけない、治療したいなら徹底しなくては、というのは、あたまでは理解できるんだけど……でも、最期の最期までもがいて嫌がって、というのをさせたくないのね。自分で気持ちがいいと思うところで、静かに寝ているんだし、それでいいんじゃないか……猫という生き物は、ずーっとそうやって、ひんやりとして暗いところで、誰にも見られずにそーっと、静かに、死んで来た生き物なんだろうな、と。看取りたい、だとか、最期はわたしの腕の中で、なんていうのは、やっぱり飼い主のエゴなんですよね。もしぴー太がマンション猫じゃなく、田舎でのびのびと自由にしている猫だったら、もうとっくに縁の下かどこかに潜り込んでしまって、飼い主の見えないところで、最後の眠りについたのだろうな……。
迷いながらも、今は、ぴー太が好きな場所で寝させています。
昔のことです。病院に勤めていた時、入院中のおばあさんが危篤になった。ぎりぎり一命はとりとめたけれど、生命維持装置なしでは自発呼吸できなくなり、管につながれて寝たきりに。その時、その一命を救ったお医者さんが、カルテを整理していたわたしのところに来て言いました。「夢中で助けちゃったよ……」それは、得意がっているのではなくて、ものすごく「後悔」している声だった。「医者ってのは、反射的に命を救おうとしちゃうもんなんだよ。だけど、もしあれが俺の母親なら、黙って手を握ったままで何もしなかったかもな」。「思わず助けてしまった」ために、そのおばあさんは、それから二ヶ月、意識を取り戻さないままで鼻から管を入れられ、点滴に繋がれ、ベッドに寝たままで亡くなりました。痩せ細って別人のような顔になって。遺族は二ヶ月の間大変だったと思う。支払いは、差額ベッド代だけで数十万円以上でした。もしあの時、手を握ったままだったら……ふっくらとしたほっぺたのままで逝けたかも知れない。お金だってかからなかった。その時のお医者さんの言葉の意味が理解できるようになったのは、それから十年も経ってからだったけれど。
猫と人とは一緒にはできないけれど、「死」というものについて、こういう時はついつい、考えてしまいますね。
●今日の晩ご飯● ポテトグラタン(じゃがいも、人参、玉ねぎ、ハム、アスパラガス、ホワイトソースとチーズで)。たらこスパゲティ。昨日食べなかった、バースディケーキ。
●今日の映像● 「ER 第一シーズン最終回」ケーブルより
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2004.11.12 (その2) 猫のことは後でまとめて。今日は息子の誕生日&授業参観でした。と言っても、息子の学校は、いつでも参観OKなので、本当は参観日、というのはないんです。でもそうすると、親御さんがみんな遠慮してなかなか観に来てくれないので、いちおう、三日間の参観日、というのを設け、その間の好きな授業の見学ができます。でも担任の先生は、「父兄が多くうしろに並んでいると、生徒たちが妙にいい子になってしまって、普段の姿が見られませんから、できれば参観日以外の日にどうぞ」と言っています。それだけでも、親の前だけでビシッとさせて、自分の立場だけとりつくろう教師とは、そもそもの姿勢がまったく違う、というのがわかって、嬉しいですよね。うちは、午前中は猫のことでばたばたしていたので、午後から行きました。午後は参観日程にないので、見学はわたしたち夫婦だけ。そのせいか、生徒たちはもう、思いきりのびのびと楽しそうで、英語の綴りと発音の関係を感覚的に学ぶ、という、新しいスタイルの授業だったんですが、賑やかで何度も笑わせてもらいました(^^) それでも息子に言わせると、「あれでもみんなけっこう、猫かぶっとったで」ということなので(笑)、ふだんはもう、どけだけ賑やかな授業なんだろう(^^;;;; 普通の学校で教えるより何倍も先生は大変なはずですが、見ていても、生徒たちのあしらいが上手だしきっぱりしているし、ワイワイとみんな好き勝手なこと喋ったりしているんだけど、それをポイント、ポイントで集中させる技はさすが。ふだんの生活の中で、子供とどうつき合うかの参考にもなりました。
息子も今日で13歳。プレゼントは、任天堂DSがいい、とリクエストされていたので、予約を済ませ、その予約券で。明日は、朝の六時代の電車に乗って、東京ビッグサイトまで行くようです。いつのまにか、子供は大きくなってるんだなあ……
さて、ぴー太くん。結局、血糖値がどうやっても下がらないので、今日からインスリンを投与して、どの程度効果があるか試験することに。朝の九時に預けて、夜六時に引き取りに行きました。1日中、検査や点滴をしてその結果を観察してくださった獣医さんと今後のことを相談。インスリンは初日なのでかなり少なくしているため、血糖値の下がり方はゆっくりですが、問題は、血糖値が下がって来ても、全身状態が回復しないことにあります。腎臓や肝臓の機能が停止寸前で、点滴をしてもなかなか尿がたまって来ない状態だそうです。
自宅にひきとって最期を看取ると決めたとしても、今の状態では自分で水が飲めないため、ただ渇きに苦しんで息絶えるのを見ているだけ。それは猫だって辛い。なので、とにかく血糖値を下げて猫自体のからだを楽にしてやり、点滴を続けて脱水状態を少しでも改善して、苦しみを感じない状態にしてあげるため、しばらく、通院を続けることにしました。インスリンと点滴に検査で、毎日、一万円以上のお金がかかりますが、もう他にしてあげられることはないので、出版社に借金覚悟です(^^;;;; 腎臓と肝臓、それに膵臓ももう限界なので、それを続けても、前のように元気になるという可能性は限りなくゼロに等しい。それでも苦痛さえなくなれば、残された日々(たぶん、数日か、長くても一週間くらいでしょうか……)を、ぴー太なりに、わずかでも楽しめるかも知れないし。
人間でも、九十歳を過ぎたお年寄りが老衰や、老人にありがちな病気で亡くなった場合、お葬式でわんわん泣く人は少ないですよね。悲しみより、むしろ、どことなく爽やかな、というか、ゆったりと、天の存在を感じるような気分で参列できます。「えらい長生きしはって、しあわせやなあ。あやかりたいわぁ」とみんなに言われ、遺影も誇らしげに見える。みんな、少し微笑んでいる。そんなお葬式って、理想的ですよね。ぴー太も、猫としては大変な長寿を見事に生き抜いて、しかも、飼い主にはただの一度も敵意を見せずひっかきも噛みつきもせず、息子が赤ちゃんの頃は子守までしてくれて(ほんとに、ぴー太が鳴くと赤ん坊の息子が、きゃはきゃはと笑ってくれたんですよー。で、息子が泣いているとぴー太がそばに行き、「うえ〜」実は、ぴー太は鳴き声が、にゃーん、ではなくて、うぇ〜、なんです・笑)、あやしてくれました。飼い猫としては、ほんとに、百点満点、です。だから、できるだけ泣かないで、微笑んでおくってあげたい。こんなに素敵な猫はちょっといないもん(^^)
そう、覚悟を決めたので、もう落ち込んでいません。ここ数日、猫好きな方からいっぱいメールが届きました。皆様、ありがとうございました。あとどのくらいの時間が残されているかわかりませんが、こんなに素晴らしいペットと18年も一緒に暮らせた幸せを、ゆっくりと噛みしめて過ごします。
●今日の晩ご飯● 息子のお誕生日なので、お祝ディナー。徒歩三分のところに、おいしいステーキハウスを発見したので、そこで食べました。近江牛のステーキ。わたしはローストビーフ。近江牛は、京都にいた頃になじんだ味で、嬉しかった。ケーキも用意しておいたんだけど、家に戻ってもお腹いっぱいで食べられないので、ケーキは明日。
●今日の読了●(敬称略) 「とむらい機関車」大阪圭吉 創元推理文庫 読了(126・国内97)
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2004.11.12 (その1) 猫が心配でとうとう一睡もできませんでした。ぴー太は、昨夜から、転々と居場所を変え、まるでひとつひとつ思い出を確認するように(なんてのは人間の勝手な思いこみですが)、これまでお気に入りだったところにもぐりこみ、最後に、お風呂場に行き着いて、そこで動かなくなってしまいました。猫は飼い主に死に目を見せない、という俗信があるけれど、結局、熱を下げようとして、できるだけ冷たい場所に移動し、さらに、明るいと落ち着かないので暗いところへ、そして、人間や他の猫に触られないように誰も来ないところへ、と移動して行って、縁の下などにもぐってそこで死を迎えるからなんでしょうね。昨夜はお風呂場を使うことは断念し、電気も点けず、そっとしておきました。水を飲みに来るのも辛そうなので、水の器をそばに置いてやって。今、午前八時十五分。もう、姿勢を変えることしかしません。耐え切れなくてそーっと撫でたら、必死になって、返事をします。
ぴー太は生まれ時から、きょうだい猫の中でいちばん不細工で、貰い手が絶対につかないだろうと思ったので、うちに残ることが決まっていた猫でした。これがちょっとばっかりの不器量だったら、それはそれで、猫好きをうまこと丸め込んで貰ってもらえたんですが(^^; 他の六匹と比べて余りにも器量が見劣りした(ヒットラーそっくり。またはブルテリア似とも言える)上に、生まれた時から横腹が出っ張っていて、デブだったんです(笑)。母猫は美形のシャムだし、他のきょうだいは母猫に似てるのも似てないのもいたけどみーんなすごく美猫で、どう見ても、カッコウの託卵ならぬ、「託猫」されとしか思えなかった(笑)。で、うちに残ることはもう目に見えていましたから、なんだかんだと結局いちばん甘やかし、きょうだいの中でいちばんいい思いをしていたかも知れません。母猫のおっぱいには最後までぶら下がり、それでいて離乳食は他の子の倍は食べ、トイレをおぼえるのも遅く、甘ったれ。でも小さい頃から、その性格が極めておっとりとしていて、おだやかな猫なのはわかりました。いよいよ他の子猫がすべて売れてしまって、こいつが残る、と決まった時、それまでの幼名(なぜか、おせんべくんと呼ばれていた)から本式に名付けることになって、「わたしがこれまで読んだ小説の中でもっとも好きな、もっとも活躍した猫」の名前である「ピート」と命名。もちろん、ハインラインの「夏への扉」に出て来る、あのピートです。飼い主の絶対的危機を救った英雄。そんな由緒正しい名前をつけて貰ったのに、飼い主がずぼらな性格なもので、ぴたぐんとかぴーたろとか、いい加減な呼び方をされ続け、獣医さんのカルテにも、「ぴー太」と書かれてしまうという不幸な猫でした(笑) それから18年。この18年間は、わたしの、そしてたぶん配偶者の人生の中でも、もっともドラマチックな時間だったと思う。新婚から子供を持ち、独立して事業をやり、阪神大震災で配偶者の実家が壊れ、わたしが作家になり、子供にいろいろトラブルがあって、何度も引っ越しして。その間、ずーっと、「なんとなく」家族としてそばにいてくれました。うちは、飼い猫に対して割とクールで、三日くらいならしょっちゅう留守番もさせるし、お互いにあまりべたべた干渉しない環境を作って来たので、ぴー太も、ちびりんや母猫と一緒に、マイペースで生きていたみたい。ストレスが少ないせいなのか、いつのまにか長生きして。途中で赤ん坊が生まれた時も、猫を遠ざけるなんてまったく考えませんでした。赤ちゃんとママの部屋だけは猫の立ち入りを禁止したけど、あとは成り行き任せ。でも、ぴー太もちびりんも母猫のりんごさんも、息子に対してほんのわずかでも悪意を見せたことがただの一度もなく、息子に尻尾を引っ張られてもじーっと耐えていて。それどころか、三匹とも、人間を、偶然とか事故以外でひっかいたり噛み付いたりしたことが、本当に一度もなかった。わたしの手にたった一個のひっかき傷もないので、猫を三匹も飼ってるなんてみんな信じられないと言ってくれたくらい。母猫が行方不明になり、ちびりんと二匹だけになって十年。
わたしが「ぴたぐんはお返事猫さんにする」と宣言し、話し掛けると必ず鳴くように育てたため(鳴くまでしつこく話し掛けているとそうなります・笑)、どこにいても、名前を呼ぶと「にゃー」。鈴のいらない猫でした。今も、撫でてやると、必死に「お返事」しようとします。それが哀れなので、本当はもうずーっと膝に抱いて撫でていたいけれど、少しだけ撫でて、あとはそっと。獣医が開くのを待ってまた連れて行くけれど、もうこの様子だと、インスリン治療を開始するのも無理みたいですね。心臓が持たないかも知れない。
先週は元気だったのに、と思うと、涙がとまらないけど、人でも猫でも、運命というのはそういうものなんだろうな。結果的には塩ザケはあまり関係なかったんだけど、それでも、ぴー太が最後にくすねたのが好物の塩ザケで、きっとそれは、とってもおいしかったんだろうなと思うと、好きなものを思いきり食べさせてあげられたのは、よかったのかも、と、自分で自分をなぐさめています。ほとはね、スルメが好物なの。鮭の薫製も。もういいよ、健康に悪くたって。食べられるなら食べさせてあげたい。でも、スルメを鼻先に近付けても反応しません。
来月、猫の正太郎シリーズの、カッパノベルスで出た一冊目が文庫になります。ノベルス版はもう、文庫化されると再版しないと思うので、市場在庫が返品されると断裁でしょう。そのノベルス版には、ぴー太の顔が出ていたんじゃなかったかな。手元にないのでちょっとうろおぼえですが。いずれにしても、正太郎シリーズのどれかには出ています。「著者近影」になれた猫ってそんなに多くないと思うので(^^;;;、それも思い出になるよね。
まだかすかな希望は捨てていません。でも、見苦しくジタバタして、いたずらに猫の苦痛を長引かせるような「飼い主の良心の呵責を薄くするためだけの延命治療」は、しない、と、昨夜、覚悟しました。これから、獣医さんとよく相談します。
また、夜にね。
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2004.11.11 いよいよ、覚悟を決めないとならないようです。ぴー太の血糖値は点滴で下がらず、何も食べていないのに数値が上がってしまいました。朝いちばんで獣医に預けて、夕方六時まで、獣医さんもいろいろと手を尽くしてくださっているんですが、たぶん、膵臓そのものが相当弱っているのだろうと。肝臓、腎臓の方もどんどん数値が悪化しています。インスリン治療に入ったとしても、それでどの程度持続的に血糖値が下げられるかわからないし、歳も歳なので、腎臓や肝臓のダメージの回復は望めない。しかもインスリン治療を開始すると、最低でも一日五千円、最初の検査等で五万円。一ヶ月で二十万円はかかる、ということ。もちろん、それで前みたいに元気になるなら、借金してでも、と思うけど……獣医さんの口ぶりでは、インスリン治療に入っても回復するとは言い切れないみたいで。つまり、それだけのお金をかけ、猫に辛い思いをさせても、ほんとに延命治療にしかならない、ということですね。人間の場合は延命治療にもなんらかの社会的意味はあるけれど、動物の場合、ただ生きているだけ、の状態で、辛いままだと、本猫にとっては苦痛が長引くということ以外の何も意味しない。あとは、飼い主が自分の心をどれだけごまかせるか、エゴが満足するかの問題。そうやって、理屈ではちゃんとわかっているんだけど……。こんな時、欧米では獣医は安楽死を勧めるし、飼い主も、安楽死を選ぶのが普通でしょう。でも日本人のメンタリティはなかなかそこまで思い切れない。獣医さんでさえ、自分の手で安楽死させたくないという人がいるくらい。海外の猫小説や猫の物語を読んでいると、自分の死期が近づいた人が、ホスピスに入所する前に飼い猫(老猫だがまだ健康)を安楽死させるという描写がよく出て来て、昔は、なんだかすごく腹がたって、どうして飼い主を探さないんだとか憤ったものですが、「飼うということの責任の重さ」を考えた場合、きちんと自分がその重荷を背負って最期をみとるというのも、大事な決断なんだな、とわかって来ました。でもわたしはまだ、そこまで飼い主として立派に振る舞えそうにない…… 情けない限りです。
明日は獣医さんにこちらの意志を伝えないとならないんですが、とにかく脱水症状だけでも改善できればぴー太が楽になると思うので、それを中心にしばらく点滴を続けて、あとは、静かに見守るだけになりそう。今、ぴー太はわたしのベッドに長々とのびて寝ています。点滴も、家でできればいいのにねぇ。
小説に没頭できる精神状態でなく、著者校だけしていました。
●今日の晩ご飯● カツカレー 気晴らしに料理しようかと思ったけど、やっぱり今ひとつ元気が出ませんでした。で、一鍋でできるカレーにしたんだけど、どうせなら、夕飯らしいボリュームで、ということで。カレーは、玉ねぎ、人参、きのこ、レンコン、ブロッコリー、りんごにミルクを使った、マイルド系の野菜カレー。カツは、豚モモのあっさりとしたカツに。カツカレーって不思議な食べ物で、カツもカレーもいまひとつなのに合わせ技でけっこう、食べられる味になるんですよね。でも家でちゃんと作ったから、当然、おいしかった(^^)
●今日の読了●(敬称略) 「螢」 摩耶雄嵩 幻冬舎 読了(125・国内96)
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2004.11.10 今日はいったい、何をしていたんだろう。。。猫が重病だと判っただけで、なんか、がっかりしてしまって、今日は何をしても力が入りませんでした。まだ血糖値が下がらず、脱水症状もあまり改善されていないのか、ぴー太はずーっとだるそうにしています。雌のちびりんが、さかんにぴー太の毛繕いとかしてやってて、それが刺激になっているようなんですが。動物の場合、人間のように、観念の中で死を怖れるということはない分、自分が諦めてしまった途端にすべてが終わってしまう、みたいなところがあるんですよね。「生」に対して執着を感じさせておかないと、自然治癒力が出て来ない。その意味では、他の猫が舐めてやったりそばをうろうろしているのは、生きることに興味をつなぐ刺激にはなると。
とは言え、こう書いていると見るも無惨にあえいでいそうなんですが、実のところは、そんなに機嫌も悪くなくて、目もきらきらしているし、鳴き声もふつうなんですね。だから、参ってるのは実はあたしなのかも(^^;;;; 夕方また獣医に連れて行って点滴してもらって来ました。インスリンを使うのはできるだけ待って、点滴と食事療法で血糖値を下げる作戦なんですが、食事療法ったって、ほとんど食べてないからなー。
明日は少しキリッとして仕事しないとな。今日は、本でも読んで寝ます。
●今日の晩ご飯● 猫の点滴に時間がかかって遅くなったので、近所のおそば屋さんへ。
●今日の読了●(敬称略) 「轟老人の遺言書」浅黄 斑 祥伝社ノン・ノベル 読了(124・国内95)
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2004.11.09 五時を過ぎてやっと眠れました。でも六時半に起きてお弁当作り。息子の捻挫がまだ治っていないので、朝は配偶者が車でおくっていってます。帰って来るまで仕事して、配偶者が戻ってから、猫を獣医に連れて行きました。昨日はまだいくらか食欲があったのに、今日になってまったくエサを食べなくなっちゃって。明らかに痩せてるし。脱水症状が出ているので、血液検査と点滴をするから夕方まで入院させてくださいと言われ、預けて来ました。午前中は買い物したり雑用を済ませて、昼に北海道味噌ラーメンを食べてから自宅に戻り、さすがに朦朧として来たので昼寝。夕方からまた仕事。獣医さんには何度か電話して、引き取っていいですよとやっと言われたのが六時半でした。
なんと、ぴー太は糖尿病でした。。。四月に血液検査した時は血糖値は正常だったのに、それが半年で異様にあがり、すっかり糖尿病になっちゃってた。餌はほとんどキャットフードしか食べていないし、昔に比べると食べる量も減っているので、食生活のせいというよりは、腎臓が悪くなったことから起こったものではないか、という診断。もともと肝臓も悪かったんですが、血糖値が高いせいで肝臓もさらに悪化していました。ううう。人間なら百歳くらいのお年寄りなので、まったくどこも異常なしの健康体です、というわけにいかないのはわかっているんだけど…… 病院のケージの奥でいじけて丸まっていたぴー太を見て、泣けて来ました。ひーん。糖尿病用のドライフードをもらい、やっと自宅に連れて戻ってフードをあげてみたけれど、食べない。やっぱりなぁ。お医者さんがすすめる猫の病猫フードって、すごくまずいのでみんな食べない、という噂を聞いていたのですが……と思ったら。鼻炎以外は健康体のちびの方がとことこやって来て、くんくんして、首を傾げて、そしてぽりぽりぽりぽりぽり……あんたが食べてどないすんねん。猫も複数飼っていると、どれか具合が悪くなった時にこういう問題はありますねー。一匹で飼うよりは、二匹とか三匹で飼った方が、他の面では楽なんですけどね。留守番させてもいじけないし。しかし、いくらまずいと言われても、他に餌はやれないのよー。少しは混ぜていいと言われたので、普通のフードと混ぜていますが、いよいよお腹空いたら食べるかな。
塩ジャケのせいではなかったけれど、やはり、そろそろ覚悟しておかないとならないようです。ぴー太はおうちに戻れたので、機嫌よくしてるけど。残り少ないかも知れない、ぴー太との日々。お互い、幸せでいたいね。
●今日の晩ご飯● 猫騒動で時間がなくなったので、近くの居酒屋さんへ。
●今日の読了● 「ウィッチ・ベイビ」フランチェスカ・リア・ブロック 東京創元社 読了(123・翻訳29) シリーズ一作目の「ウィーツィ・バット」を読み終えた時は、とても好きな小説、だと思った。でも二作目のこれ、これは本当に傑作。一作目の様々な設定をすべて受け止めて物語の中に組み込みながら、次元のひとつ違う文学作品に昇華している。それでいて、文体も作者のスタンスも、前作と同じに、十代の少女と同じところにいる。見事です。
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2004.11.08 結局、昼までかかってやっと中編を仕上げ、昼ご飯を食べたあと、三時間ほど寝ました。起きてすぐに、雑誌連載にとりかかり、夕飯を挟んで、書き終えたのが午前一時。現在、本当は11/9の午前三時です(^^;;; 眠いはずなんだけど、サスペンスフルな連載の原稿を書いた直後なので、神経がたかぶってまったく寝られません。デパス飲んだけどだめ。二時間読書していて、今、寝るのは諦めてパソコンに向かい、少し長篇でも書きます。こういうことをしていると、本当に、早死しますね。
シャケ泥棒事件を起こした雄猫が、今朝からまた元気をなくしてしまいました。やっぱり、点滴か何か打ってもらって、腎臓の負担を減らす処置をすべきだったのかなあ。でも猫にとっては獣医に行くだけでもかなりのストレスになるので、自然治癒するならさせたい、という気持ちもあったんですよね。なにせ年寄りですから、いつ何があっても不思議はないし。覚悟しておかないと、と、あたまでは理解しているんだけど、ぴー太がいなくなった生活を考えると、まだ生きてるのに涙が出てしまうのです。食欲はまだあるので、このままゆっくり復活してくれるといいんだけどなあ。明日も元気が出ないようなら、獣医ですね。
根性なしと罵られても、ぴー太とちびに万が一のことがあったら、しばらくは廃人だなー、あたし。小説書く元気が出るまで時間かかるかも。
今日、テレビのドキュメンタリー番組で、「宇宙エレベーター」のことが出ていました。配偶者と見ていて、同時に叫んだのが「地球の長い午後!」だった(笑) あの作品、とても面白いんだけど、ほとんど、バカSFかいと思うくらいすごい結末なんですよ。ネタバレになるので書かないけど。まあ古典なので、これからSFも読んでみようかい、という人は、一読するといいと思います。だけど遂に実現するんだなぁ、宇宙エレベーター。2018年には物資の輸送を開始するとか言ってましたね。人間を運べるようになるにはまだ少しかかるだろうけれど、息子が生きている間に、エレベーターで宇宙まで行かれる日が来るのかも。なんだかこういうニュースを見ていると、21世紀は本当に始まっていたんだな、と思います。と同時に、自分は20世紀の人間であって、これからは、うらやましいなあ、と思いながら、昔小説の中で心踊らせた先端技術が実用化されていくのを眺めつつ、老いていく運命なんだな、と。
●今日の晩ご飯● まったく時間的余裕がなかったので、車で回転寿司に駆け付けてさささっと食べました。
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2004.11.07 現在、すでに11/8の午前五時なのですが。
日曜日で天気も良かったけど、締めきり地獄なのと頭痛に風邪で体調最悪なのと、息子が学校で捻挫して来てそれがけっこう腫れてるのとで、どこにも行かず。パパは読書と家事、わたしはただひたすらに仕事、息子は……なんと、珍しく読書しておりました。講談社のミステリーランドを手渡すとすぐに読んでしまう。気に入っているみたい。これまででいちばん好きなのは、島田荘司さんの「透明人間の納屋」だそうです。
頭痛がどうにもおさまらず、半泣きで仕事しつつ頭痛薬漬け。ああ、温泉にでもつかりに行きたいなぁ……
三時まで仕事して二時間寝て、今、起きました。これからまた仕事して、六時半になったらお弁当作り。はああ。
●今日の晩ご飯● スパゲティミートソース、野菜スープ
今日はミートソースを煮込んでみました。最近、ミートソースは昼ご飯にレトルトを食べるか、缶詰めにちょっと手をくわえるかして作ってばかりだったんだけど、一から手作りするとやっぱおいしい。息子がこの頃、味噌汁があまり好きでなくなったようで、具だけ食べて汁を飲みません。なので、汁ものはスープが多くなっています。今日のは、キャベツ、人参、たまねぎ、いんげんにソーセージを加えた、なんちゃってドイツ風。
●今日の読了● 「庭に孔雀、裏には死体」ドナ・アンドリューズ ハヤカワ・ミステリ文庫 読了(122・翻訳28) 海外のコージーって、ツボを心得ているというか、ほんと、よくできている作品が多いですね。もちろん、評価の定まったものを翻訳しているというのはあるんでしょうが。洒脱でライトで、肩が凝らない、ミステリ。いつかはコージーの傑作、と思ってもらえるような作品をわたしも書いてみたいけど……
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2004.11.06 実は、昨夜一晩、猫の容態が心配でドキドキしていました。雄のほう。アホなんです(涙) 昨日、朝ご飯にシャケの切り身が出ていて、わたしが食べ残したのね。かなり塩からい鮭で、ご飯一膳だと半分もいらなかったんです。で、我が家では、お茶碗やお皿、箸などは食べた人が自分のを流しに片付ける。でも、お皿洗いは食洗機にやらせるので、その時の雰囲気で、先に食事を終えた人が流しまわりの片付けやお皿を食洗機に入れることをやって、最後に、テーブルに出ているお漬け物や常備菜、おかずの残り等を冷蔵庫にしまいます。おかずの残りをそのまま冷蔵庫に戻すか、パックに入れて冷凍するかは、片付ける人の気分次第。なので、わたしも「ごちそうさま」と手を合わせてから(これ、癖なんです・笑。仏教徒ってわけじゃないんですが)、「シャケ残ったよ。どうする?」と流しにいる配偶者に聞くと「あとでやるからおいといて」と言われ、そのままにしてパソコンに向かいました。それから数時間後。「あれ、シャケ、入ってへん。冷凍した?」と冷蔵庫を開けつつ配偶者。「え?あたし、知らない〜。しまってないよ」「でも、皿の上になかったで」…… 二人の視線が、自然と、惰眠をむさぼっている猫に向かったのは言うまでもありません。実は雄のほうは前科持ちで、前にもブリをまるまる一切とか、サンマ一匹とか、大胆なネコババ(おお、文字通りじゃ)をやらかしておりました。しかしあの塩辛いシャケを!慌てて猫の水入れを見ると、いつも大きな丼に一杯の水(一日に3回くらい取り替えてます)があるはずなのに、ほとんどない!「やっぱあいつや〜」「あんなしょっからいの食べて、腎臓悪いのにどうすんの!」と二人して真っ青に。結局、昨日は一日中、雄猫の体調を心配していました。さすがに喉が乾くみたいで、水を飲む飲む。腎臓が悪いので、下手をすると急性の腎盂炎か何かになっちゃうかも知れない。「利尿効果のある食べ物ってなんや?」「うーん、銀杏。柿。ビール。コーヒー。緑茶……」「猫の食えるもんあらへんやんか」「猫の利尿剤なんて知らんもん!」「ビール飲むかぁ、ぴー太(猫に呼び掛けている)!」と、アホな会話を繰り返しつつ、猫を見つめて過ごしました。やっぱりかなり塩辛くて、気分が悪くなったらしく、ぐったり寝たままだったけれど、夜になる頃には元気になって、今朝はもう、「おなかへったへったへったー」と鳴きわめいていたので大丈夫みたい。しかし、さっきその猫は、今度はアンチョビをちょろまかそうとして配偶者にペシッとされております。猫の辞書に反省の文字はない……だろうなぁ。
ランチにモスバーガーに行きました。本ワサビにひかれて「匠・アボカド本山葵バーガー」というのにしたら、びっくりしたことに、ランチョンマットを敷かれた上に、「食べ方」の書かれた紙まで出されてしまった。。。アボカド本山葵バーガーを食べるには、お作法が必要なのでした(笑)
昨夜、息子は、何を思ったか前髪を自分でハサミで切りました。床屋に行くのをさぼっていたので花形満みたいなあたまだったんだけど、自分で切ったらワカメちゃんになっております。本人も鏡を見てあんまりだと思ったらしく、今日、やっと床屋に行ったけど、処置なしだったのか、あんまり変わってないなあ。それとも床屋さんの技不足か。その息子が、東京ビッグサイトの任天堂DSのイベントに友達と一緒に行ってもいいか、と。許可はしたけど……いよいよ息子も、おたく世界に飛び込むのか……
●今日の晩ご飯● ピザ。台も製作。国産粉と白神こだま酵母でホームベーカリーの「ピザ生地」設定。でも少し発酵が足りないかなー、という感じなので、夕飯を作る時間まで冷蔵庫に入れておきました。白神こだま酵母は低温に強いので、冷蔵庫に入れておいてもしっかり発酵します。ソースは市販のピザソース。具は、サラミ・玉ねぎ・ピーマン・マッシュルームの組み合わせと、アンチョビ・ブラックオリーヴの組み合わせ。台は薄く伸ばし、ソースは少なめ、チーズは多めでこんがり焼きました。さっぱりした味で香ばしくて、激うま。しあわせ。
●今日の読了●(敬称略) 「生首に聞いてみろ」法月綸太郎 角川書店 読了(121・国内94)
●今日の映像● 「ER -母親-」ケーブルより
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2004.11.05 締めきりで首が絞まっていますが、風邪も治っていません。ううう。肩凝りがひどいのでデパスを飲んでいますが、そうするとダルイ、眠い、さぼりたい……困ったもんです。
こういう時は料理。仕事しながら、今夜は「フランスの田舎家庭の夕御飯」がテーマ。って、冷凍庫にあった鶏肉で思いついただけですが。最近、お野菜がすごく高いので、今日は冷凍野菜を中心にスープに。めんたいこのスパゲティは、料理用にしようと思っていた白ワインにすごくよく合いました(^^)
●今日の晩ご飯● 鶏胸肉のオーヴン・ロースト、つけ合わせに、玉ねぎとプチトマトとさつまいもを一緒にローストして。野菜とベーコンのスープ(カリフラワー、人参、キャベツ、キドニービーンズ、枝豆、白いんげん豆、玉ねぎ、ベーコン)。めんたいこと三つ葉のスパゲティ。買ったまま忘れていた96年物のミュスカデがあったので、飲み残しを料理用にすることにして、冷やして開けました。わたしはワインの味は大好きだけどたくさん飲むと頭痛がするので一杯しか飲めず、配偶者はビール党なのでやっぱり一、二杯しか飲みません。よほど好みのワインでないと、一本を開けたら残っちゃうんですよね。でも期待していなかった割にはおいしいワインで、今日のメニューにはとてもよくマッチ。
●今日の読了●(敬称略) 「暗黒館の殺人 下」綾辻行人 講談社ノベルス 読了(120・国内93)
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2004.11.04 連載と単発の中編の締めきりが重なって地獄です。しかもこんな時に限って、書いたものが気に入らないよ病にとりつかれ、同じとこを何度も何度も何度も……ああああ〜っ。ほとんど徹夜したのに、まったく前に進んでいないのはなぜ。放心寸前。
朝方少し寝て、息子を送りだしてまたちびっと寝て、少し仕事してお昼ごはんにパパがつくってくれたおそば(かき揚げが入っていた)を食べたらもう出かける時間。ドライヤーがないというハンデがあるので、髪の毛をブローセットしてもらう時間30分を余分に計算しておかないとなりません。でもお気に入りの美容院が、自宅から徒歩二分のところ、しかも駅に行く途中にあるのですごく便利。ブローセットして貰って電車に乗って、待ち合わせの某駅近くの無印良品のカフェ、ミール・ムジーに到着したのは、ぴったり約束の三時でした。新潮社の担当Gさんがお膳立てしてくれたインタビュー、今日はananです。「ワーキングガール・ウォーズ」は題材のせいもあって、女性誌からのインタビュー依頼が多く、これで四つ目の取材受け。もちろん、Gさんが頑張って女性誌のライターさんたちに売り込みをかけてくれている成果です(^^) 本当にありがたいことですね。ただ、ここ数年あまり撮ってなかった写真を撮られるのだけが、ちょっと辛いの(^^;;;; こんな時、美人に生まれたかったとしみじみ。今日も天気が良かったので、屋外で写真撮影されてから、ミール・ムジーでインタビューを受けました。
自分の本の他に、おすすめ本を三冊、というコーナーがあるらしく、媒体がananということで、わたしが選んだのは、今年読んだ本の中から若い女性にぜひ読んでもらいたい本をチョイス。「No.1レディース探偵社、本日開業」(アレグダサンダー・マコール・スミス、ヴィレッジブックス)と、「レベッカのお買い物日記1&2」(ソフィー・キンセラ、ヴィレッジ・ブックス)、それに「だからドロシー帰っておいで」(牧野修、角川ホラー文庫)にしました。どれもほんとに面白いですよ。牧野さんのは、かなり風変わりなので、読みにくいと感じる人もいるかも知れませんが、頑張って最後まで読み進むと、驚愕と共になんとも言えない哀切と、底の知れない暗い快感におそわれます。前の2冊(レベッカ〜は1と2なので三冊になりますが)は、もっと気楽に楽しく、さらさらと読めます。「No1.レディース探偵社〜」は、今のところ、今年読んだ本の中でわたしのいちばんのお気に入り。ぜひ読んでみてください。静かでささやかで、心地のよい感動が体験できます。「レベッカ〜」はゲラゲラ笑ったり、「こいつほんまにアホやな〜」とつっこんだり、とにかく楽しめます。本当におばかさんなヒロインがおばかさんなことをやらかす話なのですが、どこか、自分の中も「レベッカ」がいるかも、という気がして、憎めないし、身につまされてしまったり。町に出るとついお買い物をしてしまうタイプの女の子なら、絶対、面白く読めます。太鼓判。
戻って仕事。夜になって、家具屋さんに本棚を物色に行きました。自宅の方も本が溢れて来たので、唯一スペースのとれそうな廊下に本棚を置くことにしたんですが、廊下が狭いので薄い本棚でないとだめ。探すのが大変でした。なんとか見つけたけど、注文なので届くのは来週。地震対策もしないとならないので、家具を固定する技が載ってるハウツー本でも探さないと。
●今日の晩ご飯● 家具屋さんで時間をつかってしまったので、ファミレスで済ませました。
●今日の読了● 「ウィーツィ・バット」フランチェスカ・リアブロック 創元コンテンポラリ 読了(119・翻訳27) ……共和党が唱える「良識あるアメリカ」が実現してしまうと、こんな小説も悪書として追放されたりするかもなぁ。ゲイのカップルと女の子が共同生活して、誰の子かわかんない赤ちゃんを育てるんだもの、何しろ(笑) 「幸せならそれでいいじゃない」って、あたしは思うけど。
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2004.11.03 思った以上に善戦しましたね、ケリー。と言うか、それだけ、アメリカも反ブッシュの人が増えていた、ということでしょうけど。9.11の直後、ブッシュ支持率が70%を超えていたことを思うと、この一年、劣勢と言われたケリー陣営はよく頑張ったと思うな。まあ、イラクが泥沼化している現実があり、大量破壊兵器の存在が全面否定された事実があってなお、ブッシュに入れる人がこんなにいる、ということの方を驚くのが健全なんでしょうが、正直、アメリカの「良識」にはほとんど期待していなかったので……(^^;;;; オハイオの正式決定は三日後ですか?オハイオの票差からして結果的にブッシュが勝つのは九分通り決まった感じですが、あと四年もブッシュが自称「テロとの戦い」という名の侵略戦争を続けるとしたら、そのツケは膨大なものになるでしょうね。ツケを払うのがアメリカ国民だけ、というなら、しょせん他の国の話なんだけど……そうは行かない。暗澹。
風邪がぬけ切れなくて鼻がぐずぐず、頭はどよーん。新刊のゲラ戻しがあったので、午後、宅配便を出しに。そのあとダイソーに寄って、ごちゃごちゃと消耗品を買いました。残りの時間は、ただひたすらに仕事。今夜は徹夜かな(泣)
●今日の晩ご飯● 息子のリクエストで牛角。あたしはお肉、全部で五切れ食べ、あとはナムルとか野菜でご飯食べてました。
●今日の読了●(敬称略) 「古書店アゼリアの死体」若竹七海 光文社カッパ・ノベルス 読了(118・国内92)
●今日の映像● 「鏡は横にひび割れて」(ミス・マープル、ドラマ版) ケーブルより。この原作は、クリスティの全作品の中でいちばん好き。
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2004.11.02 わたしはすごく単純な脳みそを持つ人間らしくて、はっきりした夢を見た時は、起きてからその理由がかなり簡単に推理できます。つまり、寝る直前に意識にあったことが、まんま夢に出ちゃうんですよね。フロイト用無し状態。なので、うっかり寝る前に友人・知人の書いた本を読むと、ものすごく高い確率で夢にその人が出て来てしまいます。いい夢ならいいんだけど、悪い夢だと申し訳ないし、用心して、寝る直前に読む本は、作者を個人的に知らないものにしているんです。ところが昨夜、神津さんの「鬼に捧げる夜想曲」を読了して、ついでにうっかり、巻末の選評を読んでしまったら……笠井潔さんと論争している、という、地獄みたいな(わ、いえ、そういう意味ではなくて、あのその)きつい夢見てしまい、目覚ましの30分前に起きました。論争の中身がミステリ論でないことを祈るのみ。正夢になったらやだもん(涙) わたし口下手だしぃ(爆)
睡眠二時間弱でお弁当作り。今朝は、息子と一緒に夫婦も出発。特別サービスで息子を学校まで送り、そのまま東京へ。仕事場で雑用を片付けました。昼まで仕事して、ランチは、仕事場近くのお値打ちフレンチに。配偶者を連れて行くのは初めてだったけど、安さとおいしさに驚いておりました。おいしいランチで満腹、だけど睡眠不足で満腹したので、もう立ってられないくらい眠くなり、帰りの車の中では眠りこけ。家に戻って仕事。今夜は眠たいので、早くベッドに入ろうっと。
新球団は楽天ですか、そうですか。まあ、心情的にはライヴドアにやらしてやれよ、って気はするけどねー。なんかさ、小学校の時に、クラス委員に「だれか立候補しませんか」って言われて、みんなめんどくさがって手をあげなかったとこに、あんまり優等生じゃなくて先生のウケはよくないけどクラスではけっこう人気あって、バカもやるけど、まじにみんなのことを考えている子が「みんながやりたがらないなら、ぼくがやるっ」って手をあげたとたん、先生が露骨にシブイ顔して、優等生の子の顔見て目配せなんかしちゃったんで、その優等生が「ならぼくも立候補します」とかって立ち上がった、そんな構図に見えたじゃないですか。それで投票する方は、結局、先生にウケのいい方に入れちゃった、みたいな(笑) 宮城球場まで後出しジャンケンみたいな形で持っていくってのは、どうもね。でもライヴドアのおかげで、とうとう、来年も六球団でプレーできることになったんですね、パ・リーグ。それは大きな成果でしたよね。息子はダイエーのファンなんで、はたして来年も「ダイエー」なのかどうか、気をもんでますが、楽天vsダイエーってカードは今から楽しみにしています。
●今日の晩ご飯● 本日はパパ製作。献立はわたしが考えてあげました。配偶者は料理の腕はわたしより上なんだけど、献立を考えるのが苦手。考えても、材料のすべてを新しく買いに行ってしまいます。冷蔵庫と冷凍庫を眺めて、ストックから献立をひねり出す、というのが不得手みたい。そういう、ケチくさい技というのは、なぜか女性のほうが巧いのかなぁ。周囲に聞いてもみんな似たようなことを言いますね。単に、男が小さい頃からそういう工夫をするような教育を受けてない、訓練ができてないからじゃないかと思うんだけど、他の理由もあるのかしら。
ねぎま煮(まぐろのぶつ切り落としと白ネギを、醤油ベースで煮て)。だし巻き卵。牛肉とブロッコリーとエリンギの炒めもの。三度豆のごまあえ。あさりのお味噌汁。白飯。
●今日の読了●(敬称略) 「鬼に捧げる夜想曲」神津慶次朗 東京創元社 読了(117・国内91) 今年の鮎川哲也賞受賞作。
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2004.11.01 遂に11月。今年もあと2ヶ月しかないのかい。ふへ〜。なんか、あたしの周囲だけ時間の流れ、速くない?
息子は休みました。咳、かなりひどい。でも元気は元気なので、明日はマスクして学校に行かせるつもり。わたしは丸一日、雑誌掲載の短編に使う、ミステリネタを検証しておりました。たいしたネタじゃないんですけど(^^;;;; のんびり検証してる暇があったら早く書けよ>じぶん
アメリカ大統領選挙。わたしには投票権がないので(笑)、ここで何言ってもただの野次馬ですが、もちろん、反ブッシュです。しかしケリー支持かと言われると……うーん。まあでも、選挙というのは、「政治家でいて欲しくない人間を落とすためのもの」という考え方もありますからね。情報は「まれにみる大接戦」とのことですが、アメリカ在住の知人数人とメールで意見交換した範囲では、やはりブッシュが強いのかなぁ、という感じでしょうか。大都市は間違いなくケリー優勢なんですが、アメリカという国には「広大なる田舎」があるんですよね……
いずれにしても、マイノリティの権利を認める、同性愛者の結婚を禁止しない、という点だけでも、ケリーを支持したい。ブッシュは「憲法」で禁止しようとしていますからね。単に州の法律で禁止するのとは、その意味合いがまったく違う。憲法で禁止されるということは、同性愛が犯罪であった時代に逆戻りするということ。
それでもブッシュが勝つのだとしたら、アメリカ、という国が、自由や個人の権利を尊重する国である、という幻想は、今度こそ本当に、木っ端みじんになる、ということでしょうね。同性愛も認められず、レイプされて未成年者が妊娠してしまっても中絶できず。ボーイズラブ小説なんか、炎にくべられる国(^^;;;; 住みたくないや。少なくとも、山内は住めません(TT)
●今日の晩ご飯● エビフライ、クラムチャウダーっぽいクリームシチュー、白飯、牛すじのどて焼き(昨日のお残り)
エビフライの日は、父も子もエビフライばかりやたらと食べて他のおかずがそっぽ向かれてしまうので、クラムチャウダーだけにして、ごたごたといろんなものを放り込んで栄養バランスをとりました。
●今日の読了● 「魔術師(イリュージョニスト)」ジェフリー・ディーヴァー 読了(116・翻訳26)
●今日の映像● 「ロアルド・ダール劇場「予期せぬ出来事」 -南から来た男-、-コリン大尉の妻-」ケーブルより録画で。これはダールの傑作短編集「あなたに似た人」をドラマにしたものですが、この短編集はとにかく傑作。わたしのオールタイムベスト10に入る作品集です。未読の方は、ぜひ読んでみてください。切り口の鋭さ、容赦のなさは天下一品、皮肉とユーモア、着想は絶品。
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