★“Provignage” Henry Marrionet
    プロヴィナージュ アンリ・マリオネ
   ●Vin de Pays du Jardin de la France
   ヴァン・ド・ペイ・デュ・ジャルダン・ド・ラ・フランス
   ●Cepage Romorantin Provignage
   ロモランタン種使用

樹齢150年以上、
フィロキセラに侵されなかった葡萄の樹のワイン。

本来ロワールになる所、許可品種ではないため、
ヴァン・ド・ペイの規定になります。
●ロワールの名醸造家
アンリ・マリオネ (Henry Marrionet)今年、奇跡のワインを発売致します。
 
 ある日、アンリ・マリオネの元を一人の老ヴィニュロン(葡萄生産者)が訪ねてきました。生涯の殆どをぶどう栽培一筋に費やしたそのヴィニュロンはアンリ・マリオネに所有していた畑を託しました。

 それは、樹齢150年−1850年頃に植樹され、あの忌まわしいフィロキセラの害を被ることなく、静かに、そしてひっそりと小さな小さなぶどう園で生き続けてきた、ロモランタンのぶどうはトゥーレーヌ地区のソワン・アン・ソローニュ(Soings-en-Sologne)にあるドメーヌ・ド・ラ・シャルモワーズの僅か36アールの一区画で密かに生き続けてきました。

 ロモランタンは1519年にフランソワ一世がトゥーレーヌ地区に導入したぶどうで、現在ではクール・シュヴェルニィ(Cour-Cheverny)のアペラシオンでごく少量のワイン(白)が生産されています。ドメーヌ・ド・ラ・シャルモワーズでロモランタンのぶどうを発見したアンリ・マリオネは、モンペリエ大学の著名なぶどう学者であるドゥニ・ブーベ教授に鑑定を依頼し、1870年よりも以前に植樹されたぶどう樹であることが確認されました。クール・シュヴェルニィはブロワの西で栽培されるロモランタンを使用して造られるアペラシオンで、トゥーレーヌ地区東北部のロワール河沿い(左岸)に於けるシュヴェルニィとは異なります。シュヴェルニィではガメィから赤とロゼが、ロマランタン、シュナン・ブラン、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネーを用いて白ワインが生産されています。

 生産されるワインは900本のみ。そのうちの120本を出水商事がリリースすることとなりました。フランスでは、ベルナール・ロワゾー、ジョルジュ・ブラン、そしてマルク・ベイラなど、世界にその名を轟かす三ツ星レストランで2000年を迎える記念すべきディナーに花を添えるワインとして供されることが決まっています。

プレ・フィロキセラという類い希なぶどうを用いて造られた価値ある逸品です。
(プロヴィナージュ、そのニ、、、当時の新聞記事より) 
 約18ヶ月前、私の地区の小さな造り手が引退するため、自身の4.5ヘクタールの畑を私に譲ろうと訪ねてきました。信じられない事にその畑の中心部に、非常に古い区画が存在したのです。言い伝えによれば1850年頃にロモランタン品種が植えられた区画だそうです、1519年にフランソワ1世によってこの地方にもたらされた有名な品種で、クール・シュヴェルニのアペラシオンでわずかに栽培されている土地が残っています。
 この作り手の言う事を確かめようと、ロワールのブドウ畑と苗木の検察官でかつてのアンジェ市のONIVINS(全フランスワイン協会)の鑑定人ギヨ氏を呼びました。
彼は大変驚き。切り株2本を、世界でもっとも偉大なブドウ学者でありかつモンペリエの卓越した学者のバブル氏に送りました。二人とも植樹された正確な年は証明できませんでしたが、いずれにしてもブドウ木がプレフィロキセラのブドウ木であり、1870年以前に植えられたものであることを確証してくれました。つまり接ぎ木されていないこの区画は19世紀末にフランスのすべてのブドウ畑を荒廃させたフィロキセラの害からのがれたのです。
 区画は依然としてすばらしい状態にあり、おそらくフランスでも2,3しかないもっとも古い木に属するでしょう。
そのようなわけで98年に最初の収穫が実現でき、36アールの区画から約750リットル(900本)を作ることが出来ました。

 この稀有なワインのミニキュベは“プロヴィナージュ“という名前です。なぜならフィロキセラ以前、プロヴィナージュはブドウ木を増やし、欠陥のある株を取り替える方法だったからです。実際、プロヴィナージュの技術は、現在園芸で使われている取り木の技術と比較でき、フィロキセラの発生前まではブドウ木にも可能な技術だったのです。
 私の予想した通り、出来あがったワインはこの地方で味わえる通常のロモランタンとは異なっています。味わいに非常に厚みととろみがあり、ハチミツとハシバミのアロマがあります。この品種は一般に酸味が非常に高いのですが、それがワインの厚みによって和らげられています。ハーモニーは完璧ですが、味わうにはもう少し待ったほうがいいのではないかと思われます。いずれにしてもこのワインはどちらかといえば伝統的に熟成タイプのワインです。しかし酸味は少なく感じられ、すでに印象的な魅力があります。
 
私はこのワインを人類の遺産の中の守られた宝物であると思っています。私はある種の感慨を感じることなく、とりわけルイ・フィリップと同世代の人間がこのブドウ木を植えたということを思わずにこのワインを味わうことを禁じ得ません。