にろや10番勝負、第十試合(因縁の対決)
Vol.281 2001年10月26日
対戦カード:Vin du 268 大西リキ VS. はまの酒店 浜野博氏
本日のワインリスト
参加人数: 名
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21 |
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18 |
1R:ブルゴーニュ・シャルドネ対決
99ブルゴーニュ・シャルドネ
/ドメーヌ・コーディエ
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\1,980 | 10 | 98ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ/ドメーヌ・ド・ブルモー | \2,800 | 3 |
2R:メルロー対決
97ナパ・リッジ・メルロー
(カルフォルニア) |
\880 | 4 | 97メルロー・サンタ・イザベル・エステート
(チリ・カサブランカ・ヴァレー) |
\1,280 | 9 |
3R:赤ワイン対決(限定何も無し)
96マラノ・アマローネ・デラ・ヴァルポリツェッラ
/ボスカイニ(イタリア・ヴェネト州) |
\2,900 | 7 | NVミランド/マス・ラス・フレダス(フランス) | \1,250 | 6 |
価格横の数字は得票数、
本日のワインへのお問い合わせは:
Vin du 268 :078-951-2324
はまの酒店メルカード店:0798-48-5955
1R:ブルゴーニュ・シャルドネ対決 こだわりは、時に足を引っ張る。
テーマが絞り込まれると、味わいは似てくる。ここでは樽香と果実味のバランスが問われることになった。
浜野:ブルモーの仕込むシャルドネは、白では珍しくブルゴーニュ北部。シャープな酸味は新樽100%との事、開けたては強烈な樽香、果実味が喧嘩をしている。温度の上昇と、開けてからの時間を待ちたいワインである。3年待てばの期待感を持たせる白。
リキ:決して華美に走らず、蜂蜜な香りを厚みにして、どこか優しくソフトな当たりは上品なシャルドネはマコンの名手、コーディエのなせる技を感じる。私は知らなかった浜野君は、ブルゴーニュには拘りが有る様です。その拘りは、どうしても譲れないところとなって、ワインも拘りの難解なワインとなってしまうのだろう。私も思い起こせば、思い当たるところが多々と見うける。もし私も同じコーディエさんの、上のクラスである、サン・ヴェランを出していたら、口惜しさが残るだろう。
結果、お客様はわかってくれない、、、となってしまうのである。しかしそれに動じるお客様方ではない。一番予算を割いた1ラウンドで、この結果。本当にショックは隠せないところだろう。
2R:メルロー対決
強い香りは、時として、次のワインを飲みこんでしまう。
品種の指定は、何処の国を使用するかで、まずは判断が迫られる。ボルドーでは苦しいのは、その繊細さゆえ。
アルコール度数で言えば、浜野:13.5%。リキ:12.5%。そして香りは、浜野:サンタ・イザベルの濃厚にして強烈に果実味にユーカリ香を乗せて、その余韻も覚めやらぬ内に、リキ:ナパ・リッジの素直さが呑みこまれて行く。まさに口の中でワイン同士が対決している様だ。ナパ・リッジはそもそも1,680円でもその実力を発揮して好評のワインである。この度の安さには、インポーターさんの配慮もあるのだ。ですから、基本的に同価格帯の対決と言っても過言ではない。
その様子から、力の差で吊り上げて土俵の外に出された様である。
3R:赤ワイン対決(限定何も無し)
全くの漠然としたテーマには、そこでの対決者の意気込みが感じられてくる。赤のスタイルを選ぶところからもセンスが問われる。
浜野:ミランド、なんと冷やされての登場。これには何か隠されているか、ごまかしをしているに違いないと、口の中では長く滞留させてみる。キャラメルな心地よさしか残らない。リキ:アマローネ、まさかフリーテーマでイタリアが出てくるなんて、お客様方も想像がつかなかったようだ、開けたては、昔のおばあちゃんの香りで、沢庵を想像させるアマローネ。よくよく見ていただけたら、そのまとまり具合は納得していただけるはず。そうしている内に、ミランドは時間の経過で空中分解を、口の中で起こし出した。
結果は時間がすべてだろう。ゆっくり楽しめたら、リキ:アマローネ。さっと見てしまえば、浜野:ミランド。
実際のこの審査のお客様方の数で、3名の方がミランドに○を付しながらも、×をして、アマローネに○を付けた行動からも伺える。なかなか冷やして赤ワインを提供するなんて、出来ない芸当だ、しかも三田の夜はこの時期は、よく冷えます。(笑)
真っ二つに票は分かれたが、辛くも勝てた。この時点で、アマローネのまとまりを認めて頂いたからには、
1Rの「お客様はわかってくれない、、、」も通じないところである。
今回の勝ちは、納得の行かない部分を残しながらも、勝てた事が何より嬉しい。浜野氏の2年続けての連勝に、終止符を打てたのである。しかも意図したところをしっかりと抑えこんで! これほど嬉しい事はないであろう。 大西リキ個人感
さすがと思わせるのは、2Rの他のワインを凌駕するタイプのセレクト。冷やして見せるテクニック、策士を感じさせる。その策士にして、拘りのテーマは、その拘りが捨てきれないままに、今回の結果に。今回のキーワード
「惚れたら負けよ!」
惚れる事は、欲する事に繋がり、自分を出して、また翻弄される。
人間同士ならそれも微笑ましいが、ワインでは通じない様である。